ルームシェアしている幼馴染のイケメン２人に、言い寄られて困っています。

信頼

いつも通り浅葱あさぎとドラマの再放送を見て過ごす夕暮れ時。
ソファに座った私の肩を抱き寄せながら、彼がぼそりと呟く。

「あいつに未練あんの？」

「あ・・あるわけないじゃん・・・！」

私は確かに、イケメンに弱い。
けれど、カズ君とヨリを戻す気なんてさらさら無かった。

私の元カレは、ほとんど全員がクズ男だ。
一途に私を想ってくれる浅葱とは、到底比べようも無い。

「曖昧な態度取ってるように見えたけど。」

「う・・・ごめん・・・そんなつもりじゃないんだけど・・・」

「真美まみは、嫌だってはっきり言うの苦手だもんな。」

私の髪を指で弄もてあそびながら苦笑する浅葱の顔が優しくて、ドクンと胸が高鳴った。
こんなんじゃ、どちらが年上なのかわからない。

「俺がお前にすることで、嫌なことあったらその都度言えよ？」

「え・・？」

「俺は・・・毎日キスしたいし、お前に触りたいけど・・・お前が気分じゃない時は言ってくれたら我慢するし。真美が嫌なことは絶対ぇしたくねぇから。」

「浅葱・・・」

「向こうはまだ真美のこと好きみたいだし、なんかあったら俺に言って。」

カズ君のことについて、浅葱はそれ以上何も言わなかった。
私への信頼が伝わってきて、胸が痛む。

「浅葱・・ありがとう・・・」

（私を信じてくれてる浅葱に隠し事なんてダメだよね・・・・あぁ、もうどうしよう・・・）

御影みかげと関係を持ったことを、彼にどう伝えるべきか・・・考えれば考えるほどわからなくなっていく。
彼の誠実な態度に、私はどんどん苦しくなっていった。