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第一章 危険に見合った報酬
40. システムメンテナンスルーム08、陥落
しおりを挟む■ 1.40.1
「もう少し待ってくれ。今プログラムを走らせている。上手くいけばシステムメンテナンスルーム一帯を全て無力化できる。」
ネットワークから外れたブラソンからの報告でビルハヤートの声は渋く濁った。
目的地周辺に移動砲台を十二基も展開され、一個大隊相当のHAS部隊、つまり機動歩兵大隊がそこを守っているのだ。
どれほどビルハヤートの小隊が優秀だろうと、二十人でこれを突破する事は不可能だ。
そもそも、システムメンテナンスルームを俺たちが占拠し、使用するためには、この機動歩兵大隊を抜くだけでは不十分で、殲滅することが必要だ。絶対無理だ。
それがビルハヤートの渋面の理由だった。
メンテルーム前に陣取る圧倒的戦力の存在を告げたブラソンは、さらにそのまま続けてとんでもない事を言い始めた。
メンテルーム周辺の敵は、HASを着込んだ陸戦隊大隊を含めてネットワーク上からの攻撃で全て無力化するので気にしなくても良い、と。
それを聞かされたビルハヤートは一瞬絶句して、そして呆れかえったようにため息を一つつき、自分の出番が来たら教えてくれ、とレイハンシャール班の方に戻っていった。
ブラソンが処置完了を宣言するまでの間に、ビルハヤートの部下達が続々と到着する。
ビルハヤートは「メンテルームの前で会おう」と言っていたが、さすがにこの状況でメンテルーム前に突入していくような奴はいなかったようだ。
とは言え、ブラソンからの情報は他の分隊には渡っていなかったので、ほとんどが敵を認識できるところまで接近するか、実際に攻撃を受けて、慌てて物陰に隠れてこちらに逃げ帰ってきた、というのが実情らしい。
通信管制を敷いているので、ビルハヤートの位置も特定できないはずなのだが、この周辺のマップを見て潜伏するのに最も適した場所を選択した結果、全員が同じ結論に達し、結果的にこの場所に全員集合したという事の様だった。ビルハヤートの小隊の練度の高さを実感させられる。
練度の高さと言えば、分隊に分かれての別行動の間に脱落した兵士はいなかったようだ。
何人かが被弾し、スーツの不調を抱えてしまっている兵士もいるようだったが、完全に行動不能となった、もしくは撃破され死亡した兵士はいない。
俺は陸戦隊の戦術的な事は良く分からないのだが、敵を攪乱するためとは言え小分隊に分かれて行動し、一人も欠員を出さずにここまで全員やって来れる連中というのは、隊員それぞれの戦闘能力がとてつもなく高いという事なのだろう。さすが、特殊部隊次点。
ブラソンがメンテルーム前の無力化完了を宣言した。
俺たちはビルハヤート隊の後に続いて脇道から大通路に出る。ブラソンの能力を疑う訳ではないが、全員が最高に警戒をしている。
訊けば、俺たち以外にも高度光学迷彩を持ったスーツの部隊と交戦した分隊があったようだ。良く生き残れたな、こいつら。
特に砲撃される訳でもなく、ミサイルが飛んでくる訳でもなく、俺たちは大通路を進む事が出来た。
そのうちスーツの光学センサーが敵陣地を認識する。
パッシブセンサーはなにも捉えていないようだった。まるで砲台やシールドジェネレータが打ち棄てられ、全滅した陣地のようだ。
近づくと、砲台や車両の周りに夥しい数のイジェクトされたHASが転がっているのが分かる。
「スーツも砲台も、無防備にネットワークに接続してたのでな。システムを破壊して使用不能にした。機械的にはどこも壊れていないが、とりあえず今は全く使えない。」
ブラソンがビルハヤートに説明している。
当たり前の話だが、HASもLAS(軽装甲スーツ)も、緊急用イジェクト機構を持っている。
LASは何箇所かある接合部分を化学的に溶解して、スーツを開く方法が一般的だ。
HASは船外作業服同様に、化学的爆発で半身の装甲を吹き飛ばすやり方を取っているようだった。
システムを破壊され、指一本動かせない状態になり、緊急イジェクト以外不可能だったのだろう。
脱出した兵士達はすでにどこかに逃げ去っている。
打ち棄てられたスーツはどれも上半身の装甲が開いた状態になっている。破壊の跡が一切無い陣地に、脱ぎ捨てられたHASがゴロゴロ転がっている風景は、なんとなくシュールだ。
HASを纏っている兵士と比べれば、生身の兵士など障害にもならない。
ハフォン人はバイオチップを使用しないので、スーツから出てしまうとID無しの小型の拳銃の様なもの以外は銃器を撃つ事さえ出来ない。
全てのスーツがイジェクト状態になっているのを確認した後、システムメンテナンスルームの入り口に近づく。
ブラソンが部屋の前に立つと、ドアが自動で開く。ドアのロックはすでに解除されている様だった。
ドアをくぐろうとしたブラソンが足を止めて振り返る。
「今から最後の仕上げに入る。ベレエヘメミナ全体を占領してコントロール下に置く。ついでにクーデター首謀者の名簿も作っておく。艦隊まで手を伸ばせるかどうかは分からんが、できればやる。あ、それから、この部屋の周りならもうネットワーク使って良いぞ。じゃ、あとよろしくな。」
ネットワークアクティブにする。
しばらくしてビルハヤートの声が飛び込んでくる。
「さあてお前えら、気ぃ抜くんじゃねえぞ。とりあえず班単位で哨戒だ。隠れてる奴がいるかも知れないから気を付けろ。生身の兵士なんぞに負けやがったら、あとで俺が止めを刺してやるからな。」
俺とミリは哨戒任務に組み込まれていない。他にやる事もない。メンテナンスルームの扉の両側に陣取って一応周囲を警戒する事にした。
■ 1.40.2
(ノバグ、コピーとリンクしろ。)
ブラソンはメンテナンスルームの椅子に座るなりノバグに指示を出す。
この部屋には残念ながら、使い慣れたHMDの様なものは存在しなかった。その代わり部屋の真ん中に巨大なホロモニタがあり、ブラソンはそのホロモニタを使うことにした。
自身のチップからの出力は視野に投影されるため、多少辺りの風景が眼に入ることと、表示深度が少々違うことを除けば慣れ親しんだ環境と大きく変わりはない。他所で戦闘中にこれだけの環境が整えば上出来といえる。
勿論、ここがシステムメンテナンスルームであるためそのようなことが可能な訳だ。
ノバグがブラソンのバイオチップを使用してネットワークに繋がり、ベレエヘメミナのネットワーク上で待機状態となっているノバグ01~15と同期する。
《コピーとのリンク完了。アップデート完了。ブラソン、ご指示を。》
(ようし、今からが本番だ。大規模攻撃を開始する。攻撃対象はベレエヘメミナネットワーク全体。目的はネットワークダウン。さて、まずはネットワーク構造の解析だ。)
もともとベレエヘメミナのネットワーク攻撃にはノバグを出さなければ対処できないだろうとブラソンは予想していた。
攻撃の対象がとんでもなく巨大だ。
それは二百万kmというベレエヘメミナの物理的な大きさの話では無く、それだけの構造体内部に網の目のように張り巡らされているネットワークと、そしてそれを維持するシステムが物理的規模に応じてそれなりの巨大さを持つ、という話だ。
ベレエヘメミナのネットワークを落とすには、惑星ハフォンのネットワークを落とす何十倍、もしかすると数百倍以上もの攻撃力が必要だろう。とてもブラソン一人で賄えるものではない。
そのベレエヘメミナに接近する際に、駆逐艦キリタニでノバグを出さねば対処できなくなるとは思っていなかった。
結果的には、駆逐艦キリタニは大破し、ノバグ・キリタニ01の痕跡を悟られる事無く廃棄されるだろう。しかし念のため、こちらも有効な証拠隠滅をしておかねばならない。
《ノバグ01~15を用いてネットワーク構造の解析を行います。完了。ベレエヘメミナネットワークは、フラグメント1~10にて構成されています。各フラグメントは下部構造のセクタ1~100、各セクタは第二下部構造のエリア1~10にて構成されます。即ち、ベレエヘメミナ全体では、10のフラグメント、1000のセクタ、10000のエリアで構成されています。各フラグメントに10ずつの基幹サーバの存在を確認。各基幹サーバはそれぞれ10のサブサーバを従えたマスタースレイブシステムを構築しています。1サブサーバが10セクタを担当するサブストラクチャとなっています。フラグメントサーバの処理能力は、スレイブサーバを含むサブストラクチャのバックアップ処理によって補強されています。サブストラクチャを含む1フラグメントサーバ攻略に必要な時間は、ノバグコピー1ユニットに対して97分57秒を見込みます。ノバグコピー10ユニットによる同時攻撃で大幅に効率を向上する事が可能で、5分25秒となります。》
