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第二章 棗
1 海へ行ってみた
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内海、というのが、地元に住む若人の指定海水浴場となっているらしい。
フタケによる情報である。
全国一斉に実施される、模擬試験終了記念、という口実のもとに、俺はフタケに誘われるままコトリと共に内海へ繰り出していた。
目的は海水浴ではなく、女の子をナンパすることである。
朝から地下道を通り、冷房の効いた予備校に、日が暮れるまで缶詰の日々を送る身には、遮るものもなく、燦々と照りつける太陽はまぶしく、日光を照り返して輝く砂浜と、青々とした海の組み合わせは、異世界に来たぐらいのインパクトがあった。
「タカ、色白いよなあ」
「俺だって結構白いよ」
「海の男に見えるのは俺だけか」
年中日焼け顔のフタケは、きわどいビキニラインの海水パンツをはいており、焼けムラや衣服の線もない、全身きれいな小麦色だった。
へそから下に向かって毛が行列することもなく、ばっちり全身脱毛済みで、頭髪はふさふさである。
コトリと俺は、慌てて買ったトランクス型の水着である。ビキニのパンツなど、恥ずかしくてはけない。脱毛もしていないし。
目当ての高校生は、まだ夏休みに入ったか入らないか微妙な時期で、とうに長い夏休みに突入した大学生らしい一群、会社の旅行らしきグループが目立つ。
ぼちぼち見かける女性2人連れが高校生なのか大学生なのか、水着姿を一瞥しただけでは区別できなかった。意外と3人組は見つからないものだ。
俺たちは海の家で借りたパラソルの下にめいめい腰を下ろした。ビーチボールなどの遊び道具は、フタケが用意してきた。
「お盆休みは皆どうするの」
浪人生に夏休みはない。一応旧盆中だけ講義は休みだが、終われば試験が待っている。
「僕は実家に帰らないと」
「ユーキは?」
「同級会があるって、連絡がきたんだけど、まだ決めていない」
「浪人の身で同級会に出る奴おるか」
フタケがあきれた顔つきをした。俺もそれで迷っている。
開催を教えてくれた母も、本来なら、大学に合格するまで出るなと言うに決まっているのに、家を出てから一度も顔を見ない寂しさから、出席するよう勧めてきたに過ぎない。
母の思惑や自分のことはともかく、他の同級生の消息を知りたい、という気持ちはあった。
故郷にいれば自然耳に入る噂も、遠方にいては届かない。まして浪人中の身である。
「やめとけやめとけ。お前の故郷の子に来てもらって、一緒に遊ぼう。結構可愛い顔しとるそうがね」
「誰?」
コトリが不思議そうに尋ねる。俺は苦笑いした。フタミのことだ。権堂遥華から聞いたのであろう。
もしまたフタミがこの地へ足を踏み入れたら、途端に遥華に捕まって研究に協力させられるのだ。筆下ろしも、してもらえるかもしれない。
むしろ、そっちがメインかも。遥華は、童貞卒業のお手伝いが趣味だそうである。
これもフタケ情報だ。
コトリも遥華に童貞を捧げたのだが、彼には俺と遥華のことは知らされていない。
俺の考えを読み取ったように、フタケが慌てて話を逸らす。
「前にちょっと話に聞いただけだわ。それより、ここで喋っとってもつまらん。ちょっと海へ入って遊ばんか」
早口で言い、ビーチボールを持って立ち上がった。俺とコトリも後を追う。
パラソルの日陰から出ると、強い日差しが肌を直撃して、焦げるような熱さを感じた。砂浜はまだそこまで熱せられておらず、素足で掴む温かい砂の感触が、心地よい。海へ入った途端、青い水が火照った体を冷やす。
「いくに」
ボールがふわっと飛んでくる。フタケはもう胸まで浸かる深さまで進んでいた。
俺は手前に落ちたボールを捉えようと、少しばかり泳ぐ真似をした。
コトリが先にボールに届き、フタケに投げ返した。大きな波がボールをてっぺんに乗せ、浜辺へ打ち寄せようとした。
俺は追いかけ、浜へ向かって泳いだ。
波に乗って、自分がひどく速く泳げるように錯覚するのが、楽しい。追いついて、ボールを抱え立ち上がると、股下ぐらいの深さしかなかった。
フタケもコトリも遠くにいる。振りかぶって思い切り投げた。
海水で手が滑り、軽いビーチボールは、狙ったのとまるっきり違った方へ飛んだ。
「きゃあ」
痛い筈はない。驚いたのだろう。浮き輪で遊んでいた女の子たちが振り向いた。3人組だった。まるで、俺たちのために、誰かが用意してくれたみたいだった。
すかさずフタケが側へ泳いでいくのを見て、俺は彼が最初からそのつもりでボール遊びを始めたことに、遅まきながら気付いた。
フタケは、女の子と遊ぶことに関しては、天才的に気が回る。普段予備校での様子を見ても、頭の良さを感じる。浪人生活を送っていることが不思議なくらいだった。
そこへ行くとコトリは、決して頭は悪くないものの、本番に弱いタイプである。異性に限らず、人見知りもする。
フタケが6人で遊ぶよう、話をまとめたのだろう。女の子が俺に向かって、ボールを投げた。
ボールはほとんど飛ばなかった。
俺は波にさらわれないうちに、近くまで泳いだ。コトリが少し離れて、所在なげに浮いている。わざとコトリの手前辺りにボールを落とすと、嬉しそうに近寄ってきた。
女の子たちの方が力がないのか、互いの距離はどうしても近くなる。ボールの行方を追いつつ観察したが、高校生なのか大学生なのか、判別がつかなかった。
何回か投げ合っているうちに、流されて波打ち際まで来てしまった。
「あはは、ちょっと休みゃあか」
フタケの声を合図に、皆で砂浜へ上がった。
「荷物置いてあるところ、遠いの? 近くに俺たちパラソルあるで、日陰に入って休めるがね。何か冷たいものでも飲む? ユーキとコトリ、買い出しに行ってきて」
てきぱきと段取りを整えるフタケに圧倒され、言われるままに、俺はコトリと海の家へ向かった。
「ふうたは凄腕だよなあ。すぐ女の子と仲良くなれるものなあ」
適当に種類を取り混ぜて頼んだジュースを待つ間、コトリは独り言のように呟いた。
「でも、ずっと付き合っている人は、いないんじゃないか」
「あんなにもてるなら、1人に決められないのも無理ないよ」
そういう問題なのだろうか。俺は返事をしなかった。コトリは返事に頓着せず、ジュースを両手で挟むようにして3つ持った。俺と2人で6人分である。
本当はホットドッグでも食べたいところであったが、文字通り手が足りない。
パラソルでは、狭い日陰におしくらまんじゅうのように3人の女の子がひしめいて、フタケは熱い砂浜にはみだしていた。俺たちの姿を目敏く捉え、大仰に手を振る。
「おう、遅かったじゃにゃあ」
時計を持っていないので、遅いか早いかわからない。フタケはダイバーウォッチをはめていたが、時間を見ずに言った。挨拶代わりなのだ。
ジュースをそれぞれに手渡して、意味もなく乾杯した。水分が補給された途端に、新たな汗が噴き出る。冷たい液体は一瞬で喉を通り過ぎた。
「うみゃあ。結構喉乾くわな」
色白で、腰にフリルのついた水色の水着をつけた娘が言った。肌が弱いのか、むきだしになった肩のあたりが大分赤味を帯びている。
「名字がコトリで名前がタカオって、しゃれとるわね」
もともと色が黒いのか、熱帯地方に住む人間のように肌の黒い娘が言った。
唇は光沢のある白っぽい色に染まっている。髪の毛はかなり茶色がかって大分痛んだ感じが残念だ。日光浴のし過ぎといったところか。
蛍光色の入った朱色と黄色の大胆なビキニをつけていて、ややぽちゃっとした体型もあって、胸元は布からこぼれ落ちんばかりに盛り上がっていた。
コトリはいつも言われることなので、えへへと、しかし嬉しそうに笑った。いない間にフタケが名前を教えたらしい。俺たちはまだ、女の子たちの名前を知らなかった。
「美月、結構焼けてきてまったわ。日焼け止めクリームを塗り直した方がええんじゃにゃ」
「俺たちが塗ってあげるがね」
すかさずフタケが名乗りを上げる。美月と呼ばれた色白の娘がためらうのも構わず、色黒の娘がジュースの入れ物を高々と上げた。空っぽである。
「はいはーい。じゃあ、あたしにはサンオイル塗って」
「日焼け止めとオイル持ってくるわ」
塗り直した方がいい、と言った娘が立ち上がった。小麦色の健康的な肌に、ビキニではないが、布を巻き付けたような露出度の高い水着をつけていた。
「あ、俺ゴミ片付けるがね。飲み終わった人」
全員からゴミを手早く受け取り、フタケが荷物を取りに行った娘を追いかけた。後には4人の男女が残された。
フタケによる情報である。
全国一斉に実施される、模擬試験終了記念、という口実のもとに、俺はフタケに誘われるままコトリと共に内海へ繰り出していた。
目的は海水浴ではなく、女の子をナンパすることである。
朝から地下道を通り、冷房の効いた予備校に、日が暮れるまで缶詰の日々を送る身には、遮るものもなく、燦々と照りつける太陽はまぶしく、日光を照り返して輝く砂浜と、青々とした海の組み合わせは、異世界に来たぐらいのインパクトがあった。
「タカ、色白いよなあ」
「俺だって結構白いよ」
「海の男に見えるのは俺だけか」
年中日焼け顔のフタケは、きわどいビキニラインの海水パンツをはいており、焼けムラや衣服の線もない、全身きれいな小麦色だった。
へそから下に向かって毛が行列することもなく、ばっちり全身脱毛済みで、頭髪はふさふさである。
コトリと俺は、慌てて買ったトランクス型の水着である。ビキニのパンツなど、恥ずかしくてはけない。脱毛もしていないし。
目当ての高校生は、まだ夏休みに入ったか入らないか微妙な時期で、とうに長い夏休みに突入した大学生らしい一群、会社の旅行らしきグループが目立つ。
ぼちぼち見かける女性2人連れが高校生なのか大学生なのか、水着姿を一瞥しただけでは区別できなかった。意外と3人組は見つからないものだ。
俺たちは海の家で借りたパラソルの下にめいめい腰を下ろした。ビーチボールなどの遊び道具は、フタケが用意してきた。
「お盆休みは皆どうするの」
浪人生に夏休みはない。一応旧盆中だけ講義は休みだが、終われば試験が待っている。
「僕は実家に帰らないと」
「ユーキは?」
「同級会があるって、連絡がきたんだけど、まだ決めていない」
「浪人の身で同級会に出る奴おるか」
フタケがあきれた顔つきをした。俺もそれで迷っている。
開催を教えてくれた母も、本来なら、大学に合格するまで出るなと言うに決まっているのに、家を出てから一度も顔を見ない寂しさから、出席するよう勧めてきたに過ぎない。
母の思惑や自分のことはともかく、他の同級生の消息を知りたい、という気持ちはあった。
故郷にいれば自然耳に入る噂も、遠方にいては届かない。まして浪人中の身である。
「やめとけやめとけ。お前の故郷の子に来てもらって、一緒に遊ぼう。結構可愛い顔しとるそうがね」
「誰?」
コトリが不思議そうに尋ねる。俺は苦笑いした。フタミのことだ。権堂遥華から聞いたのであろう。
もしまたフタミがこの地へ足を踏み入れたら、途端に遥華に捕まって研究に協力させられるのだ。筆下ろしも、してもらえるかもしれない。
むしろ、そっちがメインかも。遥華は、童貞卒業のお手伝いが趣味だそうである。
これもフタケ情報だ。
コトリも遥華に童貞を捧げたのだが、彼には俺と遥華のことは知らされていない。
俺の考えを読み取ったように、フタケが慌てて話を逸らす。
「前にちょっと話に聞いただけだわ。それより、ここで喋っとってもつまらん。ちょっと海へ入って遊ばんか」
早口で言い、ビーチボールを持って立ち上がった。俺とコトリも後を追う。
パラソルの日陰から出ると、強い日差しが肌を直撃して、焦げるような熱さを感じた。砂浜はまだそこまで熱せられておらず、素足で掴む温かい砂の感触が、心地よい。海へ入った途端、青い水が火照った体を冷やす。
「いくに」
ボールがふわっと飛んでくる。フタケはもう胸まで浸かる深さまで進んでいた。
俺は手前に落ちたボールを捉えようと、少しばかり泳ぐ真似をした。
コトリが先にボールに届き、フタケに投げ返した。大きな波がボールをてっぺんに乗せ、浜辺へ打ち寄せようとした。
俺は追いかけ、浜へ向かって泳いだ。
波に乗って、自分がひどく速く泳げるように錯覚するのが、楽しい。追いついて、ボールを抱え立ち上がると、股下ぐらいの深さしかなかった。
フタケもコトリも遠くにいる。振りかぶって思い切り投げた。
海水で手が滑り、軽いビーチボールは、狙ったのとまるっきり違った方へ飛んだ。
「きゃあ」
