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僕の母様と父様
16.親族枠だから大丈夫
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今日この日の為に、お祖母様がやって来てお父様と一緒に、母様と僕たちのお洋服をあーだこーだ言いながら仕立てた。
もちろん実際に仕立てたのは、お針子さん達やそのお針子さん達が勤めている仕立て屋の人達だけれども。
ルナだけはきゃっきゃきゃっきゃ言いながら沢山の布に囲まれて楽しそうだった。
母様と僕は、もう終わる頃にはぐったりで、洋服を仕立てるのがこんなにも大変なのかと思い知った。
父様の洋服は仕立てなくてもいいのかと聞いたら「俺はガイのをベースに合わせるから、メインはガイと君たちだよ。」って言われた。
何事も母様ファースト。
実際の母様はヘロヘロになっていたけども。
でも僕はその時知らなかったんだ。
なんで何着もお披露目の洋服を仕立てた理由とか。
温泉施設のお披露目は3日後だって聞いていたのに、今日もお披露目するんだって聞いた時には吃驚したんだよ。
だって、だってそれが王族限定のお披露目会って言うんだからさ。
なんで王族?母様やっぱり王家に認められた黒龍の神子様だからなのでは?と思ったが理由は違った。
母様の兄様、僕にとっては叔父が王子様と結婚したらしい。なので、親族枠の特別事前招待って事になるらしい。
落ち着かずにソワソワと歩き回ってしまう。
尻尾も自分の意思とは関係なしにしゅんと垂れ下がってフラフラ揺れる。
そんな僕を見かねてエディスが声を掛けてくれる。
「ソラ様大丈夫ですよ。殿下もお優しい方ですし、ガイウス様のお兄様方もガイウス様を受け入れるくらいお心の広い方達なので。」
「待って母様のお兄さんって1人じゃないの!?」
「3人おりますよ。先程も1度伝えましたが、」
「王子様と結婚したって所に意識が集中しすぎて右から左だったかも!ちょっと待って3人!?」
「はい。1番上のお兄様が殿下とご結婚致しまして、昨年の冬にお子が生まれております。双子だったんですよ。」
「じゃぁ今日はそのお子様たちも?」
「はい、その予定です。」
「粗相が無いようにしないと。」
「それはそうなのですが。ソラ様とりあえず一旦立ち止まりましょう?」
「あぁぁ~。」
嘘、僕ずっとうろちょろしてた!?
意識して立ち止まっても今度は忙しなく尻尾が動いてしまう。
すると遠くからガラガラと荷馬車のような音が微かに聞こえて来た。
「えっ、もう来ちゃった!?」
「へ、ソラ様耳良すぎじゃないですか??ここ建物の中ですよ?」
そう言ってエディスは窓を開けて耳を済ました。
「あー、本当ですね。まだ遠いですけど来てますね!」
エディスに言われたらいよいよ緊張してきた。
王族と言っても親族枠だから!親族枠だから!一応!!
エディスに促されて、エントランスホールに集まる。ルナはどんな理解をしているのかルンルンと楽しみにしていて、僕もルナほど幼かったらとどれほど羨んだ事か。
皆集まったところで、外に移動する。
緊張で待ち時間なんかあっという間にすぎて、豪奢な馬車が3台と、それよりも少し装飾が控えめな馬車が2台、周りには警備兵と思われる人が沢山。
1番初めの馬車からは、深い赤い髪色の人と黒い髪の人がそれぞれネコの赤ちゃんを抱いて降りてきた。
殿下は黒い髪の方だから、もう1人の赤い髪色の人が母様のお兄様だ。そしてそれぞれ抱いているのが昨年の冬に生まれた子息様かな。
次の馬車からは何度か来てくださったお祖母様、とお祖母様より濃い赤色の壮年の男性。肩幅も胸板も厚くてとても強そうだ。
考えもしてなかったけど、多分お爺様、かな。怒らせたら怖そうだから、尚更粗相が無いようにしないと。
そして最後の豪華な馬車からは、赤い髪色の男性2人と、白い人。
えっと、赤髪の人達が母様のお兄様だよね。白い人は?アレそういえばエディスがなにか、白い人って言ってたな、えーと、なんだっけ?
魔術がすごい人?だっけ?
なんでそんな人が?
父様と母様が出迎えの挨拶を終えてから僕たちが呼ばれる、そういう流れだったはずなのだが。
殿下に赤ちゃんを突きつけられて必死に断ってる母様と、それを見て笑ってる人達。
見た感じじゃれあっていて仲が良さそうで安心する。エディスが言っていた通り優しい方たちなんだろうな。
でも、打ち合わせした流れじゃなくて、いつ僕たちは自己紹介するんだ?とこの後の流れに不安しかない。
その光景を心臓をバクバク鳴らしながら見ていると、お爺様と思しき人がこっちを指さした。
その流れで皆が僕たちの方に集まってくる。
い、いよいよだ!
「殿下方、こちらのソラとルナが俺たちの新しい家族です!」
母様が打ち合わせ通りの口上を述べる。
「お初にお目に掛かります。この度、縁あって養子にさせて頂きました、ソラです。こちらは弟のルナです。どうぞ、よろしくお願い致します!」
「ルナです!よろしくお願いいたしますっ!」
僕もルナも噛まずに言えた!よし!
と思ったら殿下が「親子?どっちかって言うと兄弟じゃないか?ガイウス。」と言った。
「え?」
「親子ですけれど?書類に判を押したのは殿下と聞きましたけど?」
母様が殿下の発言に食ってかかる。
ぼ、僕の発言が失礼に取られなくて良かったと安堵したのと同時に、兄弟ってどういう事?と疑問が浮かぶ。
そういえば母様って何歳なんだろう?
もちろん実際に仕立てたのは、お針子さん達やそのお針子さん達が勤めている仕立て屋の人達だけれども。
ルナだけはきゃっきゃきゃっきゃ言いながら沢山の布に囲まれて楽しそうだった。
母様と僕は、もう終わる頃にはぐったりで、洋服を仕立てるのがこんなにも大変なのかと思い知った。
父様の洋服は仕立てなくてもいいのかと聞いたら「俺はガイのをベースに合わせるから、メインはガイと君たちだよ。」って言われた。
何事も母様ファースト。
実際の母様はヘロヘロになっていたけども。
でも僕はその時知らなかったんだ。
なんで何着もお披露目の洋服を仕立てた理由とか。
温泉施設のお披露目は3日後だって聞いていたのに、今日もお披露目するんだって聞いた時には吃驚したんだよ。
だって、だってそれが王族限定のお披露目会って言うんだからさ。
なんで王族?母様やっぱり王家に認められた黒龍の神子様だからなのでは?と思ったが理由は違った。
母様の兄様、僕にとっては叔父が王子様と結婚したらしい。なので、親族枠の特別事前招待って事になるらしい。
落ち着かずにソワソワと歩き回ってしまう。
尻尾も自分の意思とは関係なしにしゅんと垂れ下がってフラフラ揺れる。
そんな僕を見かねてエディスが声を掛けてくれる。
「ソラ様大丈夫ですよ。殿下もお優しい方ですし、ガイウス様のお兄様方もガイウス様を受け入れるくらいお心の広い方達なので。」
「待って母様のお兄さんって1人じゃないの!?」
「3人おりますよ。先程も1度伝えましたが、」
「王子様と結婚したって所に意識が集中しすぎて右から左だったかも!ちょっと待って3人!?」
「はい。1番上のお兄様が殿下とご結婚致しまして、昨年の冬にお子が生まれております。双子だったんですよ。」
「じゃぁ今日はそのお子様たちも?」
「はい、その予定です。」
「粗相が無いようにしないと。」
「それはそうなのですが。ソラ様とりあえず一旦立ち止まりましょう?」
「あぁぁ~。」
嘘、僕ずっとうろちょろしてた!?
意識して立ち止まっても今度は忙しなく尻尾が動いてしまう。
すると遠くからガラガラと荷馬車のような音が微かに聞こえて来た。
「えっ、もう来ちゃった!?」
「へ、ソラ様耳良すぎじゃないですか??ここ建物の中ですよ?」
そう言ってエディスは窓を開けて耳を済ました。
「あー、本当ですね。まだ遠いですけど来てますね!」
エディスに言われたらいよいよ緊張してきた。
王族と言っても親族枠だから!親族枠だから!一応!!
エディスに促されて、エントランスホールに集まる。ルナはどんな理解をしているのかルンルンと楽しみにしていて、僕もルナほど幼かったらとどれほど羨んだ事か。
皆集まったところで、外に移動する。
緊張で待ち時間なんかあっという間にすぎて、豪奢な馬車が3台と、それよりも少し装飾が控えめな馬車が2台、周りには警備兵と思われる人が沢山。
1番初めの馬車からは、深い赤い髪色の人と黒い髪の人がそれぞれネコの赤ちゃんを抱いて降りてきた。
殿下は黒い髪の方だから、もう1人の赤い髪色の人が母様のお兄様だ。そしてそれぞれ抱いているのが昨年の冬に生まれた子息様かな。
次の馬車からは何度か来てくださったお祖母様、とお祖母様より濃い赤色の壮年の男性。肩幅も胸板も厚くてとても強そうだ。
考えもしてなかったけど、多分お爺様、かな。怒らせたら怖そうだから、尚更粗相が無いようにしないと。
そして最後の豪華な馬車からは、赤い髪色の男性2人と、白い人。
えっと、赤髪の人達が母様のお兄様だよね。白い人は?アレそういえばエディスがなにか、白い人って言ってたな、えーと、なんだっけ?
魔術がすごい人?だっけ?
なんでそんな人が?
父様と母様が出迎えの挨拶を終えてから僕たちが呼ばれる、そういう流れだったはずなのだが。
殿下に赤ちゃんを突きつけられて必死に断ってる母様と、それを見て笑ってる人達。
見た感じじゃれあっていて仲が良さそうで安心する。エディスが言っていた通り優しい方たちなんだろうな。
でも、打ち合わせした流れじゃなくて、いつ僕たちは自己紹介するんだ?とこの後の流れに不安しかない。
その光景を心臓をバクバク鳴らしながら見ていると、お爺様と思しき人がこっちを指さした。
その流れで皆が僕たちの方に集まってくる。
い、いよいよだ!
「殿下方、こちらのソラとルナが俺たちの新しい家族です!」
母様が打ち合わせ通りの口上を述べる。
「お初にお目に掛かります。この度、縁あって養子にさせて頂きました、ソラです。こちらは弟のルナです。どうぞ、よろしくお願い致します!」
「ルナです!よろしくお願いいたしますっ!」
僕もルナも噛まずに言えた!よし!
と思ったら殿下が「親子?どっちかって言うと兄弟じゃないか?ガイウス。」と言った。
「え?」
「親子ですけれど?書類に判を押したのは殿下と聞きましたけど?」
母様が殿下の発言に食ってかかる。
ぼ、僕の発言が失礼に取られなくて良かったと安堵したのと同時に、兄弟ってどういう事?と疑問が浮かぶ。
そういえば母様って何歳なんだろう?
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