貴方の隣で私は異世界を謳歌する

紅子

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わたしの島

優しい温もり

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今日も朝から脳筋たちはうきうきした様子で身体をほぐしている。昨日の疲れなんて全くないようだ。今日の分のお昼ご飯を渡し、野営地に向けて出発!ここからは慎重に進まなきゃね。

「シャナ、気を付けていけよ。危なくなったら結界に籠ってすぐに呼べ?」

「うん。スノウもいるし大丈夫だよ」

「無理はしないように。いいですね?」

「はーい」

「美味い肉たくさん狩って持って行くからな!」

「うん!楽しみにしてるね。みんなも気を付けてね~!」

ざらぱぱは私の頭をぽんぽんとするとさっと森に消えた。りーぱぱもガルも私を気にしながらも森へと入っていった。

さあ、気合いを入れて行こう。ここから先は格段に強い魔獣が出てくる。わたしは、スノウに手伝ってもらいながら魔獣を避けつつ最短距離で野営地に向かった。途中で見つけたベリーや桃、ロイヤルビーの蜜はしっかりと確保。ベリーはともかく、桃やロイヤルビーの蜜はなかなか手に入らない。うきうき気分で昼食とお昼寝の場所を探しながら進むんだけど、6人が派手に暴れているせいか、魔獣の遭遇率が高い。避けようにもどっちに行っても魔獣がいる。

「スノウ、あの3体任せたよ。わたしはこっちのボスと2体片付ける」

(分かった!)

ここを抜けるために選んだのはコカトリスの群れ。他はわたしの手には余る群ればっかりだ。トリ肉が欲しかったのもある。何故か突然チキン南蛮が食べたくなったのだ。ここに来る前、タルで女神様特許に登録した料理に入っているから、帰ったときには出回ってるかも知れない。

チキン南蛮♪
今日の夜は、チキン南蛮♪

チラッとスノウを見ると炎を駆使して危なげなく屠っている。

わたしも!

コカトリスの長い喉をめがけて魔法を発した。

「圧縮!」

グギャッ!

「圧縮!」

グギャッ!

「圧縮!」

ザッ。

避けたぁ!
さすがボスだね。

「結界!密閉!」

ズオン!ドスッン!

ボスは苦しそうに暫くのたうち回った後、息絶えた。これで道が開けた。

「さあ、スノウ、行こう」

わたしはさっさとその場を離れ、野営地に急ぐ。途中、休憩できるような所が見つからず、仕方なく木の上でお昼を食べ、ついでに昼寝もした。しかし、コカトリスの群れを相手に出来る幼女って、どうなんだ。もう、恐くてレベルの確認が出来ない。初めてこの島に来たあとタルで確認したときには、パーソナルレベルは122だった。この時点でおかしい。完全にアウトだ。スキルなんて、増えすぎてどうにもならない。最初にりーぱぱに監修してもらったステータスで固定し、自動で隠蔽出来るようにした。勝手に色々増えるから、いちいちやってられない。

漸く野営地に着くと、既にガルがいて、火を興しているところだった。

「ガル!早かったね?」

意外と神経を張っていたようだ。ガルを見つけてほっとした。

「シャナ、怪我はないか?」

「うん。大丈夫だよ」

ガルに抱っこされて、今日一日にあったことをお互いに伝え合う。ガルの温もりが心地いい。どうやらわたしはちょっとだけ寂しかったのかもしれない。いつもガルやりーぱぱ、ざらぱぱといたから、独りになることなんてなかった。

インベントリーから今日の分のスープを出し、火にかけてもらった。わたしは、楽しみにしていたチキン南蛮を作る。今日はパンじゃなくてご飯にした。

うん、いい出来だ。美味しそう♪

あとは、みんなが帰ってくるのを待つだけ。と思ったけど、わたしだけ先に食べさせてもらった。きっと、みんなが帰ってくる頃には眠くてちゃんと食べれないから。ガルもわたしに付き合って少しだけ食べてくれた。

「シャナ、明日は一緒に行こう?ここからは流石にシャナ独りでは危なくて行かせられない」

「うん」

スノウもいるし独りでも大丈夫だけど、ガルの近くがいい。食べている間もガルにぺったりとくっついていた。食べ終わった後は、ガルの首に腕をぎゅうと回して肩に顔を埋める。ガルは何も言わずにわたしの背中をぽんぽんとあやすように叩いてくれた。前は独りでも平気だったのに、いつからこんなに弱くなったのかなぁ?子供だからかな?そういうことにしておこう。

「今日はもう寝た方がいい。夕食は食べたんですよね?」

いつの間にかりーぱぱが戻ってきたようだ。わたしの頭を撫でてくれる。

「うん・・・・」

じんわりと温かな優しさに包まれて、わたしは眠りに落ちた。






「少し配慮が足らなかったようです」

「ああ。俺もそう思う。明日からは一緒に連れていく」

毛布にシャナをくるんで抱え直す。珍しくシャナが自分から俺にくっついてきた。普段なら俺が抱いていればそれ以上の接触はしてこない。2日とはいえ、ほとんど独りでいたから寂しかったんだろう。

「それがいいでしょう」

暫くして戻ってきたザラムにもさっきのシャナの様子を伝えた。

「大人の記憶があってもまだ40歳だったな」

ザラムは、眠ってしまったシャナの頬を撫でながら、しみじみとした口調で呟いた。

そうだったな。

本来なら、また冒険者登録すら出来ない年齢だったことを改めて思い出した。

程なくして戻ってきたジャイ、クレー、シアンとシャナの作った夕飯を摂りながら今日の感想と明日の予定を擦り合わせたあと、明日からはシャナは俺が連れていくことを告げた。

「俺もその嬢ちゃんはお前たちと行った方がいいと思うぞ」

「ここまで独りで来れただけでも凄いが、この先はもっと強くなるんだろう?」

「この辺りでもマレビの森の奥付近に近い強さがあるよね?」

そうだな。ちょっと麻痺してきてたけど、ここは独りで行くような森じゃない。

「明日は、お前たち3人で行ってもいいぞ」

「俺たちもなるべく固まって移動する」

「初めてですしその方がいいかもしれませんね」

3人は顔を見合わせていたがひとつ頷くと「「「そうする」」」と決めたようだ。その辺は伊達にSランクじゃないってことだ。プライドばかり高いやつや力を誇示したがるやつも多い。流石、聖剣に選ばれただけはある。リールやザラムも同じことを思っているようだ。

俺たちはリールに結界を頼み、明日に備えることにした。
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