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身代わり

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壮馬そうま、お前ちょっと来い。」

寮の談話室を通りかかると、突然櫂莉かいりさんに拉致された。

「えっ・・・あ、櫂莉さん・・・・?!」

俺の手を引いてぐんぐん歩いていく櫂莉さんの後ろ姿にさえ、俺は見惚れてしまう。


(肩がっしりしてて背中広いし、櫂莉さんって骨格まで完璧だよなぁ・・・・♡)


骨張った彼の肩にしがみつき、最奥を突かれるあの感覚が一瞬にして蘇ってきた。

俺の中に深く挿入して気持ちよくなっている時の、櫂莉さんの表情。
目を閉じて下半身の快楽に集中して腰を振る、淫らな姿、漏れ出すセクシーな声。


「櫂莉さん・・・っ、どうしたんですか?」

(なんか怒ってる・・!?さっき篠崎先生とのエッチを邪魔したからとか・・・!?)


どんな理由があったとしても、俺は櫂莉さんを怒らせたくない。
だから都合の良い男止まりなんだとりんののしられようが、俺は櫂莉さんに嫌われることだけは絶対に避けたかった。

櫂莉さんが篠崎先生と暮らす新しい部屋。
俺を部屋の中に引き込むと、彼は乱暴に扉を閉めた。

「なぁ、ヤラせろよ。壮馬。」

部屋に入るなり後ろ手で鍵を閉めた櫂莉さんが、ソファに俺を押し倒す。

(え?!な、なんだ・・?!この展開・・・?!超ラッキーじゃん・・・!!)


俺の上に馬乗りになった櫂莉さんは、着ていたTシャツを勢いよく脱ぎ捨てた。

(エロ・・・・っ!!!櫂莉さんの裸・・・欲情した顔・・・)

獲物の首に噛み付く獣のような彼の瞳に囚われて、俺は速攻で完全降伏する。
俺には彼を拒む理由なんて、永遠にない。

噛み付くような、激しいキス。
歯を立てられ、唇にピリッと痛みが走る。

乱暴に俺のシャツを脱がす、彼の早急な手つき。
ボタンが一つ、パチンと弾け飛んだ。


「壮馬・・お前が欲しいっ・・・」

その言葉がこの場限りの嘘だとわかっていても、涙が出るくらい嬉しい。
このセックスが、篠崎先生とのエッチを邪魔されて行き場のない欲情を処理するためのものだとしても。
その相手に俺を選んでくれたことが、たまらなく嬉しかった。

(あ~あ・・また凛にバカって言われるな~・・・)

櫂莉さんに何度抱かれても、初めて抱かれた日のように興奮する。

身代わりでもなんでも良い。
櫂莉さんがずっと俺を求めてくれさえすれば、それで良かったんだ。



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