烙印を理由に婚約破棄。その結果ステータスALL1000の魔導師になりまして

流雲青人

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錬金術師と魔導師編

44 魔法付与無限大

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 「お、終わったァァァァ!」

 私は全ての瓶に魔力を注ぎ終え、終わったのと同時に思わず叫んでしまった。そんな私の声を聞いてか私の方の上で眠りかぶっていたリリアが小さな悲鳴を上げて飛び上がった。

 「ご、ごめん! 起こしちゃったね」

 【いいえ。エデンが頑張ってるのに眠っていた私が悪いのよ。それと、もう終わったって本当? 疲れはある?】

 「終わったよ。疲れは特に無いかな」

 そう私が言えばリリアが目を見開いた。
 リリアは慌てた様子で小瓶の元へと飛んでいくとそっと手を小瓶へと置く。すると更に大きく目を見開いた。

 「リリア?」

 【エデン。貴方、鑑定眼は使えるかしら?】

 「うん。使えるけど」

 【それなら直ぐにこれを鑑定してみなさい!】

 「う、うん……」

 私はリリアに言われた通りに鑑定眼で鑑定を行う。
 正直何の薬か分かっちゃうといけない気がして使ってなかったけど使うしかないか……。

 ジーッと小瓶を見つめる。

 「SSSランクポーション……あと、魔法付与つきって出てるけど」

 【SSSランクに魔法付与つき!? ……エデン、貴方は私が思っていた以上に凄い人間みたいね】

 リリアの妙に真剣な声。
 にしてもこの瓶の正体がポーションだったなんて……
 それと魔法付与って何だろう?

 因みにポーションとは魔力回復、もしくは傷を癒したりするものだ。
 他にもステータスを上げるための薬としても用いられる事もある。

 【SSSランクのポーションなんて初めて聞いたわ。エデン、魔法付与って言ってたけど、何の付与なのかしら? もう一度見てくれる?】

 「わ、分かった」

 私は再び小瓶を見つめる。


 ____________

 物質名・ポーション

 ランク・SSS

 効果・回復
 
 魔法付与・無限大

____________

 

 「無限大……って書いてあるよ。これってどういう意味?」

 そう私が言い掛けた時だった。


 ガシャン 

 「え?」

 背中越しから何かが割れるような音がして弾かれたように振り向く。するとそこにはクロートの姿があった。クロートは大きく目を見開いてこっちを見ている。足元には割れたティーカップらしき物があった。どうやら割れたような音はこのカップが原因だったみたい。

 「だ、大丈夫? 」

 慌ててクロートに駆け付ける。
 怪我は無さそうなので一安心したのも束の間、突然肩を捕まれ私はギョッとした。

 「エデン。今の話、本当なのか!?」

 「え、うん。そうだけど……」

 何だか落ち着きがないクロート。
 一体どうしたんだろう?
 私が首を傾げれば、リリアが私の肩にちょこんと座り呟く。

 「魔法付与っていうものはその名の通り魔法を付与すること。だけどその対象は魔法石だけなの」

 「え、でもこのポーションに魔法石なんて……あ!」

 私は思わず声を上げた。
 だってポーションの入ったこの瓶。気には止めなかったけどこの瓶には小さなビーズのような物がついていかなり手の込んだ装飾がされている。どうやらこれが魔法石だったみたい。

 「だから魔力を注いでって言ってたんだね」

 なるほど。
 やっとクロートの真の狙いが理解出来た。
 魔法付与を行うことでポーションの質を更に高くする。
 最初クロートは魔法付与に関しては私に話してなかったけど、別に嘘を言っていた訳じゃない。でも、どうして話してくれなかったんだろう?

 「これなら助けられるかもしれない。ありがとう、エデン!」

 「う、うん? よく分からないけど、お役にたてたなら嬉しいよ」

 クロートは大きく頷くと、何処かへ行ってしまった。

 えっと、私の役目はもう終わりなのかな?
 なら解放して貰えるのかな?

 そう思うと心の底から安堵できた。

 ゆっくり私は肩を回す。
 疲れては無いけど眠気はある。


 【エデン。貴方、魔法付与が無限大の意味分かってる?】

 「ごめん。実はよく分かってないんだ」

 【じゃあ私が説明してあげる。無限大って言うことはあのポーションにはどんな効果だってあるって言う事なのよ】

 「え、それってつまり……」

 【えぇ。もしあのポーションがサポート系のポーションだったら最強の力を手に入れる事が出来るのよ。まぁ、一定の時間だけだけど】

 リリアの言葉に私は唖然とした。
 まさか自分が魔力を注いでいたポーションにそんな凄い力があるだなんて……。

 再びポーションへと視線をむける。

 これは確か回復のポーション。
 となれば何処まで効果を発揮させるのだろう?

 ちょっとだけ興味が湧いた。

 【やっぱり嫌な予感しかしないわ……】

 「嫌な予感?」

 そう私が聞き返せばリリアが首を振った。
 気にしないで! なんて笑顔で言うリリアだけど、明らかに何か隠しているように見えた。

 
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