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待ち伏せ
しおりを挟む「やっほ~、来ちゃった♡」
自宅近くの公園で、元カレが待ち伏せしていた。
バカじゃないの?!とツッコミを入れたいのは山々だが、イケメンすぎる彼の顔がそうさせてはくれない。
私はカズ君の顔に、弱いのだ。
「来ちゃった・・じゃないよ。カズ君、なんでここにいるの・・・?」
「なんでって・・・奈美子さんに聞いたら、今ここに住んでる~って教えてくれたから。」
(なんで私の母親とまだ繋がってんのよ・・・・!!この男は・・・!)
ツッコミどころが多すぎて、まるで追いつかない。
奈美子というのは、私の母親のことだ。イケメンに弱い体質は、間違いなく母親譲りだった。
「俺、まだ真美ちゃんのこと、諦めてないよ?」
「カズ君・・・そういう冗談笑えないから、ほんとやめて。」
彼は昔から、人間関係を引っ掻き回すのが好きなのだ。
自分の思い通りに操って、人の気持ちを試す。
私のことなんて本当はどうでも良いくせに、浅葱から奪って優越感を味わいたいのだろう。
「真美ちゃんが年下好きなんて知らなかったなぁ~。俺とは同い年だもんね。」
「そういうことじゃなくて・・・」
「俺のこと・・もう嫌いになった?」
(うぅ・・っ・・・出た!子犬のうるうる攻撃・・・っ・・・イケメンすぎるッ・・・!)
しゅんとした顔で私の目を見つめる彼に、心が揺さぶられる。
「私・・・もう昔とは違うから・・・」
私の手首を掴んだ彼を跳ね除けようと力を入れると、背後からふわりと抱き寄せられた。
「・・・浅葱・・・?!」
「帰り遅いから、心配になって迎えにきた。」
「あれ~?弟君だ。あ・・じゃなくて、彼氏?だっけ?」
カズ君の挑発的な言葉を気にする様子もなく、浅葱は私の一歩前へ出る。
「俺の女なんで、ちょっかいかけるのやめて貰えますか。」
顔色ひとつ変えずに言葉を吐き出す浅葱に、カズ君がムッとした顔で対峙する。
「結婚してるわけじゃないんだし、そういうの自由じゃない?」」
「結婚、するつもりでいるんで。」
(けけけ結婚・・・?!まだ付き合って一ヶ月も経ってないのに、結婚・・・・!?)
若い男性特有の無鉄砲さに驚きながらも、嬉しくてハイテンションになってしまう。
今までの恋愛で「結婚」という言葉が出たことはなかった。
結婚前提のお付き合いやプロポーズなんかは、どんなに願っても私には縁のない話だと思っていたのだ。
「結婚するくらい本気で好きじゃなきゃ、付き合う意味あります?」
浅葱の一本気な性格に惚れ惚れする。
カズ君は、「結婚」や「責任」とは程遠い世界で生きている男だった。
「あるでしょ。結婚って、そんなに大事なこと?若いのに、結構お堅いんだね。」
「堅いとかチャラいとかそういう次元じゃなくて、俺がこいつを本気で好きなだけなんで。」
いつからこんなに大人な男になったのだろう。
淡々と、でも誠実さが伝わる声色で、彼ははっきりと自分の意志を告げる。
私の前で動揺し顔を赤らめていた、あの頃の浅葱とは全然違う。
自分の意見を真正面から相手に伝えられる、度胸と信念。
私は自分の彼氏のかっこよさに、心底ときめいて感動してしまった。
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