いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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83:攻撃

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昼を持ってきてくれた彼女は冷えた水と
冷たい柔らかな布、たおるを出してくれた。これはいい。
呼び寄せれるように冷蔵庫に入れあるという。

おにぎりも食べやすかった。白い塊は少し不気味だったが、
塩味がついていて、肉巻きやたまごと合う。
このごはんのうえに様々な食材をのせるのがどんぶりというもので、
焼肉どんは簡単にできるという。晩飯はそれになった。

彼女が所望していた歯を洗うブラシはなるほど、
小さいもので、口の中に入る。
彼女はじゃかじゃかと動かしているが、私は喉奥を突いてしまい
えずいてしまった。
床に座り膝枕の体制で彼女が私の歯にブラシをあてる。
歯にあたるからよだれが出るのか、興奮してよだれが出るのか、
すごくよかった。彼女が口ずさんでいた音もよかった。

狩りはせずに鍛錬のため着替えてくる彼女を先に運動場で待つ。
彼女のいでたちはまさに高原の民であった。
色が生成り一色だが、形は高原の民のそれで、
いや、からだの線がしっかり出ているから、ひときわ妖艶であった。
靴も動きやすそうである。


彼女が一方的に攻撃をするということで
2人向かい合う。

「ちょっと身構えて。こう、右を払ったら、左、そのまま蹴りに行くから、最初は
ゆっくりね。こう、きて、こういってこう。」
パシン、パシン、ドスと当たる。なんというか、ほほえましい。顔には出さないが。
「なるほど、当たるとこんな感じなのね。次同じ動きで速くいくね。」
パシパシドン。速い。え?
「ん、じゃ行くよ?」

彼女は対人は初めてだと言っていたし、
こちらに来てからの動きだとも言っていた。
にもかかわらず、的確に急所を狙ってくる。
避けるにも彼女に負担がかからないようにするだけで手いっぱいだ。
心の中も無に近い。回し蹴りを払いあげれば、そのまま後ろに回転し
着地と同時にこちらに突っ込んできた
避けるために一歩後退すると、そのまま、片腕を取られ投げ込まれてしまう。
背中を打ち避ける間もなく、目の前にこぶしが止まっていた。

「はぁぁぁぁ」

彼女が大きく息を吐き横に倒れる。
抱き起こし、水と、つめたいたおるを呼び寄せ、彼女の首元に掛けた。

「すごいな。殺気こそなかったが、避けるのでいっぱいだった。」
「はぁはぁ、まてぃ、すがうまく、よけるから、ね、、、、ごめん、横になる。」

やはり体力はまだまだつかないようだ。


しかし、よい動きだった。彼女の師にあってみたいものだ。

彼女を抱きかかえ、とらんぽりんのほうに寝かす。
うにゃにゃと、唸り声をあげながら、息を整えていたが当分動けないであろう。


動きを思い出し、同じように動く
足の動き、上下の動き、蹴りも入れる。
今度は槍を持ち型の中に組み入れる。
槍を軸に回転、蹴り、飛び上がり槍を構える。
なるほど。

「本当に良い師に習ったんだな。
実戦では経験がものを言うが、基礎ができてるな。」
「そー、ですかー、、、」
「やはり、その体力ではどうにもならない。少しずつ付けて行こう。」
「へーい。」

その後彼女はとらんぽりんの上でゴロゴロしていた。
時々思い出したように、唸り声をあげ、型を決める。

体力がつけば新兵より強いだろう。体力がつけば。


私も同じように型のおさらい、基礎鍛錬を繰り返した。
晩飯は肉を焼くだけでいいので、時間いっぱい費やした。


その後の晩飯は、これはまたうまい。
ご飯がなくなったので、肉だけでは物足りなかった。
次回はもっと米を炊いてもらおう。

彼女は食べることは食べたが、風呂から上がると
そのまま寝てしまった。

そのまま1日彼女は筋肉痛で寝たきりだった。







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