いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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84:新婚旅行

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「いつもすまないねぇ、わたしがこんな体になったばかりに・・・」
「えっと、そ、それはゆわない約束よ、おとっつあん?」
「そう!おとっつあんはこういうときにも使うのよ。」
「そうか、それで、どうだ?起きれるか?」
「うん、ちょ、っと・・・起こして?」
「そら、腕出して、よっと。」
「痛いー、、、」
「治したほうがいいんじゃないか?」
「筋肉痛はダメだよ、力にならない。たぶん、今日一日で治るよ。
 そんで、同じような運動すればもっと力になる、はず。」
「無理はするな。飯はどうする?ここで食べるか?」
「いや、病人じゃないし、行くよ、、、あ、あ、あ、無理です。」
「いいさ、ここで。簡単に食べれるものにしよう。
 パンに肉類を挟んでこよう。」
「コーヒーもおねがいします。」
「わかった。」


マティスに起こされた。
いつもなら丸くなっているのに、やたらまっすぐに体を伸ばし、
唸っていたからだ。
「どうした?」
「・・・体が痛くて動きません、、トイレ行きたい。」

そこからは、もう、上よ下へと至れり尽くせり。
マティスもご飯を作るとき以外はずっとベットにいた。
いや、鍛錬とか狩りは?

「今日は休日だ。いいだろ?」

うん、いいんだけど、常に腰に手が廻ってるのはどうなの?

異国のガイドブックを読みながら
海に面した国、ジットカーフの特産品などをチェックした。
やはり海産物がおすすめらしく、
高原も近いので綿製品もいろいろあるらしい。

「新婚旅行だね。」

くだらないことを言ってしまった。
マティスに、しんこん?旅行?と聞かれ
結婚して2人で行く旅行だと説明した。
それがまー、興奮すること、興奮すること。
肉の丸焼きが出たときのわたしのようで、落ち着かせるのに苦労した。

「そうか、そういう風習があるのはいいな。
契を結んだ2人でどこかに行くというのはあまりない。
男が妻側の実家に行くことも少ない。
そうか、新婚旅行か。」
「そうだね、別名グルメ旅行だね。
おいしいものをいっぱい食べようね。」


晩ご飯の時間にはさすがに、動けるようになり、
台所でご飯を食べた。
結局2人でご飯を食べるところは台所の小さなテーブルで
タロスさんの大きなテーブルは、まったりくつろぐときに使っている。
あと、工作物を披露するときとか。

2人の生活のリズムが固まっていく。

お風呂でゆっくりマッサージをしてもらいながら
多少のピンクモードはお約束として
明日は早起きしようと、6回マティスの腕をぐりぐりした。






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