【令和のホームズ編】俺の人生は男と結ばれないと死ぬようです。

haru

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1日目

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プルルルル……

事務所の電話が鳴り響き、青葉健一は慌ててソファーから飛び起きた。

「夢……なのか?」

それにしてはあまりに鮮明で。
この電話がもしも星野からだと疑念が確信に変わると思い、健一は鳴り響く電話を取った。

「はい……こちら青葉探偵事務所です。」

「忙しい所に悪いな健一、事件だ。」

「も、もしかして大富豪の家に予告状が届いたとかじゃないのよな……?」

「何だ、犯人を見つけるだけじゃなく、事件までもわかるようになったのか。」

健一は星野の言葉に確信を持つ。
星野と場所と依頼料のやり取りをし、電話を置くと健一の目の前に画面が出てきた。


『依頼を受ける→星野の好感度アップ
 依頼を断わる→名声ダウン』

これも見覚えのある画面だ。

「今度はタイムリープの力が目覚めてしまったのか。」

良くも悪くも健一には選択肢が見える能力がある。
何が起こっても不思議ではないと健一は考えていた。

「しかしタイムリープの条件は何なんだ?」

男とキスしたことか?まさか星野さんにまでされるとは思わなかったが……
健一が悩んでいると岳が事務所に入ってきた。

「おはよう……どうしたの?」

「あ、あぁ。また星野さんからの依頼があってな……」

「ふぅん……じゃあ僕もついて行こうかな。」

過去二回同様に岳も一緒に来る流れとなった。
選択肢はどちらも失敗に終わった。次なる方法を考えつつ、念のため星野から送られたメールを確認し、住所へと向かった。

前回と同じように屋敷に着き、貴州院と挨拶をすませる。

貴州院に案内され、奥の部屋に入ると星野と他に2人の男性がケースに入った宝石を囲んで立っていた。
ここがきっとキーパーソンだと思い、健一は星野に喋りかけられる前に他の2人に話しかけることにした。

「初めまして、青葉健一といいます。しがない探偵をやってます。」

「僕は上野龍之介、フリーの記者をやってる。」

『上野龍之介(28) 171㎝ 62㎏ 探求家』

「あたしはレミー、この宝石ちゃんとかの鑑定をやってるの。」

『レミー(??) 184㎝ 92㎏ 夜の蝶』

それぞれが名乗ると画面の文字も変わった。
初めて知ったが、偽名でも本名は表示されない仕様らしい。
この後はどうするべきかと思っていると、選択肢も出てきた。

『上野と館内を見回る→知識アップ
 レミーと宝石を見る→知識アップ』

ふむ、どちらも知識アップか。どちらも犯人ではないのかはまだわからないがとりあえず上野と館内を見回る事にした。

正直、男とキスするのがタイムリープならレミーは見るからに危険な気がする。偏見はよくないが。

「上野さん、良ければ館内の見回りを手伝ってくれないか?」

「あぁ、構わないけど。」

岳に宝石の見張りを頼み、上野と部屋から出て館内を歩く。

「しかし広いですよね。」

「この屋敷は海外の城を買い取って、日本で組み立てたものだから本格的だよね。しかも……」

歩きながら上野は屋敷の話しから貴州院の話を止まらず語る。探求家ってそういうことかと健一は聞き流すことにした。

「うわ、何だこの部屋。」

暗闇に西洋の棺や十字架など、異様な物ばかり置いてある部屋を見つけた。

「あぁ、これは貴州院さんのコレクションルームでしょうね。しかし彼の幅は広いな、これは……」

上野はテンションも高々に部屋へと入っていく。
健一も恐る恐る上野の後を追う。

「こことか、ほら、試しに青葉さん座ってみてくださいよ。」

「え、座るの?」

健一は話を聞いていなかったので言われるがままに座ると、腰と足ににベルトの様なものが出てきて立ち上がれないように固定されてしまった。

「ちょ、上野さん外してくれよ。」

健一は笑いながら上野に頼むも、上野は健一の言葉を聞き入れずに話を続ける。

「それでね、これはこうやって足も上がるんですよ。で、昔の人はここにミルクを垂らしてヤギに舐めさせたんですって。しかし舐めて本当に足の皮が剥けるのでしょうか、やってみましょうか。」

上野は健一の靴を脱がせると、健一の足を裏から指先まで舐めはじめた。

「いや……上野さん……汚っ……んん……」

「おや、これは拷問のはずですが気持ちよくなってしまいましたね。もっと他も舐めてみましょうか。」

上野はズボンも脱がし、健一の体も舐めだした。

「……どうです?」

「あっ……どうって……やめて……くれ……」

「……じゃあこっちですかね。」

「ひゃんっ……そこ……くぅ……」

「いい反応ですね、拷問とは実は快楽を与えてたのかもしれませんね。他にも何かないですかね……」

上野が健一を離れて、他の物を物色し始めた。
その隙に逃げ出そうと健一は手探りで何か近くに無いかを探す。

「あぁ、これはあれですね。有名な器具ですね、アイアンメイデン。しかしよっぽどの力がないと人の体は潰れないでしょうから、どんな仕組みなんでしょう。」

健一は必死に何かないかと手を伸ばす。すると紐のようなものに触れ、引っ張るとガシャンと大きな音がした。

さっきまで喋っていた声も急に聞こえなくなり、自分が動いた事に気づかれたかと思い顔を向ける。

さっきまで開いていたアイアンメイデンが閉まっていた。その下からは血が海を作っていた。

健一の目の前は真っ暗になった。

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