幽閉塔の早贄

大田ネクロマンサー

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2部 焼け落ちる瑞鳥の止まり木

第23話 魔力の針 ※

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風呂で2人体を流し合ったあと、準備があるからとアシュレイに先に出てもらった。いつもだったら僕の部屋で待っていてくれるのに、今日は台所のテーブルで書類を眺めていた。

「あ、アシュレイ。今日はやっぱり……」

アシュレイも明日の調査が気になっているのだろう。こんな時に愛してほしいなどという自分の欲望が、とても稚拙に思えた。

「ノアに聞きたいことがあったのだ」

「は、はい。聞いてください」

「針が底をついていない。昨日自分で責務を果たしたのか?」

アシュレイは塔の魔力計器の針を指差して僕に質問をした。その瞳がまっすぐで、僕は慌てふためいてしまう。

「は、はい。昨日自分で……」

責務といえど今日のこの日まで、こんな質問をされたことがなかった。ここ1週間アシュレイが来なかったため、塔の魔力量が減ってしまっていた。以前は朝、勝手に吐精していたが、アシュレイに愛されるようになってからは、それがなくなってしまった。アシュレイの足が遠のいてから3日目くらいに、ルイスが言いづらそうに注意してくれた。だから自分で責務を果たしたのだ。

僕は恥ずかしくてアシュレイを見られなかった。でもアシュレイが呼ぶので、顔を見ないで済むようしがみついた。

「どんなことを考えてするのか教えてくれないか?」

またあの甘い声を使って僕を誘惑する。僕は恥ずかしさと混乱で息が上がってしまう。

「い、一体そんなことを聞き出して……ど、どうするというのです!」

「俺以外のことを考えてするから答えられないのか?」

アシュレイは僕を担ぎなおして階段を上り始める。アシュレイの甘い声にあてられて答えるより先に下半身がムズムズと期待をしてしまう。

「ノアは素直でいい子だ。ノアが教えてくれたら、今日はその通りにノアを愛してあげよう」

「あ……またそんな声……」

「さっきは聞きたいと言っていたのに……ノアは難しいな……」

「は、恥ずかしいのです! アシュレイはなぜ、なぜ僕の心をかき乱すのですか!」

「かわいいからだ。もっと乱れて俺を欲してほしい。俺がそれを満たしてやりたい。俺でなければそれを満たせないと信じたいのだ」

「ああ……そんな声で……そんなことを……」

塔の最上階に着くと、アシュレイは僕をベッドに下ろした。そのまま押し倒される格好でアシュレイは僕の耳元に吸い付いた。

「ノア、愛しているから教えてくれ。出征前に俺の欲望を満たしてくれ」

「器の中で……泳ぐ想像をして……責務を果たします……」

アシュレイはピタッと動きを止めた。

「器?」

「え……? アシュレイもそうなのではないのですか?」

「い……や……詳しく教えてくれ」

「は……あぁ……アシュレイに……愛される時に……僕はアシュレイの器に落ちます……奇跡の器という称号の意味をそれで……知りました……」

アシュレイは上半身を起こして僕を見下ろす。

「それは……俺も知らなかった。器に落ちる?」

「湖のような、水の中です……不思議な場所で、アシュレイと僕が気持ちがいいと、水が震えるのです。特に……奥の方に潜ると、アシュレイが……気持ちいいと感じてくれているのがわかる……」

「それを、想像して責務を果たすのか?」

「はい、はい。アシュレイが欲望を剥き出しにして僕を愛する時が、1番水が震えるので、僕はアシュレイが……さっき囁いてくれたことを……してもらいたいと思っています……」

アシュレイが急に口を塞いだ。それは遠慮などない激しいキスだった。唇にも収まらない貪り方で、僕は嬉しくてアシュレイの首に手を回した。

「きょ、今日も、アシュレイの美しいのを口で味わせてください……」

唇が離れた時にお願いしてみたが、アシュレイはそれには答えなかった。枕の下に隠してある軟膏を乱暴に取り出して、アシュレイは自身に塗りたくる。

「あ、アシュレイ、待って……」

僕が起き上がろうとすると、アシュレイは覆いかぶさって僕をベッドに沈める。

「風呂で存分に味わっただろう。ノア、もう待てない。ノア、俺はこっちを味わいたい。ダメか?」

「いえ、いえ……あぁ、アシュレイ……」

アシュレイの熱い昂りが僕に押し当てられ、僕は湖に落ちる衝撃に備えて目を瞑る。アシュレイは僕の呼びかけに応えて、僕を湖に突き落とした。

「んっ……あ、ああぁ」

「ノア、教えてくれ。今湖に入ったのか」

「はい、はい。水温がいつもより高い……」

「それは、俺が我慢ができないからだ」

「ひやぁ!」

アシュレイが僕の腰を掴み最奥まで一気に突き上げる。容赦のない質量と熱で、僕の限界をも突き上げる。

「ああ! そこぉ……」

「ノアが1番声を出す場所だ。熱くなっている、ノアも待ってくれていたのだろう?」

アシュレイは僕に倒れ込み僕の耳元であの声を出す。

「アシュレイ、アシュレイ、その声は……」

「どうなっているのか教えてくれ。ここを突いて欲しい、そうだろう?」

アシュレイが容赦なく僕の弱い場所を突く。急激に湖の奥に引きずり込まれて、息苦しさすら感じる。

「突いてください……僕が、壊れるほど、突いて、ひ、い……ダメ……もう……」

久しぶりだからというにはあまりの快感に、体が追いつかない。自分自身に手を伸ばし、果てないように握ろうとしたその手をアシュレイが掴んだ。

「ダメだ、ノア。今日は我慢をしてはならない」
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