293 / 869
293:一抱え
しおりを挟む
街に出ると、なるほど、何でもある。
ジットカーフ、ニバーセルのマトグラーサ、その横のダカルナ、
それらから物が流通するのだ。
商業の街とはよく言ったものだ。
メイガの目の粉、胴体の粉も普通に売っていた。
もちろん足も。これは開いてのしている。
うん、スルメだ。
羽根も売っている。装飾品だ。
これらはここにしかないので特産品といっていいようだ。
樹石も売っている。湿地に入れば手に入るが、
街の人はそんなことはしない。
バケツ一つで1銀貨。
毎日使うものなので、月に6,7つはいる。
使った樹石を集める仕事もある。湖に、海に捨てるのだ。
石油と一緒でいつかなくなる資源なのだろうか?
樹が固まったものだというが、そうだろうか?
湿原にいつの間にか生まれているのだろうか?
では白くなった樹石は?海に溶け、なにかになって循環しているのか?
この研究だけで一生が終わりそうだ。
「ところで、アヒルって各家庭で飼ってるのかな?」
「なんだい?アヒルがほしいいのか?
広場にアヒル屋があるから行ってみるといい。
しかし、時期が悪いな。雨の日が過ぎれば、ひなが安く買える。
今はみな大きくなってるさ。」
「ああ、なるほど。じゃ、行ってみます。」
メイガの目の粉を買って、店の人に聞くとそう教えてくれた。
やはりこの粉は人は食べない。
ちょっと加えるだけでいいのにね。
「愛しい人、羽毛を集めてどうするんだ?」
「んー、お布団にするかな?羽毛布団。
それか、トックスさんにお願いしてわたしが最初に着てた赤いのあるでしょ?
あれの綿の代わりに羽毛をいれるの。
軽くて温いよ?」
「羽毛が温いのか?」
「そう。アヒルさん、寒さに強いでしょ?羽根、羽毛があるからね。」
「そうなのか。」
「うん、これはほんと。あ、羽根と言っても、ふわふわの奴よ?」
アヒル屋さんに羽毛が珍しいのでもらってもいいかと聞くと
タダでやるわけにはいかないといわれた。
「え?お金がいりますか?そうですよね。
ちなみにいかほどですか?」
「そうだな、一抱え、1リングだな。」
「なるほど。そんなにお高いものをタダでくれなんて!もの知らずにもほどがありますね。
申し訳ありませんでした。失礼しまーす。」
ゴミでもタダで人にやるのは嫌だと考えるタイプだった。
「愛しい人?いいのか?」
「ん?いいよ。くれるっていうなら、
小屋の掃除でもさせてもらうつもりだったけどね。
さすが、商売の街だ。」
「では、どうする?一軒一軒廻って譲ってもらうか?」
「んー、それもどうかな?また1リングっていわれたら馬鹿らしいもの。
仕方がないね。」
「珍しいな、あきらめるのか?」
「まさかー。まだ時間は早いからね、守衛さんのところに行こう!
大道芸人青いあひるで商売するよ!!」
「するのか?あれを?」
守衛さんのところに行き、広場で商売をすることを伝える。
「ん?羽根を一抱え?
あんた、ここに入る前に集めてただろ?見てたよ。
あんなの誰も欲しがらないから、ガキどもがすぐに集めると思うぞ?
それで、歌を聞く前に皆帰るさ。」
「ええ、だから、歌を聞く条件で、一抱え1銅貨で買い取るわけですよ。
まず集めてもらって、笑わなかったら、1銅貨払うということですね。」
「あー、なるほどな。広場を使うには2リング。
あんた、損するぞ?」
「あはは。損しても羽毛は手に入るので。アヒル屋さんにタダでくれっていったら
1抱え1リングって言われました。それより安く手に入るでしょ?」
「あははは!アヒル屋はここでは一番のケチな奴だ。1抱え1リングとは恐れ入るね。
ま、許可はするよ。1日2リングだ。売り上げがあろうとなかろうと2リングだ。」
「わかりました。守衛さんもよかったら、見に来てくださいな。あ、羽毛はいいですよ?」
「そうか?あとで見に行くよ。」
「じゃ、2リング納めます。これが、許可書?おお、さすが、きっちりですね。
はい、ありがとうございます。では!絶対来てくださいね!」
「さ、商売だ!恥ずかしがらずに頑張ろう!」
「恥ずかしくはないんだが、笑ってしまうのはどうしようもない。」
「うふふふ。腹筋の鍛錬だ思えばいいよ。
さ、先に、告知して人を集めないとね。
アヒルの歌を歌うわけにはいかないし、マルコでも歌うか。」
広場はいい感じで人がたくさんいた。
入り口で広場の使用許可書を見せる。これで、この中で商売をしてもいいことになる。
1日2リングだ。月が沈むと同時に商売をしているのだろう、端の方しか空いていない。
隣のお店屋さんにさきに挨拶をしておく。
「すいません、今から人を集めて商売をします。
お騒がせになるかと思いますが、よろしくお願いします。」
「は!人を集められるんなら集めればいいさ、
そいつら相手に商売するからさ。」
「なるほど。
ではでは。」
お面を2人でつける。
まだ、誰もこちらを見ない。
隣の人もだ。
「ティス?そこに立って?私バク転してマティスの肩に乗って、
マルコの歌うたうから。」
「私は?」
「じっとしてて?」
「わかった。」
マティスを背に、10歩前に出る。
『さぁさぁ!大道芸人青いあひるだよ!
ちょいと見ておくれ!』
ちょっと言霊を使う。
「はっ!」
振り返った瞬間に気合を入れて、バク天、バク中とマティスの肩に乗る。
おおーーー!!
「みなさん!始めまして!
大道芸人青いあひる。まずは、小さな子供が出稼ぎに出た母を探して旅に出る歌を
お聞きください。
はるかー、草原を~
~
イリアスにむーけてー
皆が状況を想像して少し涙ぐむ。チョロイ!
いや、わたしも泣くけどね。
「はっ!」
上に飛び、くるりと着地。
皆が拍手する。
「皆さまありがとうございます。あ、いえいえ、今のでおひねりは結構です。
どうぞ、快く場所を開けてくださった、隣のお店でお買い物を。
ああ、わたしの商売はですね、名の通り、アヒル、アヒルの羽毛、
このふわっとしたものを集めております。
そこで、皆さんにお願いしたい!
一抱え1銅貨で買いたいのです。え?違いますよ!
皆さんが集めてわたしたちが買う。このふわふわしたものね。
もちろん、きれいなもの。よそ様のものを取っては行けませんよ。
ちょっと待って!そこな、少年!最後までお聞き!
こちらも商売!まずは皆さまに集めてもらいます。
先着50人!子供優先だよ!集めてくれたら、
まず、この甘いお菓子をあげようね。
それで、また歌を聞いておくれ。それで笑わなかったら、1銅貨だ。
さ!子供たち!ちょっと家に帰って、羽根を集めておいで!このふわふわだよ?
無理矢理アヒルさんからとっちゃだめだよ?
わるいが、なにかに包んでおくれよ。それとまずは甘いお菓子と交換だ!
先着50人だ!!よーい!どん!!」
子供たちは一目散に走っていった。
子供らしい子供、子供なのであろう子供、ざっと20人ぐらいか。
「おい!大人が集めて笑わなければ1銅貨か?」
「もちろん!子供たちより多く集めてくれるんならその分上乗せするよ!
まずは菓子と交換だけどね。笑わなければ銅貨と交換だ!
兄さん!集めてくれるのかい!さすが!頼りにしてるよ!!」
「おうよ!!」
そんな感じで、広場にひとが半分くらいになった。
しまった!!
「おい!客がいなくなったじゃないか!どうしてくれる!」
「おお!ごめんよ!ちょっと休憩ということで、
ちょっとした演武を披露するよ。見てておくれ!!
ティス、行くよ!!」
左右対称の型を披露していく。
コットワッツで披露したものだ。
それを打たないで、寸止め、左右対称。
止まり、動き、回転する。鏡の動きだ。
マティスが気合を入れれば、速さが増す。
打合せをしなくても動きが分かる。あはは、楽しい。
「はっ!!」
おおーー!!とまた拍手をもらった。
「戻った!一番だ!!」
ちょうど子供が一人り戻ってきた。
「おお!風のように早かった。1番だよ、ありがとうね。どれ?いいねー。
ほら、そっちの袋に入れておくれ、そしたら、こっちにおいで?
はい、これが甘い菓子だ。3つやろうね。」
「た、食べていいの?」
「ああ、どんなもんか心配かい?お!守衛さーん!!こっち!悪いが毒見しておくれ。」
「え?あんた。これ?ほんとに大丈夫なんだろうな?」
「嘘を見抜く守衛だろ?どうだい?」
「まぁ、そうだ。ん、ああ、なるほど。ふふふ。一つじゃわからんなあ!」
「何言ってんだ!ほれ、もう一つ!子供たちの分がなくなるよ!」
「あははは!ああ、うまい!これはいいな!」
「俺も!俺も!」
「もちろんだ!」
子供たちは素直に、3つ受け取り、その場で食べる子、
一つだけ食べて、大事に両手て持っている子がいる。家で食べるのだろうか。
大人組も戻ってきた。
かなり大きい袋だ。
「兄さん、すごいね。助かるよ。
ざっと、子供たちの3倍かな?じゃ、9つだ。」
「笑わなければ銅貨3枚だぞ!」
「もちろんだ!兄さん、頑張ってくれよ!」
そんなところで、おおきな袋には
赤いふわふわしたものが集まった。よしよし。
「さあさ、これからが本番だ!
今から青いあひるが歌って踊るよ!
終わった後に、10数えるうちに、取りに来てくれ!
では歌うよー!!
~
むうかーし、あひるーは、
ランララランランラン
お聞きくださり、ありがとう!
さ、10数えるよ~
笑わずに、銅貨をとりに来てくれ~。」
来れるわけがない。
皆、けいれん状態だ。
子供はモウ、ダメ。笑い合って、その様子をみてまた笑う。
大人組で、3倍持ってきた兄さんは頑張った。
でも、マティスと2人で、面をつけたまま、首をかしげると撃沈した。
守衛さんは最初からダメだ。
ジットカーフ、ニバーセルのマトグラーサ、その横のダカルナ、
それらから物が流通するのだ。
商業の街とはよく言ったものだ。
メイガの目の粉、胴体の粉も普通に売っていた。
もちろん足も。これは開いてのしている。
うん、スルメだ。
羽根も売っている。装飾品だ。
これらはここにしかないので特産品といっていいようだ。
樹石も売っている。湿地に入れば手に入るが、
街の人はそんなことはしない。
バケツ一つで1銀貨。
毎日使うものなので、月に6,7つはいる。
使った樹石を集める仕事もある。湖に、海に捨てるのだ。
石油と一緒でいつかなくなる資源なのだろうか?
樹が固まったものだというが、そうだろうか?
湿原にいつの間にか生まれているのだろうか?
では白くなった樹石は?海に溶け、なにかになって循環しているのか?
この研究だけで一生が終わりそうだ。
「ところで、アヒルって各家庭で飼ってるのかな?」
「なんだい?アヒルがほしいいのか?
広場にアヒル屋があるから行ってみるといい。
しかし、時期が悪いな。雨の日が過ぎれば、ひなが安く買える。
今はみな大きくなってるさ。」
「ああ、なるほど。じゃ、行ってみます。」
メイガの目の粉を買って、店の人に聞くとそう教えてくれた。
やはりこの粉は人は食べない。
ちょっと加えるだけでいいのにね。
「愛しい人、羽毛を集めてどうするんだ?」
「んー、お布団にするかな?羽毛布団。
それか、トックスさんにお願いしてわたしが最初に着てた赤いのあるでしょ?
あれの綿の代わりに羽毛をいれるの。
軽くて温いよ?」
「羽毛が温いのか?」
「そう。アヒルさん、寒さに強いでしょ?羽根、羽毛があるからね。」
「そうなのか。」
「うん、これはほんと。あ、羽根と言っても、ふわふわの奴よ?」
アヒル屋さんに羽毛が珍しいのでもらってもいいかと聞くと
タダでやるわけにはいかないといわれた。
「え?お金がいりますか?そうですよね。
ちなみにいかほどですか?」
「そうだな、一抱え、1リングだな。」
「なるほど。そんなにお高いものをタダでくれなんて!もの知らずにもほどがありますね。
申し訳ありませんでした。失礼しまーす。」
ゴミでもタダで人にやるのは嫌だと考えるタイプだった。
「愛しい人?いいのか?」
「ん?いいよ。くれるっていうなら、
小屋の掃除でもさせてもらうつもりだったけどね。
さすが、商売の街だ。」
「では、どうする?一軒一軒廻って譲ってもらうか?」
「んー、それもどうかな?また1リングっていわれたら馬鹿らしいもの。
仕方がないね。」
「珍しいな、あきらめるのか?」
「まさかー。まだ時間は早いからね、守衛さんのところに行こう!
大道芸人青いあひるで商売するよ!!」
「するのか?あれを?」
守衛さんのところに行き、広場で商売をすることを伝える。
「ん?羽根を一抱え?
あんた、ここに入る前に集めてただろ?見てたよ。
あんなの誰も欲しがらないから、ガキどもがすぐに集めると思うぞ?
それで、歌を聞く前に皆帰るさ。」
「ええ、だから、歌を聞く条件で、一抱え1銅貨で買い取るわけですよ。
まず集めてもらって、笑わなかったら、1銅貨払うということですね。」
「あー、なるほどな。広場を使うには2リング。
あんた、損するぞ?」
「あはは。損しても羽毛は手に入るので。アヒル屋さんにタダでくれっていったら
1抱え1リングって言われました。それより安く手に入るでしょ?」
「あははは!アヒル屋はここでは一番のケチな奴だ。1抱え1リングとは恐れ入るね。
ま、許可はするよ。1日2リングだ。売り上げがあろうとなかろうと2リングだ。」
「わかりました。守衛さんもよかったら、見に来てくださいな。あ、羽毛はいいですよ?」
「そうか?あとで見に行くよ。」
「じゃ、2リング納めます。これが、許可書?おお、さすが、きっちりですね。
はい、ありがとうございます。では!絶対来てくださいね!」
「さ、商売だ!恥ずかしがらずに頑張ろう!」
「恥ずかしくはないんだが、笑ってしまうのはどうしようもない。」
「うふふふ。腹筋の鍛錬だ思えばいいよ。
さ、先に、告知して人を集めないとね。
アヒルの歌を歌うわけにはいかないし、マルコでも歌うか。」
広場はいい感じで人がたくさんいた。
入り口で広場の使用許可書を見せる。これで、この中で商売をしてもいいことになる。
1日2リングだ。月が沈むと同時に商売をしているのだろう、端の方しか空いていない。
隣のお店屋さんにさきに挨拶をしておく。
「すいません、今から人を集めて商売をします。
お騒がせになるかと思いますが、よろしくお願いします。」
「は!人を集められるんなら集めればいいさ、
そいつら相手に商売するからさ。」
「なるほど。
ではでは。」
お面を2人でつける。
まだ、誰もこちらを見ない。
隣の人もだ。
「ティス?そこに立って?私バク転してマティスの肩に乗って、
マルコの歌うたうから。」
「私は?」
「じっとしてて?」
「わかった。」
マティスを背に、10歩前に出る。
『さぁさぁ!大道芸人青いあひるだよ!
ちょいと見ておくれ!』
ちょっと言霊を使う。
「はっ!」
振り返った瞬間に気合を入れて、バク天、バク中とマティスの肩に乗る。
おおーーー!!
「みなさん!始めまして!
大道芸人青いあひる。まずは、小さな子供が出稼ぎに出た母を探して旅に出る歌を
お聞きください。
はるかー、草原を~
~
イリアスにむーけてー
皆が状況を想像して少し涙ぐむ。チョロイ!
いや、わたしも泣くけどね。
「はっ!」
上に飛び、くるりと着地。
皆が拍手する。
「皆さまありがとうございます。あ、いえいえ、今のでおひねりは結構です。
どうぞ、快く場所を開けてくださった、隣のお店でお買い物を。
ああ、わたしの商売はですね、名の通り、アヒル、アヒルの羽毛、
このふわっとしたものを集めております。
そこで、皆さんにお願いしたい!
一抱え1銅貨で買いたいのです。え?違いますよ!
皆さんが集めてわたしたちが買う。このふわふわしたものね。
もちろん、きれいなもの。よそ様のものを取っては行けませんよ。
ちょっと待って!そこな、少年!最後までお聞き!
こちらも商売!まずは皆さまに集めてもらいます。
先着50人!子供優先だよ!集めてくれたら、
まず、この甘いお菓子をあげようね。
それで、また歌を聞いておくれ。それで笑わなかったら、1銅貨だ。
さ!子供たち!ちょっと家に帰って、羽根を集めておいで!このふわふわだよ?
無理矢理アヒルさんからとっちゃだめだよ?
わるいが、なにかに包んでおくれよ。それとまずは甘いお菓子と交換だ!
先着50人だ!!よーい!どん!!」
子供たちは一目散に走っていった。
子供らしい子供、子供なのであろう子供、ざっと20人ぐらいか。
「おい!大人が集めて笑わなければ1銅貨か?」
「もちろん!子供たちより多く集めてくれるんならその分上乗せするよ!
まずは菓子と交換だけどね。笑わなければ銅貨と交換だ!
兄さん!集めてくれるのかい!さすが!頼りにしてるよ!!」
「おうよ!!」
そんな感じで、広場にひとが半分くらいになった。
しまった!!
「おい!客がいなくなったじゃないか!どうしてくれる!」
「おお!ごめんよ!ちょっと休憩ということで、
ちょっとした演武を披露するよ。見てておくれ!!
ティス、行くよ!!」
左右対称の型を披露していく。
コットワッツで披露したものだ。
それを打たないで、寸止め、左右対称。
止まり、動き、回転する。鏡の動きだ。
マティスが気合を入れれば、速さが増す。
打合せをしなくても動きが分かる。あはは、楽しい。
「はっ!!」
おおーー!!とまた拍手をもらった。
「戻った!一番だ!!」
ちょうど子供が一人り戻ってきた。
「おお!風のように早かった。1番だよ、ありがとうね。どれ?いいねー。
ほら、そっちの袋に入れておくれ、そしたら、こっちにおいで?
はい、これが甘い菓子だ。3つやろうね。」
「た、食べていいの?」
「ああ、どんなもんか心配かい?お!守衛さーん!!こっち!悪いが毒見しておくれ。」
「え?あんた。これ?ほんとに大丈夫なんだろうな?」
「嘘を見抜く守衛だろ?どうだい?」
「まぁ、そうだ。ん、ああ、なるほど。ふふふ。一つじゃわからんなあ!」
「何言ってんだ!ほれ、もう一つ!子供たちの分がなくなるよ!」
「あははは!ああ、うまい!これはいいな!」
「俺も!俺も!」
「もちろんだ!」
子供たちは素直に、3つ受け取り、その場で食べる子、
一つだけ食べて、大事に両手て持っている子がいる。家で食べるのだろうか。
大人組も戻ってきた。
かなり大きい袋だ。
「兄さん、すごいね。助かるよ。
ざっと、子供たちの3倍かな?じゃ、9つだ。」
「笑わなければ銅貨3枚だぞ!」
「もちろんだ!兄さん、頑張ってくれよ!」
そんなところで、おおきな袋には
赤いふわふわしたものが集まった。よしよし。
「さあさ、これからが本番だ!
今から青いあひるが歌って踊るよ!
終わった後に、10数えるうちに、取りに来てくれ!
では歌うよー!!
~
むうかーし、あひるーは、
ランララランランラン
お聞きくださり、ありがとう!
さ、10数えるよ~
笑わずに、銅貨をとりに来てくれ~。」
来れるわけがない。
皆、けいれん状態だ。
子供はモウ、ダメ。笑い合って、その様子をみてまた笑う。
大人組で、3倍持ってきた兄さんは頑張った。
でも、マティスと2人で、面をつけたまま、首をかしげると撃沈した。
守衛さんは最初からダメだ。
13
あなたにおすすめの小説
男が英雄でなければならない世界 〜男女比1:20の世界に来たけど簡単にはちやほやしてくれません〜
タナん
ファンタジー
オタク気質な15歳の少年、原田湊は突然異世界に足を踏み入れる。
その世界は魔法があり、強大な獣が跋扈する男女比が1:20の男が少ないファンタジー世界。
モテない自分にもハーレムが作れると喜ぶ湊だが、弱肉強食のこの世界において、力で女に勝る男は大事にされる側などではなく、女を守り闘うものであった。
温室育ちの普通の日本人である湊がいきなり戦えるはずもなく、この世界の女に失望される。
それでも戦わなければならない。
それがこの世界における男だからだ。
湊は自らの考えの甘さに何度も傷つきながらも成長していく。
そしていつか湊は責任とは何かを知り、多くの命を背負う事になっていくのだった。
挿絵:夢路ぽに様
https://www.pixiv.net/users/14840570
※注 「」「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”
どたぬき
ファンタジー
ある日乗っていた飛行機が事故にあり、死んだはずの井原は名もない世界に神によって召喚された。現代を生きていた井原は、そこで神に”ダンジョンマスター”になって欲しいと懇願された。自身も建物を建てたい思いもあり、二つ返事で頷いた…。そんなダンジョンマスターの”はじまお”本編とは全くテイストの違う”普通のダンジョンマスター物”です。タグは書いていくうちに足していきます。
なろうさんに、これの本編である”はじまりのまおう”があります。そちらも一緒にご覧ください。こちらもあちらも、一日一話を目標に書いています。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。
黄玉八重
ファンタジー
水無月宗八は意識を取り戻した。
そこは誰もいない大きい部屋で、どうやら異世界召喚に遭ったようだ。
しかし姫様が「ようこそ!」って出迎えてくれないわ、不審者扱いされるわ、勇者は1ヶ月前に旅立ってらしいし、じゃあ俺は何で召喚されたの?
優しい水の国アスペラルダの方々に触れながら、
冒険者家業で地力を付けながら、
訪れた異世界に潜む問題に自分で飛び込んでいく。
勇者ではありません。
召喚されたのかも迷い込んだのかもわかりません。
でも、優しい異世界への恩返しになれば・・・。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる