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眠りの巫女の運命は?
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すると条件反射のように、細い腕が首元に伸びてきた。
絡みつくように抱きしめられた肌から、まだ熱のある体温が伝わる。
顔を擦り寄せられ、吐息がかかるとともに、虚に潤んだ瞳と視線が交わる。
いつもと違い甘えるような動きを見せる夢穂に、影雪の胸が高鳴り、白い額と頬に紅が差した。
「……夢穂、俺にしてほしいことがあれば、なんでも言ってくれ」
夢穂の部屋である寝室に向かいながら、影雪は優しく語りかけた。
木製の廊下を踏みしめる音とともに「影雪、影雪」と、うわ言のような声が漏れた。
霞んでゆく意識の中で、夢穂は初めて自分の心の声を聞いた気がした。
「……私が、目覚めた時、側に、い、て」
弱々しい呼吸に混じり、消えるようにこぼれた言葉。それは眠りの巫女としてではなく、ただの恋する少女の本音だった。
「もちろんだ、離れろと言われても離れないからな」
答えを聞かずして、夢穂はすやすやと寝息をたて始めた。
安心しきった子供のような寝顔を、影雪は愛おしさに満ちた目で見つめていた。
「おやすみ、夢穂……よく眠れるといいな」
影雪は知らなかった。
これが眠りの巫女の末期症状であることを。
絡みつくように抱きしめられた肌から、まだ熱のある体温が伝わる。
顔を擦り寄せられ、吐息がかかるとともに、虚に潤んだ瞳と視線が交わる。
いつもと違い甘えるような動きを見せる夢穂に、影雪の胸が高鳴り、白い額と頬に紅が差した。
「……夢穂、俺にしてほしいことがあれば、なんでも言ってくれ」
夢穂の部屋である寝室に向かいながら、影雪は優しく語りかけた。
木製の廊下を踏みしめる音とともに「影雪、影雪」と、うわ言のような声が漏れた。
霞んでゆく意識の中で、夢穂は初めて自分の心の声を聞いた気がした。
「……私が、目覚めた時、側に、い、て」
弱々しい呼吸に混じり、消えるようにこぼれた言葉。それは眠りの巫女としてではなく、ただの恋する少女の本音だった。
「もちろんだ、離れろと言われても離れないからな」
答えを聞かずして、夢穂はすやすやと寝息をたて始めた。
安心しきった子供のような寝顔を、影雪は愛おしさに満ちた目で見つめていた。
「おやすみ、夢穂……よく眠れるといいな」
影雪は知らなかった。
これが眠りの巫女の末期症状であることを。
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