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249:香木
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「これはすごい!」
「そこで、これに着替えてお入りください。」
ジャグジーはずっとぷくぷく泡は出している。
みな喜んで入っていった。けが人のあおたんが痛々しいが、
ここのお湯は元気になるようにしてるから、
ま、大丈夫だろう。
「では、皿に取り分けますので並べてもらえますか?」
大皿にはきれいに並べてあるが、
最初は一人ずつ入れるほうがいいだろう。
師匠たちの分も作り、下の食堂に置いておく。
手が空いたら取りに来るそうだ。
「米は食べますか?」
「めったには。スープに入れたりします。」
「そうですか。これ、ちょっと味見してください。
はりきって作りましたが、食習慣はどうしようもないですから。
どうぞ、遠慮ない感想を。」
小さな皿に酢飯と、いくら、うに、カニ、錦糸卵を乗せる。
「ああ、なにか食べ物を食べてこう、体にかゆみが走ったりしませんか?」
「ん?そういうのはないです。まさか、毒とか?」
「いえいえ、ほかの人は大丈夫なのに自分だけとか、
卵がダメな人もいるのですよ。小麦とかね。」
「小麦がダメなら何も食べれないのでは?」
「そうですね。こればっかりは体が受け付けないのでなんとも。
それと、なにか食物で禁止事項とかありますか?
肉がダメとか、特定の肉がダメとか。」
「いいえ、そのようなことは有りません。そういうのはあるのですか?コットワッツに?」
「いえ、聞いた話です。なんでもおいしくいただきますよ、コットワッツは。
それで、味はどうでしょうか?」
「ええ、おいしいです。このきれいな丸いのも食べられるのですか?」
「ああ、飾りではないですよ。どうぞ。」
「あ、あ、おいしいです。」
「ふふ、口の中ではじけました?ご飯、米とあうでしょ?」
「ええ。この細ながいのは卵ですよね。これは?」
「カニです。」
「カニ?これが?ジットカーフに近いので、森は迂回しますが、
海の幸は結構入ってきます。こんなカニは食べたことないです。」
「そうですか?ま、その丸いの、いくらと呼んでますが、
その種明かしも後でしましょう。
では問題ないですね。これのあとに甘味もだしますので。」
「先のほどの焼き菓子ですか?おいしかったです。」
「また違うものですよ。それもすこし味見しますか?」
スプーン1杯分のアイスを2人に渡す。
デザートはアイスとプリン、桃のコンポート添えだ。
「「冷たい!甘い!!なくなった!!!」」
「それはよかった。そろそろ、みな上がってきますね。
マティス、ビールを1杯だけ入れてあげて。
けが人はもう元気にはなってるから。」
「わかった。」
「おもしろい仕掛けですな。いつまでも入っていたい。
それに、このガウンは、ローブですか、いいですね。下着も。
伸び縮みするのがいい。」
「ええ、ローブはまだ試作の段階です。雨の日まで、
次の会合にはお見せできると思いますが、
良ければいま来ているものはお持ち帰りください。
他の方には内緒ですよ。もう、在庫がありませんので。」
「よろしいのですか?鉛筆の仕組みをお教えいただいた上に
このようなものまで。」
「ええ、もちろん。宣伝していただけると助かります。
さ、頂きましょう。これは姉上の故郷の料理らしいのですが、
わたしも初めてなのです。姉上、これは何というものですか?」
「ええ、ちらし寿司といいます。米を炊いたものに、酢をまぶして
海鮮、エビ、いくら、カニをまぶして、薄く焼いた卵を乗せています。
本当はもっと、いろいろ具材を混ぜるのですが、お恥ずかしながら
料理は不得手で、思い出しながら夫に作ってもらいました。
その椀のものはスープです。それとは別に、飲み物として
お茶、コムのお茶とはちょっと違いますが、緑茶を入れいます。
ご飯ものなので、おかずは、唐揚げと薄切り肉ですね。
お好きに取ってください。
中央にありますもの、お好きに取ってください。
どうぞ、召し上がれ。」
「これがカニ?エビはわかる。これは?」
「ああ、いくらです。魚の卵ですね。」
「魚の卵?これが?初めて見ました。」
「卵持ちは海に戻すそうですが、数匹紛れ込むのを
譲っていただきました。カニは脚の部分ですね。
捨てるそうですが、あの部分には
このような身が詰まっているのですよ?」
「モウ殿は海の近くの出身なのですか?」
「海、そうですね。遠い国です。皆さんが言う18か国ではないです。
海に囲まれ、自然豊かな国です。
流れて流れて、ここで、マティス、我が夫に巡り合い
夫婦になりました。夫が砂漠の民なのでわたしも今は砂漠の民です。」
「そうですか。ああ、道具は後程お見せしましょう。
あの時お聞きしたお話も詳しくお聞きしたい。たんぱん?」
「そのように身構えられると困るのですが、
食事の席の戯言とうことでしたら。」
「ええ、モウ殿がそうおっしゃるのでしたら。」
「わたしも詳しくは説明できませんが、
木の板目、柾目、これは同じ言葉ですか?」
そこから教えてもらった話をできるだけ簡単に説明した。
積層で曲げまでできるんだ、わかるだろう。
「なるほど、なるほど。しかし、その積層の木口が見えますよね?」
「ああ、そこにも貼りますね。単板。だから、削れないんですよ。
しかし、その木口が見えるか見えない隙間だったら貼らなくてもいい。
幅が広い時だけですね。木口を貼るのは。
もっと丁寧な仕事だったら、木口には耳材、無垢材を貼ります。
削り込んで埋めることもしますね。
ただこれは職人の腕と時間、お金に左右されます。
ただね、木目と、塗屋、塗装がきれいだったら大丈夫。
あの椅子にも表面に塗ってますよね。あれがきれいか、そうでないかで決まる。
塗屋最強。」
あー、最後に腕のいい塗装屋さんと知り合ってほんと良かった。
そんな思い出がよみがえる。
「な、なるほど。」
「あ!わたしの経験した話ですよ?はははは。
では、甘味をだしましょうか?入りますか?」
みな頷く。
アイスとプリン、モモのコンポート添え。
みなもくもくと食べる。
さりげなく、冷蔵庫と冷凍庫のことを宣伝しているセサミン。
なかなかの営業マンだ。
それを食べながら終わると、みなトランポリンで遊び始めた。
女性陣はわたしのジャージを貸してあげた。
ドーガーに教えてもらいながら弾んでいる。
マティスとルグたちはフックさんたちと型をトランポリンの上で決めている。
けが人3人組も。バランスを取るのが難しいらしい。
ジャグジーもトランポリンも売り出すのかと聞かれたが、
これらはまだまだ開発中で少し難しいと言葉を濁していた。
ゴムが発展すればできるんじゃないかな?
砂漠石を使っていいならできるしね。
イスナ様の道具箱を見せてもらった。
大体同じ。鉋は1枚刃だった。いい材が多いんだな。
好きな人にはまさしく宝石箱。楽しい。
ボルタオネに行ったときは道具屋を紹介してもらう約束もした。
セサミンも道具を見ながらいろいろ聞いている。
馬車の改良の時の苦労話などをして盛り上がっていた。
なんにせよ、この商談はうまくいった。
「モウ様、この服は本当に頂いてよろしいのですか?」
「ええ、運動するときなどにいいですよ。お使いください。」
「セサミナ殿、この小さなタオルも?」
「ええ、皆さんでお使いください。
ご注文いただいたタオルはでき次第お届けします。
その時に使い勝手などお教え願えれば、次につながりますので。」
「ありがとうございます。それで、マティス様の椅子類は、
少し時間がかかります。出来上がりは乾季に入ってからです。
良い材の加工も塗装もこの時期に作業するのが一番いい。」
「いつでも。出来上がれば、コットワッツに知らせていただければ。
取りに伺いますので。」
「いえいえ、お届けしますよ?」
「ああ、私たちは、ずっとコットワッツにいるわけではないのです。
なので、出来上がりを知らせてくれるだけでいい。
その時に近くにいるかもしれませんので。」
「そうですか。お近くにお越しの際はぜひともお寄りください。
木の風呂が自慢です。」
「わ!ヒノキ風呂ですか?いい香りがする?」
「はは!モウ殿はよくご存じだ。カプレという木です。
この材木です。よこればもらってください。小さくして風呂に入れてもいい香りがしますよ。」
檜、カプレという材木をもらった。うれしい、これでしゃもじを作ろう。
「ありがとうございます。
ああ、コク、馬を呼んできましょう。ここでお待ちください。」
「コク!みんな帰るよ~。ん?どこ行った?
お!お散歩だったの?みんな帰るよ。ん?プレゼント?
へー、なんだろ?食べ物?違うの?
あ、ほんといい匂い!え?内緒?みんなにも?
それはいいの?あははは!じゃ、隠しておこう。ありがとうね。
じゃ、行こうか。ん?いいの?」
荷台を取付、背に乗る。
奥の森で見つけたという、いい香りのする木片をもらった。
檜ではない。白檀?ちがうな。なんだろう?
ボルタオネの連中には見つかってはいけないらしい。
ぽくりぽくりと中庭から表に回る。
見本で持ってきたロッキングチェアと、アームチェアはもらってほしいと
頂いたそうだ。お尻が入り込んでいくのはクッションを置けばいいので
問題はなくなったが、それを参考に改良するとのこと。
出来上がりが楽しみだ。純粋に椅子として。
「お待たせしました。だいぶ向こうまでお散歩していたようです。
賢い馬ですね。」
飛び降りこともできず、マティスに下してもらう。
「こいつに乗れますか。さすがですね。」
「いえ、よじ登ることはできましたが、下りることはできませんよ?」
「いや、こいつは荷は引きますが、背には誰も乗せない。
黒毛の馬の特徴です。」
「え?そうなんですか?なんかこだわりがあるんですかね。」
コクは自分より強いか、好みの物しか乗せないといってる。
わらってごまかそう。
「では私は乗せてくれるのか?」
マティスも馬の言ってることが分かるようだ。
とんと飛び乗ってしまう。馬も、振り落とそうとはしない。
マティスが小さな声で馬の耳元で何かを言っている。
何だろう?
みなは一様におお!と声をあげた。
ボルタオネの一行はこのまま王都を離れるそうだ。
ペリーヌとフローネは名残惜しそうに、ハグをして別れた。
フックさんたちとは握手を。
『道中お気をつけて!何事もなくお帰りになりますように!』
言霊を使っても問題ないだろう。
さ、ドーガーと問いたださないと。3人で輪になって跳んでいたから。
だが、帰ってきた答えは、わたしとマティスのことばかり聞かれたと
少しがっかり気味に答えたくれた。うん、それはがっかりだ。
台所に行くと、3人分のちらし寿司がなくなっていたから、
食べに戻ったか、取りに来たのかな?
さ、晩御飯の前に買出しだ。
「そこで、これに着替えてお入りください。」
ジャグジーはずっとぷくぷく泡は出している。
みな喜んで入っていった。けが人のあおたんが痛々しいが、
ここのお湯は元気になるようにしてるから、
ま、大丈夫だろう。
「では、皿に取り分けますので並べてもらえますか?」
大皿にはきれいに並べてあるが、
最初は一人ずつ入れるほうがいいだろう。
師匠たちの分も作り、下の食堂に置いておく。
手が空いたら取りに来るそうだ。
「米は食べますか?」
「めったには。スープに入れたりします。」
「そうですか。これ、ちょっと味見してください。
はりきって作りましたが、食習慣はどうしようもないですから。
どうぞ、遠慮ない感想を。」
小さな皿に酢飯と、いくら、うに、カニ、錦糸卵を乗せる。
「ああ、なにか食べ物を食べてこう、体にかゆみが走ったりしませんか?」
「ん?そういうのはないです。まさか、毒とか?」
「いえいえ、ほかの人は大丈夫なのに自分だけとか、
卵がダメな人もいるのですよ。小麦とかね。」
「小麦がダメなら何も食べれないのでは?」
「そうですね。こればっかりは体が受け付けないのでなんとも。
それと、なにか食物で禁止事項とかありますか?
肉がダメとか、特定の肉がダメとか。」
「いいえ、そのようなことは有りません。そういうのはあるのですか?コットワッツに?」
「いえ、聞いた話です。なんでもおいしくいただきますよ、コットワッツは。
それで、味はどうでしょうか?」
「ええ、おいしいです。このきれいな丸いのも食べられるのですか?」
「ああ、飾りではないですよ。どうぞ。」
「あ、あ、おいしいです。」
「ふふ、口の中ではじけました?ご飯、米とあうでしょ?」
「ええ。この細ながいのは卵ですよね。これは?」
「カニです。」
「カニ?これが?ジットカーフに近いので、森は迂回しますが、
海の幸は結構入ってきます。こんなカニは食べたことないです。」
「そうですか?ま、その丸いの、いくらと呼んでますが、
その種明かしも後でしましょう。
では問題ないですね。これのあとに甘味もだしますので。」
「先のほどの焼き菓子ですか?おいしかったです。」
「また違うものですよ。それもすこし味見しますか?」
スプーン1杯分のアイスを2人に渡す。
デザートはアイスとプリン、桃のコンポート添えだ。
「「冷たい!甘い!!なくなった!!!」」
「それはよかった。そろそろ、みな上がってきますね。
マティス、ビールを1杯だけ入れてあげて。
けが人はもう元気にはなってるから。」
「わかった。」
「おもしろい仕掛けですな。いつまでも入っていたい。
それに、このガウンは、ローブですか、いいですね。下着も。
伸び縮みするのがいい。」
「ええ、ローブはまだ試作の段階です。雨の日まで、
次の会合にはお見せできると思いますが、
良ければいま来ているものはお持ち帰りください。
他の方には内緒ですよ。もう、在庫がありませんので。」
「よろしいのですか?鉛筆の仕組みをお教えいただいた上に
このようなものまで。」
「ええ、もちろん。宣伝していただけると助かります。
さ、頂きましょう。これは姉上の故郷の料理らしいのですが、
わたしも初めてなのです。姉上、これは何というものですか?」
「ええ、ちらし寿司といいます。米を炊いたものに、酢をまぶして
海鮮、エビ、いくら、カニをまぶして、薄く焼いた卵を乗せています。
本当はもっと、いろいろ具材を混ぜるのですが、お恥ずかしながら
料理は不得手で、思い出しながら夫に作ってもらいました。
その椀のものはスープです。それとは別に、飲み物として
お茶、コムのお茶とはちょっと違いますが、緑茶を入れいます。
ご飯ものなので、おかずは、唐揚げと薄切り肉ですね。
お好きに取ってください。
中央にありますもの、お好きに取ってください。
どうぞ、召し上がれ。」
「これがカニ?エビはわかる。これは?」
「ああ、いくらです。魚の卵ですね。」
「魚の卵?これが?初めて見ました。」
「卵持ちは海に戻すそうですが、数匹紛れ込むのを
譲っていただきました。カニは脚の部分ですね。
捨てるそうですが、あの部分には
このような身が詰まっているのですよ?」
「モウ殿は海の近くの出身なのですか?」
「海、そうですね。遠い国です。皆さんが言う18か国ではないです。
海に囲まれ、自然豊かな国です。
流れて流れて、ここで、マティス、我が夫に巡り合い
夫婦になりました。夫が砂漠の民なのでわたしも今は砂漠の民です。」
「そうですか。ああ、道具は後程お見せしましょう。
あの時お聞きしたお話も詳しくお聞きしたい。たんぱん?」
「そのように身構えられると困るのですが、
食事の席の戯言とうことでしたら。」
「ええ、モウ殿がそうおっしゃるのでしたら。」
「わたしも詳しくは説明できませんが、
木の板目、柾目、これは同じ言葉ですか?」
そこから教えてもらった話をできるだけ簡単に説明した。
積層で曲げまでできるんだ、わかるだろう。
「なるほど、なるほど。しかし、その積層の木口が見えますよね?」
「ああ、そこにも貼りますね。単板。だから、削れないんですよ。
しかし、その木口が見えるか見えない隙間だったら貼らなくてもいい。
幅が広い時だけですね。木口を貼るのは。
もっと丁寧な仕事だったら、木口には耳材、無垢材を貼ります。
削り込んで埋めることもしますね。
ただこれは職人の腕と時間、お金に左右されます。
ただね、木目と、塗屋、塗装がきれいだったら大丈夫。
あの椅子にも表面に塗ってますよね。あれがきれいか、そうでないかで決まる。
塗屋最強。」
あー、最後に腕のいい塗装屋さんと知り合ってほんと良かった。
そんな思い出がよみがえる。
「な、なるほど。」
「あ!わたしの経験した話ですよ?はははは。
では、甘味をだしましょうか?入りますか?」
みな頷く。
アイスとプリン、モモのコンポート添え。
みなもくもくと食べる。
さりげなく、冷蔵庫と冷凍庫のことを宣伝しているセサミン。
なかなかの営業マンだ。
それを食べながら終わると、みなトランポリンで遊び始めた。
女性陣はわたしのジャージを貸してあげた。
ドーガーに教えてもらいながら弾んでいる。
マティスとルグたちはフックさんたちと型をトランポリンの上で決めている。
けが人3人組も。バランスを取るのが難しいらしい。
ジャグジーもトランポリンも売り出すのかと聞かれたが、
これらはまだまだ開発中で少し難しいと言葉を濁していた。
ゴムが発展すればできるんじゃないかな?
砂漠石を使っていいならできるしね。
イスナ様の道具箱を見せてもらった。
大体同じ。鉋は1枚刃だった。いい材が多いんだな。
好きな人にはまさしく宝石箱。楽しい。
ボルタオネに行ったときは道具屋を紹介してもらう約束もした。
セサミンも道具を見ながらいろいろ聞いている。
馬車の改良の時の苦労話などをして盛り上がっていた。
なんにせよ、この商談はうまくいった。
「モウ様、この服は本当に頂いてよろしいのですか?」
「ええ、運動するときなどにいいですよ。お使いください。」
「セサミナ殿、この小さなタオルも?」
「ええ、皆さんでお使いください。
ご注文いただいたタオルはでき次第お届けします。
その時に使い勝手などお教え願えれば、次につながりますので。」
「ありがとうございます。それで、マティス様の椅子類は、
少し時間がかかります。出来上がりは乾季に入ってからです。
良い材の加工も塗装もこの時期に作業するのが一番いい。」
「いつでも。出来上がれば、コットワッツに知らせていただければ。
取りに伺いますので。」
「いえいえ、お届けしますよ?」
「ああ、私たちは、ずっとコットワッツにいるわけではないのです。
なので、出来上がりを知らせてくれるだけでいい。
その時に近くにいるかもしれませんので。」
「そうですか。お近くにお越しの際はぜひともお寄りください。
木の風呂が自慢です。」
「わ!ヒノキ風呂ですか?いい香りがする?」
「はは!モウ殿はよくご存じだ。カプレという木です。
この材木です。よこればもらってください。小さくして風呂に入れてもいい香りがしますよ。」
檜、カプレという材木をもらった。うれしい、これでしゃもじを作ろう。
「ありがとうございます。
ああ、コク、馬を呼んできましょう。ここでお待ちください。」
「コク!みんな帰るよ~。ん?どこ行った?
お!お散歩だったの?みんな帰るよ。ん?プレゼント?
へー、なんだろ?食べ物?違うの?
あ、ほんといい匂い!え?内緒?みんなにも?
それはいいの?あははは!じゃ、隠しておこう。ありがとうね。
じゃ、行こうか。ん?いいの?」
荷台を取付、背に乗る。
奥の森で見つけたという、いい香りのする木片をもらった。
檜ではない。白檀?ちがうな。なんだろう?
ボルタオネの連中には見つかってはいけないらしい。
ぽくりぽくりと中庭から表に回る。
見本で持ってきたロッキングチェアと、アームチェアはもらってほしいと
頂いたそうだ。お尻が入り込んでいくのはクッションを置けばいいので
問題はなくなったが、それを参考に改良するとのこと。
出来上がりが楽しみだ。純粋に椅子として。
「お待たせしました。だいぶ向こうまでお散歩していたようです。
賢い馬ですね。」
飛び降りこともできず、マティスに下してもらう。
「こいつに乗れますか。さすがですね。」
「いえ、よじ登ることはできましたが、下りることはできませんよ?」
「いや、こいつは荷は引きますが、背には誰も乗せない。
黒毛の馬の特徴です。」
「え?そうなんですか?なんかこだわりがあるんですかね。」
コクは自分より強いか、好みの物しか乗せないといってる。
わらってごまかそう。
「では私は乗せてくれるのか?」
マティスも馬の言ってることが分かるようだ。
とんと飛び乗ってしまう。馬も、振り落とそうとはしない。
マティスが小さな声で馬の耳元で何かを言っている。
何だろう?
みなは一様におお!と声をあげた。
ボルタオネの一行はこのまま王都を離れるそうだ。
ペリーヌとフローネは名残惜しそうに、ハグをして別れた。
フックさんたちとは握手を。
『道中お気をつけて!何事もなくお帰りになりますように!』
言霊を使っても問題ないだろう。
さ、ドーガーと問いたださないと。3人で輪になって跳んでいたから。
だが、帰ってきた答えは、わたしとマティスのことばかり聞かれたと
少しがっかり気味に答えたくれた。うん、それはがっかりだ。
台所に行くと、3人分のちらし寿司がなくなっていたから、
食べに戻ったか、取りに来たのかな?
さ、晩御飯の前に買出しだ。
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