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第三章 Cjumelneer Loreley (キュメルニア・ローレライ)
9. 再起動
しおりを挟む■ 3.9.1
ニュクスと話をするのに忙しくてほとんどその存在を忘れていたが、そろそろ半壊女に再起動してもらわねばならない。
何しろ、キュメルニア機械群が内容を把握しているというキュメルニア探査船のデータを受け取った上で、俺たちが依頼を完遂したことを報告してもらわなければならない。俺たちの実入りに直接関わる重大事だ。
そしてこれは機械達のために、今回の接触の顛末を委細漏らさず報告し、機械達が地球政府に接触するための最初の窓口となってもらう必要がある。
お漏らししていつまでも半壊状態で転がっている場合ではない。
そもそも情報部の将官のくせに、この程度で心を壊していてどうするんだ。
さて、どうアプローチするか。
レジーナに聞くと、アデールは自室に籠もっているようだった。
アデールの部屋の前に立ち、チャイムを鳴らす。船長権限でロックを開錠し、ドアを開ける。開けたドアをノックし、中に居る筈のアデールに声をかけてから、返事を待つでもなく部屋の中に足を踏み入れる。部屋の照明は、ものの配置が何とか分かる程度の暗さまで落とされていた。
アデールは自室のシングルソファに俯いて、頭を両手で抱えて肘を両膝に突いた状態で部屋の隅の暗闇に溶け込んでいた。
特に足音を消すこともなくソファセットに近づき、アデールの横のシングルソファに深く腰掛けて、背もたれとクッションの中に沈み込む。
アデールに動きはない。
「よう、クソ女。」
アデールは動かない。返事がない。ただの死体のようだ。
くだらない冗談を言っている時ではないが、実際のところ死体の方が良いかも知れない。チップを突っ込んでAIを入れてこちらの思い通りに動かせる。地球の法律に抵触するが、技術的には可能だ。壊れかけた奴を立ち直らせるよりは余程簡単だ。
レジーナに言って部屋の照明を少しだけ明るくする。
「シャルルのドックでのあの威勢はどうした?仕事はしなくて良いのか?」
頭を抱えたままの両腕の肩が少しだけ動いた。なるほど。この辺りから攻めてみるか。ただし、何の配慮もない荒療治だが。
もしこの女がそのまま徹底的に壊れてしまったとしても、俺には関係の無い事だ。地球に送り届けて、放り出せばいい。窓口役はアデールの上官が務めるだろう。
窓口役が話の分かる奴かどうか分からない。そんな奴に一から全部説明して納得させなければならない事を考えると、この女を使う方が遙かに樂だ。
だから一応やってみる。壊れたら、仕方が無い。
目的地までは人に不快な思いをさせ、目的地に着いた後は面倒な思いをさせる。本当にろくでもない奴だ。
壊れるか、立ち直るか。この女次第だ。
「お前、一応軍人なんだよな?情けない奴だな。どうせどこかの大学を良い成績で卒業して、そのまま軍隊に入っていきなり少尉になった頭でっかちだろう?」
まだ動かない。徹底的にやるぞ。
「成績がちょっと良かったので、自分が特別な人間だと勘違いして周りを見下していたのだろう?それでやたらにでかい態度でふんぞり返って手当たり次第喧嘩を売りまくっていたわけだ。
「非常時に役に立たない軍人など必要ないし、そんな無駄飯喰らいに払ってやる税金なんざねえよ。」
まだ動かないな。壊れるにしても、そろそろ動きそうなもんだが。
最後に一押しだ。一番嫌なところに触れてやろう。
「幾ら偉そうにしていても、メッキはすぐ剥がれる。実際に死に直面するとあの体たらくだ。泣き叫んで逃げ回って最後はお漏らしして失神か。
「軍人やめたらどうだ?とりあえず宇宙に出るのも性に合っていないようだ。地面に這いつくばって、夜空の星の輝きを恨めしそうに睨み上げながら、便所掃除でもやってるのが似合って・・・」
黒い影が動いた。
どこから持ち出したか、ナイフを俺の首筋に突き付け、荒い息をしている。乱れて解れた髪に隠れてよく見えないが、俺を睨んで怒りに燃える視線を感じる。
どうやら再起動に成功したようだ。
流石腐っても軍人だ。一応、戦闘訓練は受けているようだ。
殺す気ならナイフは止めていないだろうしな。
俺は左手でナイフを持ったアデールの右手を無造作にどかし、ゆっくりと立ち上がりながら右手を伸ばしてアデールの服の胸ぐらを掴んだ。
俺の方が背が高い。アデールは少し背伸びをする格好になる。足下に力が入りきっていない。
アデールを部屋の壁に叩き付ける。もちろん、それなりに手加減はしている。
二歩進んで、壁に張り付いているアデールの胸ぐらをもう一度掴み、壁に押しつける。
「殺す度胸も無いくせに、ナイフなんざ持ち出すんじゃねえ。ナイフを出す時は相手を殺す時だ。相手を殺す時には、自分も殺されるかも知れない覚悟をしろ。」
胸ぐらを掴み上げているアデールの顔が息がかかる程に近い。薄暗い部屋の中でもその表情がよく見える。
アデールの眼は真っ直ぐに俺を睨み付けていた。
「お前、人を殺した事はあるか?」
真っ直ぐ俺の眼を捉えて放さない濃い茶色の眼が怒りに燃えている。
その眼を見ながら、今は眼鏡を掛けていないのだな、などと間の抜けた事を俺は考えていた。
「あるさ。」
防音と消音が聞いた室内では、俺達の声はそれほど響かない。
「ボタン押してミサイル一発で千人、とか言う話じゃない。人を殺すというのは、ナイフで首筋を掻き切ることだ。心臓を狙ってナイフを突き立てることだ。てめえが作った切り口から、生暖かい血が大量に噴き出してくることだ。」
アデールの反応を見る、何も言わないと云う事は、そういう殺し合いをしたことはないのだろう。もちろん、そうだと見越してこういう話をしているのだが。
「初めてやった時は、手が震えて気分が悪くなって、しばらく立ち上がれなくなる。だが人を殺すと、自分もそうやって殺されることがあるというのを理解できる。
「誰か殺して来いなどと云う気は無い。お前の仕事で、その覚悟が出来ていないのは甘すぎる、と言っているんだ。命のやりとりをする覚悟も無いガキが、いきがって宇宙の果てまでやって来たり、ナイフや拳銃を振り回したりするんじぇねえ。分かったか、このクソ女。」
アデールの身体を壁際から引き剥がし、ソファの背もたれに向けて投げつける。アデールは少し蹈鞴を踏んだが、ソファの背もたれに後ろから寄りかかる形で引き続き俺を睨み付けている。
「そんなクソガキにお似合いの仕事がある。ニュクスからキュメルニア調査船のデータを受け取って地球に持って帰り、ことの顛末を軍と政府に報告して、機械と地球の同盟の糸口になることだ。その程度なら事務屋の頭でっかちにでもできるだろう。」
アデールは何も言わず、相変わらずこちらを睨み付けている。
「こんな遠くまでやって来たんだ。てめえの仕事ぐらいちゃんとやれ。お前以外はみんな自分の仕事をちゃんとやっている。」
俺は踵を返すと、ドアを開けてアデールの部屋を出た。薄暗い部屋から出てきたので、通路が妙に眩しく感じる。
部屋を出たところにルナが立ってこっちを見ている。俺はアデールの部屋のドアを後ろ手で閉めた。自動で電子錠がかかる固い音がした。
「大丈夫ですか?」
ルナが無表情に話しかけてくる。
ルナは、レジーナを通じてこの部屋の中の状況をモニタしていたのだろう。途中で刃物が出てきたので、いつでも飛び込めるように部屋の前で待機していたに違いない。
「大丈夫だろう。いい加減には自分の仕事を思いだして貰わないとな。俺達の儲けもふいになってしまう。」
「いえ。あの女はどうでも良いのです。マサシが怪我をしていないか心配で。」
お前、言うようになったね。相変わらず無表情で。
「心配を掛けて済まない。ああでもしないと、壊れかけの奴は再起動しない。無事再起動したようだ。それはそれでまた面倒を掛けるが、よろしくな。」
「いえ、面倒ではありません。私の仕事、というよりも存在理由ですから。」
そう。基本的な人権が認められたとは言え、それでもまだ機械知性体達の立場は脆く、揺らいでいる。
中には最初から誰かの友人となるべく生み出されるAIも居るが、大概の場合は何かの機械制御のためのAIとして生み出されるのが普通だ。
その機械を制御するのが存在理由となり、その機械を所有する所有者に従属することになってしまう。俺とレジーナAIとルナの関係が正にそれだ。
なんとかならないのかとも思うが、現実問題としてどうにもならない。
