世界で一番、尊い奇跡 ～イケメン勇者×ヘタレ魔法使いの恋物語～

３巻「★番外編2★その後の魔法使いの塔――新しい日々」試し読み公開中

あとがき 2023年8月

「世界で一番、尊い奇跡～～イケメン勇者×ヘタレ魔法使いの恋物語～」の、「★番外編2★その後の魔法使いの塔――新しい日々」を、最後までお付き合いいただき、あとがきまで目を通してくださっているあなた、本当にありがとうございます。

物語のしめくくりに、平和と幸福の象徴として美しい花火をお届けできて、作者の私は一人満足しております。
折しも8月、世を騒がせた病禍もなりをひそめ、2023年の今年はやっと本格的に、日本の夏に花火が戻ってきた、と感じます。リアルで花火を楽しむ方も多いのではないでしょうか。夏の楽しい思い出と共に、当物語の花火の情景をリンクして、味わっていただけましたら幸いです。

花火についてもうひとつ。
この「番外編2」を書くきっかけになった、「幻想彼氏」というまったく別の物語があるのですが、私の中でこの二つのお話しは縁続き(物語の世界そのものは、まったく別物です）のため、ラストシーンをお揃いの花火で飾り、締めくくりました。二つの物語の終わりを美しい花火でシンクロさせることで、私の心の中にある色んな雑念を少し晴らすことができたかな、と思ってます。

さて、実は「世界で一番～（以下略）」の物語は、私の頭の中に続きがあります。
リョウとディートフリート、モモカとケイが、青の国の隣国での騒動に巻き込まれ、その国の新しい魔法使いと共に民の救済へと向かうお話しです。このお話しには、モモカが長年の苦しみから解放されるエピソードが盛り込まれています。
今回初登場の金の国の魔法使い、ケイも活躍します。金の国はとても特殊な国で、王も自国の民もいません。様々な事情を抱えた、他国の民の寄せ集めで構成された国です。その辺のエピソードを加え、四人の魔法使いと二人の勇者が活躍し、賑やかに物語が展開していきます。
本当はその物語の中で、リョウの鎌が光り輝くシーンが出てくるはずだったのですが、なぜか今回、前倒しでそのシーンが登場してしまいました。
物語を書くって、不思議です。
まるでどこかに本当にいるみたいに、登場人物たちが動いて、作者も意図しない方向へと進んだりするのです。

いつか、物語の続き、書けたらいいな。
運よくまたお目にかかれたら、どうぞよろしくお願いしますね。

最後になりましたが、エールを送ってくださった読者さまにお礼申し上げます。
おかげさまで、とても励みになりました！　
エールは各話、0～5回と、片手で足りるほどの数だったので、貴重なエールに私はしみじみ涙しました。本当にありがとうございました。

2023年8月11日　一花