遅れた救世主【勇者版】

ヘロー天気

文字の大きさ
上 下
120 / 148
えんちょうの章

第百十九話:拾い物

しおりを挟む



 勇者の力を存分に使った快速行軍で予定よりも早くカルモアの街近くに到着したテューマ達、独立解放軍の先行指揮部隊だったが、カルモアには魔族軍の精鋭部隊が駐留していた。
 このまま計画通りにベセスホードから決起声明が発せられれば、少数の指揮部隊で魔族軍の中でも屈指の精鋭レーゼム隊と戦う事になる。

「今の段階だともう決起声明を止める事は出来ないし、何とか方法を考えないと……」
「しかし、現状の戦力で挑むのは無謀ですぞ」
「攻略目標を変えて先にクレッセンを落とすのは?」
「ダメだ、レーゼム隊が直ぐ出て来る。何より、ここからクレッセンまで移動する時にバレる」

 想定外の事態に対応策を議論しているテューマ達に、慈が声を掛けた。

「話し合ってるところ悪いんだけど、ここは俺に任せてくれないか?」

「シゲル?」
「勇者殿……しかし、相手はあのレーゼム隊ですぞ」

 『勇者』には攻撃担当の客人として同行して貰っているが、本来の求められる役割は独立解放軍の旗印であるテューマを、象徴としてより際立たせる為に隣に立っている事である。

 今回の電撃作戦は、敵に十分な戦力が無い事が前提だった。
 各地の反乱も落ち着いて数年。安定した今の時代は、それぞれの街に駐留していた魔族軍のほぼ全軍がヒルキエラ国の首都ソーマに引き揚げている。

 カルモアやクレッセン、パルマムを含め、各地の街に治安維持や警備目的以上の大きな戦力は基本、置かれていない。
 その隙を突いて街を占領し、決起声明を合図に呼応する反ヴァイルガリン派やレジスタンス組織。穏健派魔族。こちらに味方する武闘派魔族組織などの戦力を集めて一気に畳み掛ける。

 完全な奇襲を狙った作戦なので、開幕でいきなりレーゼム隊のような強力な精鋭部隊と当たるのは厳しい。彼等はそう説明して慈の申し出を宥めようとする。

「その辺は問題無いから大丈夫。そのレーゼム隊? も過去の時代でパルマム奪還する時に撃破してるし。基本、俺が一人でやるから、テューマちゃん達は街の制圧を頑張ってくれ」

「ひ、一人でって、そんな……」

 テューマ達はまだ、『勇者シゲル』の力を正しく理解していなかった。


「明日は予定通りカルモアを攻略しよう。今からでも良いけど、そっちの都合もあるだろうから」

 慈はそれだけ言うと、「おやすみ~」と軽く手を振って自分達に宛がわれた寝床に戻るべく司令部の天幕を出て行った。

 ルイニエナは慈の後に続きながら小声で訊ねる。

「勝算はあるんだろうな?」
「ん? まだ話してなかったっけか?」

 慈は、ルイニエナには過去の時間軸での出来事を色々と語っていた。その中で、街や砦に籠城する敵軍を勇者の刃で殲滅した話もしていた筈だがと疑問を浮かべる。

「いや、聞いている。聞いているし、お前の力の性質は理解しているが、流石に規模がな」
「ああ、街一つというか、敵軍丸ごと一人で落とすイメージが沸かないか」

「それもあるが、レーゼム隊と言えばあの最強コンビの事だ」
「ガイエスとイルーガか……過去の時代でもパルマム奪還の時に対峙したな」

「直接戦った事があるのか? ……やはり、その力で倒したのか?」
「うん、まあ。勇者の刃でって言えば一応そうなるけど」

 少し歯切れの悪くなる慈に、ルイニエナはあの二人ほどの実力者が相手になると勇者の刃のような力でも苦戦するのかと問う。

「うんにゃ、苦戦はしてない。ただあの時は対人戦は初めてだったし――」

 まがりなりにも言葉を交わした相手に儀礼的な感情が働いたのか、何となくそうしなければならないような気がして、相手に合わせて剣を振るうような戦い方をした。
 が、色々吹っ切れている今ならもう、遠慮なく離れた場所から勇者の刃で薙ぎ払える。

「明日は多分、敵部隊の兵士と顔を合わせる間も無く終わると思う」
「そうか……」

 慈の戦い方については、ルイニエナも廃都の駐留討伐隊を出奔する時に体験しているので、どんな風に街を、街に駐留する部隊を攻撃するのか大体察している。
 ただ、あまりにも非常識過ぎて上手く想像出来ないでいた。

「何か気になる事でも?」
「いや、どうしても現実的に考えてしまってな」

 ルイニエナは、征服戦争の当時と、その後数年間も戦場に身を置いていたからこそ、御伽噺に出て来るような『一騎当千の英雄』等という存在が幻想であると、身に染みて分かっている。

「そこは心配すんな。俺は勇者だ。御伽噺に居る出鱈目な英雄そのままだから安心してくれ」
「それは安心するところなのか? というか、自分で出鱈目と言ってしまっているが」

 実際、慈の力は並行世界の自分と協力し合っていたヴァイルガリンにして『化け物』と呼ばせた、想定外と偶然が重なって生まれたイレギュラー的な存在である。

 慈は「その内すぐ慣れるから」等と言って自分の寝床に潜り込んだ。それに苦笑するルイニエナも、明日に備えて眠りについた。



 翌日。テューマ達独立解放軍の指揮部隊は、森を出てカルモアの街を正面に見渡せる街道を進んでいた。
 街の門は閉じられており、防壁の上には見張りの兵らしき姿も見える。

「あれは……私達の接近に気付いてるわね」
「まあ、昨夜の内に斥候くらいは来てただろうしな」

 先頭車両に陣取る慈と同乗しているテューマが、街の様子を窺いながらこの後の動きについて確認する。

 作戦はシンプルで、このまま堂々と真っ直ぐ進んで慈の射程距離内まで近付き、勇者の刃をもって街の外から敵部隊や敵対する存在を殲滅。
 指揮部隊で街の中枢を占拠したら、後発の大遠征部隊の本隊が到着するのを待ってクレッセンに向かう。
 慈が裏街道をぶち抜くように新しい道を敷いているので、合流には然程時間は掛からない筈だ。

 やがて、指揮部隊の先頭車両はカルモアの街門から凡そ100メートルの付近に差し掛かった。すると、街門が開いて少数の兵士達らしき人影が現れた。
 全員が魔族軍の士官鎧を身に付けているのが分かる。

「! レーゼム隊の精鋭小隊だわっ」
「うわー、出て来なくていいのに……」

 早速予定が崩れてしまったと嘆く慈はしかし、既に街の端々まで勇者の刃が届く距離にあるので、指揮部隊の車列を停止させると一人馬車を降りた。
 慈の戦い方については、今朝の出発前に改めて指揮部隊の各部隊長達にも説明しておいたが、それでもテューマは心配そうにしている。

 とりあえず、慈はいつでも光壁型勇者の刃を撃てるよう準備しながら馬車隊の前に立った。イザという時には味方を護るバリアにもなる。


 街門から現れた精鋭小隊は二十二人ほど。正面に二人。その後ろに横並びの五人ずつが二列。部隊の正面に立つ二人には見覚えがあった。
 突撃隊長イルーガと、彼の部下ガイエスだ。

 慈の記憶で、精鋭小隊のナンバーツーと謂われていたガイエスから誰何の声が上がった。

「我々は魔族軍特別部隊レーゼム隊に所属する精鋭小隊である。そこの馬車隊に問う! 先刻、ベセスホードから決起声明が出された。お前達は独立解放軍を名乗る叛徒共で相違ないか!」

 どうやら計画通り、世界に向けて声明が発表されたらしい。
 慈が少し振り返って促すと、先頭車両から顔を出しているテューマは覚悟を決めたように頷いて名乗りを上げる。

「我が名はテューマ! 正統なる魔王の後継者なり! 叛徒共とは簒奪者であるヴァイルガリンを信望する貴殿等であろう!」

 テューマの名乗りと口上を聞いたガイエスとイルーガは顔を見合わせる。次いで、精鋭小隊から笑い声が上がった。

「なんだ、反乱軍かと思ったらサーカスの集団だったのか」
「中々過激な演目を選んだものだなっ」

 戯れ言と切って捨て、嘲り煽るも、彼等に緩んだ気配は一切ない。正面に立つ二人から油断なく向けられる視線には、殺気を感じる程だ。

 精鋭小隊の挑発に対して、テューマ達の指揮部隊は特に反応を返さない。戦端を開くタイミングは、全て勇者シゲルに託してある。




 精鋭小隊を率いるイルーガとガイエスは、『正統なる魔王の後継者』を謳う独立解放軍の馬車隊が兵も降ろさず、停車したまま動きを見せない事を訝しむ。

「連中、どうするつもりなんだろうな?」
「援軍待ちか、まさか逃げる相談でもしてるって事は無いと思うが……」

 わざわざ戦闘準備を整える時間を作ってやっているのに、一向に動き出す気配がない。

「ふむ……これは、やはりあれか。現れたタイミングから察するに、我々の存在が想定外だったと見るべきか」
「決起声明と同時に戦力の薄い街を落として戦果をアピールしようとしたって事か? 俺達をおびき寄せた訳じゃなく?」

 そもそも彼等レーゼム隊が辺境の街カルモアまでやって来たのは、そこに『勇者が向かった』という情報が流れて来たからだ。

 以前、魔王ヴァイルガリンの勅令でそこそこ大規模な征伐軍が旧オーヴィス国の聖都跡に向けて派遣された事がある。
 その時は空振りだったが、聖都跡に放たれていた強化魔獣や魔物が全て狩られていたのは事実。今も駐留を続けている征伐隊が引き続き勇者の捜索を行っているという話だった。

 そんな折、勇者らしき存在がジッテ家の者と行動を共にし、独立解放軍との接触を図ろうとしているという情報が上がった。
 情報の真偽を確かめるべく、急遽カルモアの街を探る部隊にレーゼム隊が抜擢されたのだ。

 先日到着したばかりだが、街でそれらしい人物は見つかっていない。が、そこへ独立解放軍の決起声明が届き、さらに翌日にはその解放軍らしき武装集団が現れた。

 恐らく、独立解放軍側の戦略では、カルモアここを正規の魔族軍とやり合う戦場にする予定では無かった筈。
 件の勇者やジッテ家の者と落ち合い、決起声明に呼応する勢力との合流場所として街を占拠し、十分に戦力を増やしてから本格的な進軍を始めるつもりだったのではないか――

 ――というイルーガ達の推察は、概ね当たっていた。

「そういう事か……なら、様子見せず一気に叩くか?」
「そうだな。まだジッテ家の令嬢や勇者とやらが見つかっていないが、街に潜んでいるなら戦いの最中に出て来るやもしれん」

 そこを抑えれば良い。イルーガは未だ動きを見せない独立解放軍の馬車隊に斬り込む事を決めると、司令部で待機中のレーゼム将軍に向けて「これより交戦する」旨の伝令を走らせた。

 イルーガ隊長の指示で精鋭小隊が動き出す。昔のように、隊長イルーガ副長ガイエスが功を競って真っ先に飛び出すような落ち着きのない戦い方はしない。

 四人編制で五つの班に分かれた精鋭の魔族戦士達が、鶴翼陣形を作りながら独立解放軍の馬車隊に迫る。

 その時、馬車隊の前に陣取る少年が杖を翳した。誰何をする前から一人、先頭の車両より降りて来てこちらの様子を窺っていた黒髪の少年だが、特に強い魔力などは感じない。
 何か策があるのかと訝しむイルーガだったが、独立解放軍の馬車隊は明らかに精鋭小隊の姿を見てから停車していた。
 なので馬車隊の周辺に罠などは設置されていないと確信している。

(大丈夫だ。何も問題はな――)

 と、判断し掛けた次の瞬間、突如として密度の高い魔力が発生したかと思うと、正面から光の壁が迫って来た。
 高さは三メートルほどだが横幅は優に三十メートルは超えそうだ。突撃中の精鋭小隊を丸々飲み込める範囲まで広がった光の壁。

(見た事の無い魔法だ)

 最前列を行く班が魔法障壁を展開して光の壁に突っ込んだ。魔族の精鋭戦士が展開する魔法障壁は、人間の魔術士が放てる程度の魔法はまず通用しない。
 ――その筈だった。

「!?」

 光の壁を突破しようとした先頭の班が一斉にバタバタと倒れた。猛烈に嫌な予感がしたイルーガは、その場から全力の跳躍で光の壁を躱す。

「効果が分からん! それに触れるな!」

 イルーガの咄嗟の指示により、隣にいたガイエスと最後尾の班は辛うじて光の壁をやり過ごした。
 しかし、最前列は言わずもがな中列の班も回避が間に合わず、精鋭小隊の半数以上が光の壁に飲まれて倒れ伏した。

 倒れた者達に目立った外傷は無く、どんな攻撃を受けたのか分からない。

「何だっ! 何が起きた!?」
「分からん、毒の類かもしれん。気を付けろ」

 着地と同時に散開して馬車隊を叩くよう指示を出したイルーガは、先の戦争で手に入れた愛用の短槍を背中から抜き放つと、鞘を払った。

「イルーガ!!」
「っ!」

 槍を掲げながら地面に降り立とうとしたイルーガは、ガイエスの焦りの籠もった叫びでそれに気付いて目を瞠る。
 着地地点一杯に広がる正方形の光の壁。

「設置型かっ!」

 空中で身動き取れない状態。何とか落ちる方向を変えようと風魔法を試みたが、既に落下速度が乗っているのでそのまま光の中に着地してしまった。
 息を止めて魔法障壁を全開にするも、心臓に強い衝撃が走る。

「ごふ……っ」

 激しい胸の痛みと、全身を覆う虚脱感。遠くなる意識を必死に繋ぎ止めて周りを見れば、近くに着地した最後尾の班とガイエスも倒れている。

(ばかな……我々精鋭小隊がこんなにあっさり――)

 崩れ落ちそうになる身体に最大出力の強化魔法を行き渡らせて無理やり制御するイルーガは、馬車隊の前で杖を掲げる黒髪の少年を見据えた。

(せめて、あの魔術士に一撃を……!)

 倒れ込むように大きく前のめりになると、低い姿勢を維持したまま地を滑るように突撃開始。イルーガの得意技である、高速吶喊攻撃が繰り出された。
 新たな光の壁が迫るも、イルーガは突撃の勢いを維持したまま光の壁を突き抜けた。



 三発目の光壁型勇者の刃を突き抜けて来た突撃隊長イルーガが、そのまま地面に滑り込むように倒れて動かなくなった。

 突撃の勢いが乗った彼の槍が真っ直ぐ慈に向かって飛んで来たが、直ぐに失速して地面に突き刺さる。

「あんた、剣を使うんじゃなかったか?」

 慈は、地面に突っ伏して動かないイルーガにそう声を掛ける。既に事切れているか、まだ意識があるかは分からない。

 地面に突き立っているイルーガの槍を回収した慈は、それを掲げて確かめる。白い穂先の根元に、橙色の宝珠が輝いていた。

「お? やっぱり、これ宝珠の魔槍じゃん。あんたが拾ってたのか」

 いいタイミングで手に入ったなと、ファーナの突剣杖を腰に戻した慈は、先程イルーガが空中で払い落としていた槍鞘を拾いに行く。

 そんな勇者シゲルの後ろ姿を、テューマと馬車隊の各部隊長達は呆然とした表情で見送っていたのだった。



しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

最強の職業は付与魔術師かもしれない

カタナヅキ
ファンタジー
現実世界から異世界に召喚された5人の勇者。彼等は同じ高校のクラスメイト同士であり、彼等を召喚したのはバルトロス帝国の3代目の国王だった。彼の話によると現在こちらの世界では魔王軍と呼ばれる組織が世界各地に出現し、数多くの人々に被害を与えている事を伝える。そんな魔王軍に対抗するために帝国に代々伝わる召喚魔法によって異世界から勇者になれる素質を持つ人間を呼びだしたらしいが、たった一人だけ巻き込まれて召喚された人間がいた。 召喚された勇者の中でも小柄であり、他の4人には存在するはずの「女神の加護」と呼ばれる恩恵が存在しなかった。他の勇者に巻き込まれて召喚された「一般人」と判断された彼は魔王軍に対抗できないと見下され、召喚を実行したはずの帝国の人間から追い出される。彼は普通の魔術師ではなく、攻撃魔法は覚えられない「付与魔術師」の職業だったため、この職業の人間は他者を支援するような魔法しか覚えられず、強力な魔法を扱えないため、最初から戦力外と判断されてしまった。 しかし、彼は付与魔術師の本当の力を見抜き、付与魔法を極めて独自の戦闘方法を見出す。後に「聖天魔導士」と名付けられる「霧崎レナ」の物語が始まる―― ※今月は毎日10時に投稿します。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。 彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。 そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。 洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。 さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。 持ち前のサバイバル能力で見敵必殺! 赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。 そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。 人々との出会い。 そして貴族や平民との格差社会。 ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。 牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。 うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい! そんな人のための物語。 5/6_18:00完結!

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

TS転移勇者、隣国で冒険者として生きていく~召喚されて早々、ニセ勇者と罵られ王国に処分されそうになった俺。実は最強のチートスキル持ちだった~

夏芽空
ファンタジー
しがないサラリーマンをしていたユウリは、勇者として異世界に召喚された。 そんなユウリに対し、召喚元の国王はこう言ったのだ――『ニセ勇者』と。 召喚された勇者は通常、大いなる力を持つとされている。 だが、ユウリが所持していたスキルは初級魔法である【ファイアボール】、そして、【勇者覚醒】という効果の分からないスキルのみだった。 多大な準備を費やして召喚した勇者が役立たずだったことに大きく憤慨した国王は、ユウリを殺処分しようとする。 それを知ったユウリは逃亡。 しかし、追手に見つかり殺されそうになってしまう。 そのとき、【勇者覚醒】の効果が発動した。 【勇者覚醒】の効果は、全てのステータスを極限レベルまで引き上げるという、とんでもないチートスキルだった。 チートスキルによって追手を処理したユウリは、他国へ潜伏。 その地で、冒険者として生きていくことを決めたのだった。 ※TS要素があります(主人公)

召喚されたら無能力だと追放されたが、俺の力はヘルプ機能とチュートリアルモードだった。世界の全てを事前に予習してイージーモードで活躍します

あけちともあき
ファンタジー
異世界召喚されたコトマエ・マナビ。 異世界パルメディアは、大魔法文明時代。 だが、その時代は崩壊寸前だった。 なのに人類同志は争いをやめず、異世界召喚した特殊能力を持つ人間同士を戦わせて覇を競っている。 マナビは魔力も闘気もゼロということで無能と断じられ、彼を召喚したハーフエルフ巫女のルミイとともに追放される。 追放先は、魔法文明人の娯楽にして公開処刑装置、滅びの塔。 ここで命運尽きるかと思われたが、マナビの能力、ヘルプ機能とチュートリアルシステムが発動する。 世界のすべてを事前に調べ、起こる出来事を予習する。 無理ゲーだって軽々くぐり抜け、デスゲームもヌルゲーに変わる。 化け物だって天変地異だって、事前の予習でサクサククリア。 そして自分を舐めてきた相手を、さんざん煽り倒す。 当座の目的は、ハーフエルフ巫女のルミイを実家に帰すこと。 ディストピアから、ポストアポカリプスへと崩壊していくこの世界で、マナビとルミイのどこか呑気な旅が続く。

処理中です...