66 / 89
64話 予想外
しおりを挟む
「やっぱアイスだよな」
「俺はかき氷派だな。まぁ、アイスも美味いけど」
海斗はなんであの事がそんなに気になるんだろうか。海斗なりに福田と何が言ったのか気掛かりなのかもしれない。だとしてもこんなにズルズル引っ張るものか?
「屋内行こうぜ。ベンチでアイスも良いけど、さすがに暑いわ」
「そうだな。アイスの溶けも早いし」
あぁモヤモヤするぞ。回答がこの件をズルズル引っ張る理由はなんだ?何がそんなに気になるんだ?
特に今は話す気がないのか俺の前を歩いているが……もしかして俺の警戒のしすぎか?でも話があるって……まさか、ホントにただのフォローだったのか?
「蓮がどんなことを考えてるかなんて俺には分からねぇけどさ」
「ん?」
「さっきのアレは……良くねぇと思う」
「あれって?」
海斗は今も前を向いてるからどんな顔をしてるかなんて分からない。でも、何年も一緒に過ごしてきたからわかる気がする。たぶん海斗は今、怒ってるんだろう。
「まさか、那乃の事か?」
「あぁ。なんであんなことしようと思ったんだ?」
あっちか………まてよ、どちらにしろ俺に起こってる事を説明するって意味ではそんなに変わらなく無いか?神の話をするかどうかの違いしかない。
「俺は……てっきり那乃とお前は両想いだとばっかり……」
「………そうだな。たぶん、俺は那乃の事は好きだったと思う」
惹かれ始めたのは中学の時からだろう。でも、それを表に出すのが恥ずかしてくて……バレないように那乃に対して少し素っ気ない対応をし始めた。
記憶が正しければそれは高校に入ってからもだった。でも、那乃を好きだったから距離をとることもしたくなかった。
「好き、だった?」
「それが一番正しいと思う。今の俺は那乃の事を恋愛的な意味で好きじゃないから」
今の俺の状況のせいかもしれないが、那乃に対して友達以上の関係は望んでいない、望んじゃいけない……そんな風に考えてしまう。
「そっか。じゃあもし那乃から告白されたら?」
「断るさ。俺は……瑠魅が好きだから」
「っ…………そうか。俺にはとやかく言う権利はないから。蓮がそれを望むなら……それで良いと思う」
「…………詳しく、聞かないのか?」
相手が海斗であれば俺の秘密を言う覚悟もあった。それほど海斗には信頼を置いている。まぁ、聞かれなきゃワザワザ答える気は無いけど。
「聞いて欲しくなさそうな顔してるじゃん」
「えっ?俺が?」
「あぁ。つうか、暑いな。ショッピングモール遠すぎだろ」
「そうか、そうだな……今日はいつもよりも暑いな」
「俺はかき氷派だな。まぁ、アイスも美味いけど」
海斗はなんであの事がそんなに気になるんだろうか。海斗なりに福田と何が言ったのか気掛かりなのかもしれない。だとしてもこんなにズルズル引っ張るものか?
「屋内行こうぜ。ベンチでアイスも良いけど、さすがに暑いわ」
「そうだな。アイスの溶けも早いし」
あぁモヤモヤするぞ。回答がこの件をズルズル引っ張る理由はなんだ?何がそんなに気になるんだ?
特に今は話す気がないのか俺の前を歩いているが……もしかして俺の警戒のしすぎか?でも話があるって……まさか、ホントにただのフォローだったのか?
「蓮がどんなことを考えてるかなんて俺には分からねぇけどさ」
「ん?」
「さっきのアレは……良くねぇと思う」
「あれって?」
海斗は今も前を向いてるからどんな顔をしてるかなんて分からない。でも、何年も一緒に過ごしてきたからわかる気がする。たぶん海斗は今、怒ってるんだろう。
「まさか、那乃の事か?」
「あぁ。なんであんなことしようと思ったんだ?」
あっちか………まてよ、どちらにしろ俺に起こってる事を説明するって意味ではそんなに変わらなく無いか?神の話をするかどうかの違いしかない。
「俺は……てっきり那乃とお前は両想いだとばっかり……」
「………そうだな。たぶん、俺は那乃の事は好きだったと思う」
惹かれ始めたのは中学の時からだろう。でも、それを表に出すのが恥ずかしてくて……バレないように那乃に対して少し素っ気ない対応をし始めた。
記憶が正しければそれは高校に入ってからもだった。でも、那乃を好きだったから距離をとることもしたくなかった。
「好き、だった?」
「それが一番正しいと思う。今の俺は那乃の事を恋愛的な意味で好きじゃないから」
今の俺の状況のせいかもしれないが、那乃に対して友達以上の関係は望んでいない、望んじゃいけない……そんな風に考えてしまう。
「そっか。じゃあもし那乃から告白されたら?」
「断るさ。俺は……瑠魅が好きだから」
「っ…………そうか。俺にはとやかく言う権利はないから。蓮がそれを望むなら……それで良いと思う」
「…………詳しく、聞かないのか?」
相手が海斗であれば俺の秘密を言う覚悟もあった。それほど海斗には信頼を置いている。まぁ、聞かれなきゃワザワザ答える気は無いけど。
「聞いて欲しくなさそうな顔してるじゃん」
「えっ?俺が?」
「あぁ。つうか、暑いな。ショッピングモール遠すぎだろ」
「そうか、そうだな……今日はいつもよりも暑いな」
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。
お飾り公爵夫人の憂鬱
初瀬 叶
恋愛
空は澄み渡った雲1つない快晴。まるで今の私の心のようだわ。空を見上げた私はそう思った。
私の名前はステラ。ステラ・オーネット。夫の名前はディーン・オーネット……いえ、夫だった?と言った方が良いのかしら?だって、その夫だった人はたった今、私の足元に埋葬されようとしているのだから。
やっと!やっと私は自由よ!叫び出したい気分をグッと堪え、私は沈痛な面持ちで、黒い棺を見つめた。
そう自由……自由になるはずだったのに……
※ 中世ヨーロッパ風ですが、私の頭の中の架空の異世界のお話です
※相変わらずのゆるふわ設定です。細かい事は気にしないよ!という読者の方向けかもしれません
※直接的な描写はありませんが、性的な表現が出てくる可能性があります
彼を追いかける事に疲れたので、諦める事にしました
Karamimi
恋愛
貴族学院2年、伯爵令嬢のアンリには、大好きな人がいる。それは1学年上の侯爵令息、エディソン様だ。そんな彼に振り向いて欲しくて、必死に努力してきたけれど、一向に振り向いてくれない。
どれどころか、最近では迷惑そうにあしらわれる始末。さらに同じ侯爵令嬢、ネリア様との婚約も、近々結ぶとの噂も…
これはもうダメね、ここらが潮時なのかもしれない…
そんな思いから彼を諦める事を決意したのだが…
5万文字ちょっとの短めのお話で、テンポも早めです。
よろしくお願いしますm(__)m
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
さよなら私のエーデルワイス〜侍女と騎士の初恋〜
佐原香奈
恋愛
小さな村で幼馴染として育ったエマとジャン。小さい頃からジャンは騎士を目指し、エマはそれを応援していた。
ジャンは成人する年、王都で開かれる各地の騎士団採用試験として行われるトーナメント戦に出場するため、村を出た。
一番の夢であった王立騎士団入団は叶えられなかったものの、辺境伯家の騎士団に入団することになったジャンは、胸を張ってエマを迎えに行くために日々鍛錬に励んでいた。
二年後、成人したエマは、ジャンが夢を叶える時に側にいたいと、ジャンの夢の舞台である王立騎士団で侍女として働くことになる。しかし、そこで待ち受けていたのは、美しい女性と頻繁にデートするジャンの姿だった。
完結 「愛が重い」と言われたので尽くすのを全部止めたところ
音爽(ネソウ)
恋愛
アルミロ・ルファーノ伯爵令息は身体が弱くいつも臥せっていた。財があっても自由がないと嘆く。
だが、そんな彼を幼少期から知る婚約者ニーナ・ガーナインは献身的につくした。
相思相愛で結ばれたはずが健気に尽くす彼女を疎ましく感じる相手。
どんな無茶な要望にも応えていたはずが裏切られることになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる