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158:弟子
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ワイプさんの言うとおり、呼吸だ。
わたしがすぐに疲れるのは、呼吸するタイミングが悪いからだ。
それさえ間違わなければかなり動ける。
目で追うのではなく、流れを読む。
自分の力を出すのではなく、相手の力を返す。
「よくわかります!
マティスは人に教えるのはうまくないんで。
わたしも理論武装してからでないと理解ができないんです。
ありがとうございます。ワイプ師匠!」
「そうでしょう、そうでしょう。彼は天性の才能がある上に努力家だ。
わたしのような凡人が一番憎らしく思う人種ですね。
彼を超えるには、彼以上の鍛錬をするしかないのです。」
「わかります!100の努力をして100の力がやっと出せるのに
10の努力で100ならまだしも、200出す奴!いました!そういう奴!
これが小憎たらしい性格なら、けちょんけちょんに心の中でちぎってやるのに、
そういう奴に限って、いい奴なんです!!」
「あははは、わかりますよ。彼はその典型だ。
しかし、天才ゆえに、過程の変化を知らない。やればできてしまうのですから。
そこですよね、突くとすれば。」
「なるほど!師匠!この件に関しては、がぜん、師匠を応援します!!」
「ふはははは!それでこそ、我が弟子というものです。」
「2人ともいい加減にしろ!」
邪魔されてしまった。
手合わせは終わり、型からその流れの講義中だったのに。
しかし、振り返れば、あとは出発するだけになっていた。
お風呂も皆片付いている。
「あ、もう、すっかり片付いたね。
ごめんね、任せっきりで。」
「かまわない。それで?得るものはあったのか?」
「うん、マティスが言ってたことが、やっと理解できたよ。
マティスは先生には向かないね。ある程度、理論を持ってる人向けだ。
ずぶの素人にはワイプ師匠の理論的説明が必要だった。
ルグとドーガーは自分の理論を持ってるからよかったんだよね。」
「そうか、それは悪いことをしたな。ではこれからはもう大丈夫だな?
ワイプはいらないな?」
「なんですか?それは?師弟を引き離そうとしないでください。」
「ふふふ、楽しいね?」
「「楽しくはない!!」」
「そう?あ、師匠!これ、よかったらもらってください。
癒しグッズです。これは頭に。これは肩ですね。
で、この上に寝転んで背筋を伸ばすと肩甲骨の下に、ぐりぐりが当たります。」
「ほぉほぉ。これは素晴らしいですね。これも、資産院の皆で量産しても?」
「んー、これは砂漠石を使ってるから、効き目が違うかな?
でも、代わりに木なんかをつかっても、気持ちいいことは気持ちいですよ?」
「・・・わたし専用にします。」
先頭はスーとホーのワイプさんの馬車。
次が赤馬2頭、チャーとロクが馬車を引き、それにセサミンたちが乗っている。
チャーはお茶好き、ロクはわたしの出した水にいたく感動したからだ。
チャーとロクが言うにはうまいものを食べさせるからといって、付いてきたが、
サボテンはいまいちだったらしい。
それでも、新天地にワクワクはしていたと話してくれた。
ここで、王都の馬とも仲良くなれたし、うまい水、茶葉も食べれたので、大満足らしい。
王都の馬とは出身はちがうようだ。王都の馬はグレイの毛並みだ。
しんがりは、マティスとわたしが乗るサボテン大好き馬、命名テン君。
わたしも馬車にのることになっていたけど、酔う。馬車は酔う。
揺れない卵屋が開発した工夫がされている馬車でも酔う。
ワイプさんの馬車なら即だった。
なので、体をマティスに預け、進むこととなった。
ここまで、みなにいろいろ話しているから、飛んでいこうか?とマティスに言ったら
だれが見ているかわからないからやめておけと言われた。
気配を消せば?といえば、馬に乗せて進みたいからおとなしく前に乗れといわれた。
そうなの?
で、いま、パカラパカラというよりは、かなりな速さで進んでいる。
月が沈んでから、遊びすぎたからだ。
癒しグッズをルグたちが欲しがったのだ。ヘッドスパ用のを特に。大丈夫そうなのにね。
同じようなものを作って渡すと、なんだか、師匠にわるいので、
急遽師匠に襟巻とお揃いの帽子をプレゼントした。
トックスさんの見本があるからある程度は大丈夫。
帽子はロシアの人をイメージした。
喜んでくれたからいいだろう。
帽子にした深い意味はない。
1つの領国を抜けていく。
街道は整備され、森を抜けると、草原ではなく、農地が広がる。
小麦、米、じゃがいも、玉ねぎなどを作っているそうだ。
農業が盛んな領地というわけだ。
ちなみに、米はトウモロコシのような形で。ぬかだと思っていたのは、花粉だったようだ。
違うのね、やっぱり。
じゃ、米を煎ったらポップコーンになるのかしら?
半分進んだ時に休憩がてら今後の予定を教えてもらった。
今日はこの領国ラルトルガの領主館に泊まるらしい。
月が昇る前に街に入る予定だ。
で、月が沈むと同時に、そこの領主といっしょに王都に入ることになる。
いつもそうなのか?と聞けば、今回はメディングの財産譲渡、砂漠の変動、広場であった武の祭り
のことなどの話が聞きたいと早馬で知らせが来たらしい。
人数が増えたけどだいじょうぶか?と問えば、
そのときには資産院のものが同行するということは知らせてあるので、
問題ないと、逆に100人規模で訪れても、領主の面子にかけて接待するだろうとのこと。
「じゃ、赤い塊じゃなくて、ワイプ師匠の弟子ということになるね。」
「なるほど。そうですね。資産院の人間というには後々問題が出そうですしね。
個人的な弟子ということにしましょう。ああ、マティス君もね。」
「な!!どうして!」
「え?いやなんですか?いいですよ?
モウ殿はわたしの弟子で、あなたは、セサミナ殿の配下ということでも。
部屋割で、もしかしたら離れるかもしれませんが、1日ぐらいかまわないでしょう。」
「・・・お前の弟子でいい。」
「師匠をお前と呼ぶ弟子はいませんが?」
「・・・ワイプ、師匠・・・」
「あはははは!なんて!なんてたのしい旅なのでしょうか!!」
「おぼえてろ!!」
「じゃ、師匠の弟子らしく服装も変えないとね。王都に付いたら赤い塊になるとして、
どうしようか?砂漠の民と高原の民はややこしくなる?師匠?どんなのがいいですか?」
「ふん、そんなのをワイプに聞いてわかるわけがない。」
「師匠ですよ?マティス、いえ、ティス君?でも、正直にいうとわかりませんね。
ここはセサミナ殿にお任せしましょう。」
「姉さん、領主館に入る前に街に寄りましょう。この速さだと、かなり余裕をもって到着できます。
さすが、コムの赤馬ですね。まず、簡単な服を買って、それから街に買出しに出ましょう。
穀物、野菜類と豊富ですよ、ラルトルガは。」
「やった!お米買わないといけないもんね。
卵と乳もあるかな?」
「卵は有りますね。乳はどうでしょうか?メーウーのものはないかもしれませんが、
別の種類の乳は有るかもしれませんね。」
「ああ、たしか、家畜化しているボットから乳を取っているはずですよ。
チーズを作っている。」
さすが、ワイプ師匠だ。食のことは詳しい。
「ティス、ボットってどんなの?」
土に木の枝でさ書いてくれた絵は、ヤギに近い。
毛は薄いので利用せず、肉をとる。牛のポジションだ。
「へー、そのお肉はおいしい?」
「うまいですね。サイよりも劣りますが、仔ボットの肉ならばサイ以上です。」
「おお、なるほど。そういうのあるね。」
「一般にはオスが肉に、メスは子を産み、乳をとって、そのあと肉になります。
一般に出回るのはその肉ですね。オスは肉のために餌も特別なものを与えているそうですよ。」
「姉さんはこういう話は平気ですか?」
「へ?ああ、かわいそうとかそういうの?」
「ええ、妻たちはだめですね。頂いたサイで館のものみなで焼肉としてふるまったんですよ。
みな喜んでくれました。たれも姉さんのところでいただいたものをドーガー主導で再現してね。
中庭で肉を捌きながらやったんです。それには顔を背けました。その肉は食べるのに。」
「あははは!いっしょ、いっしょ!わたしもそうだよ?捌くところは見たくなかった。
血抜きとかね。でも、そんなこと言ってられないとおもったね。
だって、食べるんだもの。無駄にはせずに、おいしくいただければいい。
でも、嫌がる気持ちもわかるよ。さばきながらはちょっと刺激が強すぎたかな?
それでも、お肉を食べてくれたんだもの、よいよい。」
「”食べてくれた”となるのですか?」
「そうだよ?刺激が強いけど、せっかく旦那さんが用意してくれたんだもの、
食べないとね。死んだサイにも悪いでしょ?殺した以上食べないと。
最悪なのは、食べないで捨てることだもの。
こんなの食べれん!なんていわないで、おいしく食べてくれたんでしょ?」
「ええ、それはもう、山盛りで。」
「あははは、じゃ、いいじゃん。食べなきゃ生きていけんのだからね。
ま、その過程は、必要なら受け入れられるよ?
餓死寸前なら、そんなこと言ってられないよ?
それだけ平和ってことだよ。あまりになにも知らないのは問題だけどね。
程度の話だよ?」
「そう、そうですね。」
「あ、そのことで、喧嘩したの?」
「喧嘩ではないのですが、どうなのだろう?と。」
「だれだって苦手なものはあるよ?ほんとに血が苦手な人もいるし、
高いところや、暗いところ、狭いところが苦手な人もいてるからね。
なんにせよ、無理強いしちゃだめだよ?」
「そうですね。なんでも受け入れてくれることを無理強いしていたのかもしれません。
妻たちはいつもよく尽くしてくれているのに。」
「おうおう、惚気てるよ、どうしてくれようか?」
「任せろ!愛しい人の惚気話は山ほどある。まずだな、あの先生姿での、、「黙れ!!」
無理矢理マティスを黙らせて、そろそろ出発することになりました。
へんなものが湧いてくることもなく、ラルトルガの領主館のある街、ベービスに付きました。
その行きつくまでの旅の小話は、苦手なもの、怖いものというつながりで
「まんじゅうこわい」披露しました。
大うけです。
「わたしなら、甘いもの、プリンとアイスですね!」
「あははは!それさ、例えば、領主館で苦手なものはございませんか?って聞かれて
そう答えちゃうと、ドーガーだけ甘味のない夕食になっちゃうかもよ?」
「そんな!ひどい!!」
わたしがすぐに疲れるのは、呼吸するタイミングが悪いからだ。
それさえ間違わなければかなり動ける。
目で追うのではなく、流れを読む。
自分の力を出すのではなく、相手の力を返す。
「よくわかります!
マティスは人に教えるのはうまくないんで。
わたしも理論武装してからでないと理解ができないんです。
ありがとうございます。ワイプ師匠!」
「そうでしょう、そうでしょう。彼は天性の才能がある上に努力家だ。
わたしのような凡人が一番憎らしく思う人種ですね。
彼を超えるには、彼以上の鍛錬をするしかないのです。」
「わかります!100の努力をして100の力がやっと出せるのに
10の努力で100ならまだしも、200出す奴!いました!そういう奴!
これが小憎たらしい性格なら、けちょんけちょんに心の中でちぎってやるのに、
そういう奴に限って、いい奴なんです!!」
「あははは、わかりますよ。彼はその典型だ。
しかし、天才ゆえに、過程の変化を知らない。やればできてしまうのですから。
そこですよね、突くとすれば。」
「なるほど!師匠!この件に関しては、がぜん、師匠を応援します!!」
「ふはははは!それでこそ、我が弟子というものです。」
「2人ともいい加減にしろ!」
邪魔されてしまった。
手合わせは終わり、型からその流れの講義中だったのに。
しかし、振り返れば、あとは出発するだけになっていた。
お風呂も皆片付いている。
「あ、もう、すっかり片付いたね。
ごめんね、任せっきりで。」
「かまわない。それで?得るものはあったのか?」
「うん、マティスが言ってたことが、やっと理解できたよ。
マティスは先生には向かないね。ある程度、理論を持ってる人向けだ。
ずぶの素人にはワイプ師匠の理論的説明が必要だった。
ルグとドーガーは自分の理論を持ってるからよかったんだよね。」
「そうか、それは悪いことをしたな。ではこれからはもう大丈夫だな?
ワイプはいらないな?」
「なんですか?それは?師弟を引き離そうとしないでください。」
「ふふふ、楽しいね?」
「「楽しくはない!!」」
「そう?あ、師匠!これ、よかったらもらってください。
癒しグッズです。これは頭に。これは肩ですね。
で、この上に寝転んで背筋を伸ばすと肩甲骨の下に、ぐりぐりが当たります。」
「ほぉほぉ。これは素晴らしいですね。これも、資産院の皆で量産しても?」
「んー、これは砂漠石を使ってるから、効き目が違うかな?
でも、代わりに木なんかをつかっても、気持ちいいことは気持ちいですよ?」
「・・・わたし専用にします。」
先頭はスーとホーのワイプさんの馬車。
次が赤馬2頭、チャーとロクが馬車を引き、それにセサミンたちが乗っている。
チャーはお茶好き、ロクはわたしの出した水にいたく感動したからだ。
チャーとロクが言うにはうまいものを食べさせるからといって、付いてきたが、
サボテンはいまいちだったらしい。
それでも、新天地にワクワクはしていたと話してくれた。
ここで、王都の馬とも仲良くなれたし、うまい水、茶葉も食べれたので、大満足らしい。
王都の馬とは出身はちがうようだ。王都の馬はグレイの毛並みだ。
しんがりは、マティスとわたしが乗るサボテン大好き馬、命名テン君。
わたしも馬車にのることになっていたけど、酔う。馬車は酔う。
揺れない卵屋が開発した工夫がされている馬車でも酔う。
ワイプさんの馬車なら即だった。
なので、体をマティスに預け、進むこととなった。
ここまで、みなにいろいろ話しているから、飛んでいこうか?とマティスに言ったら
だれが見ているかわからないからやめておけと言われた。
気配を消せば?といえば、馬に乗せて進みたいからおとなしく前に乗れといわれた。
そうなの?
で、いま、パカラパカラというよりは、かなりな速さで進んでいる。
月が沈んでから、遊びすぎたからだ。
癒しグッズをルグたちが欲しがったのだ。ヘッドスパ用のを特に。大丈夫そうなのにね。
同じようなものを作って渡すと、なんだか、師匠にわるいので、
急遽師匠に襟巻とお揃いの帽子をプレゼントした。
トックスさんの見本があるからある程度は大丈夫。
帽子はロシアの人をイメージした。
喜んでくれたからいいだろう。
帽子にした深い意味はない。
1つの領国を抜けていく。
街道は整備され、森を抜けると、草原ではなく、農地が広がる。
小麦、米、じゃがいも、玉ねぎなどを作っているそうだ。
農業が盛んな領地というわけだ。
ちなみに、米はトウモロコシのような形で。ぬかだと思っていたのは、花粉だったようだ。
違うのね、やっぱり。
じゃ、米を煎ったらポップコーンになるのかしら?
半分進んだ時に休憩がてら今後の予定を教えてもらった。
今日はこの領国ラルトルガの領主館に泊まるらしい。
月が昇る前に街に入る予定だ。
で、月が沈むと同時に、そこの領主といっしょに王都に入ることになる。
いつもそうなのか?と聞けば、今回はメディングの財産譲渡、砂漠の変動、広場であった武の祭り
のことなどの話が聞きたいと早馬で知らせが来たらしい。
人数が増えたけどだいじょうぶか?と問えば、
そのときには資産院のものが同行するということは知らせてあるので、
問題ないと、逆に100人規模で訪れても、領主の面子にかけて接待するだろうとのこと。
「じゃ、赤い塊じゃなくて、ワイプ師匠の弟子ということになるね。」
「なるほど。そうですね。資産院の人間というには後々問題が出そうですしね。
個人的な弟子ということにしましょう。ああ、マティス君もね。」
「な!!どうして!」
「え?いやなんですか?いいですよ?
モウ殿はわたしの弟子で、あなたは、セサミナ殿の配下ということでも。
部屋割で、もしかしたら離れるかもしれませんが、1日ぐらいかまわないでしょう。」
「・・・お前の弟子でいい。」
「師匠をお前と呼ぶ弟子はいませんが?」
「・・・ワイプ、師匠・・・」
「あはははは!なんて!なんてたのしい旅なのでしょうか!!」
「おぼえてろ!!」
「じゃ、師匠の弟子らしく服装も変えないとね。王都に付いたら赤い塊になるとして、
どうしようか?砂漠の民と高原の民はややこしくなる?師匠?どんなのがいいですか?」
「ふん、そんなのをワイプに聞いてわかるわけがない。」
「師匠ですよ?マティス、いえ、ティス君?でも、正直にいうとわかりませんね。
ここはセサミナ殿にお任せしましょう。」
「姉さん、領主館に入る前に街に寄りましょう。この速さだと、かなり余裕をもって到着できます。
さすが、コムの赤馬ですね。まず、簡単な服を買って、それから街に買出しに出ましょう。
穀物、野菜類と豊富ですよ、ラルトルガは。」
「やった!お米買わないといけないもんね。
卵と乳もあるかな?」
「卵は有りますね。乳はどうでしょうか?メーウーのものはないかもしれませんが、
別の種類の乳は有るかもしれませんね。」
「ああ、たしか、家畜化しているボットから乳を取っているはずですよ。
チーズを作っている。」
さすが、ワイプ師匠だ。食のことは詳しい。
「ティス、ボットってどんなの?」
土に木の枝でさ書いてくれた絵は、ヤギに近い。
毛は薄いので利用せず、肉をとる。牛のポジションだ。
「へー、そのお肉はおいしい?」
「うまいですね。サイよりも劣りますが、仔ボットの肉ならばサイ以上です。」
「おお、なるほど。そういうのあるね。」
「一般にはオスが肉に、メスは子を産み、乳をとって、そのあと肉になります。
一般に出回るのはその肉ですね。オスは肉のために餌も特別なものを与えているそうですよ。」
「姉さんはこういう話は平気ですか?」
「へ?ああ、かわいそうとかそういうの?」
「ええ、妻たちはだめですね。頂いたサイで館のものみなで焼肉としてふるまったんですよ。
みな喜んでくれました。たれも姉さんのところでいただいたものをドーガー主導で再現してね。
中庭で肉を捌きながらやったんです。それには顔を背けました。その肉は食べるのに。」
「あははは!いっしょ、いっしょ!わたしもそうだよ?捌くところは見たくなかった。
血抜きとかね。でも、そんなこと言ってられないとおもったね。
だって、食べるんだもの。無駄にはせずに、おいしくいただければいい。
でも、嫌がる気持ちもわかるよ。さばきながらはちょっと刺激が強すぎたかな?
それでも、お肉を食べてくれたんだもの、よいよい。」
「”食べてくれた”となるのですか?」
「そうだよ?刺激が強いけど、せっかく旦那さんが用意してくれたんだもの、
食べないとね。死んだサイにも悪いでしょ?殺した以上食べないと。
最悪なのは、食べないで捨てることだもの。
こんなの食べれん!なんていわないで、おいしく食べてくれたんでしょ?」
「ええ、それはもう、山盛りで。」
「あははは、じゃ、いいじゃん。食べなきゃ生きていけんのだからね。
ま、その過程は、必要なら受け入れられるよ?
餓死寸前なら、そんなこと言ってられないよ?
それだけ平和ってことだよ。あまりになにも知らないのは問題だけどね。
程度の話だよ?」
「そう、そうですね。」
「あ、そのことで、喧嘩したの?」
「喧嘩ではないのですが、どうなのだろう?と。」
「だれだって苦手なものはあるよ?ほんとに血が苦手な人もいるし、
高いところや、暗いところ、狭いところが苦手な人もいてるからね。
なんにせよ、無理強いしちゃだめだよ?」
「そうですね。なんでも受け入れてくれることを無理強いしていたのかもしれません。
妻たちはいつもよく尽くしてくれているのに。」
「おうおう、惚気てるよ、どうしてくれようか?」
「任せろ!愛しい人の惚気話は山ほどある。まずだな、あの先生姿での、、「黙れ!!」
無理矢理マティスを黙らせて、そろそろ出発することになりました。
へんなものが湧いてくることもなく、ラルトルガの領主館のある街、ベービスに付きました。
その行きつくまでの旅の小話は、苦手なもの、怖いものというつながりで
「まんじゅうこわい」披露しました。
大うけです。
「わたしなら、甘いもの、プリンとアイスですね!」
「あははは!それさ、例えば、領主館で苦手なものはございませんか?って聞かれて
そう答えちゃうと、ドーガーだけ甘味のない夕食になっちゃうかもよ?」
「そんな!ひどい!!」
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