上 下
34 / 60

甘い、媚薬

しおりを挟む


中をほぐそうと触れてきたザインの指を制止して、私は懇願する。
早く、彼と繋がりたかった。

甘い、香り。
彼の香りはまるで媚薬びやくのように、私の興奮をあおっていく。


彼の身体が見たいと思った。彼の全てを見てみたい。

美しい褐色の肌。鍛えられた逞しい身体は、余計なものが全て落ち洗練されている。

欲しい、と目で訴えると、彼が青い瞳で応えた。
彼が近づくと、私の欲望は全て剥き出しにされる。

キス。
深く重なる唇。


シャン、と金属同士が触れ合うような音がして、彼が服を脱いだのだとわかった。
服についていた装飾品が、擦れ合う音が響く。

彼の下半身が、露わになっている。
胸部を隠している衣服はそのままに、下半身だけが剥き出しになり私に迫っていた。

(なんて綺麗な身体なの・・・・)

ほとんど感動と言って良いような驚きをもって、彼の肉体をまじまじと見つめる。
勃ち上がっている彼のペニス。まるで芸術のように、彼は美しく私を魅了した。


「早く・・・欲しい・・・っ・・・」

私は正気を失っている。
彼が欲しい、という雌の欲望だけが、この身体を支配していた。
狂おしいほどに、彼が欲しくてたまらない。

ザインの顔色は、少しも変わっていなかった。
私の寝室に初めて現れたあの夜と同じように、ただ真っ直ぐに青い瞳が私を捕らえる。


ククク・・ッ・・・グチュゥ・・・ッ・・・

彼が私の内側に、入り込む。
ゆっくりと私の脚の間に、彼が腰を押し進めた。

はっきりと彼のカタチがわかる。
私の身体に、彼が刻み込まれていくみたいだ。



「はぁ・・・ッ・・・あ・・・・」

ひんやりと硬い金属が、私の中に入り込んでくるような違和感に、思わず身を縮める。

一番奥に、彼が届いた瞬間、ぐらりと大きく視界が揺れた。


「あ・・・・ッ・・・・あっ・・・・・ッ」

熱い。
彼と触れ合っている肉壁が、熱く溶けて融合していく。

彼と深く繋がる快感。
言葉で言い表せないほどの、とろけるような一体感。
ビクンビクン、と四肢が跳ね上がるほどの悦びに、声をあげる。

今まで感じたことのない感覚。
身体の奥底から湧き出るような、焦熱感。

彼に愛されている間、何度も意識が飛ぶような感覚に襲われた。
朦朧とした意識の中で、彼と私を結ぶ確かな繋がりを感じる。


「お前の全てが、欲しい・・・」

何度も、彼はそう囁いた。
彼の低く掠れた声が、まじないのように私の身体に深く染み込み、馴染んでいく。


ハァハァと、荒い息遣い。
自分の声とは思えない、獣のような喘ぎ声が、響き渡る。

彼の青い瞳は、いつまでも私を射るように見つめていた。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ナイトプールで熱い夜

狭山雪菜
恋愛
萌香は、27歳のバリバリのキャリアウーマン。大学からの親友美波に誘われて、未成年者不可のナイトプールへと行くと、親友がナンパされていた。ナンパ男と居たもう1人の無口な男は、何故か私の側から離れなくて…? この作品は、「小説家になろう」にも掲載しております。

巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた

狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた 当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。

明智さんちの旦那さんたちR

明智 颯茄
恋愛
 あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。  奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。  ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。  *BL描写あり  毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。

ソロキャンプと男と女と

狭山雪菜
恋愛
篠原匠は、ソロキャンプのTV特集を見てキャンプをしたくなり、初心者歓迎の有名なキャンプ場での平日限定のツアーに応募した。 しかし、当時相部屋となったのは男の人で、よく見たら自分の性別が男としてツアーに応募している事に気がついた。 とりあえず黙っていようと、思っていたのだが…? こちらの作品は、「小説家になろう」にも掲載しています。

【R18】人気AV嬢だった私は乙ゲーのヒロインに転生したので、攻略キャラを全員美味しくいただくことにしました♪

奏音 美都
恋愛
「レイラちゃん、おつかれさまぁ。今日もよかったよ」 「おつかれさまでーす。シャワー浴びますね」 AV女優の私は、仕事を終えてシャワーを浴びてたんだけど、石鹸に滑って転んで頭を打って失神し……なぜか、乙女ゲームの世界に転生してた。 そこで、可愛くて美味しそうなDKたちに出会うんだけど、この乙ゲーって全対象年齢なのよね。 でも、誘惑に抗えるわけないでしょっ! 全員美味しくいただいちゃいまーす。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

自習室の机の下で。

カゲ
恋愛
とある自習室の机の下での話。

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

処理中です...