319 / 665
第4章 魔術学園奮闘編
第319話 お前、それは生殺与奪の権を握っているということじゃないか。
しおりを挟む
「どんぐりだと? どんぐりがどうした?」
ドリーには何のことかわからなかった。
「『遠当ての極み』です、ドリーさん。賭けをしたじゃありませんか?」
「ああ、あの時か。あのどんぐりがどうした?」
あの時ステファノは、どんぐりのイドに自らのイドを練り込んで識別信号代わりにした。
「自分のイドは、自分と共に常に変化します。そのお陰で時が流れても識別できるんじゃないかと」
「ふうむ。対象のイドに自分のイドを混ぜ込んでおけば、後々距離に関係なく呼び出せるということか?」
そう言えばチャンに魔力を認識させようとした時、ステファノは彼女のイドに自分のイドを練り込んだ。
(あのイドはまだ残っているのだろうか?)
ステファノは目を瞑り、魔核を呼び出した。ひとつ震わせて周囲に探知の波を送る。
壁や地面を通り抜けて広がった波は、目的としたイドを見つけ跳ね返って来た。
「ああ、やっぱり残っていますね。人や物に練り込んだ自分のイドは、時が経っても探知できるようです」
「お前、それは生殺与奪の権を握っているということじゃないか」
「遠隔魔術をかけられるっていう意味ですか? ええと、そうですね。かけられると思います」
場所と対象の指定が可能だと、ステファノの実感が告げていた。
「とんでもないな」
「うーん。ちょっと良くないですね。そんなつもりではなかったんですが……。消せるものなら消しておきましょう」
ステファノは探知したイドの名残に消滅を命じた。
(散!)
チャンのイドに溶け込んでいたステファノのイドだったものは、周りの空間に広がり、拡散して消えていった。
「あ、消えました。良かった」
図らず得てしまったチャンに対する力を手放すことができて、ステファノは安堵した。
「これは将来の対策を考えておかねばいかんな」
「そうですね。今は俺の他に魔核混入ができる魔術師がいないとしても、将来はわかりませんからね」
上級魔術師の3人であれば、あるいは可能かもしれない。
「魔道具師たちはどうなのだ? 道具に魔力を籠められるなら、人に魔核を埋め込むこともできるのでは?」
「それなんですけど、話を聞く限りではどうも俺のやり方は特別なようです」
魔道具師たちは長い時間をかけて魔力を道具に馴染ませていくと言う。だとすれば、ステファノの方法とは違う。
「普通はイドを練り込むことはしないで、道具のイドに直接魔力を馴染ませているようです」
人よりも極端に薄い物質のイドに魔力を馴染ませるには努力と根気が必要であった。
それこそが魔力付与の難しさであり、魔道具師が少ない理由であった。
「そうか。そもそもイドを操作できる人間がいないのだから、お前のやり方、魔核混入という方法は取りようがないのだな」
「はい、今のところは。ですが、将来イドの操作法を広めたら悪用する人間が出ないとも限りません」
「そうだろうな。悪事を働くのにこれほど便利なことはないだろうよ」
相手の体内にGPSと毒薬カプセルを埋め込むようなものだ。抜き身の剣をばらまいて歩くようなことになりかねない。
「全員がイドを制御できれば問題ないんですがね。自分のイドをいじられればすぐにわかりますから」
「そうなる前、一部の人間だけがイドを操れるという状況が危ないな」
まだまだ先のこととはいえ、今から考えておく必要があるとステファノは感じた。間違いが起きてからでは取り返しがつかないのだ。
「ヨシズミ師匠ならどうするだろう……。そうだ! リミッターか!」
「ん? リミッターとは何だ?」
思わず口走ったステファノだが、ヨシズミが異世界からの迷い人であることは話せない。魔視鏡のことには触れないまま、能力解放に合わせて行う制限としてリミッターのことを説明した。
「要するに悪意を持って人を攻撃することができなくなるということか?」
「そうです。自分や他人を守るためであれば魔力を使うことができます。人を害する目的では使えなくするわけです」
イドの制御を覚醒させる時に、リミッターも同時に埋め込めば問題は防止できるように思われた。
「ヨシズミ師匠ならリミッターの詳しい術式を知っていると思います。それを学ぶまではイドの解放はできませんね」
「それが良い。お前のような輩がそこら中にあふれた世の中を想像すると、鳥肌が立つからな」
「えぇー? ひどいことを言われている気がしますが、確かにまずいことになるでしょうね」
ステファノは顔をしかめつつも、苦笑するしかなかった。
「お前が『飯屋流』を広める分についてはそれで良いが、他人が独力で覚醒した場合はどうする?」
「うーん。俺自身は自分の身を守れますが、他の人は無防備ですね。お守りでも作れたら……」
「攻撃避けのお守りか? 国宝級のアーティファクトにそんなものがあるそうだが」
「いや、そこまでは考えていません。イドの攻撃を受けたら跳ね返すようなものができないかと」
ステファノがまとっている「イドの繭」を魔道具で再現できれば、あるいは可能かもしれないとステファノは考えた。
「イドの繭自体がマーキングされる可能性があるか。イドの侵入を感知したらそれを排除する機能が必要だな」
(侵入してきたイドを自分のイドで包んで無害化し、ポイと捨てたら良いんじゃないか?)
敵は対象にマーキングしたつもりでいても、実際には道端に捨てられているというわけである。
「音や光で警告することもできそうですが、単純に無害化するのが一番良い気がします」
「騒ぎ立てると敵に対策されることもあるか」
これもまた表に出せないテーマの1つとして研究していくことになりそうだった。
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第320話 報告会当日がこんなに大変だとは思いませんでした。」
12月1日、研究報告会がにぎにぎしく開催された。報告会は2部構成で、発表の部と展示の部に分かれている。
論考を中心とした報告内容は発表の部で、実演や実物を中心とした内容は展示の部で報告されるのが通常であった。
2つの部は会場を分けて同時に行われる。ステファノは両方を掛け持ちしているため、どうしても展示の部には貼りついていられない。発表と発表の合間に展示ブースへ回るという忙しい動きになった。
……
◆お楽しみに。
ドリーには何のことかわからなかった。
「『遠当ての極み』です、ドリーさん。賭けをしたじゃありませんか?」
「ああ、あの時か。あのどんぐりがどうした?」
あの時ステファノは、どんぐりのイドに自らのイドを練り込んで識別信号代わりにした。
「自分のイドは、自分と共に常に変化します。そのお陰で時が流れても識別できるんじゃないかと」
「ふうむ。対象のイドに自分のイドを混ぜ込んでおけば、後々距離に関係なく呼び出せるということか?」
そう言えばチャンに魔力を認識させようとした時、ステファノは彼女のイドに自分のイドを練り込んだ。
(あのイドはまだ残っているのだろうか?)
ステファノは目を瞑り、魔核を呼び出した。ひとつ震わせて周囲に探知の波を送る。
壁や地面を通り抜けて広がった波は、目的としたイドを見つけ跳ね返って来た。
「ああ、やっぱり残っていますね。人や物に練り込んだ自分のイドは、時が経っても探知できるようです」
「お前、それは生殺与奪の権を握っているということじゃないか」
「遠隔魔術をかけられるっていう意味ですか? ええと、そうですね。かけられると思います」
場所と対象の指定が可能だと、ステファノの実感が告げていた。
「とんでもないな」
「うーん。ちょっと良くないですね。そんなつもりではなかったんですが……。消せるものなら消しておきましょう」
ステファノは探知したイドの名残に消滅を命じた。
(散!)
チャンのイドに溶け込んでいたステファノのイドだったものは、周りの空間に広がり、拡散して消えていった。
「あ、消えました。良かった」
図らず得てしまったチャンに対する力を手放すことができて、ステファノは安堵した。
「これは将来の対策を考えておかねばいかんな」
「そうですね。今は俺の他に魔核混入ができる魔術師がいないとしても、将来はわかりませんからね」
上級魔術師の3人であれば、あるいは可能かもしれない。
「魔道具師たちはどうなのだ? 道具に魔力を籠められるなら、人に魔核を埋め込むこともできるのでは?」
「それなんですけど、話を聞く限りではどうも俺のやり方は特別なようです」
魔道具師たちは長い時間をかけて魔力を道具に馴染ませていくと言う。だとすれば、ステファノの方法とは違う。
「普通はイドを練り込むことはしないで、道具のイドに直接魔力を馴染ませているようです」
人よりも極端に薄い物質のイドに魔力を馴染ませるには努力と根気が必要であった。
それこそが魔力付与の難しさであり、魔道具師が少ない理由であった。
「そうか。そもそもイドを操作できる人間がいないのだから、お前のやり方、魔核混入という方法は取りようがないのだな」
「はい、今のところは。ですが、将来イドの操作法を広めたら悪用する人間が出ないとも限りません」
「そうだろうな。悪事を働くのにこれほど便利なことはないだろうよ」
相手の体内にGPSと毒薬カプセルを埋め込むようなものだ。抜き身の剣をばらまいて歩くようなことになりかねない。
「全員がイドを制御できれば問題ないんですがね。自分のイドをいじられればすぐにわかりますから」
「そうなる前、一部の人間だけがイドを操れるという状況が危ないな」
まだまだ先のこととはいえ、今から考えておく必要があるとステファノは感じた。間違いが起きてからでは取り返しがつかないのだ。
「ヨシズミ師匠ならどうするだろう……。そうだ! リミッターか!」
「ん? リミッターとは何だ?」
思わず口走ったステファノだが、ヨシズミが異世界からの迷い人であることは話せない。魔視鏡のことには触れないまま、能力解放に合わせて行う制限としてリミッターのことを説明した。
「要するに悪意を持って人を攻撃することができなくなるということか?」
「そうです。自分や他人を守るためであれば魔力を使うことができます。人を害する目的では使えなくするわけです」
イドの制御を覚醒させる時に、リミッターも同時に埋め込めば問題は防止できるように思われた。
「ヨシズミ師匠ならリミッターの詳しい術式を知っていると思います。それを学ぶまではイドの解放はできませんね」
「それが良い。お前のような輩がそこら中にあふれた世の中を想像すると、鳥肌が立つからな」
「えぇー? ひどいことを言われている気がしますが、確かにまずいことになるでしょうね」
ステファノは顔をしかめつつも、苦笑するしかなかった。
「お前が『飯屋流』を広める分についてはそれで良いが、他人が独力で覚醒した場合はどうする?」
「うーん。俺自身は自分の身を守れますが、他の人は無防備ですね。お守りでも作れたら……」
「攻撃避けのお守りか? 国宝級のアーティファクトにそんなものがあるそうだが」
「いや、そこまでは考えていません。イドの攻撃を受けたら跳ね返すようなものができないかと」
ステファノがまとっている「イドの繭」を魔道具で再現できれば、あるいは可能かもしれないとステファノは考えた。
「イドの繭自体がマーキングされる可能性があるか。イドの侵入を感知したらそれを排除する機能が必要だな」
(侵入してきたイドを自分のイドで包んで無害化し、ポイと捨てたら良いんじゃないか?)
敵は対象にマーキングしたつもりでいても、実際には道端に捨てられているというわけである。
「音や光で警告することもできそうですが、単純に無害化するのが一番良い気がします」
「騒ぎ立てると敵に対策されることもあるか」
これもまた表に出せないテーマの1つとして研究していくことになりそうだった。
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第320話 報告会当日がこんなに大変だとは思いませんでした。」
12月1日、研究報告会がにぎにぎしく開催された。報告会は2部構成で、発表の部と展示の部に分かれている。
論考を中心とした報告内容は発表の部で、実演や実物を中心とした内容は展示の部で報告されるのが通常であった。
2つの部は会場を分けて同時に行われる。ステファノは両方を掛け持ちしているため、どうしても展示の部には貼りついていられない。発表と発表の合間に展示ブースへ回るという忙しい動きになった。
……
◆お楽しみに。
0
Amebloにて研究成果報告中。小説情報のほか、「超時空電脳生活」「超時空日常生活」「超時空電影生活」などお題は様々。https://ameblo.jp/hyper-space-lab
お気に入りに追加
104
あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

望んでいないのに転生してしまいました。
ナギサ コウガ
ファンタジー
長年病院に入院していた僕が気づいたら転生していました。
折角寝たきりから健康な体を貰ったんだから新しい人生を楽しみたい。
・・と、思っていたんだけど。
そう上手くはいかないもんだね。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜
西園寺わかば🌱
ファンタジー
公爵家に生まれたエリクは転生者である。
4歳の頃、前世の記憶が戻って以降、知識無双していた彼は気づいたら不自由極まりない生活を送るようになっていた。
そんな彼はある日、追放される。
「よっし。やっと追放だ。」
自由を手に入れたぶっ飛んび少年エリクが、ドラゴンやフェンリルたちと気ままに旅先を決めるという物語。
- この話はフィクションです。
- カクヨム様でも連載しています。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

序盤でざまぁされる人望ゼロの無能リーダーに転生したので隠れチート主人公を追放せず可愛がったら、なぜか俺の方が英雄扱いされるようになっていた
砂礫レキ
ファンタジー
35歳独身社会人の灰村タクミ。
彼は実家の母から学生時代夢中で書いていた小説をゴミとして燃やしたと電話で告げられる。
そして落ち込んでいる所を通り魔に襲われ死亡した。
死の間際思い出したタクミの夢、それは「自分の書いた物語の主人公になる」ことだった。
その願いが叶ったのか目覚めたタクミは見覚えのあるファンタジー世界の中にいた。
しかし望んでいた主人公「クロノ・ナイトレイ」の姿ではなく、
主人公を追放し序盤で惨めに死ぬ冒険者パーティーの無能リーダー「アルヴァ・グレイブラッド」として。
自尊心が地の底まで落ちているタクミがチート主人公であるクロノに嫉妬する筈もなく、
寧ろ無能と見下されているクロノの実力を周囲に伝え先輩冒険者として支え始める。
結果、アルヴァを粗野で無能なリーダーだと見下していたパーティーメンバーや、
自警団、街の住民たちの視線が変わり始めて……?
更新は昼頃になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる