特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。

黄玉八重

文字の大きさ
238 / 450
閑話休題 -次に向けての準備期間-

閑話休題 -42話-[精霊会議!③]

しおりを挟む
 アクア姉様とクー姉様が座るのを確認してからノイ姉様から受け取ったバトンを手にニルは高らかに報告しますわー!
 がっつり刮目してニルを褒めてくださいましー!

『ニルの研究はいくつかありますわー!
 一つ目が生体電流で相手の身体を支配する方法ですわー!』
『生体電流って[マリオネット]の原理ぃ~?』
『その通りですわアクア姉様!』

 流石アクア姉様!
 魔法に関してだけ察しが素晴らしいとはずっと思っていましたが、
 やはり他の姉弟とは一味違うのですわねー!

『対象の身体に流れる生体電流を操って強制的に操る[マリオネット]ですけれど、
 基本的には対象が硬直して動けない場合に緊急回避で使う魔法ですわねー!
 ただ、マリエルをあれだけ操れるのも密着したり[ユニゾン]しているからですわー!』
『調整が難しい生体電流をあれだけ上手く扱えるニルは凄いですね。
 ユニゾンしていれば攻撃判定はまず出ないでしょうけど外部からは……』
『クー姉様に褒めていただけてニルは有頂天になりましたわー!
 喜びを表現した演奏を聞いてくださいましー!』

 大好きなクー姉様に褒められましたわー!
 さあ!ニルの半身たる[タクト]よ!ニルがどれだけ歓喜に震えているか姉弟に示すのですわー!

『ニル、お父さんも皆も寝てるんです。
 この時間に演奏は絶対にダメですよ』
『ぐぬぬ…。時間が相手では歯が立ちませんわー!』

 危なかったですわ…。
 ノイ姉様が止めてくれなければ最悪お父様に瓶詰の刑に処されるところでしたわー…。
 最近は処されてないとはいえ、
 やっぱりあの狭くて変に湾曲して外が見える光景は……ブルブルブル。

『と、とりあえず生体電流で何をするかの話に進みますけれど、
 相手の筋力を無効化して攻撃の動作をキャンセルしたり逃げようとする相手の足の力を抜いたりが狙いですわー!』
『クー姉様。僕、前衛をしたい。ニル姉様のアレを防ぐ方法はある?』
『お父様の真似になりますが剣を地面に刺して盾にするといいでしょう。
 お姉様ですら体内の血を操ることは出来ないのですから、
 ニルの操るというのはマリエルさんの時とは違い外部から撃ち込むのでしょう?』
『ですわねー!』

 フラムは先を見据える考えをすでに持っているのですわねー。
 防ぐ方法はいくつかあるとは思いますわー!
 ノイ姉様の様に地属性の方には効きづらいですしエンチャントされていれば尚の事ですわ。
 クー姉様が言う様に金属に引き寄せられる性質がある雷属性の魔法ですから、
 特に貧弱な電流を送る生体電流であれば金属を持っているだけで防がれる可能性すらあるのですわー!

『アクア姉様は防げるのですか?』
『アクアは純水が扱えるから対策済みだよぉ~。
 純水は電気を通さないから予測出来れば自分の身体をコーティングして防ぐだけだしぃ~。
 ベルも反射を上手く扱えば防げるから訓練頑張ろうねぇ~』
『はい!』

 ベルはアクア姉様に甘えていますわね。
 ニルも自分の言うのも何ですけれど、まだまだ甘えたい年頃ですから弟妹が羨ましく思う事も多いですわ。
 後でクー姉様かお父様に甘えることにしましょう。

『二つ目は対叢風むらかぜのメルケルスを見越した戦闘訓練ですわねー!
 空を駆け巡る[天羽あまはね]。その雷派生で[雷天翔らいてんしょう]を使いこなせる様になり、
 ズバッと動けるようになるのが目標ですわー!
 あとはエゥグーリアに格闘戦を教えてもらいたいところですわー!』
天羽あまはねは弧を描く軌道で飛び、雷天翔らいてんしょうは急角度の軌道で飛ぶのでしたね。
 それだけ出来るのですからヒントさえ得られれば一皮剥けそうですね』
『……アニマがノイ姉様に甘えている所初めて見ましたわー』
『なっ!?わたくしが諦めて会議に参加していれば良い気になって!
 ニル姉様!貴女は無精王を前にしているのですよっ!』

 無精王がノイ姉様に抱かれていますわー。
 興奮しても姉弟の呼び方は固定してきましたわねー。

『ニル、アニマを弄るのはダメですよ。1日1人です。
 今日はボクのターンです』
『珍しい光景だったので、つい……ですわー』

 アニマとはあまり接触することがありませんでしたけれど、
 こう見ると可愛い妹という事を実感しましたわー!
 最近は感情表現も豊かになってきた気もしますし今度訓練に誘ってみようかしらー!

『アニマ、今度運動を一緒に行いますわよー!』
『どこからその話になったのですかっ!?』

 テンション高めにツッコミが出来る姉弟は初めてで面白いですわねー!

『クー姉様と違う理由ですけれど、
 ニルも現状は毎日飛び回ってマリエルの身体が引き千切れないギリギリを検証していくしかないですわー!
 あとは、お父様がアーグエングリン王都に到着すればエゥグーリアも手が空くかもしれませんわー!
 記憶の奥に[躰道たいどう]が気になっているのですけれど、
 どれだけ探してもほとんど情報が無くて手探りの状態ですわねー!』
『ニルもここまでだねぇ~。
 順番的にはアニマになるけどぉ~、何かあるかなぁ~?』
わたくしですか? 無属性の魔法はほとんど完成していますから、
 新しい魔法の構想はないんですよねぇ。
 エンハンスウェポンにエンハンスシールド、ヒールにグレーターヒールと冒険するだけならこれで十分ですからね』

 確かに一般ピープルの方々であればランク3ダンジョンまでの間に揃う魔導書から覚えられますわねー!
 でも、お父様の相手は突破力のある魔法がいくつあっても良いと思うのですわー!
 無精なら相性的な増減は全く影響を受けないはずですから、
 出来ればなんとか奮起してほしい所ですわねー!

『次回の宿題ですわねー!』
『そうだねぇ~』
『宿題ですね』
『頑張るですよ』
『宿題、頑張って』
『アニマ姉様も大変ですね!』

『十分と言ったはずなのに何故にぃーーーーっ!?』

 ニルの言葉に続く姉や弟妹の励ましにまとめてツッコミを入れるアニマの声は思いのほか大きかったですわー。
 だからなのか、差ほどの間もなくリビングに入ってくる人影が一人……。

『あ、お父様ですわー!』
『げぇ!? ここで宗八そうはちが出てくるんですかっ!?』
『アニマ。お父さん、です』

 妹とはいえ女の子が口にしてはいけないっぽい声を出したアニマがノイ姉様に抱かれたまま怒られている。
 でも、ニルが伝えたいのはそこじゃないのですわー。
 クー姉様はお父様が見えた瞬間にはフラムをノイ姉様の側に移動させて、
 ご自分は台所へ駆け出していくのが見えましたわー。

『アクア姉様、パパの様子がおかしいですよ?』
『ちょっと待ってね魔力抜いて[精霊核加階コア・エヴォルト]を解除してるからぁ~。
 寝ぼけてるだけだと思うけど、一応内緒の魔法だから……あくしろぉ~、あくしろぉ~』

 アクア姉様の言う通りに寝ぼけている様子ですわね。
 半目というよりもほぼ瞑ったままの瞳をしてふらふらとトイレに向かっていますわねー。
 まぁトイレと言ってもここはクー姉様の魔法の中ですから、
 トイレと定められた場所で放尿すれば外の仲間の影からジワリと流れ出る仕組みになっていますわー。

 大きい方は防臭処理された箱に座って行うか、
 影の外に出てからすることのどちらかで選択可能。
 お父様は箱でいいやと考えていますが、女性陣は外に出て排出しますわー。
 う〇こをそのまま一晩影の中に保存することに耐えられないとか。

 チョロチョロチョロチョロォ…ジョボ…ジョボ…ジョボ………。
 あ、出し切りましたわねー!
 クー姉様はお父様の部屋への戻り路の途中。
 椅子の側でコップを持って待ち構えていますわー。

 ところで何故ニルはお父様のお小水の実況をしているのでしょう?

『どうぞ、お父様』
「……ゴクゴクゴクゴクっ。—はぁ……、ありがとう」

 寝ぼけながらも小を成功させ、水も飲み干し、
 クー姉様の頭を撫でてから再び寝室の闇へと消えていきましたわー。
 お父様も消えましたし次は……。

『フラムとベルは何かありまして?』

 アクア姉様とノイ姉様にくっ付いている妹と弟は、
 確か訓練はしていると聞いていましたが、
 才ある姉たちに触発されないほど大人しくもなかったはずですわー。

『ある。けど、お父さんは知ってる事』
『フラムに同じくです』
『一応連携を考えたりするのでボク達にも内容と結果を教えてほしいです』
『お姉ちゃんも知りたいなぁ~』

『じゃあ、2人で前に出てきてくださいまし』
『『はい』』
しおりを挟む
感想 87

あなたにおすすめの小説

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

最初から最強ぼっちの俺は英雄になります

総長ヒューガ
ファンタジー
いつも通りに一人ぼっちでゲームをしていた、そして疲れて寝ていたら、人々の驚きの声が聞こえた、目を開けてみるとそこにはゲームの世界だった、これから待ち受ける敵にも勝たないといけない、予想外の敵にも勝たないといけないぼっちはゲーム内の英雄になれるのか!

剣の世界のβテスター~異世界に転生し、力をつけて気ままに生きる~

島津穂高
ファンタジー
社畜だった俺が、βテスターとして異世界に転生することに!! 神様から授かったユニークスキルを軸に努力し、弱肉強食の異世界ヒエラルキー頂点を目指す!? これは神様から頼まれたβテスターの仕事をしながら、第二の人生を謳歌する物語。

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  ブックマーク・評価、宜しくお願いします。

異世界に迷い込んだ盾職おっさんは『使えない』といわれ町ぐるみで追放されましたが、現在女の子の保護者になってます。

古嶺こいし
ファンタジー
異世界に神隠しに遭い、そのまま10年以上過ごした主人公、北城辰也はある日突然パーティーメンバーから『盾しか能がないおっさんは使えない』という理由で突然解雇されてしまう。勝手に冒険者資格も剥奪され、しかも家まで壊されて居場所を完全に失ってしまった。 頼りもない孤独な主人公はこれからどうしようと海辺で黄昏ていると、海に女の子が浮かんでいるのを発見する。 「うおおおおお!!??」 慌てて救助したことによって、北城辰也の物語が幕を開けたのだった。 基本出来上がり投稿となります!

キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~

サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。 ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。 木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。 そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。 もう一度言う。 手違いだったのだ。もしくは事故。 出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた! そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて―― ※本作は他サイトでも掲載しています

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

処理中です...