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冒険者ギルドを後にした吉川達の後を追うように出て行き、慎重に後をつけていた人物は、背後から声をかける。
「ねぇ、私は三原っていう冒険者だけど、アンタ達も召喚者なんだって?ふ~ん、今のレベルは22ね。30近くまでは何とか上げる事が出来るけど、それ以降は……アンタ達が狙っている通り、同郷の者であるダンマスを手に懸けない限り、そう簡単には上がらないよ」
突然背後から召喚者でしか知り得ない情報を伝えられ、更には上がったばかりのレベルまで言い当てられたので、臨戦態勢のまま振り向く吉川達。
「アハハハ、安心しなよ。アンタ達は勘違いしているようだから教えてあげるけど、同じ立場の冒険者であれば、自分よりも相当レベルが低い者を手にかけても何もならない。だから、アンタ達に手を出すつもりは一切ないよ。私が欲しいのは、共に召喚されたダンマスの情報。わかるでしょ?」
小柄ながらも、金目金髪の20歳くらいに見える女性から発せられる言葉を鵜呑みにする程バカではない吉川達。
「確かに、例え召喚者だとしても同じ立場ならばレベル差があれば糧にはならないのは知っている。だが、何か俺達が知らない情報を基に寝首をかかれる可能性もあるからな」
「え~、せっかく親切に教えてあげたのに知っていたのか~。じゃあさ、さっさと同時に召喚されたダンマス側の情報を教えてよ。私の糧になる様に今すぐ始末してくるからさ」
サラッと恐ろしい事を言えるのは、長きにわたって極限の環境にその身を置いて生き抜いた猛者だからだろうか。
その見かけからは想像できない、あまりにもギャップのある恐ろしい言葉を聞いて吉川達が一瞬呆気にとられているのを、少し前まで獲物として認識していたはずの同郷の者であるダンジョンマスター側の人を守る為だと勘違いした三原。
「あれ?今更優等生のふりをしちゃってダンマス側の人物を庇っちゃう?私の時もアンタみたいに偉そうな事を言っている奴がいたけど、あっさりと寝込みを襲いに来たよ。そう言う奴だと分かっていたから、罠を仕掛けて返り討ちにしたけどね。それで、レベルが一気に上がったわけ。おかげでダンマス側からはあまり狙われる事が無くなったけど、未だに安全じゃないから、もう少しレベルを上げておきたいんだ」
少々脅しを入れても黙っている四人を見て、少しは情報を出してやるかと口を開く三原。
「は~、タダとは言わないさ。少し情報を上げよう。私はレベル40を超えている。で、そこを超えるととある変化が起きる。この目が金目で髪が金髪になっているのがその証拠。まっ、信用してもらわなくても良いけどさ。で、どうするの?もし教えてくれるなら、アンタ達のレベルが上がり易いように少しは手助けしてあげるけど?そうすれば、安全に楽しく過ごせるよ?」
正直裏が無ければ願ってもない提案だが、即決できない吉川。
「吉川殿。自分は賛成だ。どの道……三原殿には今の自分達では手も足も出ない。ならば、少しでも自分達の益になる行動をとるべきだ」
冷静にこの場を乗り切ろうとしていた笹岡は、雰囲気で目の前の女性が圧倒的な力を持っている事を悟っていた。
そして自己申告ではあるのだがレベル40を超えていると言うのだから、黙って従う他ないだろうと判断した。
「「わ、私も賛成」」
普段は明るい藤代や、どんな時でも気さくに話せる椎名ですら少々怯えて同意しているので、もう断ると言う選択肢はない吉川。
「わかった。その提案を受け入れよう。だが、俺達が知っている確実にダンマスである者達の情報は四人。残りの二人はどちらの立場か分からない。それに知っていると言っても名前と風貌位だ」
「そのくらいの情報しかないのは分かっているよ。私だって経験者だからね。でも、立場が明確じゃない二人って?」
「あぁ、それは、その二人がどちらの立場か判明する前に俺達がさっさと転移したからだ」
吉川の返事を聞いて呆れるような表情の三原だが、自分達の時とは異なって特殊な事情が有ったのだろうと判断する。
「は~、わかったよ。まぁ済んだ事は良いや。改めて私は三原 信子。レベルは40超えているとだけ言っておくよ。宜しく」
「俺達は、何時情報を渡せば良い?一応、そっちの報酬を先払いしてもらいたい所だが」
「ハハハ、流石はリーダーっぽい顔している眼鏡君だ。抜け目ないね。良いよ。アンタ達がレベル30になるまでは面倒見てやるさ。情報はその後で良いよ。どうせ有象無象の冒険者達に見つかる程間抜けな奴らじゃないんだろ?」
そこで誰もが頷く事が出来ないので、焦る信子。
「おいおい、そんな間抜けなのか?だったらすぐにでも情報を貰えないと困るんだけど!」
「いや、大丈夫だ……多分」
歯切れが悪い吉川に、信子も思はず口調が強くなる。
「アンタさ、私の話聞いていた?餌をぶら下げてその辺をウロウロされると、他の連中にかっさらわれるんだよ?それで、その連中が力を付けて私が対応できなくなったらどうするのさ?」
ここまで生き延びてきた信子は、信じられるのは自分だけであり、ダンジョンマスターであろうが冒険者であろうが、誰も信用していなかった。
つまり全員が敵になり得るので、今回の召喚に関してはレベルを大幅に上げられるチャンスになっている事、自分の安全に直結するので、そこは厳しく動く必要があった。
歴代の召喚者のダンマスは、ほぼ全てが暫くは非常に大人しくしてその身を隠していた事から、今回も同じパターンだと思って少々余裕を持って話を進めていた信子の失態だ。
その剣幕に押される様に、吉川達の活動は決定する事になった。
「ねぇ、私は三原っていう冒険者だけど、アンタ達も召喚者なんだって?ふ~ん、今のレベルは22ね。30近くまでは何とか上げる事が出来るけど、それ以降は……アンタ達が狙っている通り、同郷の者であるダンマスを手に懸けない限り、そう簡単には上がらないよ」
突然背後から召喚者でしか知り得ない情報を伝えられ、更には上がったばかりのレベルまで言い当てられたので、臨戦態勢のまま振り向く吉川達。
「アハハハ、安心しなよ。アンタ達は勘違いしているようだから教えてあげるけど、同じ立場の冒険者であれば、自分よりも相当レベルが低い者を手にかけても何もならない。だから、アンタ達に手を出すつもりは一切ないよ。私が欲しいのは、共に召喚されたダンマスの情報。わかるでしょ?」
小柄ながらも、金目金髪の20歳くらいに見える女性から発せられる言葉を鵜呑みにする程バカではない吉川達。
「確かに、例え召喚者だとしても同じ立場ならばレベル差があれば糧にはならないのは知っている。だが、何か俺達が知らない情報を基に寝首をかかれる可能性もあるからな」
「え~、せっかく親切に教えてあげたのに知っていたのか~。じゃあさ、さっさと同時に召喚されたダンマス側の情報を教えてよ。私の糧になる様に今すぐ始末してくるからさ」
サラッと恐ろしい事を言えるのは、長きにわたって極限の環境にその身を置いて生き抜いた猛者だからだろうか。
その見かけからは想像できない、あまりにもギャップのある恐ろしい言葉を聞いて吉川達が一瞬呆気にとられているのを、少し前まで獲物として認識していたはずの同郷の者であるダンジョンマスター側の人を守る為だと勘違いした三原。
「あれ?今更優等生のふりをしちゃってダンマス側の人物を庇っちゃう?私の時もアンタみたいに偉そうな事を言っている奴がいたけど、あっさりと寝込みを襲いに来たよ。そう言う奴だと分かっていたから、罠を仕掛けて返り討ちにしたけどね。それで、レベルが一気に上がったわけ。おかげでダンマス側からはあまり狙われる事が無くなったけど、未だに安全じゃないから、もう少しレベルを上げておきたいんだ」
少々脅しを入れても黙っている四人を見て、少しは情報を出してやるかと口を開く三原。
「は~、タダとは言わないさ。少し情報を上げよう。私はレベル40を超えている。で、そこを超えるととある変化が起きる。この目が金目で髪が金髪になっているのがその証拠。まっ、信用してもらわなくても良いけどさ。で、どうするの?もし教えてくれるなら、アンタ達のレベルが上がり易いように少しは手助けしてあげるけど?そうすれば、安全に楽しく過ごせるよ?」
正直裏が無ければ願ってもない提案だが、即決できない吉川。
「吉川殿。自分は賛成だ。どの道……三原殿には今の自分達では手も足も出ない。ならば、少しでも自分達の益になる行動をとるべきだ」
冷静にこの場を乗り切ろうとしていた笹岡は、雰囲気で目の前の女性が圧倒的な力を持っている事を悟っていた。
そして自己申告ではあるのだがレベル40を超えていると言うのだから、黙って従う他ないだろうと判断した。
「「わ、私も賛成」」
普段は明るい藤代や、どんな時でも気さくに話せる椎名ですら少々怯えて同意しているので、もう断ると言う選択肢はない吉川。
「わかった。その提案を受け入れよう。だが、俺達が知っている確実にダンマスである者達の情報は四人。残りの二人はどちらの立場か分からない。それに知っていると言っても名前と風貌位だ」
「そのくらいの情報しかないのは分かっているよ。私だって経験者だからね。でも、立場が明確じゃない二人って?」
「あぁ、それは、その二人がどちらの立場か判明する前に俺達がさっさと転移したからだ」
吉川の返事を聞いて呆れるような表情の三原だが、自分達の時とは異なって特殊な事情が有ったのだろうと判断する。
「は~、わかったよ。まぁ済んだ事は良いや。改めて私は三原 信子。レベルは40超えているとだけ言っておくよ。宜しく」
「俺達は、何時情報を渡せば良い?一応、そっちの報酬を先払いしてもらいたい所だが」
「ハハハ、流石はリーダーっぽい顔している眼鏡君だ。抜け目ないね。良いよ。アンタ達がレベル30になるまでは面倒見てやるさ。情報はその後で良いよ。どうせ有象無象の冒険者達に見つかる程間抜けな奴らじゃないんだろ?」
そこで誰もが頷く事が出来ないので、焦る信子。
「おいおい、そんな間抜けなのか?だったらすぐにでも情報を貰えないと困るんだけど!」
「いや、大丈夫だ……多分」
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「アンタさ、私の話聞いていた?餌をぶら下げてその辺をウロウロされると、他の連中にかっさらわれるんだよ?それで、その連中が力を付けて私が対応できなくなったらどうするのさ?」
ここまで生き延びてきた信子は、信じられるのは自分だけであり、ダンジョンマスターであろうが冒険者であろうが、誰も信用していなかった。
つまり全員が敵になり得るので、今回の召喚に関してはレベルを大幅に上げられるチャンスになっている事、自分の安全に直結するので、そこは厳しく動く必要があった。
歴代の召喚者のダンマスは、ほぼ全てが暫くは非常に大人しくしてその身を隠していた事から、今回も同じパターンだと思って少々余裕を持って話を進めていた信子の失態だ。
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