14 / 40
第一章 純真妖狐(?)といっしょ
4-2. Side K
しおりを挟む
4-2. Side K
「凄い!何なの、あの子!一人暮らしでおでん作っちゃう女子高生とか、お嫁に、私のお嫁に欲しい!」
「…煩い、さっさと鍋を置いて働け」
玄関からテンション高く戻ってきた従姉の言葉を遮り、手元の作業に集中する。
「おでん?マジか?どれ?」
「あ!ちょっと!食べないで下さいよ!私が貰ったのに!」
「こんだけあんだから、俺の分も入ってんだろ?」
「え?あ、本当だ!結構、入ってる」
「気が利くよなー。いい子じゃねえか。てか、美味いなコレ」
「…さっさと、仕事して下さい」
何のためにココに居るのか、緊張感の抜けきった―一応は自分の上司に当たる―男に苦言を呈する。
「お前も食うか?」
「…後で貰います。けど、今は働いて下さい」
「真面目だなぁー」
「ですよね?なに?なんかオミ、いつもより気合い入ってない?」
「…別に…」
普段大雑把なくせに、たまに鋭いところのある従姉の言葉に、返事が一拍遅れた。
「えー?なになに?本当に何かあるの?そう言えば、ずっとあの子のこと気にしてる風だよね?今日も態々、引っ越しの手伝い買ってでてくれたし」
「…」
興味本意で掛けられた声は完全に黙殺して作業を進めれば、やがて手元のモニターに現れた映像。
「…出来た。綾香、確認して」
「どれどれー?」
覗いてくる綾香に、向かいのマンションに仕掛けたカメラが捉えた映像―隣の部屋の玄関扉―を向ける。
「うん、ちゃんと映ってるね、良かった」
「…監視映像が玄関だけ、というのは心許ないけどな」
「…ちょっと…」
思わず本音を吐露すれば、隣から冷ややかな視線が向けられた。
「別に悪いことしてるわけでもない女子高生にカメラ向けてる時点で結構最低なことしてるんだから、これ以上、プライバシー侵害するようなことするわけないでしょ!」
「…わかってる」
それが自身のエゴだということは。けれど、カメラ一つの監視でどごまで彼女を追えるか。不安を拭いさることが出来ない。
やはり―
「まあ、取り敢えず、一旦飯にしようぜ。腹へった。これ、温めて食おう」
「ちょっと、そっちはそっちで、少しは遠慮して下さいよ。流石に三人分ってなると厳しいんですから」
「オミ、残念だな。どうやら、お前の分は無いらしい。お前には俺のコンビニ弁当をやろう」
「…要りません」
くだらない言い合いをしながら、自分の分の差し入れはきっちり確保して。モニターの中、沈黙したままの扉を見つめる。
「凄い!何なの、あの子!一人暮らしでおでん作っちゃう女子高生とか、お嫁に、私のお嫁に欲しい!」
「…煩い、さっさと鍋を置いて働け」
玄関からテンション高く戻ってきた従姉の言葉を遮り、手元の作業に集中する。
「おでん?マジか?どれ?」
「あ!ちょっと!食べないで下さいよ!私が貰ったのに!」
「こんだけあんだから、俺の分も入ってんだろ?」
「え?あ、本当だ!結構、入ってる」
「気が利くよなー。いい子じゃねえか。てか、美味いなコレ」
「…さっさと、仕事して下さい」
何のためにココに居るのか、緊張感の抜けきった―一応は自分の上司に当たる―男に苦言を呈する。
「お前も食うか?」
「…後で貰います。けど、今は働いて下さい」
「真面目だなぁー」
「ですよね?なに?なんかオミ、いつもより気合い入ってない?」
「…別に…」
普段大雑把なくせに、たまに鋭いところのある従姉の言葉に、返事が一拍遅れた。
「えー?なになに?本当に何かあるの?そう言えば、ずっとあの子のこと気にしてる風だよね?今日も態々、引っ越しの手伝い買ってでてくれたし」
「…」
興味本意で掛けられた声は完全に黙殺して作業を進めれば、やがて手元のモニターに現れた映像。
「…出来た。綾香、確認して」
「どれどれー?」
覗いてくる綾香に、向かいのマンションに仕掛けたカメラが捉えた映像―隣の部屋の玄関扉―を向ける。
「うん、ちゃんと映ってるね、良かった」
「…監視映像が玄関だけ、というのは心許ないけどな」
「…ちょっと…」
思わず本音を吐露すれば、隣から冷ややかな視線が向けられた。
「別に悪いことしてるわけでもない女子高生にカメラ向けてる時点で結構最低なことしてるんだから、これ以上、プライバシー侵害するようなことするわけないでしょ!」
「…わかってる」
それが自身のエゴだということは。けれど、カメラ一つの監視でどごまで彼女を追えるか。不安を拭いさることが出来ない。
やはり―
「まあ、取り敢えず、一旦飯にしようぜ。腹へった。これ、温めて食おう」
「ちょっと、そっちはそっちで、少しは遠慮して下さいよ。流石に三人分ってなると厳しいんですから」
「オミ、残念だな。どうやら、お前の分は無いらしい。お前には俺のコンビニ弁当をやろう」
「…要りません」
くだらない言い合いをしながら、自分の分の差し入れはきっちり確保して。モニターの中、沈黙したままの扉を見つめる。
0
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
王宮に薬を届けに行ったなら
佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。
カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。
この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。
慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。
弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。
「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」
驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。
「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」
※ベリーズカフェにも掲載中です。そちらではラナの設定が変わっています。(貴族→庶民)それにより、内容も少し変更しておりますのであわせてお楽しみください。
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる