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第4章 遠征
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ユミルは修復道具を部屋で回収してからレインの部屋に向かい、黙々と作業を開始した。
ここ最近は作業中もぽつりぽつりと会話をしていたのだが、今日は全くの無言だ。
「終わりました。」
ユミルがややぶっきらぼうにレインに杖を返すと、レインはいつもの無表情のままじっとユミルを見つめた。
レインは会話が終わるとすぐに視線を外すので、意外な行動である。
「…なんでしょう?」
「君の方こそ、どうしたんだ。」
「え?」
「さっきはずっと黙っていたし、今も機嫌が悪そうだ。」
まさか、この男がユミルの機嫌を気にする日が来るなんて、とユミルは驚く。
それと同時に、ユミルはここに来てからというもの、レインのせいでシルビアの件など気落ちすることが多かったので、思わず困らせることを言いたくなった。
「…シルビア嬢の方が良いなら、私を連れてこなければよかったじゃないですか。」
ユミルは、レインが魔力量に拘らずユミルの技術を買ってくれていることをちゃんと知っていた。しかし、ちゃんと正しく言葉が欲しい。ユミルは面倒くさい彼女のようなことを言ってしまう。
「そんなことは言っていない。」
「…だって、魔力量が違うって、意味ないって、言ったじゃないですか。」
「私は前に、魔力量が少ないからこそ良いと、言っただろう。」
―きゅん。
ユミルは面倒くさそうにせずに真っ直ぐユミルの目を見て言ってくれたレインに胸が高鳴る。
(…いやいやいや!きゅん、じゃないから!!魔力量が少ないから良い、だけで、私が良い、じゃないから!脳内変換が甚だひどいよ!)
ユミルは慌てて高鳴った胸を否定する。
しかし、その言葉を貰って少し気分が上を向いたことには間違いないので、レインに満足そうに笑って「そうですね。」と答える。
レインもユミルの機嫌が元に戻ったのが分かったのか、ほっとしたように少しだけ目元を緩めた。
「今日の巡回はどうでしたか?」
「魔法犯罪者が身を隠している場所は事前の密偵から報告を受けている。ただ、こちらを警戒している様子で中々外には出てこない。逃げ出さないよう交代で包囲しているが、周辺の魔獣が多くて、下手に相手の根城に乗り込むと取り逃がしてしまう。周辺の魔獣を減らしてから着実に攻める。」
レインがここに遠征に来た、ということは確たる証拠があったからなのだろう。思ったよりもすでに解決の見通しが立っているようだとユミルは安心する。
「そうでしたか、お気をつけて。」
「ああ。」
レインは素っ気なく返事をすると、自分の仕事に戻ってしまった。
ユミルは静かに道具を片付けると、レインの部屋を後にした。
ここ最近は作業中もぽつりぽつりと会話をしていたのだが、今日は全くの無言だ。
「終わりました。」
ユミルがややぶっきらぼうにレインに杖を返すと、レインはいつもの無表情のままじっとユミルを見つめた。
レインは会話が終わるとすぐに視線を外すので、意外な行動である。
「…なんでしょう?」
「君の方こそ、どうしたんだ。」
「え?」
「さっきはずっと黙っていたし、今も機嫌が悪そうだ。」
まさか、この男がユミルの機嫌を気にする日が来るなんて、とユミルは驚く。
それと同時に、ユミルはここに来てからというもの、レインのせいでシルビアの件など気落ちすることが多かったので、思わず困らせることを言いたくなった。
「…シルビア嬢の方が良いなら、私を連れてこなければよかったじゃないですか。」
ユミルは、レインが魔力量に拘らずユミルの技術を買ってくれていることをちゃんと知っていた。しかし、ちゃんと正しく言葉が欲しい。ユミルは面倒くさい彼女のようなことを言ってしまう。
「そんなことは言っていない。」
「…だって、魔力量が違うって、意味ないって、言ったじゃないですか。」
「私は前に、魔力量が少ないからこそ良いと、言っただろう。」
―きゅん。
ユミルは面倒くさそうにせずに真っ直ぐユミルの目を見て言ってくれたレインに胸が高鳴る。
(…いやいやいや!きゅん、じゃないから!!魔力量が少ないから良い、だけで、私が良い、じゃないから!脳内変換が甚だひどいよ!)
ユミルは慌てて高鳴った胸を否定する。
しかし、その言葉を貰って少し気分が上を向いたことには間違いないので、レインに満足そうに笑って「そうですね。」と答える。
レインもユミルの機嫌が元に戻ったのが分かったのか、ほっとしたように少しだけ目元を緩めた。
「今日の巡回はどうでしたか?」
「魔法犯罪者が身を隠している場所は事前の密偵から報告を受けている。ただ、こちらを警戒している様子で中々外には出てこない。逃げ出さないよう交代で包囲しているが、周辺の魔獣が多くて、下手に相手の根城に乗り込むと取り逃がしてしまう。周辺の魔獣を減らしてから着実に攻める。」
レインがここに遠征に来た、ということは確たる証拠があったからなのだろう。思ったよりもすでに解決の見通しが立っているようだとユミルは安心する。
「そうでしたか、お気をつけて。」
「ああ。」
レインは素っ気なく返事をすると、自分の仕事に戻ってしまった。
ユミルは静かに道具を片付けると、レインの部屋を後にした。
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