チート魔王に転生したので勇者を育ててみることにしました。

快夜ハレ

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洞窟の外へ出て魔物を確認する。
そのために魔力探知と、正確に俺の魔法を当てるためにロックオンをする。
あとは魔法を放つだけ。

風弾エアバレット

探知された魔物を風魔法で貫く。
処理は町の住人にでも任せておけば大丈夫だろう。

そろそろ一時間経つ頃だろうと思い、再び変装をして戻る。

「おお!兄ちゃん、いいところに来た。できたぞ」

完成した指輪はシンプルなものだけど、上手にできていることは素人にも分かる。

「ありがとうございます」
「ただいま帰りました~」

指輪を受け取った直後、俺が入ってきた入り口と同じところから犬人族の女性が入ってきた。

「聞いてください。この町の周辺の至る所に魔物の死体があったんですよ」
「ほぉ、そうか・・・・・・もしかして兄ちゃんがやったのか?」
「えっ」

女性は俺がいることに今気づいたようだ。
魔物が倒されていることがもう広まったのか。

「ええ、頼まれたので」
「君が・・・・・・」
「すごいなぁ」

魔物自体はあまり強い方ではなく、一体ずつならレベルの低い冒険者でも倒すことが出来るだろう。
だが群れで来られたり、強い統率者がいる場合は別だ。

「弱い魔物ばかりでしたので」
「それでもすごいわ!」
「ありがとうございます」

一気に100体以上襲ってきても倒すことができる自信はある。

「あなた冒険者よね?いつこの街を立つのかしら」
「おそらく今日か明日だと思います」

俺に決定権があるわけではないのではっきりとは言えない。
そう思っていたところで、丁度入り口からリアトが入ってきた。

「ここに居たのか。もう全員揃ってるぞ」
「すぐ行きます」
「ちょっと待って!」

他の三人が集まっているという場所に行こうとしたとき、犬人族の女性に呼び止められた。

「何ですか?」
「あなたにお礼がしたいの」
「いえ、そんなことまでしてもらうほどではありません」

リアトがずっと不思議そうな顔でこちらを向いている。

「あなたはこの方のお仲間ですか?」
「はい」

リアトに話がいった。

「いつこの町を出てしまうのかしら?」
「これから次の目的地に向かうところです」
「丁度いいわ!」

リアトに集合している場所だけを聞いてどこかに行ってしまった。
すぐ後にみんながいる場所へと向かう。
「お待たせ」

リアトが声をかけた先に三人はいた。

「遅いぞヘイト」
「すみません」

そんなことを話していたとき、俺たちの方に先程の女性が走ってきた。
全力で走っていたのか息が荒い。

「大丈夫ですか?」
「ハァハァ、ええ。それよりこれを見て!」

女性の後ろには魔道具があった。
馬車の馬がいないバージョンのようなもの。
前に一度見たことあるが、タイヤが4つあり一つ一つに魔石が埋め込まれている。
魔石とは長時間魔道具を使用するにあたって、あらかじめ魔力を溜めておくことができる石だ。
魔力が少ないものでも魔道具を楽に使うことができる。

「これはどうしたんですか?」
「是非これを使って!魔物の話をしたら喜んで貸してくれたの」

リアトたちを見れば全員驚いている。
断ってもいいが、みんな歩き続けて疲れているだろう。

「ありがどうございます」
「それと、この人が操縦してくれるから」

魔道具の中から出てきたのは、同じ犬人族の男性。

「よろしく。どこまで行くんだ?」
「ナウアリーレという国です」
「少し遠いがお礼だ。最後までしっかり送ってやろう」
「よろしくお願いします」

その後すぐに町を出てナウアリーレに向かった。
道中休憩しながら食事をしたら、襲ってきた魔物を倒したりした。
そして、歩いて行けば5日間ほどかかる距離を2日で到着することができた。

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