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駆の章
突撃
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《宇垣悠里》
空山隆之介を目の前にすると鼓動が速くなったのがわかった。グランドを背景に椅子に座り、インタビューをする。
三分だけの二人の時間。
「私は空山選手のプレーに勇気を貰いました。決して諦めない姿勢。その強さはどこから来るんですか?」
「許してくれないんで」
「誰がですか?」
「友です。誰よりも大切な人」
「誰よりも?」
「そう。幼い時から一緒に過ごして来たんだ」
「その友達は試合を見て何か言っていましたか?」
「う~ん、喜んでいるかな。たぶん」
「たぶん?」
「もう、聞けないんだ」
「えっ?」
空山隆之介が空を指した。
「天国にいるんだ」
「あっ、亡くなったと?」
あまりの驚きで、博多弁がでてしまった。
空山隆太郎が思わず、笑っている。
「そう。でも、試合の時はアイツが空から降りて来るんだ。だから、俺はグランドに立つ。そして、予選を突破してなるだけ試合をやるんだ」
「今日、午後から時間はありますか?」
「え?」
「一緒にブラジル戦を見ませんか?」
「ブラジル戦?」
「そうです」
「今日はオフだから、行くよ」
「本当?」
「本当」
「約束やけんね」
嬉しくて飛び上がりたい。
空山隆之介を目の前にすると鼓動が速くなったのがわかった。グランドを背景に椅子に座り、インタビューをする。
三分だけの二人の時間。
「私は空山選手のプレーに勇気を貰いました。決して諦めない姿勢。その強さはどこから来るんですか?」
「許してくれないんで」
「誰がですか?」
「友です。誰よりも大切な人」
「誰よりも?」
「そう。幼い時から一緒に過ごして来たんだ」
「その友達は試合を見て何か言っていましたか?」
「う~ん、喜んでいるかな。たぶん」
「たぶん?」
「もう、聞けないんだ」
「えっ?」
空山隆之介が空を指した。
「天国にいるんだ」
「あっ、亡くなったと?」
あまりの驚きで、博多弁がでてしまった。
空山隆太郎が思わず、笑っている。
「そう。でも、試合の時はアイツが空から降りて来るんだ。だから、俺はグランドに立つ。そして、予選を突破してなるだけ試合をやるんだ」
「今日、午後から時間はありますか?」
「え?」
「一緒にブラジル戦を見ませんか?」
「ブラジル戦?」
「そうです」
「今日はオフだから、行くよ」
「本当?」
「本当」
「約束やけんね」
嬉しくて飛び上がりたい。
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