35 / 63
太陽の呪い師
しおりを挟む最近よく不思議な夢を見る。
その夢は現実のようにとてもリアルで、朝起きてからもしばらく身体に余韻が残っていた。
青い瞳の彼と一夜を過ごす。
あれは本当に夢だったんだろうか?
彼の身体の感触が、リアルに肌に残っている。
身体の内側に彼の刻印が押されたように、ジンと熱を持っているのだ。
♢♢♢
「真美様、どうして僕のことは寝室に呼んでくれないのですか?」
スミルは不満そうに可愛い口を尖らせて、私を見た。
彼は呪い師で、いろいろな災いからこの宮殿を守るために奮闘してくれている。
最近は西の街で大きな災害や伝染病が相次いで起こり、しばらく宮殿から離れていて、数日前に戻ってきたばかりだ。
「・・・戻ったばかりで疲れているでしょう?」
もっともらしい言葉を並べて彼を見る。
綺麗な赤髪、くりっとした大きな瞳。身体は小柄で、線が細い。
アザトよりもさらに幼い顔立ちをしている彼は、年齢で言うとハクトとそう変わらないと聞いて私は心底驚いた。
彼は、太陽の力を受ける呪い師。
呪い師には、色々な種類があるらしい。
神仏、精霊など力を借りる存在の違いや、どんなエネルギーを授けてもらうのか。
先日私の寝室に現れた青い瞳の男ザインは、闇の力を受ける呪い師たちの一人らしい。
スミルは太陽。彼ら宵闇の者たちとは、真逆の存在だった。
それにしても幼い。実年齢は30近いらしいが、小学生にしか見えない。
彼の身体の仕組みは、どうなっているのだろう。
さすがにこの幼い彼を寝室に呼ぶのは、気が引けていた。
「真美様、ご心配なさらなくても、年相応の技術は持ち合わせているつもりです。僕の、真美様への愛は本物です。いつでも喜んでお相手させていただきます。」
可愛い顔立ちをしている彼は、顔に似合わずサバサバとはっきりものを言う。
ぐいぐい迫られて、私は今夜彼を寝室に呼ぶ覚悟を決めた。
♢♢♢
「真美様、失礼します。」
その夜、寝室に入ってきた見知らぬ男に、私は動揺を隠せず高い声を上げた。
「だ・・・誰・・・・!?」
その声に、部屋の周りに控えていた騎士たちが、様子を伺っているのがわかる。
彼らが動かないのが何故なのか、私にはわからなかった。
「俺です。スミルです。真美様。」
目の前にいるのは、スミルとは似ても似つかない長身の大人の男性だ。
スラリと長く伸びた手足。服の上からでも鍛えられた逞しい肉体が見てとれる。
肩幅も広く、精悍な顔立ち。
どこからどう見ても、大人の男だ。
スミルの可愛らしくまあるい瞳は、どこにも見当たらない。
男らしくキリッとした意志の強い瞳に見つめられて、私はドキドキが止まらなかった。
「スミル・・・?!」
綺麗な赤毛、という共通点しか見当たらない。
彼が本当にスミルだと言うのなら、顔や身体はもちろん、髪の長さまで変化している。
襟足が長いウルフヘアの男は、参ったなぁという風に、頭に手を当てて苦笑していた。
「昼間の俺は、太陽の力を借りた呪い師の姿をしているんです。本当の俺は、この通り。大人の男です。」
(そんなことって、あり得るの・・・・?!)
目の前にいる逞しい肉体の青年は、魅力的な笑顔を浮かべて私の前に跪く。
(じゃあ今夜の相手は、このイケメン呪い師・・・・?)
想定外の展開に、私はベッドの上の彼を想像しながら胸を高鳴らせていた。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる