いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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「・・・・ごめん。ありがとう。」
「謝るな。ナソニールでは苦労したんだな?
それはわかった。
だったら、名乗りを上げれば、ナソニールの領主なれるんだぞ?
マトグラーサ出身なんだろ?母方の方が。
たぶん、カップの村の出身なはずだ。
だからな、マトグラーサが後見すると言っているんだ。
カップもきっと新しくなるナソニールでいい地位がもらえると思うぞ?
ツイミ殿にこの話をしてくれないか?」

どこまで知っている?ばあちゃんのことは押さえているのか?
母さんは?


「・・・・ツイ兄はきっと関わりたくないというと思う。」
「しかし、それは、カップにはわからない話だろ?
実質ナソニールを運営していたんだ。
領民たちを不安にさらすのも良くないだろ?」
「・・・・わかった。話すだけ、話してみるよ。
ん?ぼくの引き抜きとか関係ないじゃん!
フーサカだって、セサミナ様が今までなにをしてたかって、
文句を言いに来たの?
なにそれ?その天文院の読み間違い?
フーサカのせいなの?」
「ああ!そういうことか!フーサカが読み間違えて、
立場を悪くしたってことだな?で、文句を言いに来たと?」
「ち、違う!コットワッツでの認識はどうなってるか聞きたかっただけだ。
直接聞くこともできないし、傍付きに聞いても一緒だろ?
最近コットワッツに来たっていうカップに聞くのが一番いいと思っただけだ。」
「やっぱり、引き抜きじゃないじゃんか!」
「そうかもしれないけど、話したかったというのは本当だ。」
「そうだ、わたしもだぞ?コットワッツの躍進はすごいからな。
どんなところか、話が聞きたかったんだ。」
「・・・いいよ、もう。
フーサカの話はそれとなく聞いてみるよ。
ラートの話もな、ツイ兄、ツイミ様に話しておく。
でもさ、そんな話、なんで、今この時期に、
俺にするんだ?
俺、ああ、ぼくか、ああ、もういいや。」



ちょっとカッコつけてみよう。

気を最大限にあげておく。
で、わざと髪や服をワサワサ揺らすといいらしい。
気を見えない人に見えるようにするということだ。

・・・・モウ様の指示はいつも不思議な言葉で表現される。
が、実際にやってみるとまさしく、ワサワサ。
楽しいな。


「「!!!」」

「わたしは、コットワッツ領国が領主セサミナ様の傍付きだ。
傍付きと名乗れるのは、正式に忠誠を誓っているからだ。

この引き抜き話、既にセサミナ様に報告しているとは思わないのか?
セサミナ様の護衛、兄君である剣のマティス様、その伴侶、
石使い赤い塊のモウ様が
何も言わないとでも思ったのか?

武官を雇えないから、わたしが兼務していたんだ、
ナソニールで。
腕はそれなりにあると思っている。
あの隠密の前ではなにもできなかったけど、今はいないな?
お前たちについてきた隠密はドーガーさんが相手をしているのか?

今度はわたしの話ではなく、お前たちの話を聞かせてくれ。」




─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘



「けど、やっぱりさ、確保しとこうか?」



─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘





完全に敷地内。
入ってこれたから安心してしまったが、
もしかして、俺と一緒だからとか?
ありうる。

かなり歩かされている。
敷地内を把握しようとしているのか?
まずいな。

鍛練場の上に廻ってきた。

鍛練場は地下なのに光が入る。
なんでなんだろか?

え?ここを進むの?
砂の模様を踏んでいく。

自信満々でモウ様に案内されたが、
なにがどういいのか、誰もわからなかった。
クーとビャクに、そうだよね?そうだよね?と、
首を傾げた俺たちを無視して中ほどに進んでいったんだ。

「兄さん?ワビサビってなんです?意味が分からない言葉だ。」
「私もわからん。
が、無理に理解をしなくてもいい部類なんだろ?
必要なら教えてくれえるし、
興味があるなら聞いてみろ。」
「兄さんは?」
「楽し気にしているからどちらでもいい。
へたに理解しようとすると、逆にどう説明すればいいのか
悩むことがあるからな。
得意分野なら聞かなくても教えてくれる。
これはきっとそこまで探求はしてないんだろう。」
「なるほど。」

戻ってきたモウ様は
ビャクとクーが一番理解していると喜んでいた。

これ、あとでものすごく怒られることじゃないの?
・・・この模様、きっと踏んではダメな奴だ。


中央に腰を掛けれるような木組みがあるところで止まる。




こいつは見晴らしがいい、邪魔が入らないところをえらんだんだろうが、
ここでやり合ったらどうなる?

たぶん、砂の一粒も動かしてはダメだとおもう。


こいつとやり合って、この模様が崩れたら、きっとモウ様が泣く。

そうなるとどうなる?
セサミナ様に殴られる?
あれから簡単な鍛錬は続けているし、
筋肉も付いてきている。
やはり鍛錬狂いの兄と同じ血筋なんだ。
顔が腫れるぐらいで済むだろうか?
ルグさんは?
いや、ルグさんはコットワッツだ。これは大丈夫。
マティス様は?
それこそ即殺だ。
2度目はないんだ。

・・・・怖い。

「震えているのか?次席だろ?」
「あの?」
「少し話がしたい。座れ。」
「先に言いますが、
あなたが護衛していたあの2人よりもカップの方が強い。
向こうに回ったほうがいいのでは?」
「護衛ではない。フーサカがコットワッツと話をすると息まいていたからな、
付いて来ただけだ。
当然フーサカのことはコットワッツに筒抜けだ。
他に出てきた奴と、話をしようと思っただけだ。
それがお前だ。
剣のマティスか、赤い塊モウか、どちらかが出てくると期待していたんだがな。
残念だ。
座れ。」
「もう一つ!
この場所に誘導したのはあなただ!」
「?」
















─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘




「!!!」


(?)
(((!)))


ワイプが愛しい人を抱えて戻ってきた。
セサミナの執務室だ。


セサミナの気が乱れる。
主の気の乱れに傍付き3人が反応したか?
つながりのあるガイライもだ。



『ガイライ!愛しい人が戻っただけだ!問題は無い!
ルグ、ドーガー、カップ!お前たちも動くな!
目の前の問題を先に片付けろ!!』


セサミナが気を上げている。



「セサミナ!!!」












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