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第一章 聖剣の名のもとに
東京外為市場
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「あなたのち〇こです」
………え?
俺は自分の股間を見つめてから再度イーリヤの方に視線を合わせる。
「ち〇こです」
何言いだすん? この人。いきなり下ネタっすか? 勘弁してくださいよ。え? どういうこと? お父さんが隣で見てるんですけど?
しかし悪ふざけしてるようには見えない。イーリヤ姫は真剣な表情でち〇こを連呼している。ちょっと怖い。
「どうしました、勇者様。さあ、聖剣ち〇こを手に取ってください」
え……ええ~、そういう……そういうこと?
俺は聖剣を手に取ってマジマジと観察する。
別に皮が被ってる感じでもないし、刀身に血管が浮き上がってるわけでもイカ臭いわけでもない。
まあね? まあそういう事もあるかもしれないね?
多分今俺が聞いてる言葉、この国の言葉を女神の力で同時翻訳してくれてるんだろうけどさ。固有名詞は翻訳されないだろうからね。まあ、そういう名前の剣なら仕方ないかな?
俺は剣を太陽の光にかざして観察した。
「ち〇こ……」
ち〇こかぁ……
「さあ勇者様!! そのち〇こで魔王をひぃひぃ言わせてやりましょう!!」
「ちょっ……」
え、なんなん? 何言いだすんこの子。おかしいやん?
「勇者様、不安はわかりますが、ち〇この力を信じてください」
いやそんなフォースの力を信じるのだ、みたいないい方されても不安しか湧いてこないんですけど。
「なんなんこれ? セクハラ?」
「どういうことです? 勇者様……ち〇こが……セクハラ? どういう意味でしょう?」
どういう意味も何もそのまんまの意味だよ。これがセクハラじゃなきゃなんだってんだ。ええ? マジでこの聖剣の名前ち〇こっていうの? じゃあ、ち〇このことはなんて言うんだろう?
「あのさあイーリヤ、ちょっと聞きづらいんだけどさあ、その……男性器の事は、この国じゃなんて言うの?」
「ええっ!?」
イーリヤに耳打ちして尋ねると彼女は驚いて顔を真っ赤にした。彼女は耳まで真っ赤にして両手で熱くなった頬を抑えながら小声で答える。
「そ、その……東京……外為市場ですけど……」
「とう……なんだって?」
東京外為市場?
「え、どういうこと? 正式名称は東京外国為替市場とかなの?」
「ちょ、ちょっと勇者様!! ダメですよ、そんな大きい声で!!」
イーリヤは慌てて俺の口を手で塞ぐ。なんなんこれ?
あのさあベアリス?
『なんですか?』
なんか翻訳おかしくなってない?
『なにがですか?』
なに、が……って……ええ? いやおかしいでしょ。なんで東京外為市場が男性器の名称なんだよ。
『ちょっと! 女神に対してセクハラとかやめてくださいよ!!』
お前もかよ。
『まあ、ちょっと難しいところはありますけど、ケンジさんの言語と一部固有名詞が被ったところがあったんで、その……東京……ゴニョゴニョ……は現地語そのままで発音させてますけど』
え? じゃあなに? この世界の発音で実際にち〇このことを「東京外為市場」って発音するってこと? どんな偶然だよ。
俺はイーリヤの方に振り向いて再度尋ねる。
「じゃあ……たとえば、東京外為市場にてキャピタルゲインが上田ハーローによりダウ平均株価の取引とともに、なんて言ったら……」
「ちょ、ちょっと勇者様!!」
イーリヤは再び慌てた表情で俺の口を急いで塞いだ。
「だ、ダメですよ勇者様!! まだ早いですって」
何が? まだ売りの時期じゃないってこと?
「わ、私のIMFはまだインフレターゲットを明確にしてないんですから。その、いずれは勇者様と、投資信託していきたいとは思ってますけど、通貨発行権の話はまだ早いというか……」
なん……え?
「勇者殿、確かにイーリヤをそなたの嫁に、とは考えていますが、いくら何でもナスダック総合指数はまだTOPIXが上昇してからでも」
なんなんこいつら。
何言ってんのか全然分かんねーよ。
「勇者様……私の通貨発行権、貰ってくれるんですか……?」
え?
『女の子にそんなこと言わせるなんてサイテーですね』
そうなの? 通貨発行権だよ?
おかしくね? いくら何でもそんなに固有名詞が被る事なんてある?
そんな時城門の外から爆発音とともに大声が聞こえた。
「マ〇コーーーー!!」
おいおいおい、ドストレートやんけ。こいつはまずいぞ。俺は急いで城門の外に駆けていった。
外には地を埋め尽くさんというほどのモンスターの群れが構えていた。自然とち〇こ(聖剣)を握る俺の手にも力がこもる。
後ろにはこの国の兵士や騎士達。
前には魔王軍、モンスター達の群れ。
今この世界の命運を俺が握っているんだ。この俺、ち〇この勇者が。
なんでだよふざけんなよ。マジで。俺が一体何したっていうんだよ。
なんで俺だけがこんな恥ずかしい目に合わなきゃなんねーんだよ。
とは言っても、愚痴を言っても始まらない。そういう名前の剣なんだから。
「おお、アレが勇者様の……」
「なんと立派なち〇こだ」
「末代まで語り継がれることだろう」
やめて。
語り継がないで。
周りの兵士達からの賞賛の言葉が聞こえる。
俺のち〇こ(聖剣)への。
「勇者様。みな勇者様のご立派なち〇こに惚れ惚れとしております」
イーリヤ、君はちょっと言葉を慎むことを覚えようか。それにしてもこれじゃ本当に俺はち〇この勇者として歴史に記されてしまう。まあ……最悪聖剣はどっかその辺に捨てちゃって無かったことにしちゃえばいいか。うん、そうしよう。聖剣なんて最初っから無かった。
やがてモンスターの群れの中央がモーセの十戒の海割りの如く割れ、オーク達が担ぐ巨大な神輿の様なものが現れた。
神輿には玉座の様なものが設えてあり、そこには肌の浅黒い若い男性が据わっている。
なんだかよく分からんが猛烈に悪い予感がしてきた。
まさかとは思うけどこれもしかして魔王さん? タワンティンスーユ帝国とかいう国の初代皇帝の? ラスボスの方から来ちゃった感じ? もう聖剣を捨てる暇がないじゃん。
その男が神輿の上で立ち上がると周囲のモンスター達が一斉に大声で叫び始める。
「マ〇コ!!」
え?
「マ〇コーーー!!」
ええ?
「カパーーーック!!」
はぁ?
「マ〇コ! マ〇コ! マ〇コ! マ〇コ!」
「マ〇コ! マ〇コ! マ〇コ! マ〇コ!」
「マ〇コ! マ〇コ! マ〇コ! マ〇コ!」
「マ〇コ! マ〇コ! マ〇コ! マ〇コ!」
いかんでしょうこれは。
魔王と思しき男がスッと右手を上げるとモンスター達の斉唱は止まり、静かになった。男はゆったりと、風に舞うように玉座から飛び降り、俺と同じ高さの地面に着地する。
「我が名は初代タワンティンスーユ帝国皇帝にしてこの世界の魔に連なる全ての者共の希望の光、魔王マ〇コ・カパックである!!」
あちゃ~……
いたわ。いたね。そういやあ。インカ帝国初代皇帝マ〇コ・カパック。
※タワンティンスーユ……インカ帝国の現地ケチュア語での名称
「ベアリスさんちょっといいスか?」
『なんですか? 今日呼び出し多いですね』
そら多くもなるわ。
「これはいかんでしょう」
『何がですか?』
俺はモンスター共の方に視線をやる。魔王の名乗りが終わるとモンスター共は一斉に歓声を上げ、またもマ〇コの大合唱だ。
「いや何がってさぁ……マ……コの大合唱だよ?」
『マ……何です? 周りがうるさくてよく聞こえないんですけど! もうちょっと受話器に近づいてください!』
受話器なんてねーよ。こいつ俺に羞恥プレイ仕掛けるつもりか。俺は顔を赤くしながらも力いっぱい叫ぶ。
「マ〇コだよ!!」
タイミング悪く、魔王がまたスッと手を上げて静かにさせたところだった。城下町に俺の「マ〇コ」という叫びが響く。
「マン……え? 勇者様? 今なんて?」
そんな目で俺を見ないでイーリヤ。
何なのこの羞恥プレイは。
………え?
俺は自分の股間を見つめてから再度イーリヤの方に視線を合わせる。
「ち〇こです」
何言いだすん? この人。いきなり下ネタっすか? 勘弁してくださいよ。え? どういうこと? お父さんが隣で見てるんですけど?
しかし悪ふざけしてるようには見えない。イーリヤ姫は真剣な表情でち〇こを連呼している。ちょっと怖い。
「どうしました、勇者様。さあ、聖剣ち〇こを手に取ってください」
え……ええ~、そういう……そういうこと?
俺は聖剣を手に取ってマジマジと観察する。
別に皮が被ってる感じでもないし、刀身に血管が浮き上がってるわけでもイカ臭いわけでもない。
まあね? まあそういう事もあるかもしれないね?
多分今俺が聞いてる言葉、この国の言葉を女神の力で同時翻訳してくれてるんだろうけどさ。固有名詞は翻訳されないだろうからね。まあ、そういう名前の剣なら仕方ないかな?
俺は剣を太陽の光にかざして観察した。
「ち〇こ……」
ち〇こかぁ……
「さあ勇者様!! そのち〇こで魔王をひぃひぃ言わせてやりましょう!!」
「ちょっ……」
え、なんなん? 何言いだすんこの子。おかしいやん?
「勇者様、不安はわかりますが、ち〇この力を信じてください」
いやそんなフォースの力を信じるのだ、みたいないい方されても不安しか湧いてこないんですけど。
「なんなんこれ? セクハラ?」
「どういうことです? 勇者様……ち〇こが……セクハラ? どういう意味でしょう?」
どういう意味も何もそのまんまの意味だよ。これがセクハラじゃなきゃなんだってんだ。ええ? マジでこの聖剣の名前ち〇こっていうの? じゃあ、ち〇このことはなんて言うんだろう?
「あのさあイーリヤ、ちょっと聞きづらいんだけどさあ、その……男性器の事は、この国じゃなんて言うの?」
「ええっ!?」
イーリヤに耳打ちして尋ねると彼女は驚いて顔を真っ赤にした。彼女は耳まで真っ赤にして両手で熱くなった頬を抑えながら小声で答える。
「そ、その……東京……外為市場ですけど……」
「とう……なんだって?」
東京外為市場?
「え、どういうこと? 正式名称は東京外国為替市場とかなの?」
「ちょ、ちょっと勇者様!! ダメですよ、そんな大きい声で!!」
イーリヤは慌てて俺の口を手で塞ぐ。なんなんこれ?
あのさあベアリス?
『なんですか?』
なんか翻訳おかしくなってない?
『なにがですか?』
なに、が……って……ええ? いやおかしいでしょ。なんで東京外為市場が男性器の名称なんだよ。
『ちょっと! 女神に対してセクハラとかやめてくださいよ!!』
お前もかよ。
『まあ、ちょっと難しいところはありますけど、ケンジさんの言語と一部固有名詞が被ったところがあったんで、その……東京……ゴニョゴニョ……は現地語そのままで発音させてますけど』
え? じゃあなに? この世界の発音で実際にち〇このことを「東京外為市場」って発音するってこと? どんな偶然だよ。
俺はイーリヤの方に振り向いて再度尋ねる。
「じゃあ……たとえば、東京外為市場にてキャピタルゲインが上田ハーローによりダウ平均株価の取引とともに、なんて言ったら……」
「ちょ、ちょっと勇者様!!」
イーリヤは再び慌てた表情で俺の口を急いで塞いだ。
「だ、ダメですよ勇者様!! まだ早いですって」
何が? まだ売りの時期じゃないってこと?
「わ、私のIMFはまだインフレターゲットを明確にしてないんですから。その、いずれは勇者様と、投資信託していきたいとは思ってますけど、通貨発行権の話はまだ早いというか……」
なん……え?
「勇者殿、確かにイーリヤをそなたの嫁に、とは考えていますが、いくら何でもナスダック総合指数はまだTOPIXが上昇してからでも」
なんなんこいつら。
何言ってんのか全然分かんねーよ。
「勇者様……私の通貨発行権、貰ってくれるんですか……?」
え?
『女の子にそんなこと言わせるなんてサイテーですね』
そうなの? 通貨発行権だよ?
おかしくね? いくら何でもそんなに固有名詞が被る事なんてある?
そんな時城門の外から爆発音とともに大声が聞こえた。
「マ〇コーーーー!!」
おいおいおい、ドストレートやんけ。こいつはまずいぞ。俺は急いで城門の外に駆けていった。
外には地を埋め尽くさんというほどのモンスターの群れが構えていた。自然とち〇こ(聖剣)を握る俺の手にも力がこもる。
後ろにはこの国の兵士や騎士達。
前には魔王軍、モンスター達の群れ。
今この世界の命運を俺が握っているんだ。この俺、ち〇この勇者が。
なんでだよふざけんなよ。マジで。俺が一体何したっていうんだよ。
なんで俺だけがこんな恥ずかしい目に合わなきゃなんねーんだよ。
とは言っても、愚痴を言っても始まらない。そういう名前の剣なんだから。
「おお、アレが勇者様の……」
「なんと立派なち〇こだ」
「末代まで語り継がれることだろう」
やめて。
語り継がないで。
周りの兵士達からの賞賛の言葉が聞こえる。
俺のち〇こ(聖剣)への。
「勇者様。みな勇者様のご立派なち〇こに惚れ惚れとしております」
イーリヤ、君はちょっと言葉を慎むことを覚えようか。それにしてもこれじゃ本当に俺はち〇この勇者として歴史に記されてしまう。まあ……最悪聖剣はどっかその辺に捨てちゃって無かったことにしちゃえばいいか。うん、そうしよう。聖剣なんて最初っから無かった。
やがてモンスターの群れの中央がモーセの十戒の海割りの如く割れ、オーク達が担ぐ巨大な神輿の様なものが現れた。
神輿には玉座の様なものが設えてあり、そこには肌の浅黒い若い男性が据わっている。
なんだかよく分からんが猛烈に悪い予感がしてきた。
まさかとは思うけどこれもしかして魔王さん? タワンティンスーユ帝国とかいう国の初代皇帝の? ラスボスの方から来ちゃった感じ? もう聖剣を捨てる暇がないじゃん。
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「マ〇コ!!」
え?
「マ〇コーーー!!」
ええ?
「カパーーーック!!」
はぁ?
「マ〇コ! マ〇コ! マ〇コ! マ〇コ!」
「マ〇コ! マ〇コ! マ〇コ! マ〇コ!」
「マ〇コ! マ〇コ! マ〇コ! マ〇コ!」
「マ〇コ! マ〇コ! マ〇コ! マ〇コ!」
いかんでしょうこれは。
魔王と思しき男がスッと右手を上げるとモンスター達の斉唱は止まり、静かになった。男はゆったりと、風に舞うように玉座から飛び降り、俺と同じ高さの地面に着地する。
「我が名は初代タワンティンスーユ帝国皇帝にしてこの世界の魔に連なる全ての者共の希望の光、魔王マ〇コ・カパックである!!」
あちゃ~……
いたわ。いたね。そういやあ。インカ帝国初代皇帝マ〇コ・カパック。
※タワンティンスーユ……インカ帝国の現地ケチュア語での名称
「ベアリスさんちょっといいスか?」
『なんですか? 今日呼び出し多いですね』
そら多くもなるわ。
「これはいかんでしょう」
『何がですか?』
俺はモンスター共の方に視線をやる。魔王の名乗りが終わるとモンスター共は一斉に歓声を上げ、またもマ〇コの大合唱だ。
「いや何がってさぁ……マ……コの大合唱だよ?」
『マ……何です? 周りがうるさくてよく聞こえないんですけど! もうちょっと受話器に近づいてください!』
受話器なんてねーよ。こいつ俺に羞恥プレイ仕掛けるつもりか。俺は顔を赤くしながらも力いっぱい叫ぶ。
「マ〇コだよ!!」
タイミング悪く、魔王がまたスッと手を上げて静かにさせたところだった。城下町に俺の「マ〇コ」という叫びが響く。
「マン……え? 勇者様? 今なんて?」
そんな目で俺を見ないでイーリヤ。
何なのこの羞恥プレイは。
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