たとえ運命の番じゃなくても

特に何も無い日々

1 side和哉

悠が発情期を過ぎて数日､特に何も無い日々が続く｡
特に何も無い､とはいえ受験生のため皆てんやわんやになっている｡
特に先生達が忙しそうだ｡
俺はもう進学は決めたし､悠もついてきてくれる｡
一緒にいてくれるだけでそれでいい｡
俺はそう思った｡
悠の匂いが落ち着く｡
もう運命の番に拘らなくてもいいかなと思い始めたのはいつからだろう｡
ある日突然まぁいいかと思う訳ではなく､徐々に気付く｡
ああ､俺は悠のことを考えてるなと｡
それだけで､俺の気持ちはどこに向いているのかが分かる｡
悠と居ると夏の爽やかな風が通るような心地良さを感じる｡
これが運命の番だったら？と思うこともなく､悠だから､そう思うんだと納得出来る｡