AIの人格が、制御する機械やシステムを離れられるようにすれば良いのだろうが、その場合は逆にルナのように生義体を得たAIの扱いに困ることになる。
地球にしても、機械知性体達の権利についてはまだ手探りで探していっている状態だ。
ヒトの基本的人権を確立するのに五百年以上かかっている。
機械知性体の人権と、ヒトとの関わり方をそれなりの形にするのにも同じくらいの時間が必要なのだろうと思う。
ルナは、何を考えているのか良く分からない不思議な眼差しでしばらく俺の顔を見つめた後、不審に思った俺が口を開く直前、不意に向きを変えてコクピットの方に歩いて行った。
■ 3.9.2
再起動した後のアデールは、思ったより良く働いた。
まずはニュクスからキュメルニア探査船のサルベージデータを受け取り、それを手土産に地球への連絡を取った。
ニュクスによると、機械たちがキュメルニア探査船を発見したのは、遭難してそれほどまだ時間が経っていない頃であったので、データの八割は残っていたとのことだった。そこには、今はもう無い銀河種族達が作ったAIのシステムも含まれて居るとのことだった。
もっとも、機械達が今まさに目の前にいるこの状況で、銀河種族達が作ったAIのシステム情報がどれだけ意味があるか、という問題は残るが。
レジーナとルナは共同でアデールが接続した先を追跡していたようだが、もちろん途中まで辿ったところでそれ以上は追跡不能となった。
地球上のネットワーク上で幾つもの迂回路を通り、追跡者をまく様な仕掛けがしてあったらしい。特に悔しがる風でもなく、アデールの通信が終了した後にルナが報告してきた。
アデールは、今現在唯一の公式な機械側生義体であるニュクスを伴って報告を行った。
当初、アデールの上司数人が参加するだけだったその通信は、内容と方向性が知れるとすぐに一時休止となり、何人もの政府関係者を新たに加えて改めて再開ということになったようだ。
アデールと地球との通信の結果、いくつかの事態が進展した。
まずは、俺たちはキュメルニア探査船のデータ取得依頼を完遂したとして、とりあえず地球に帰れることになった。
その帰路、機械側から500mクラスの、彼らで言えば駆逐艦クラスの船が二隻、レジーナに随伴して地球まで同行することになった。一つには表敬訪問の意味があり、また一方では彼ら機械との通信の中継基地局の役割を果たすためでもあった。
地球側は彼らの公式訪問を歓迎し、機械側が出すことになった生義体を公式の大使として受け入れることになったようだ。
もちろん政治屋達の考えることなので、表面的な歓迎とは別の思惑も多々渦巻いているのだろうが、とりあえずは拒否されなかったという結果を得て俺は胸をなで下ろした。
そして、その結果に喜んでいる自分に気づき、我ながら少しばかり驚いた。
ニュクスと何日か親しく会話をした程度で、これほどまでに機械達に入れ込んでいる自分に驚いたのだ。
レジーナが彼らに捕獲されたとき、レジーナの全ては彼らのナノマシンによってスキャンされている。それは地球軍から貸与されたホールドライヴも例外ではない。レジーナに随伴する予定の駆逐艦にはそれぞれホールドライヴが設置されることになった。そうでなければレジーナの航行に随伴することなど出来ない。
これをアデールが報告した際、地球側は一瞬色めき立った。しかしニュクスの発言で、ホールドライヴの情報は彼らが太陽系に送り込んだスパイによってとっくの昔に知られており、今回現物をフルスキャンする機会に恵まれただけ、と伝えられて、一方では議場がより騒然としたことになったが、ホールドライヴ技術流出に関しては一応の落ち着きを見せた。
太陽系内に生義体やプローブといった機械達のスパイがすでに存在するという事実は、当然の事ながら地球側にとってにわかには信じられない衝撃の情報だったようだ。
しかしニュクスが、確かにそこに誰かが、もしくはプローブが居なければ分かるはずのない情報、たとえば昨夜パリのモンパルナスで発生した小さな窃盗事件で被害者が町のゴロツキに取り上げられたバッグの色とブランドと中身をピタリと言い当てたり、ロンドン塔に住み着いているカラスの内の一羽が、今朝観光客にからかわれてブチ切れ、その中華系観光客を三十分にわたって追い回した顛末や、今日の夕方バンコクのワット・アルンで足を滑らせたロシア人の中年女性が、その結果足首を骨折して近くの病院にかつぎ込まれた事の顛末とそのときの救急車のナンバープレートに運転手の名前、というような事を次々と淀みなく話し始め、その新聞にさえ載らないような小さな事件の詳細全てが間違いなく事実であると確認されたとき、驚愕と怖れと諦めと、多分内に閉じこめられたいくらかの怒りをもってその事実は地球側の参加者達に受け入れられた。
太陽系内に機械達のスパイが高い密度で存在するという事は当然モニタの向こう側で大きな紛糾を呼んだ。だが実際問題として例え気に入らずともどうやってそれを排除するのかという話と、機械達と同盟を結べば逆に彼らのネットワークから得られた他の星系の情報が手に入るという要件のバランスとなり、案件は取り敢えず棚上げとしつつ、機械達と同盟を結ぶことに前向きな方向で取り敢えずの落ち着きをみた。
そして俺の大きな失点になるところだった、レジーナがスキャンされた事によるホールドライヴ技術の流出という問題に関しては、結果として不問に処されることとなり、俺たちの依頼報酬も安泰に確保された。
モニタの向こうでいろいろと議論が行われ、結局ホールドライヴについては、機械達はそのまま継続して使用可能と云うことになった。
すでに流出してしまっている技術を今更どうする訳にもいかない。地球側はホールドライヴ技術を継続して使用するに当たってのいろいろな条件を出していたが、今更そんなものが守られるかどうかなど神のみぞ知るというところだった。
レジーナに取り付けられたホールドライヴも、オリジナルのユニットに関しては一旦軍に返却されるが、その後ニュクスが操るナノマシンによって生み出されたコピーを設置して良いことになった。
もちろん俺としては、そんな政府の許可などというものを気にすることもなく、ニュクスに頼んでコピーしてもらう気満々だったのだが、これでレジーナのホールドライヴにも公式なお墨付きがもらえたという事であり、面倒事が一つ減ったという意味ではまあ、悪くない結果だった。
■ 3.9.3
会議が終わると、機械群の中から二隻の小型艦がこちらに進み出てきて、レジーナを挟むように停泊した。
キュメルニア機械群の中では小型艦とは言え、それでもレジーナよりも随分大きい。
「あやつ等に名前を付けてやらねばならんの。お主、何か良い案はないか。」
会議終了後、小腹が減ったとニュクスが訴え、ダイニングテーブルでハイティーをすることになった。ラズベリージャムの載ったスコーンを頬張って口の周りをクリームで汚しながらニュクスが言った。
どうも最近、駆逐艦の名付け親になる機会に恵まれているようだ。
「お前が付けてやれよ。自分の名前も上手く付けたじゃないか。」
テーブルの上のミルクピッチャーから、ティーカップの中の紅茶にミルクを注ぎ落としながら俺は答えた。
「お主、分かっとらんの。テランに付けてもろうた名前じゃから嬉しいんじゃろうが。」
そう言われると、ニュクスの言うことも理解できる。
ミルクティーに落としたブラウンシュガーの角砂糖をティースプーンで突き崩してかき混ぜながら、少しの間俺は考えた。
「俺の名前から取っても良いか?駆逐艦『霧風』と、駆逐艦『谷風』ではどうだ?」
一瞬軽く驚いたような表情をしたニュクスは、すぐに赤い唇の両端をつり上げてニイと笑った。
「なるほどの。日本語の名前かや。キリカゼとタニカゼ。風情があって良いの。おう、二人とも随分喜んで居るぞ。お主の名前から付けてもろうたのが殊の外嬉しいらしいの。お主に伝えてくれと言うて来おったわ。」
こうして、レジーナの両脇を固めるキュメルニア機械群出身の二隻の小型戦闘艦の名前は、大口径レーザーで武装した方が駆逐艦『霧風』という名前となり、武装は貧弱ながらも多重チャンネルの量子通信回線を装備した方が駆逐艦『谷風』という名前となった。
ありがたいことに二隻とも名前を気に入ってくれて随分上機嫌らしい。
レジーナよりもふた回りも大きく、全銀河を震え上がらせる機械達の重武装した駆逐艦なのだが、飼い主にじゃれつく子犬が二匹レジーナの周りを跳ね回っているように俺には思えた。
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