ノバグの説明に応じて、ホロモニタの画像がベレエヘメミナネットワーク全体から、小部分に向けて回りながらクローズアップされていく。
システムのマッピングであるため、実際のベレエヘメミナの環状ステーションの形とはまるで異なっている図が表示されている。
ノバグからの容赦の無い情報投入に一瞬混乱しかけたブラソンであったが、要するに各フラグメントに十基ずつ設置されている基幹サーバを落とせば良いのだという事に気付く。ノバグの説明もそこを中心に行われた。
(学習機能は存在しているか。つまり、サーバ#1を防衛した経験を学習してサーバ#2が対応してくる可能性はあるか、という意味だ。)
《学習機能およびAIの存在は検知されていません。ただし、攻撃に時間をとられた場合、人間のオペレータが対応してくる可能性があります。》
要するに、ノバグとブラソンのコンビに対抗できるだけのハッカーがいれば防御できる、という意味だ。
まずあり得ない話だった。ブラソンに敵うハッカーが、色々と温いこのハフォン星系に居るとも思えなかったし、ましてやAIのノバグに対抗できる人間がこの銀河に居るとも思えなかった。
(よし。分かった。フラグメントを一つずつ潰していこう。手始めに、この部屋があるフラグメントのサーバ10基を同時に攻撃する。次に両隣の2フラグメントを同時に攻撃する。終わればさらに隣の2フラグメント。最後の1フラグメントは総攻撃で良い。隠遁偽装不要。追跡防御不要。証拠隠滅は全作業終了後。全リソースをサーバ陥落へ。システムは破壊せずに利用。ただし全サーバにシステム破壊プログラムを投入し、1アクションで全ベレエヘメミナネットワークダウン可能とすること。全フラグメントサーバ陥落後、ノバグコピーは別命あるまで待機。)
《諒解。全リソースをサーバ攻撃に利用します。本フラグメントをフラグメント01とし、東向きにフラグメント01からフラグメント10と命名しました。第一段階、ノバグ001~ノバグ100を形成し、本フラグメント01のフラグメントサーバ10基を同時に攻撃します。全サーバ占領後に、第二段階ノバグ101~ノバグ200を形成します。第三段階、ノバグ001~ノバグ100はフラグメント02を、ノバグ101~ノバグ200はフラグメント10を攻撃します。その後順次隣接するサーバを攻撃し、フラグメント05サーバ陥落後に第四段階証拠隠滅処理を行います。サーバ陥落と同時に全てのサーバに対して緊急破壊PGを設置します。緊急破壊用キーワードをどうぞ。》
(緊急破壊キーワードは『ホテル・カシュタペ』だ。)
《諒解。緊急破壊キーワード『ホテル・カシュタペ』登録しました。第五段階ベレエヘメミナネットワーク占領後、別命あるまで全コピーは待機します。》
(では、攻撃開始。)
《諒解。攻撃開始。第一段階、開始。》
ホロモニタに赤色のネットワークが表示されている。モニタの一番手前にノバグコピーを示す青白い点が15個。よく見れば光点に重なってそれぞれのコピーのナンバーが表示されている事が分かる。
コピーの数が突然増えたと思うと、次の瞬間には10のグループに分かれて、赤色の球で表示されているフラグメントサーバに襲いかかった。
赤いサーバを取り囲みゆっくりと周回する青白いノバグコピー達の輝点から、絶え間なく静電気のような白い線が無数にサーバ表面に延びている。
赤いサーバの体積が見る見る小さくなっていく。
《ブラソン。緊急。ベレエヘメミナステーション内をネットワーク上で認識できない陸戦隊部隊が移動しています。光学センサーによる認識が困難です。電磁、重力各センサーで認識出来ません。推定目標地点は本システムメンテナンスルーム08。到着予想時間は3分12秒後。》
システムの仮想3D表示が投影されていたホロモニタ上に赤く明滅する太線で囲まれたウインドウが開く。カメラ映像と思われる通路の風景が何度も滲んでぶれるのが分かった。カメラの前を光学迷彩を纏ったスーツが通過しているのだ。
(部隊が存在すると推定した理由は?)
《連続する複数の光学センサーで、短時間の間に画像の僅かな揺らぎが複数確認されました。揺らぎは現在も場所を移動しながら継続中です。》
(なるほど。位置と部隊規模は?)
