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砲撃のパラディン大佐隊編(【06】の裏)

002【炎の七日間編02】0日目:ドレイク退室後

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【パラディン大佐隊・執務室】

 ドレイクとイルホン、モルトヴァンに先導されて退室。
 パラディンは一人掛けのソファに座り直すが、エリゴールは座らずにパラディンの傍らに立つ。

パラディン
「さすがドレイク大佐! やはり私は凡人だった! まさか〈フラガラック〉を移動させるとは!」

エリゴール
「同感ですが、それは殿下にメールで左翼入替をお願いできるドレイク大佐殿だからこそできる発想ではないかと。それに、ご本人もおっしゃっていたように〝事実上実現不可能〟です」

パラディン
「でも、ドレイク大佐なら〝実現可能〟にしてしまうかもしれないよ? そうしなければならない必然性をでっちあげて」

エリゴール
「いずれにせよ、やはり〝ドレイク大佐頼み〟ですね」

パラディン
「それはそうだ。でも君、考えなかったかい? 今度は何と言ったらドレイク大佐にそうしてもらえるだろうって」

エリゴール
「ドレイク大佐殿は〈フラガラック〉を危険にさらすような真似は絶対にされません」

パラディン
「ということは君、やっぱり考えたね」

エリゴール
「そんなことより大佐殿。今すぐ元アルスター大佐隊に電話して、あちらの作戦説明室に班長たちを召集しましょう」

パラディン
「え、今からかい? 明日じゃ駄目?」

エリゴール
「駄目です。今日中にうちの意向を伝えなければ」

パラディン
「意向?」

エリゴール
「元アルスター大佐隊を〝第二分隊〟にはしない。それだけは早急に伝えなければならないでしょう」

パラディン
「確かにね。でも、それならリモートでもいいんじゃ……」

エリゴール
「駄目です。アルスター大佐殿とは違うことをアピールするには、大佐殿が初日からあちらの軍港に足を運ぶのがいちばん効果的です」

パラディン
「……なるほど。でも、電話はモルトヴァンが戻ってきてからかけさせてもいいかな?」

エリゴール
「そうですね。大佐殿では余計なことまで言ってしまいそうですから、副官殿が戻られるまで待ちましょう」

パラディン
「……自分の希望どおりになったのに、どうしてこんなに悔しいんだ」

エリゴール
「さあ。とりあえず、自分はここを片づけます」

パラディン
「それもモルトヴァンにやらせるよ」

エリゴール
「いえ、ドレイク大佐殿とイルホン副官殿の分だけは自分が片づけます。ドレイク大佐殿とイルホン副官殿の分だけは」

パラディン
「二回も言った! 悔しい!」
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