痛い筈はない。驚いたのだろう。浮き輪で遊んでいた女の子たちが振り向いた。3人組だった。まるで、俺たちのために、誰かが用意してくれたみたいだった。
すかさずフタケが側へ泳いでいくのを見て、俺は彼が最初からそのつもりでボール遊びを始めたことに、遅まきながら気付いた。
フタケは、女の子と遊ぶことに関しては、天才的に気が回る。普段予備校での様子を見ても、頭の良さを感じる。浪人生活を送っていることが不思議なくらいだった。
そこへ行くとコトリは、決して頭は悪くないものの、本番に弱いタイプである。異性に限らず、人見知りもする。
フタケが6人で遊ぶよう、話をまとめたのだろう。女の子が俺に向かって、ボールを投げた。
ボールはほとんど飛ばなかった。
俺は波にさらわれないうちに、近くまで泳いだ。コトリが少し離れて、所在なげに浮いている。わざとコトリの手前辺りにボールを落とすと、嬉しそうに近寄ってきた。
女の子たちの方が力がないのか、互いの距離はどうしても近くなる。ボールの行方を追いつつ観察したが、高校生なのか大学生なのか、判別がつかなかった。
何回か投げ合っているうちに、流されて波打ち際まで来てしまった。
「あはは、ちょっと休みゃあか」
フタケの声を合図に、皆で砂浜へ上がった。
「荷物置いてあるところ、遠いの? 近くに俺たちパラソルあるで、日陰に入って休めるがね。何か冷たいものでも飲む? ユーキとコトリ、買い出しに行ってきて」
てきぱきと段取りを整えるフタケに圧倒され、言われるままに、俺はコトリと海の家へ向かった。
「ふうたは凄腕だよなあ。すぐ女の子と仲良くなれるものなあ」
適当に種類を取り混ぜて頼んだジュースを待つ間、コトリは独り言のように呟いた。
「でも、ずっと付き合っている人は、いないんじゃないか」
「あんなにもてるなら、1人に決められないのも無理ないよ」
そういう問題なのだろうか。俺は返事をしなかった。コトリは返事に頓着せず、ジュースを両手で挟むようにして3つ持った。俺と2人で6人分である。
本当はホットドッグでも食べたいところであったが、文字通り手が足りない。
パラソルでは、狭い日陰におしくらまんじゅうのように3人の女の子がひしめいて、フタケは熱い砂浜にはみだしていた。俺たちの姿を目敏く捉え、大仰に手を振る。
「おう、遅かったじゃにゃあ」
時計を持っていないので、遅いか早いかわからない。フタケはダイバーウォッチをはめていたが、時間を見ずに言った。挨拶代わりなのだ。
ジュースをそれぞれに手渡して、意味もなく乾杯した。水分が補給された途端に、新たな汗が噴き出る。冷たい液体は一瞬で喉を通り過ぎた。
「うみゃあ。結構喉乾くわな」
色白で、腰にフリルのついた水色の水着をつけた娘が言った。肌が弱いのか、むきだしになった肩のあたりが大分赤味を帯びている。
「名字がコトリで名前がタカオって、しゃれとるわね」
もともと色が黒いのか、熱帯地方に住む人間のように肌の黒い娘が言った。
唇は光沢のある白っぽい色に染まっている。髪の毛はかなり茶色がかって大分痛んだ感じが残念だ。日光浴のし過ぎといったところか。
蛍光色の入った朱色と黄色の大胆なビキニをつけていて、ややぽちゃっとした体型もあって、胸元は布からこぼれ落ちんばかりに盛り上がっていた。
コトリはいつも言われることなので、えへへと、しかし嬉しそうに笑った。いない間にフタケが名前を教えたらしい。俺たちはまだ、女の子たちの名前を知らなかった。
「美月、結構焼けてきてまったわ。日焼け止めクリームを塗り直した方がええんじゃにゃ」
「俺たちが塗ってあげるがね」
すかさずフタケが名乗りを上げる。美月と呼ばれた色白の娘がためらうのも構わず、色黒の娘がジュースの入れ物を高々と上げた。空っぽである。
「はいはーい。じゃあ、あたしにはサンオイル塗って」
「日焼け止めとオイル持ってくるわ」
塗り直した方がいい、と言った娘が立ち上がった。小麦色の健康的な肌に、ビキニではないが、布を巻き付けたような露出度の高い水着をつけていた。
「あ、俺ゴミ片付けるがね。飲み終わった人」
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