《位置をローカルマップに投射表示します。現在推定されている数は250±50個体。ネットワーク非アクティブのため正確な数字が不明です。》
ホロモニタにさらにウインドウが開き、ベレエヘメミナの通路マップが表示される。
メンテナンスルームから少し離れた大通路に紫色の明滅する大きな円が表示される。光学迷彩とセンサーリダクションがかかっていてノバグにも詳細がつかめないのだろう。
ネットワーク非アクティブというのは多分、光学迷彩を装備した反乱軍部隊が、先ほどノバグに無力化されたメンテナンスルーム前に居た陸戦大隊からの情報を得ているからに違いない。
ネットワークからのノバグの強制介入を防止するためと見える。
(さっき無力化した重砲とシールドジェネレータのシステムを戻せるか? ビルハヤート小隊とマサシとミリのスーツに割り込み。このローカルマップデータを投影しろ。)
《諒解。投影実行しました。重砲システムリロード開始。単一コピーに付き、各個体固有補正パラメータは再現できません。射撃精度が下がります。リロード残り16秒。シールドジェネレータシステムリロード開始。残り10秒。》
ノバグからの報告を聞いて、ブラソンも音声で小隊に情報を伝える。
「緊急。小隊に連絡。光学迷彩およびセンサーリダクションを纏い、ネットワーク非接続の陸戦大隊が西側から接近中。敵数250±50。詳細数不明。戦力詳細不明。到着は3分06秒後。おおよその位置は表示の通り。対処願う。現在、放棄された全重砲とシールドジェネレータのシステムをリスタート中。15秒後に再起動する。頼む、30分持ちこたえてくれ。」
《ブラソン。西側に配置された重砲4門の内、1門のコントロールを要求します。移動型陸戦用砲台のコントロールを学習できます。》
AIであるノバグに知識欲というものは無い。
しかし、「攻撃」「防御」と名の付くものについて、その要点となるものを、それが例えネットワーク上の攻防で無かろうとも積極的に学習するように定義してある。
すぐ隣にベテランの陸戦隊という手本がいる条件下で、強力な攻撃力を行使できる陸戦用砲台の攻撃技術と戦術を取り込もうと考えている様だった。
知識欲は無いが、しかし貪欲に情報を得ようとするその姿勢はやはり、ノバグが色々な事を「知りたがっている」様にも見える。
自分で作っておきながらだが、時折見せるまるで人間の様なブラソンの想像の上を行くノバグの行動は、ブラソンにとって嬉しいものだった。
「おうオタク野郎、こんな情報じゃ敵がやってくる通路を特定出来ねえ。もっとマシな情報寄越せ。」
ビルハヤートが不満を言っているのが聞こえる。
「済まない。敵はネットワークに接続していない。俺にも位置が特定出来ないんだ。監視カメラの画像がブレたから気付いた。気付いただけでも褒めてくれ。」
「ち。しゃあねえ。野郎ども、歓迎の準備だ。弾ならそこら辺のスーツからむしり取れ。ダミラルカ班、砲台の操作を担当しろ。一人一門だ。」
「ああ、スマン。西の左側の砲台はプログラムが操作するから人はいらない。大丈夫だ。アンタ達の砲撃に連動するように動く。」
「ああ? ゲームじゃねえんだぞ、オタク野郎が。馬鹿言ってねえでこっちに任せやがれ。」
「人間より反応が早くて、複数の目標を同時に追尾できる。監視カメラからの情報を直接処理して照準出来る。役に立つと思うぞ。特に相手が見えない場合。ま、嫌だと言っても左の砲台はもらうが、な。」
「分かった。好きにしやがれ。ギェユルーチ、お前えはこっちで俺たちと一緒に射的だ。」
ビルハヤートは案外簡単に引き下がった。
光学迷彩とセンサーリダクションで位置を特定出来ない敵を、光学カメラ情報を元に照準する為、他の砲台が照準する「基準」にする事が出来る砲台が存在する優位性に気付いたのだろう。
「敵陸戦大隊到着まで1分。」
「回り込まれると厄介だ。最初の一撃で大量に吹き飛ばすぞ。ベレエヘメミナに穴が開いても構わねえ。弾種徹甲散弾。弾速最大。水平六斉射、用意。」
しばしの静寂。ノバグコピー達だけがホロモニタの中で激しく動き回り、ベレエヘメミナネットワークの攻略を進めている。
「小隊、撃ち方用意。撃て!」
大口径砲の砲弾が空気を切り裂いて突進する鈍い衝撃波がブラソンの腹に響いた。
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