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「異世界最高じゃねーか!シノイチもレベル34。もう安心だろう!」
「その通りだ。俺のタツイチもレベル25にしたから、二体が揃えば敵なしだな」
油断している冒険者を狩る為に、夜に襲撃させている二人。
残りの三体の<淫魔族>については、毎晩のように相手をさせられている。
冷静に考えればかなり遅い速度ではあるのだが、今の所は一応ダンジョンのレベルも順調に上昇し、見た目が貧相であった地上型ダンジョンの外観も立派にしている。
内部のコアルームに関しても豪勢なベッドや風呂等を整備して内包魔力1600近くを早々に消費していた。
湯原と水野達はイーシャとプリマが生活魔法レベルで全ての魔法を当初から使えたほか、<属性族>のレインの力で汚れを落とす事は出来ている。
豪華なベッドなどは身の安全が最優先であるので後回しにしていたので、未だに柔らかい床に寝ているのだが、最近はスラエとスラビが地面に広がってその上に寝る様に言われ、更に寝心地の良い環境になっている。
そんな湯原と水野のダンジョンとは異なり、内包魔力の溜まり方も遅いのは……眷属との信頼関係なのだろうか……内包魔力もあまりなく、ダンジョンのレベルから召喚できる魔物もレベル1の50体しかない状態ではあるのだが、数カ月経過して何もないので、このまま楽しく過ごせると信じ切っている四宮と辰巳。
その無駄に豪華になっている地上型の二つのダンジョンを慎重に調査している冒険者達。
そして、その中にはビーの分身である蜂の魔物も同じ様に監視している。
これだけ小さい個体であれば、その下にある僅かな隙間を縫って地下型のダンジョンへの侵入も容易だが、余り深追いはしない。
自分の存在が侵入者としてカウントされ、敵となる可能性のあるダンジョンの糧になるのを防ぐ為だが、既に星出と岡島の状況は完全に把握しており、もう先は長くないと判断している。
周囲の冒険者達とは異なって睡眠なしで活動し続ける事が出来る事と、レベルに物を言わせた動きによって、短期間で得られる情報量に大きな差があるのだ。
冒険者達も慎重に調査を行っているので、目の前のダンジョンに所属する眷属が<淫魔族>である事は突き止めている。
逆に地下型ダンジョンマスターである星出と岡島も、冒険者達に上のダンジョンが見つかっている事は把握しているので、最近は夜も本当に少しだけ空間を開けるだけに留めており、仮に人族が侵入するには這って進む必要がある事から、誰もがダンジョンだとは思っていない。
そこには安堵した二人だが、夜の活動も停止せざるを得ずに蓄えを慎重に消費しつつ冒険者達が消えるのを待っている。
冒険者が消えると言う事は、上のダンジョンのマスターである四宮や辰巳に始末されるか、または逆の事だと分かっているのだが、どちらでも構わないので早く決着をつけてくれないか‥‥‥むしろ、邪魔な上の二人を始末してくれないかと思っている程だ。
冒険者達は、やけに目立つ外装をしているダンジョン故に非常に慎重に行動している。
ここまで自己顕示欲が強いダンジョンであれば、攻略には相当な犠牲を払う高レベルのダンジョンである事が一般的だからだ。
まさか、一階層しかない低レベルダンジョンだとは、誰一人として思っていない。
夜に必ず出てくる淫魔族は二つのダンジョン共に必ず一体で、そのレベルは彼らが判定できる20を軽く超えている事だけは分かっている。
その事も、最低でも数十階層の深いダンジョンであるとの誤解を生んでいるのだ。
「どうする?取り敢えず<淫魔族>は女だ。だとすると、こっちも女性の冒険者でないと同士討ちにされるぞ?」
「それは分かっているが、内部に男の<淫魔族>がいれば同じ事だ。こうなったら、思い切って突入するか?あのバカみたいにレベルの高い<淫魔族>が不在時に突入するのも有りだろう?」
交代しているが、常に四宮と辰巳のダンジョンを監視している冒険者達なので、逆に眷属で毎晩獲物を取ってくるように命じられているシノイチやタツイチも、彼らの存在には気が付いている。
眷属の二体は非常に悩んでいる。
主を裏切る事は出来ないが、積極的に自ら守りたいかと言うと……そうではない。
しかし、何故か危機の時には守る行動をとらざるを得ないだろうと理解しているのは、眷属故か。
そうなると、いくらレベル34の<淫魔族>と言えレベル20近辺の冒険者が魔道具を駆使して複数襲い掛かってくれば、主を守る行動を強制的に取る立場としては負ける可能性が高い。
即ち……自らの消滅なのだが、今のこの状況を主である四宮や辰巳に進言したとしても、具体的な対策を出して実行してくれるとはとても思えない。
寧ろ、丸投げされてその対処によって自分の存在が想定よりも早く消える可能性が高いとさえ思っていた。
この様子を監視している蜂の分裂体から情報を受けた本体は、デルやレインの通訳によってその情報を湯原と水野に与えているのだが、二人は今の所狙われている四宮と辰巳を助けるつもりもなく、もし星出と岡島のダンジョンが冒険者達に見つかったとしても、こちらも助けるつもりは無かった。
やがて、毎晩のように冒険者が犠牲になるのを見ている事に痺れを切らした冒険者一団が、シノイチとタツイチの不在時を狙って一気にダンジョンに流れ込んだ。
「いくぞ!」
各々が武器や魔道具を持ち、豪華なダンジョンの入り口に突入する。
即異常を感じ取ったダンジョンマスターの四宮と辰巳は、今この場にいる眷属である各三体の淫魔族をコアルームから一階層に突入させる。
既に突入した冒険者達は、目の前に明らかに豪華な扉がある事や地上や地下に続く階段が見えない事から、何か罠が隠れているのではないかと警戒して直ぐに攻める事はできなかった。
「その通りだ。俺のタツイチもレベル25にしたから、二体が揃えば敵なしだな」
油断している冒険者を狩る為に、夜に襲撃させている二人。
残りの三体の<淫魔族>については、毎晩のように相手をさせられている。
冷静に考えればかなり遅い速度ではあるのだが、今の所は一応ダンジョンのレベルも順調に上昇し、見た目が貧相であった地上型ダンジョンの外観も立派にしている。
内部のコアルームに関しても豪勢なベッドや風呂等を整備して内包魔力1600近くを早々に消費していた。
湯原と水野達はイーシャとプリマが生活魔法レベルで全ての魔法を当初から使えたほか、<属性族>のレインの力で汚れを落とす事は出来ている。
豪華なベッドなどは身の安全が最優先であるので後回しにしていたので、未だに柔らかい床に寝ているのだが、最近はスラエとスラビが地面に広がってその上に寝る様に言われ、更に寝心地の良い環境になっている。
そんな湯原と水野のダンジョンとは異なり、内包魔力の溜まり方も遅いのは……眷属との信頼関係なのだろうか……内包魔力もあまりなく、ダンジョンのレベルから召喚できる魔物もレベル1の50体しかない状態ではあるのだが、数カ月経過して何もないので、このまま楽しく過ごせると信じ切っている四宮と辰巳。
その無駄に豪華になっている地上型の二つのダンジョンを慎重に調査している冒険者達。
そして、その中にはビーの分身である蜂の魔物も同じ様に監視している。
これだけ小さい個体であれば、その下にある僅かな隙間を縫って地下型のダンジョンへの侵入も容易だが、余り深追いはしない。
自分の存在が侵入者としてカウントされ、敵となる可能性のあるダンジョンの糧になるのを防ぐ為だが、既に星出と岡島の状況は完全に把握しており、もう先は長くないと判断している。
周囲の冒険者達とは異なって睡眠なしで活動し続ける事が出来る事と、レベルに物を言わせた動きによって、短期間で得られる情報量に大きな差があるのだ。
冒険者達も慎重に調査を行っているので、目の前のダンジョンに所属する眷属が<淫魔族>である事は突き止めている。
逆に地下型ダンジョンマスターである星出と岡島も、冒険者達に上のダンジョンが見つかっている事は把握しているので、最近は夜も本当に少しだけ空間を開けるだけに留めており、仮に人族が侵入するには這って進む必要がある事から、誰もがダンジョンだとは思っていない。
そこには安堵した二人だが、夜の活動も停止せざるを得ずに蓄えを慎重に消費しつつ冒険者達が消えるのを待っている。
冒険者が消えると言う事は、上のダンジョンのマスターである四宮や辰巳に始末されるか、または逆の事だと分かっているのだが、どちらでも構わないので早く決着をつけてくれないか‥‥‥むしろ、邪魔な上の二人を始末してくれないかと思っている程だ。
冒険者達は、やけに目立つ外装をしているダンジョン故に非常に慎重に行動している。
ここまで自己顕示欲が強いダンジョンであれば、攻略には相当な犠牲を払う高レベルのダンジョンである事が一般的だからだ。
まさか、一階層しかない低レベルダンジョンだとは、誰一人として思っていない。
夜に必ず出てくる淫魔族は二つのダンジョン共に必ず一体で、そのレベルは彼らが判定できる20を軽く超えている事だけは分かっている。
その事も、最低でも数十階層の深いダンジョンであるとの誤解を生んでいるのだ。
「どうする?取り敢えず<淫魔族>は女だ。だとすると、こっちも女性の冒険者でないと同士討ちにされるぞ?」
「それは分かっているが、内部に男の<淫魔族>がいれば同じ事だ。こうなったら、思い切って突入するか?あのバカみたいにレベルの高い<淫魔族>が不在時に突入するのも有りだろう?」
交代しているが、常に四宮と辰巳のダンジョンを監視している冒険者達なので、逆に眷属で毎晩獲物を取ってくるように命じられているシノイチやタツイチも、彼らの存在には気が付いている。
眷属の二体は非常に悩んでいる。
主を裏切る事は出来ないが、積極的に自ら守りたいかと言うと……そうではない。
しかし、何故か危機の時には守る行動をとらざるを得ないだろうと理解しているのは、眷属故か。
そうなると、いくらレベル34の<淫魔族>と言えレベル20近辺の冒険者が魔道具を駆使して複数襲い掛かってくれば、主を守る行動を強制的に取る立場としては負ける可能性が高い。
即ち……自らの消滅なのだが、今のこの状況を主である四宮や辰巳に進言したとしても、具体的な対策を出して実行してくれるとはとても思えない。
寧ろ、丸投げされてその対処によって自分の存在が想定よりも早く消える可能性が高いとさえ思っていた。
この様子を監視している蜂の分裂体から情報を受けた本体は、デルやレインの通訳によってその情報を湯原と水野に与えているのだが、二人は今の所狙われている四宮と辰巳を助けるつもりもなく、もし星出と岡島のダンジョンが冒険者達に見つかったとしても、こちらも助けるつもりは無かった。
やがて、毎晩のように冒険者が犠牲になるのを見ている事に痺れを切らした冒険者一団が、シノイチとタツイチの不在時を狙って一気にダンジョンに流れ込んだ。
「いくぞ!」
各々が武器や魔道具を持ち、豪華なダンジョンの入り口に突入する。
即異常を感じ取ったダンジョンマスターの四宮と辰巳は、今この場にいる眷属である各三体の淫魔族をコアルームから一階層に突入させる。
既に突入した冒険者達は、目の前に明らかに豪華な扉がある事や地上や地下に続く階段が見えない事から、何か罠が隠れているのではないかと警戒して直ぐに攻める事はできなかった。
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