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1章

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「李昭をありがとうございました。」

今夜も宮にやってきた蓮に礼を言うと。

「聞いたのか」

全て理解していると言う顔で首を傾けたので、その胸に飛びついて、ぎゅうっと抱きつく。

そうすると彼の大きな手が髪を撫でて、頭頂に唇が寄せられる。

「ずっと側にいられないからな、何かあれば頼るといい」

「ふふっご心配をおかけしないように気をつけます」

笑って見上げれば、彼の切れ長の瞳が紅凛を愛しげに見下ろしていて、どちらからともなく口付けた。

「紅凛が紅凛らしく過ごせられればいい。色々と外野はうるさいかもしれんが」

唇が離れると彼は耳元で囁いて、首筋に口付けていく。

「あっ!」

ぞくりとして彼の胸にしがみつく手に力が入る。


「今日は香油を変えたのか?昨日と香りが違うな?」
首元に彼の熱い吐息がかかって紅凛はまた小さく喘ぐ。

「っ・・・色々用意してもらっているみたいで・・・どれがいいのか、試してるんです」

切れ切れに説明すれば、ピリッと肩口にしびれるような痛みが走って、ビクリと背が震えた。

「ふっ・・・」
ちろりとそこを彼の舌が撫でて。たまらず身を硬くすると、くすりと彼が笑ったのを感じる。

「昨日のより、今日の香りの方が好きだな。明日も楽しみにしている」

それは暗に明日もこうして会いにきてくれるのだということで。

紅凛の胸には喜びが沸く。

昼に李昭が言っていた、彼が他の側室の元に通っていないと言うのはどうやら本当らしい。

こうして甘い彼も、この熱い手も吐息も、全て自分だけに向けられているという喜びと、愛しさで、彼の首に縋り付くように腕を通す。

途端に尻に彼の太い腕が回されて、身体を持ち上げられる。

小さく悲鳴をあげると、そのまま身体が反転し、寝台の真ん中に身体を投げ出される。

え?っと目を見開いた瞬間、すでに目の前に蓮の顔があって、ギラリと艶かしく光る双眸が欲を孕んで紅凛を見下ろしていた。

「まだ痛むか?」

突然問われた内容の意味がわからなくて首を傾ける。

「昨晩・・・いや朝まで随分と無理をさせただろう?」
そう言って、腰のあたりをゆっくりと大きな手で撫でられて、紅凛はようやく彼の言葉の意味を理解して、首を横に振る。


「そうか・・・よかった」
そういうや否や、シュルシュルと紐を解く音が部屋に響いて。ひんやりとした外気が、胸に触れた。

あっと思った時にはすでに遅くて、彼の手が胸を包んでその柔らかさを堪能するようにゆったりと動かした。

彼の熱い吐息が耳をくすぐる。

「すまない。お前を前にすると我慢が効かない。出会った時からずっと焦がれてきた。本当ならば皇帝の仕事など放って、ずっとこうして抱きしめていたいくらいに。」

「んっ、ふっ・・・んっぁっ」
時折り胸を揺らす手が敏感な先端を刺激して、紅凛は、ピクリピクリと小さく腰を揺らす。

彼のくれる刺激と、耳元で囁かれる狂おしいほどに紅凛を求める声、それだけでどうにかなってしまいそうだ。

「10も年若いお前に無理は強いたくない。だからきちんと、辛かったり離れたい時は言ってくれ。でないと俺はいつかお前を壊してしまいそうで怖い」

そう言って顔を上げた彼は、いつのまにか紅凛の目尻に浮いていた涙を口付けて拭う。
そうして今度は唇を重ねたと思うと、熱を持った彼の舌が遠慮なく紅凛の口内を蹂躙する。

「っん!」

まるで我慢をやめたかのような性急な動きに、紅凛は戸惑うが、すぐに舌を絡められてしまった。


口内を激しく、しかしどこか甘く愛撫するように犯されて、ぼうっとしてきた頭の中に、くちゅくちゅと、2人の唾液の混ざり合う音が響く。

なんだか食べられてしまいそう。いっそ食べられて彼と一緒にずっといられたらそれも幸せだろう。

回らなくなってきた頭でそんな事を考えていると、不意に昨晩覚えたばかりの場所を彼の手に撫で回されて、今までの微睡むような快感から一気に引き上げられた。

「ん!ふあぁっ!・・・ぁあっ!っ、んっふ」



秘所の入り口の、ある一点。話には聞いていたが、まさかあれほど乱されるとは知らなかったその場所を、彼の指が的確に探り当てて、撫でたのだ。
咄嗟に重ねていた唇が離れ、甘い声が漏れたのだが、それを許さず追いかけてきた蓮の唇にまた声ごと飲み込まれた。

唇と下と両方を同時に刺激された紅凛は、たまらずフルフルと身体を震わせるが、蓮の動きはさらに意地悪に紅凛を逃すまいとエスカレートしていく。

そんな事をされてしまえば、経験の浅い紅凛は逃すべも我慢する事もできない。

「っーーーー!んんっー!!っ!っ!」

声も出せぬまま、、ビクンビクンと大きく身体を震わせて、達した。

ヒクヒクと震える舌を解放された頃には、涙があふれて息が上がり、互いの唾液に塗れてとんでもなくはしたない顔になっていたに違いない。

そんな紅凛を見下ろした蓮は満足そうに微笑むと「可愛い」とつぶやいて紅凛の額にかかった髪をかきあげる。
先程の激しい口付けがうそのように軽く額に口付けた彼がまた耳元に顔を埋めて。

「愛してる。」
囁いて、耳介を甘噛みする。

たまらず身を縮めた紅凛の反応を楽しげに笑って

「沢山お前が欲しい」
強請るような声が、響いた。
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