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652:癇癪
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ニックさんとマティスはずっと手合わせをしていた。
わたしの横に、師匠とガイライがいるからだ。
なにも、わたしがすべての優先ではない。
わたしと槍で舞いたいということが優先になっているだけだ。
タンダードは塩袋屋になることをなんとか承諾。
卸値は要相談。
まずは店を出さないとね。
ロミジュリ商店。
タンダードさんは変装を。
髪を短く、短髪する。
それだけでだいぶ印象が違う。
顔も汚していたのか?
無精髭も剃れば、かなり若く見える。
で、もともと、エルトナガ国からネルウカート国に潜入するので、
しぐさや姿勢を変えていたそうだ。
ガイライやニックが気付いたのは昔のままだったから。
わざと若作りをしていたということか?あれ?
「顔がガキだったからな。髭を生やしていたんだよ。」
「なるほど、クインタと逆なのね。
彼はムムロズさんより老けて見えたから。」
「同じだろ?子供に見られないようにしてるんだよ。
腹にも何か巻いてるんだ。よくやる方法だ。」
「それはわたしの人生ではありえないね。」
「あはははは!女性はそうかもしれんな。」
思い込みもあるな。
女性はそういうふうに変装はしないと。
だから、赤い塊の爺が女性であるはずがない。
最初から除外しているんだ。
「店は行商ということに。
噂は流しておきますよ。塩袋がよその手に廻ったとね。
生産院にも話を通しておきましょう。
メディングはその点抜かりない。
あれね、彼だけしかできないから、報告を上げないんですよ。」
「ん?結構取られましたよ?それ、そのまま懐に?」
「そういうことです。」
「悪いやっちゃな。」
「あははは。なので、資産も多かったでしょ?
恨まれることもあったんじゃないんですか?」
「師匠は?」
「資産院絡みの仕事ではしませんよ?仕事がらみはね?」
「それが余計に怖い。」
「ふふふふ。」
「そうだ、ロミジュリのお店を使って油を売ってもらってもいいですか?」
「なんのです?」
「カリクさんところで扱ってもらおうかなって思ったけど、
ややこしそうなんで。落ち着いたらね。
カメリの油です。」
「アガッターの?」
「いや、わたしが精油したもの。命を狙われるそうですよ?」
「・・・・一から説明を。」
うまく精油で来たこと、材料買った時にアガッターが来るぞと、
とても親切に教えてもらったことなどなど。
「いい感じなんですよ?
ちゃんと使用実験はしています。
ほら、塩袋だけ売るってのもいかにもでしょ?
油を売りながら、塩袋も売ってるってな感じで。」
「それ、セサミナ殿は承諾してるんですか?」
「葛藤してるよ?奥方たちには是非とも仕入れてほしいって言われてるけど、
アガッターまで相手に出来ないって。
別口で売る方法を考えるって言ってあるんだ。
もちろん、売り値は家族割にするし。」
「油と塩袋ねぇ。」
「先に油を売ってね、で、塩袋あるんだけどって。
油を買いに来るのは大抵女性でしょ?
これが売れたらもっと仕入れることができるんだって。
その甘いマスクで言えば奥方は噂話が大好き!
すぐに話が広まる。
最初にどこから始めるかが、問題だけど。
できるだけニバーセルから遠いところからね。
んーピクトかな?きれい処のお店あたりで売ってきて!
自称いいものが集まるところらしいから。
合わさりの後の3日市でもいいよ。
先に乗り込んでもいいかな?
で、じゃ、3日市にも出してみるよって。
知ってる?3日市?」
「値切り前提の市場だろ?で、後の3日で根こそぎだ。」
「うわ。みんな知ってるんだね。
へたに買うんじゃなくて聞けばよかった。師匠もガイライも知ってるんだね?
えっと、その後のって、ウホウホ?」
「あなた、本当に言葉と場所を選びなさい?」
「え?これもダメなの?でも意味は通じてる?ど、どうなの?
女の人も楽しめるって!」
「興味あるんですね。」
「実はあります!」
「ただ騒がしいだけですよ?
皆が散財しているからつられてというのが多いでしょうね。
遊女遊びが多いですが。
女性はなにで散財してるんでしょうか?買い物?」
「遊女のお店ってなんていうんですか?」
「娼館?」
「うむ、娼婦と遊女の違いはわかったけど、名前はそうなんだ。
ややこしい。じゃ、その娼館って男の人がその遊ぶところでしょ?
その女版ってないの?」
「なにをいってるか分からないんですが?」
「んー。だからね、男の人がお店に入ったら、
きれい処が、いっぱいいて、こう、お酒ついだり、お話ししたりする?
あー、これは一緒だ。で、そのまま?2階に?
それが逆なんですよ。
見目のいい男の人が、お嬢様お帰りなさいませとか言って、
至れり尽くせり。お嬢をほめちぎるのね。
そういうお店。するかしないかは、するんだろうな。どう?」
「申し訳ない、まったくわかりません。」
「うん、わかった。」
ホスト系はないと。
そうだよね、なりたい職業が娼婦という名のお嫁さん。
世の男性は女の子に気に入られようと1年努力するんだもの。
お金を払ってどうのこうのしないんだ。
需要はある?いや、わたしも行ったことないからわかんないよ。
「・・・店はないが、個人的にはあるぞ?
王族、貴族の金持ちの女が若い男を買う。
結婚はしない。
わたしの母親は下町出身だといったろ?
あれは嘘だよ、父親なんだ。まさしく、金で買われたんだよ。男が。
見目がいいってな。
それで、雨の日直前までだ。
産まれたのがわたしだ。どう見ても、雨の日の相手の毛色じゃない。
で、父親に返された。
ただ生きているだけだった。
それが、その母親にはわたし以外に子供ができなかった。
父親から今度は取り上げたんだ。
金を与えてな!」
一気にタンダードが生い立ちを話す。
ガイライも師匠も悲痛な感じだ。
いや、そんな話はごまんとあるだろ?こっちではないのか?
どうリアクションすればいいのか?
嫌悪感をだせばいいの?
同情するの?
笑えばいいの?
そんなこと知らんがな。
「そんなこと知らんがな。あ!声に出ちゃった。
今生きてんだから、それに感謝しなさいよ。
じゃ、その美男子ぶりは父ちゃん譲りか。
いいねー。」
「それを言うな!!!」
ガイライに向けていた殺気とはまた違う。
子供の癇癪だ。
人には言ってはいけないことがあると。
褒めたつもりなんだけどな。
それは分からないよね。
困ったな。
マティスたちが止めないので、
とりあえず、応戦です。
マティスもそうだが、経験を踏ませようとこういうのは
ウエルカムな人たちだ。
タンダートも槍。
だけどね、わたしは槍と拳だよ?
槍を軸に動くことができる。
ポールダンス?そんな感じ。
あー、でも軽いのか。
今は平時6倍。8にしたら?
重いんだよね。蹴りだけ10!
素早く戻す!
あ、バランス取れない!
そのまましりもちをついてしまった。
「愛しい人!!」
「失敗した。」
「重さか?着地するまで変えてはいけないな。軸もずれるぞ?」
「はい。」
「が、ほかは良かった。」
「ほんと?えへへへへ。うれしい。」
マティスにほめられるのが一番うれしい。
「モウちゃん、いいね!重さの変化な、
それを自在にしないとな。こっちで、適当に変えれる?
それ、俺がやるわ。で、慣れろ。廻りに気付かれるな。」
「はい。あ、お便所の時はやめてください。
便座にはまりそう。」
「ぶは!それもそうだな。俺が見ている時だけにするよ。
でないと何かあったら対処できないからな。」
「おお!それなら安心だ。お願いします。明日から。」
「了解。で、話は終わったのか?
これ、タンダードに顔のこと言った?」
「よくお分かりで。」
「昔からなんだよ。タンダード?生きてる?」
ニックさんがぶっ飛んだ、タンダートを起こしに行った。
素直に手を取るということはニックさんは認めていると。
「・・・・。」
「モウちゃん?なんて言ったんだ?」
「え?親父殿のハンサム顔を引き継いでよかったねって。」
「ああ、それな。」
「なんで、そこで怒るのかわからん。
両親のどちらかに似てますねって言うのはいけないのか?
よくさ、赤ちゃんが産まれたらさ、
お父さん似ですねっていいなさいっていわれるのよ。
なんでかしってる?
母親は産んだんだ、自分の子だと認識できる、すぐにね。
でもさ、父親は分かんないんだよ。
でもそこに、他人から父親似だっていわれたら安心するって。
これもさ、最近は母親が嫌がるとかなんとか。
実際に産まれた直後からどんどん顔が変わっていくんだけどね。
で、見目のいい父親だったんだろ?
で、それに似ているんだ、受け入れろよ。
それが、悪いもんじゃないんだから。
母親大好きっ子で父親を恨んでるとか?
自分をもの扱いした母親を恨んでるとか?
どっちだ?両方か?
で、不幸な自分がかわいそうってか?」
「お前に何が分かる!!」
「いや、分からんよ?
ビタイチね。だって、他人なんだもの。
他人にわかってもらいたいの?
そうだな、じゃ、考えようか?
あんたがそんな姿で生まれたから雨の日の契で
その相手の子を産めなかったと言われたか?
そりゃ、前日までしてたんだろ?
下品な話だから怒られるかもしれんけど、
種、男の人のね、それね、2、3日は生きてるって話だよ?
出したまま、洗いもせずに次?そりゃ、排卵があれば、
強い精子が勝つよ。とーちゃんが強かったってことだ。
いや、ごれは一概に言えんけど、ま、種が残っていたということで。
で、父親に返された?殺しもせずにか?よかったね。
で、父親も育てたと?殺しもせずにか?よかったね。
お前が生きていれば、金ずるになるとおもったからとか?
そんな五体満足の体に育ててもらって?
わたしの御大に話してみな?
鼻で笑われるぞ?食べるものはあったんですよねって。
彼ね、素質があるんだ。けどね、いかせん、若いころの発育が悪い。
骨が細いんだよ。これはどうしようもないんだ。
筋肉は付くかもしれないが、骨は弱いんだよ。
あんたはみたところ、そうじゃないよね?よかったね。
あんたも見目がいいから
父親が同じような仕事をさせようしてたからとか?
無理矢理客を取らされたとか?それはトラウマだわな。
なんでその時逃げ出さなかった?できなかった?
これは、そうだな、いまさらどうすることもできないね。
己で乗り越えろ。
で?今度は母親の元に返されたか?
お金もらえてよかったよ。親父殿が殺されて、
さらわれたかもしれなかったからね。
それから、お貴族様として、教育を受けて、軍に入ったの?よかったね。
で、外に出たと。まー、よかったね。
その知識も、その体力も、己の努力かもしれないが、
親から受け継いだものもある。それを感謝しても罰は当たらんし、
逆に病弱な体とへちゃむくれな容姿とを受継いだとしても、
言えることは己で乗り越えろ。
心持は己で育てて行くもんなんだよ。誰のせいでもない。
他人に言われただけで癇癪起してたら世話ないよ?
しかも、両親のいいとこどりだ。ほんとよかったね。
これからは顔のことは言わないでって首から下げとけばいんじゃないの?
なぜ、それに感謝できない?
その五体満足な体に生まれて生きていることを感謝できない?
母親、父親に感謝しろとはだれも言ってないよ?
今、生きてることに感謝しろ。
幼子のときに生き抜けたことを感謝しろ。
死んだほうが良かったというなら、なぜいま、飯を食べ生きている?
復讐するためか?
それも人生か?
止めはしないが、はっ!くだらんな。
そうか、笑えばよかったか?
お前の人生くっだらねーって?
それを言うのは人として、どうなのって、これは、わたしのカーチャンに
叱られるな。
わたしの行いで、親のしつけがなっていないと言われるのは
申し訳ないな。
人が嫌がることをするな、知らずにしてしまったなら誤りなさいとね。
見目のことは言われるのがそこまで嫌だとは知らなかった、
申し訳ない。
子というものは親を見送ったとしても縛られるものか。
いや、これは教えだ。ひととしての在り方の。
お前は縛られているのか?吹っ切ればいいものを。
幼子のように、匙で口に食べ物を運び、
排泄したものを拭きとってはくれないんだぞ?
飯を食うのもケツを拭くのも自分だ。
お前の人生だ。
好きにすればいい。
だから、他人に不幸自慢をしないでおくれ。
他人だからな、お前の望む答えは返せない。
他人に話すことは笑い話のみだ。落ちのあるな。
それと、父親の仕事を卑下してるわけではない。
それも立派な仕事だ。女性のその仕事が認められて、
男のその仕事が認められんというのもおかしな話だろ?
双方なっとくして金のやり取りがあれば、
それは立派な仕事だ。」
タンダートは下を向いたままだった。
ガイライが心配そうに見ている。
友達なのね、仕方がないな。
「それともう一つの考えだ。」
わたしの横に、師匠とガイライがいるからだ。
なにも、わたしがすべての優先ではない。
わたしと槍で舞いたいということが優先になっているだけだ。
タンダードは塩袋屋になることをなんとか承諾。
卸値は要相談。
まずは店を出さないとね。
ロミジュリ商店。
タンダードさんは変装を。
髪を短く、短髪する。
それだけでだいぶ印象が違う。
顔も汚していたのか?
無精髭も剃れば、かなり若く見える。
で、もともと、エルトナガ国からネルウカート国に潜入するので、
しぐさや姿勢を変えていたそうだ。
ガイライやニックが気付いたのは昔のままだったから。
わざと若作りをしていたということか?あれ?
「顔がガキだったからな。髭を生やしていたんだよ。」
「なるほど、クインタと逆なのね。
彼はムムロズさんより老けて見えたから。」
「同じだろ?子供に見られないようにしてるんだよ。
腹にも何か巻いてるんだ。よくやる方法だ。」
「それはわたしの人生ではありえないね。」
「あはははは!女性はそうかもしれんな。」
思い込みもあるな。
女性はそういうふうに変装はしないと。
だから、赤い塊の爺が女性であるはずがない。
最初から除外しているんだ。
「店は行商ということに。
噂は流しておきますよ。塩袋がよその手に廻ったとね。
生産院にも話を通しておきましょう。
メディングはその点抜かりない。
あれね、彼だけしかできないから、報告を上げないんですよ。」
「ん?結構取られましたよ?それ、そのまま懐に?」
「そういうことです。」
「悪いやっちゃな。」
「あははは。なので、資産も多かったでしょ?
恨まれることもあったんじゃないんですか?」
「師匠は?」
「資産院絡みの仕事ではしませんよ?仕事がらみはね?」
「それが余計に怖い。」
「ふふふふ。」
「そうだ、ロミジュリのお店を使って油を売ってもらってもいいですか?」
「なんのです?」
「カリクさんところで扱ってもらおうかなって思ったけど、
ややこしそうなんで。落ち着いたらね。
カメリの油です。」
「アガッターの?」
「いや、わたしが精油したもの。命を狙われるそうですよ?」
「・・・・一から説明を。」
うまく精油で来たこと、材料買った時にアガッターが来るぞと、
とても親切に教えてもらったことなどなど。
「いい感じなんですよ?
ちゃんと使用実験はしています。
ほら、塩袋だけ売るってのもいかにもでしょ?
油を売りながら、塩袋も売ってるってな感じで。」
「それ、セサミナ殿は承諾してるんですか?」
「葛藤してるよ?奥方たちには是非とも仕入れてほしいって言われてるけど、
アガッターまで相手に出来ないって。
別口で売る方法を考えるって言ってあるんだ。
もちろん、売り値は家族割にするし。」
「油と塩袋ねぇ。」
「先に油を売ってね、で、塩袋あるんだけどって。
油を買いに来るのは大抵女性でしょ?
これが売れたらもっと仕入れることができるんだって。
その甘いマスクで言えば奥方は噂話が大好き!
すぐに話が広まる。
最初にどこから始めるかが、問題だけど。
できるだけニバーセルから遠いところからね。
んーピクトかな?きれい処のお店あたりで売ってきて!
自称いいものが集まるところらしいから。
合わさりの後の3日市でもいいよ。
先に乗り込んでもいいかな?
で、じゃ、3日市にも出してみるよって。
知ってる?3日市?」
「値切り前提の市場だろ?で、後の3日で根こそぎだ。」
「うわ。みんな知ってるんだね。
へたに買うんじゃなくて聞けばよかった。師匠もガイライも知ってるんだね?
えっと、その後のって、ウホウホ?」
「あなた、本当に言葉と場所を選びなさい?」
「え?これもダメなの?でも意味は通じてる?ど、どうなの?
女の人も楽しめるって!」
「興味あるんですね。」
「実はあります!」
「ただ騒がしいだけですよ?
皆が散財しているからつられてというのが多いでしょうね。
遊女遊びが多いですが。
女性はなにで散財してるんでしょうか?買い物?」
「遊女のお店ってなんていうんですか?」
「娼館?」
「うむ、娼婦と遊女の違いはわかったけど、名前はそうなんだ。
ややこしい。じゃ、その娼館って男の人がその遊ぶところでしょ?
その女版ってないの?」
「なにをいってるか分からないんですが?」
「んー。だからね、男の人がお店に入ったら、
きれい処が、いっぱいいて、こう、お酒ついだり、お話ししたりする?
あー、これは一緒だ。で、そのまま?2階に?
それが逆なんですよ。
見目のいい男の人が、お嬢様お帰りなさいませとか言って、
至れり尽くせり。お嬢をほめちぎるのね。
そういうお店。するかしないかは、するんだろうな。どう?」
「申し訳ない、まったくわかりません。」
「うん、わかった。」
ホスト系はないと。
そうだよね、なりたい職業が娼婦という名のお嫁さん。
世の男性は女の子に気に入られようと1年努力するんだもの。
お金を払ってどうのこうのしないんだ。
需要はある?いや、わたしも行ったことないからわかんないよ。
「・・・店はないが、個人的にはあるぞ?
王族、貴族の金持ちの女が若い男を買う。
結婚はしない。
わたしの母親は下町出身だといったろ?
あれは嘘だよ、父親なんだ。まさしく、金で買われたんだよ。男が。
見目がいいってな。
それで、雨の日直前までだ。
産まれたのがわたしだ。どう見ても、雨の日の相手の毛色じゃない。
で、父親に返された。
ただ生きているだけだった。
それが、その母親にはわたし以外に子供ができなかった。
父親から今度は取り上げたんだ。
金を与えてな!」
一気にタンダードが生い立ちを話す。
ガイライも師匠も悲痛な感じだ。
いや、そんな話はごまんとあるだろ?こっちではないのか?
どうリアクションすればいいのか?
嫌悪感をだせばいいの?
同情するの?
笑えばいいの?
そんなこと知らんがな。
「そんなこと知らんがな。あ!声に出ちゃった。
今生きてんだから、それに感謝しなさいよ。
じゃ、その美男子ぶりは父ちゃん譲りか。
いいねー。」
「それを言うな!!!」
ガイライに向けていた殺気とはまた違う。
子供の癇癪だ。
人には言ってはいけないことがあると。
褒めたつもりなんだけどな。
それは分からないよね。
困ったな。
マティスたちが止めないので、
とりあえず、応戦です。
マティスもそうだが、経験を踏ませようとこういうのは
ウエルカムな人たちだ。
タンダートも槍。
だけどね、わたしは槍と拳だよ?
槍を軸に動くことができる。
ポールダンス?そんな感じ。
あー、でも軽いのか。
今は平時6倍。8にしたら?
重いんだよね。蹴りだけ10!
素早く戻す!
あ、バランス取れない!
そのまましりもちをついてしまった。
「愛しい人!!」
「失敗した。」
「重さか?着地するまで変えてはいけないな。軸もずれるぞ?」
「はい。」
「が、ほかは良かった。」
「ほんと?えへへへへ。うれしい。」
マティスにほめられるのが一番うれしい。
「モウちゃん、いいね!重さの変化な、
それを自在にしないとな。こっちで、適当に変えれる?
それ、俺がやるわ。で、慣れろ。廻りに気付かれるな。」
「はい。あ、お便所の時はやめてください。
便座にはまりそう。」
「ぶは!それもそうだな。俺が見ている時だけにするよ。
でないと何かあったら対処できないからな。」
「おお!それなら安心だ。お願いします。明日から。」
「了解。で、話は終わったのか?
これ、タンダードに顔のこと言った?」
「よくお分かりで。」
「昔からなんだよ。タンダード?生きてる?」
ニックさんがぶっ飛んだ、タンダートを起こしに行った。
素直に手を取るということはニックさんは認めていると。
「・・・・。」
「モウちゃん?なんて言ったんだ?」
「え?親父殿のハンサム顔を引き継いでよかったねって。」
「ああ、それな。」
「なんで、そこで怒るのかわからん。
両親のどちらかに似てますねって言うのはいけないのか?
よくさ、赤ちゃんが産まれたらさ、
お父さん似ですねっていいなさいっていわれるのよ。
なんでかしってる?
母親は産んだんだ、自分の子だと認識できる、すぐにね。
でもさ、父親は分かんないんだよ。
でもそこに、他人から父親似だっていわれたら安心するって。
これもさ、最近は母親が嫌がるとかなんとか。
実際に産まれた直後からどんどん顔が変わっていくんだけどね。
で、見目のいい父親だったんだろ?
で、それに似ているんだ、受け入れろよ。
それが、悪いもんじゃないんだから。
母親大好きっ子で父親を恨んでるとか?
自分をもの扱いした母親を恨んでるとか?
どっちだ?両方か?
で、不幸な自分がかわいそうってか?」
「お前に何が分かる!!」
「いや、分からんよ?
ビタイチね。だって、他人なんだもの。
他人にわかってもらいたいの?
そうだな、じゃ、考えようか?
あんたがそんな姿で生まれたから雨の日の契で
その相手の子を産めなかったと言われたか?
そりゃ、前日までしてたんだろ?
下品な話だから怒られるかもしれんけど、
種、男の人のね、それね、2、3日は生きてるって話だよ?
出したまま、洗いもせずに次?そりゃ、排卵があれば、
強い精子が勝つよ。とーちゃんが強かったってことだ。
いや、ごれは一概に言えんけど、ま、種が残っていたということで。
で、父親に返された?殺しもせずにか?よかったね。
で、父親も育てたと?殺しもせずにか?よかったね。
お前が生きていれば、金ずるになるとおもったからとか?
そんな五体満足の体に育ててもらって?
わたしの御大に話してみな?
鼻で笑われるぞ?食べるものはあったんですよねって。
彼ね、素質があるんだ。けどね、いかせん、若いころの発育が悪い。
骨が細いんだよ。これはどうしようもないんだ。
筋肉は付くかもしれないが、骨は弱いんだよ。
あんたはみたところ、そうじゃないよね?よかったね。
あんたも見目がいいから
父親が同じような仕事をさせようしてたからとか?
無理矢理客を取らされたとか?それはトラウマだわな。
なんでその時逃げ出さなかった?できなかった?
これは、そうだな、いまさらどうすることもできないね。
己で乗り越えろ。
で?今度は母親の元に返されたか?
お金もらえてよかったよ。親父殿が殺されて、
さらわれたかもしれなかったからね。
それから、お貴族様として、教育を受けて、軍に入ったの?よかったね。
で、外に出たと。まー、よかったね。
その知識も、その体力も、己の努力かもしれないが、
親から受け継いだものもある。それを感謝しても罰は当たらんし、
逆に病弱な体とへちゃむくれな容姿とを受継いだとしても、
言えることは己で乗り越えろ。
心持は己で育てて行くもんなんだよ。誰のせいでもない。
他人に言われただけで癇癪起してたら世話ないよ?
しかも、両親のいいとこどりだ。ほんとよかったね。
これからは顔のことは言わないでって首から下げとけばいんじゃないの?
なぜ、それに感謝できない?
その五体満足な体に生まれて生きていることを感謝できない?
母親、父親に感謝しろとはだれも言ってないよ?
今、生きてることに感謝しろ。
幼子のときに生き抜けたことを感謝しろ。
死んだほうが良かったというなら、なぜいま、飯を食べ生きている?
復讐するためか?
それも人生か?
止めはしないが、はっ!くだらんな。
そうか、笑えばよかったか?
お前の人生くっだらねーって?
それを言うのは人として、どうなのって、これは、わたしのカーチャンに
叱られるな。
わたしの行いで、親のしつけがなっていないと言われるのは
申し訳ないな。
人が嫌がることをするな、知らずにしてしまったなら誤りなさいとね。
見目のことは言われるのがそこまで嫌だとは知らなかった、
申し訳ない。
子というものは親を見送ったとしても縛られるものか。
いや、これは教えだ。ひととしての在り方の。
お前は縛られているのか?吹っ切ればいいものを。
幼子のように、匙で口に食べ物を運び、
排泄したものを拭きとってはくれないんだぞ?
飯を食うのもケツを拭くのも自分だ。
お前の人生だ。
好きにすればいい。
だから、他人に不幸自慢をしないでおくれ。
他人だからな、お前の望む答えは返せない。
他人に話すことは笑い話のみだ。落ちのあるな。
それと、父親の仕事を卑下してるわけではない。
それも立派な仕事だ。女性のその仕事が認められて、
男のその仕事が認められんというのもおかしな話だろ?
双方なっとくして金のやり取りがあれば、
それは立派な仕事だ。」
タンダートは下を向いたままだった。
ガイライが心配そうに見ている。
友達なのね、仕方がないな。
「それともう一つの考えだ。」
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工場勤務の社会人。控えめな性格だがしっかり者。みんなよりも社会人歴が長い。最近同棲中の彼女と別れた。
【注意】
※一度全作品を削除されてしまったため、本番シーンはカットしての投稿となります。
そのため読みにくい点や把握しにくい点が多いかと思いますがご了承ください。
フルバージョンはpixivやFantiaで配信させていただいております。
※男数人で女を取り合うなど、くっさい乙女ゲーム感満載です。
※フィクションとしてお楽しみいただきますようお願い申し上げます。
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
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