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427:バザール
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ニコルさんは人差し指と親指でこれくらいだという。
「砂漠の花。白い石だ。」
「砂漠石の変形?」
「そうだと言われているが、白いんだ。」
「それ、実際にあるの?きれいだからお高いの?」
「・・・願いが叶うと言われている。」
「その願いを3000リングで本職の石使いに頼んだら?」
「無理だ。石使いは医者じゃない。」
「病気に効くの?医者に頼もうよ?」
「無理だ。医者では治せない。」
「誰が病気なの?」
「・・・。」
「なんの病気?死ぬの?」
「・・・・死にはしない。足の指の皮がはがれる。
ぼろぼろと。治してやりたい。娘なんだ。」
「え?水虫?」
「知ってるのか!?」
「いやいや。え?娘さんなの?お父さん?あんたは?
あれ、うつるよ?」
「やはり。私のがうつったんだ・・・。」
「うわー、お父さん、最悪!お父さんのものと一緒に洗濯しないで!!」
「知ってるのか!?」
「いやいや。一般論だよ。」
「みずむし?虫なのか?」
「いやごめん。違うかも。えーと、足見せてみ?」
「ダメだ!うつるのだろ?ダメだ!!」
マティスが吠える。
いや、うつるっていうけど、見ないとなんとも。
いや、見たところで違うものかもしれんし。
「あれだよね?かゆいんだよね?
で、暑くなるとさらに?で、ちょっと臭い?指の間がぐちゅぐちゅ?
寒くなると落ち着く。いまは落ち着いてるのかな?」
「そうだ!やっぱり知っているんだな?名前なんて初めて聞いた!」
「そうなの?それさ、警備隊内で流行ってない?
ああ、外で靴を脱ぐことはないのかな?」
「隊でか?いや、そんなことはない。しかし、隠しているのかもしれない。」
「自分は隠してるんだね?
お兄ちゃん?見るだけで触らないから、見てもいい?」
「触らなければいいんだな?」
「うん、カビの一種だね、簡単に言うと。それが人間の皮膚や、
爪の中で繁殖すると。繁殖するにも時間がかかるから清潔にすればいい。
お父さんが家で裸足であるくでしょ?で、皮膚も落ちる。
そこに娘さんが同じように裸足で歩く。そのままほっぽてると繁殖。
湯あみ後の足ふきとかも共用?そこからとかね。
まあ、いろいろ。」
「詳しいな。」
「え?わたしじゃないよ?
例の部長がそうだったんよ。で、その苦労話はみな聞かされてるの。」
「鋏のブチョウか?」
「かっこいいなその二つ名!!」
「鋏のブチョウ!その方は医学の心得のある?」
「え?ああ、民間療法的なことを研究してたと言ってもいいんじゃないかな?
知ってるか?って仕入れて来たこと話してくれるんだけど、
知らんがなーってことばっかりで。あははははは!」
「素晴らしい御仁だな!医術に関することは誰も話たりしないのに!」
「本格的じゃないよ?それかどうかわからんし、全く違うものかもしれんし?
見るだけみるよ。」
革靴だ。で、靴下。
それを脱ぐ。
「・・・くしゃい。」
水虫っぽい。
わたしも生水虫は見たことはないが、
薬局の壁に貼っているポスターのようだ。
「すまない。最近はさむくなったからましなんだが。」
「湯あみしてます?それ、共同?」
「?同じ湯につかるかということか?継ぎ足しはするな。」
「家族は?何人家族?」
「私と妻。娘は2人だ。」
「で、娘さんもおんなじ?2人とも?奥さんは?」
「上の娘だけだ。
雨の日に嫁ぐ。その前に治してやりたい。」
「そんなすぐ治るものじゃないんだけどね。
1年くらいかかるらしいよ?部長曰く。」
「・・・・一年。そんな。」
「んー、寒くなると休眠状態になるから、
今のうちに死滅させるのがいいんだったかな?
とにかく、清潔に。こすって傷口をさらに傷つけないように
やさしく泡で洗う。
からだを拭く布は各自別で。足拭きも!で、直ぐに洗濯。」
「わかった。」
「で、その砂漠の花というのは?
それがあれば治るってどこからの話?」
「治るというか、体の病が治ると言われている。
王がそれを使って病を治した。」
「なんの病気?」
「足の先が腫れあがり、歩くたびに痛みが走ると。
しばらくは痛みに苦しんでいたのだが、数日で納まる。
しかし、それから1年に数度はその痛みがあったらしい。
その恐怖に耐えられなくなり、石使いを招集したんだ。
それ以来石使いは王族専属だ。」
「それで治ったの?ん?その砂漠の花はどこに出てくるの?」
「石使いが言ったんだ。それを使えば治るとな。」
「ん?で、見つけて治ったの?」
「治った。招集して3年経った後だがな。それ以降、砂漠で作業ができるのは、
石使いだけだ。もともと砂漠に入る人間はいないからな。
それまでいろいろ石使いたちもやったんだ。
御痩せになったが今もお元気でいらっしゃる。」
「いやいや、それさ、その王様?
酒好きで太ってたでしょ?で、脂っこいものが好き。
肉の内臓とかね。で、運動もしない。
仕事はできるほうだ。他の貴族からの反発もうまく調整している?
そんな人?」
「まさしく!!」
「で、痛みが来るのが怖くて、あんまりご飯も食べられなくなった?
それで痩せたのかな?お酒も飲まなくなった?
食生活が変わったのかな?」
「食生活?そうだな、それまで食べていた肉は熊、蛇、駱駝馬だ。
ここ最近はボットや豚が入ってくる。
それを食されるようになった。
駱駝馬は内臓がうまいんだ。今も市場に並んでいる。」
「ああ、それはダメだな。友人に駱駝馬がいるから。」
「?」
「いや、それはいいや。で、痩せたと?」
「そうだ。今はまたお体も昔に戻りつつあるんだがな。」
「で、足の指が腫れて、皮がボロボロになるのが王様のそれとにてるから、
砂漠の花で治るんじゃないかと?」
「そうだ。砂漠の花も石使いが見つけたんだ。
一日砂漠に入っていたと聞く。砂漠石の影響が出ないように、
先に石を大量に使ったがな。それで見つけてきた。
そのとき1日入って見つからなければ諦めてくれと言っていたそうだ。」
突っ込みどころ満載だな。
まずは痛風か?また太ってきて同じような食事を始めたら出るぞ?
で、砂漠の花。
言い訳だな。探したか、元から持っていたか。
白い石?まんま大理石じゃないの?
それを削ったとか?いや、大理石は床材として使ってるんだ気付くだろう。
砂漠石とやっぱりくっついたものとか?それかな?
「医者は?いるでしょ?医術に明るい人。」
「最初に痛みが入った時に当然呼んだ。
が、ますます痛みがひどくなった。
それ以来信用されてない。」
「ああ、温めて患部を揉んだな?」
「知ってるのか!!」
「いやいや。部長の話ね。横になって、足を台の上に置いて、
氷で冷やすとか。いや、知らないよ?部長の話だから。」
「どうしてもっと真剣に聞かないのだ!!鋏のブチョウ殿の話を!!」
「偉い格上げですな。
いや、こっちは別のことしてんだよ?横に来られて、知ってるか?
から始まって、自分がお便所に行きたくなるまで話してるんだよ?
へー、とか、そうですかーとか返事してるだけえらいと思うのよ?」
「・・・・私の部下の相槌にそっくりだ。」
「・・・・8割聞いてないから、それ。」
「・・・・。」
ともかく、足を清潔に。
タオルはいいですよ?
家族分を売りつける。替えもいれて8枚。6リング4銀貨。
色違いのタグもつけてあげる。
それとテオブロマの蜜。
これは小さい樽にほんの少しだけ。1リング。
ドリップコーヒーは絹で作ったフィルターこれは2枚で6銀貨。
8リングだ。
石使いどうのというのは断った。
が、ここを出るときにもう一度検問所を訪ねると約束した。
砂漠の花が気になる。
あとで、探してみようかな?
ここの宿代はニコルさんが2日分出してくれるというので、
お言葉に甘える。
今日のことは内緒だからだ。
わたしが女だということも。
旅の安全を考えればそうだなと、娘が2人もつお父さんは納得してくれた。
アガッターさんのことはいい。
しかしそれより先に押さえろというのは、ミフェルさんか?
姉妹で喧嘩か?
触らぬ神に祟りなし
当分兄弟で行こう。
月が沈むと同時に中央広場に向かう。
宿を出たときから香辛料の匂いがするのだ。
辛いとかではなく、エキゾチックな匂い。
知ってるスパイスはあるだろうか?
シナモンがあればいいな。バニラもあるかな?系統が違うか。
ターメリック、クミン、カルダモン、クローブ?
黄色いのを探そう。
カレーはやっぱり黄色だ。
「黄色?」
「そうそう。黄色。で、辛いのも。
カレーを完成させたい!」
「おお!それはいいな。」
「今日は宿の食堂で食べようね。」
「楽しみだな。」
「うん。」
香辛料。
さぞかし料理の幅も広いのだろうと思っていたが、違うのだ。
薬だ。
確かに胡椒はある。コウシというものも。
あとは薬扱いだ。
これは?と聞くと、食べすぎによく効くよ、とか、
疲れ目が取れるとかだ。
料理には?と聞くと、もちろん混ぜて食べるほうが、
食べやすいとのこと。
100の香辛料というよりは100の漢方薬だ。
匂いはスパイスなんだけど。
いや、スパイスもそういうものだ。
ウコンが二日酔いにいいとかね。
黄色いものを買っていく。
効能は大体が食欲増進だ。
後は辛いものは?と聞いて買う。
発汗作用があるということ。そりゃそうだ。
シナモンっぽい香りもある。
よく聞く、シナモン、シナニッケイ、ニッキ?それぞれ違うようだが、
ここのは小枝だ。とりあえず買う。
からだがだるく寒気がするときに飲めばいいとか。
いわゆる風邪の引き始めにだな。葛根湯じゃないよね?
甘い匂い。バニラ?解毒剤だそうだ。
赤い丸いものもある。
「辛いよ?北のメイガって知ってるかい?
あれより辛い。暑い時にへばってる駱駝馬に食べさせてやるさ。
元気になるよ!」
「メイガ!聞いたことあります。
確か、目ですよね?これも?」
「よく知ってるね!サンチンっていう虫の目だ。」
「虫!あーうー。なるほど。薬ですね?
虫を食べるっていうわけじゃないよね?」
「当たり前だ。メイガだって人様は食べないだろ?
馬が食べるだけだよ。
なんだ?あんた男のくせに虫がだめなのか?」
「あのぶーんてのが。」
「ああ、だったら大丈夫だ。サンチンは砂の中にいるからね。」
「・・・・。どこの砂?」
「ん?東砂漠だよ?東砂漠は虫がいる。薬になる。
西砂漠はいないんだ。」
サンチンとやらはクーちゃんのお土産に。
マーブルチョコのような形。
眼なんだよね?
「弟よ、砕いて丸めているそうだ。」
直視し出来なかったからマティスが聞いてくれた。
そうか!だったらいいんじゃない?
あとは似たようなものが売っている。
ここは香辛料のバザールだ。
ここを抜けると絹のバザール。
市場とは言わずに、バサール。それっぽい。
そこに向かう途中で明らかにカレー臭!!
どこだ!!
朝顔市のように、蔓科の植物が並んでいる。
「腹下しの草だ。
この花の種を煎じて飲むんだ。」
朝顔っぽいけど?
いや、朝顔の種はおなかを下すと聞いたことがある。それか?
種には軽い毒があるということか。
じゃ、葉っぱは?
あじさいみたいに毒がある?
葉っぱに近づけて匂いを嗅ぐ。
「どれも香は強いよ?」
店の人が出てきた。
「なんともいえない香りですね。」
「ははは!腹が減る香りだ。腹痛もすぐ直る。
匂いだけで治るというものもいるんだ。
火を入れたら香だけしか残らない。
そのまま食べないといけないよ。」
正露丸だ。
わたしは正露丸が入っている引出を開けただけで治る。
香だけ欲しいからちょうどいいい。
これは鉢ごと買う。
2鉢。
「いいけど、これはよその国では嫌がられるよ?
香がきついから。
他国の者だろ?宿は?国境近く?
だったら尚更だ。匂いが出ないようにくるんだ方がいいな。」
行商は鉢植えを買わないから。
もともと売り物じゃいのに売ってもらったのだ。
塩袋に入れて背負子に入れた。
念のため緑の海峡石もだ。
酸欠にはならないだろう。
これが2鉢で5リング。
おそらくお高い。でもいいのだ。
この香りでご飯がすすむ。
「砂漠の花。白い石だ。」
「砂漠石の変形?」
「そうだと言われているが、白いんだ。」
「それ、実際にあるの?きれいだからお高いの?」
「・・・願いが叶うと言われている。」
「その願いを3000リングで本職の石使いに頼んだら?」
「無理だ。石使いは医者じゃない。」
「病気に効くの?医者に頼もうよ?」
「無理だ。医者では治せない。」
「誰が病気なの?」
「・・・。」
「なんの病気?死ぬの?」
「・・・・死にはしない。足の指の皮がはがれる。
ぼろぼろと。治してやりたい。娘なんだ。」
「え?水虫?」
「知ってるのか!?」
「いやいや。え?娘さんなの?お父さん?あんたは?
あれ、うつるよ?」
「やはり。私のがうつったんだ・・・。」
「うわー、お父さん、最悪!お父さんのものと一緒に洗濯しないで!!」
「知ってるのか!?」
「いやいや。一般論だよ。」
「みずむし?虫なのか?」
「いやごめん。違うかも。えーと、足見せてみ?」
「ダメだ!うつるのだろ?ダメだ!!」
マティスが吠える。
いや、うつるっていうけど、見ないとなんとも。
いや、見たところで違うものかもしれんし。
「あれだよね?かゆいんだよね?
で、暑くなるとさらに?で、ちょっと臭い?指の間がぐちゅぐちゅ?
寒くなると落ち着く。いまは落ち着いてるのかな?」
「そうだ!やっぱり知っているんだな?名前なんて初めて聞いた!」
「そうなの?それさ、警備隊内で流行ってない?
ああ、外で靴を脱ぐことはないのかな?」
「隊でか?いや、そんなことはない。しかし、隠しているのかもしれない。」
「自分は隠してるんだね?
お兄ちゃん?見るだけで触らないから、見てもいい?」
「触らなければいいんだな?」
「うん、カビの一種だね、簡単に言うと。それが人間の皮膚や、
爪の中で繁殖すると。繁殖するにも時間がかかるから清潔にすればいい。
お父さんが家で裸足であるくでしょ?で、皮膚も落ちる。
そこに娘さんが同じように裸足で歩く。そのままほっぽてると繁殖。
湯あみ後の足ふきとかも共用?そこからとかね。
まあ、いろいろ。」
「詳しいな。」
「え?わたしじゃないよ?
例の部長がそうだったんよ。で、その苦労話はみな聞かされてるの。」
「鋏のブチョウか?」
「かっこいいなその二つ名!!」
「鋏のブチョウ!その方は医学の心得のある?」
「え?ああ、民間療法的なことを研究してたと言ってもいいんじゃないかな?
知ってるか?って仕入れて来たこと話してくれるんだけど、
知らんがなーってことばっかりで。あははははは!」
「素晴らしい御仁だな!医術に関することは誰も話たりしないのに!」
「本格的じゃないよ?それかどうかわからんし、全く違うものかもしれんし?
見るだけみるよ。」
革靴だ。で、靴下。
それを脱ぐ。
「・・・くしゃい。」
水虫っぽい。
わたしも生水虫は見たことはないが、
薬局の壁に貼っているポスターのようだ。
「すまない。最近はさむくなったからましなんだが。」
「湯あみしてます?それ、共同?」
「?同じ湯につかるかということか?継ぎ足しはするな。」
「家族は?何人家族?」
「私と妻。娘は2人だ。」
「で、娘さんもおんなじ?2人とも?奥さんは?」
「上の娘だけだ。
雨の日に嫁ぐ。その前に治してやりたい。」
「そんなすぐ治るものじゃないんだけどね。
1年くらいかかるらしいよ?部長曰く。」
「・・・・一年。そんな。」
「んー、寒くなると休眠状態になるから、
今のうちに死滅させるのがいいんだったかな?
とにかく、清潔に。こすって傷口をさらに傷つけないように
やさしく泡で洗う。
からだを拭く布は各自別で。足拭きも!で、直ぐに洗濯。」
「わかった。」
「で、その砂漠の花というのは?
それがあれば治るってどこからの話?」
「治るというか、体の病が治ると言われている。
王がそれを使って病を治した。」
「なんの病気?」
「足の先が腫れあがり、歩くたびに痛みが走ると。
しばらくは痛みに苦しんでいたのだが、数日で納まる。
しかし、それから1年に数度はその痛みがあったらしい。
その恐怖に耐えられなくなり、石使いを招集したんだ。
それ以来石使いは王族専属だ。」
「それで治ったの?ん?その砂漠の花はどこに出てくるの?」
「石使いが言ったんだ。それを使えば治るとな。」
「ん?で、見つけて治ったの?」
「治った。招集して3年経った後だがな。それ以降、砂漠で作業ができるのは、
石使いだけだ。もともと砂漠に入る人間はいないからな。
それまでいろいろ石使いたちもやったんだ。
御痩せになったが今もお元気でいらっしゃる。」
「いやいや、それさ、その王様?
酒好きで太ってたでしょ?で、脂っこいものが好き。
肉の内臓とかね。で、運動もしない。
仕事はできるほうだ。他の貴族からの反発もうまく調整している?
そんな人?」
「まさしく!!」
「で、痛みが来るのが怖くて、あんまりご飯も食べられなくなった?
それで痩せたのかな?お酒も飲まなくなった?
食生活が変わったのかな?」
「食生活?そうだな、それまで食べていた肉は熊、蛇、駱駝馬だ。
ここ最近はボットや豚が入ってくる。
それを食されるようになった。
駱駝馬は内臓がうまいんだ。今も市場に並んでいる。」
「ああ、それはダメだな。友人に駱駝馬がいるから。」
「?」
「いや、それはいいや。で、痩せたと?」
「そうだ。今はまたお体も昔に戻りつつあるんだがな。」
「で、足の指が腫れて、皮がボロボロになるのが王様のそれとにてるから、
砂漠の花で治るんじゃないかと?」
「そうだ。砂漠の花も石使いが見つけたんだ。
一日砂漠に入っていたと聞く。砂漠石の影響が出ないように、
先に石を大量に使ったがな。それで見つけてきた。
そのとき1日入って見つからなければ諦めてくれと言っていたそうだ。」
突っ込みどころ満載だな。
まずは痛風か?また太ってきて同じような食事を始めたら出るぞ?
で、砂漠の花。
言い訳だな。探したか、元から持っていたか。
白い石?まんま大理石じゃないの?
それを削ったとか?いや、大理石は床材として使ってるんだ気付くだろう。
砂漠石とやっぱりくっついたものとか?それかな?
「医者は?いるでしょ?医術に明るい人。」
「最初に痛みが入った時に当然呼んだ。
が、ますます痛みがひどくなった。
それ以来信用されてない。」
「ああ、温めて患部を揉んだな?」
「知ってるのか!!」
「いやいや。部長の話ね。横になって、足を台の上に置いて、
氷で冷やすとか。いや、知らないよ?部長の話だから。」
「どうしてもっと真剣に聞かないのだ!!鋏のブチョウ殿の話を!!」
「偉い格上げですな。
いや、こっちは別のことしてんだよ?横に来られて、知ってるか?
から始まって、自分がお便所に行きたくなるまで話してるんだよ?
へー、とか、そうですかーとか返事してるだけえらいと思うのよ?」
「・・・・私の部下の相槌にそっくりだ。」
「・・・・8割聞いてないから、それ。」
「・・・・。」
ともかく、足を清潔に。
タオルはいいですよ?
家族分を売りつける。替えもいれて8枚。6リング4銀貨。
色違いのタグもつけてあげる。
それとテオブロマの蜜。
これは小さい樽にほんの少しだけ。1リング。
ドリップコーヒーは絹で作ったフィルターこれは2枚で6銀貨。
8リングだ。
石使いどうのというのは断った。
が、ここを出るときにもう一度検問所を訪ねると約束した。
砂漠の花が気になる。
あとで、探してみようかな?
ここの宿代はニコルさんが2日分出してくれるというので、
お言葉に甘える。
今日のことは内緒だからだ。
わたしが女だということも。
旅の安全を考えればそうだなと、娘が2人もつお父さんは納得してくれた。
アガッターさんのことはいい。
しかしそれより先に押さえろというのは、ミフェルさんか?
姉妹で喧嘩か?
触らぬ神に祟りなし
当分兄弟で行こう。
月が沈むと同時に中央広場に向かう。
宿を出たときから香辛料の匂いがするのだ。
辛いとかではなく、エキゾチックな匂い。
知ってるスパイスはあるだろうか?
シナモンがあればいいな。バニラもあるかな?系統が違うか。
ターメリック、クミン、カルダモン、クローブ?
黄色いのを探そう。
カレーはやっぱり黄色だ。
「黄色?」
「そうそう。黄色。で、辛いのも。
カレーを完成させたい!」
「おお!それはいいな。」
「今日は宿の食堂で食べようね。」
「楽しみだな。」
「うん。」
香辛料。
さぞかし料理の幅も広いのだろうと思っていたが、違うのだ。
薬だ。
確かに胡椒はある。コウシというものも。
あとは薬扱いだ。
これは?と聞くと、食べすぎによく効くよ、とか、
疲れ目が取れるとかだ。
料理には?と聞くと、もちろん混ぜて食べるほうが、
食べやすいとのこと。
100の香辛料というよりは100の漢方薬だ。
匂いはスパイスなんだけど。
いや、スパイスもそういうものだ。
ウコンが二日酔いにいいとかね。
黄色いものを買っていく。
効能は大体が食欲増進だ。
後は辛いものは?と聞いて買う。
発汗作用があるということ。そりゃそうだ。
シナモンっぽい香りもある。
よく聞く、シナモン、シナニッケイ、ニッキ?それぞれ違うようだが、
ここのは小枝だ。とりあえず買う。
からだがだるく寒気がするときに飲めばいいとか。
いわゆる風邪の引き始めにだな。葛根湯じゃないよね?
甘い匂い。バニラ?解毒剤だそうだ。
赤い丸いものもある。
「辛いよ?北のメイガって知ってるかい?
あれより辛い。暑い時にへばってる駱駝馬に食べさせてやるさ。
元気になるよ!」
「メイガ!聞いたことあります。
確か、目ですよね?これも?」
「よく知ってるね!サンチンっていう虫の目だ。」
「虫!あーうー。なるほど。薬ですね?
虫を食べるっていうわけじゃないよね?」
「当たり前だ。メイガだって人様は食べないだろ?
馬が食べるだけだよ。
なんだ?あんた男のくせに虫がだめなのか?」
「あのぶーんてのが。」
「ああ、だったら大丈夫だ。サンチンは砂の中にいるからね。」
「・・・・。どこの砂?」
「ん?東砂漠だよ?東砂漠は虫がいる。薬になる。
西砂漠はいないんだ。」
サンチンとやらはクーちゃんのお土産に。
マーブルチョコのような形。
眼なんだよね?
「弟よ、砕いて丸めているそうだ。」
直視し出来なかったからマティスが聞いてくれた。
そうか!だったらいいんじゃない?
あとは似たようなものが売っている。
ここは香辛料のバザールだ。
ここを抜けると絹のバザール。
市場とは言わずに、バサール。それっぽい。
そこに向かう途中で明らかにカレー臭!!
どこだ!!
朝顔市のように、蔓科の植物が並んでいる。
「腹下しの草だ。
この花の種を煎じて飲むんだ。」
朝顔っぽいけど?
いや、朝顔の種はおなかを下すと聞いたことがある。それか?
種には軽い毒があるということか。
じゃ、葉っぱは?
あじさいみたいに毒がある?
葉っぱに近づけて匂いを嗅ぐ。
「どれも香は強いよ?」
店の人が出てきた。
「なんともいえない香りですね。」
「ははは!腹が減る香りだ。腹痛もすぐ直る。
匂いだけで治るというものもいるんだ。
火を入れたら香だけしか残らない。
そのまま食べないといけないよ。」
正露丸だ。
わたしは正露丸が入っている引出を開けただけで治る。
香だけ欲しいからちょうどいいい。
これは鉢ごと買う。
2鉢。
「いいけど、これはよその国では嫌がられるよ?
香がきついから。
他国の者だろ?宿は?国境近く?
だったら尚更だ。匂いが出ないようにくるんだ方がいいな。」
行商は鉢植えを買わないから。
もともと売り物じゃいのに売ってもらったのだ。
塩袋に入れて背負子に入れた。
念のため緑の海峡石もだ。
酸欠にはならないだろう。
これが2鉢で5リング。
おそらくお高い。でもいいのだ。
この香りでご飯がすすむ。
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気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
拾われ子のスイ
蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】
記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。
幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。
老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。
――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。
スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。
出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。
清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。
これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。
※週2回(木・日)更新。
※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。
※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載)
※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
インターネットで異世界無双!?
kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。
その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。
これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。
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