金瞳の王子は黒猫少年を溺愛する

小鳥遊ゆう

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49 計画

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「実は村長から大体聞いてる。」

朝ご飯のサラダをモシャモシャと食べながらレイは言った。

「えっ!そうなの!?ち、ちなみにどこまで……?」

「えっとーフェアンが実は王子様ってことだろ?あとプロポーズした日に王宮のやつに見つかって帰ったってことくらい?」

アリンは頭を抱えた。まさかここまでレイに伝わってるとは思わなかったからだ。

「まぁ村長を責めんなよ?かなり心配してたからさ。俺だけにしか言ってないぜ。内密にって念押しされたからな。」

眉を下げながら笑うとアリンの猫耳と頭をポンポンと優しく叩いた。

「びっくりしなかったの?」

頭を抱えたまま目だけをレイに向けて不安気に聞くとレイはうーんと首を捻り少し困った顔をした。

「びっくりはしたけどさ、まぁなんか納得した。あいつ普通じゃないからさ。……で、アリンはこれからどうしたい?泣き寝入りか?」

「フェアンとは……もう会えないでしょ。王子様だし……。きっとフェアンは女の人と結婚して子供を作って僕のことは無かったことになるんだと思う。」

フェアンの事を思うと胸が苦しくなって涙が溢れてくる。
その度にやっぱりフェアンの事を忘れられないんだと、思い知らされる。

「なんで会えないんだ?」

レイの言葉に思わずガバッと顔をあげた。

「だって無理に決まってる!!」

「会う事くらいは出来るかもしれねーだろ。ほら、デリアのマーケットに行くとか。」

デリアのマーケットと会える事がどう繋がるのかわからず首を傾げるとレイは持っていたフォークを置いて話し出した。

「母さんが昔言ってたんだけどさ、デリアの近くは王宮のやつらが時々巡回するんだと。もしかしたら来るかもしれねぇぞ?まぁ俺達猫獣人が大手を振ってノスティア出れるのってその時くらいだしな?」

フェアンに会えるかもしれない。それが例え0に近い可能性だったとしても!それだけで胸が希望に震える。

「行く!デリアのマーケットに!」

椅子が立ち上がりそう宣言するとレイは二っと笑いながら立ちあがった。

「そう言うと思ったぜ!」

それから2人はデリアのマーケットに行く計画を立てた。初めアリンは1人で行くと言って聞かなかったがレイの1人では危険という助言もあり必ずレイと一緒に行くと決めた。そして単独行動は決してしない事。「アリンは無鉄砲なとこあるから!」と口酸っぱく言われてしまった。

「あとね、レイ。これは僕の希望なんだけど、ノスティアのみんなの為にもマーケットに行きたいんだ。」

「それって……!」

「うん。お父さんとお母さんみたいにマーケットに行けない猫獣人のために日用品とか買いたいんだ…!」

アリンは目を輝かせながらレイに話して聞かせたがそれに反しレイは呆れたようにため息をついた。

「何言ってんだ。お前忘れたわけじゃないだろう?あんな山道、荷車押して行くなんて無理だ。危険すぎる。」

鼻から聞く耳を持たないレイは、アリンの話を流そうとしたがそれでもアリンは諦めることはなかった。





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