僕メリー君、今君のベッドの中なの

5◆お化け屋敷デートと処女卒業

社長の時雨しぐれぬらさんはいい人だった。

ぬらりひょんらしいけど、普通のハンサムなお兄さんだったよ。

ちなみに、会社員のメリー君の名前はメリー・クラヴィスというそうだ。

ぬらさんに回らない寿司とか奢られて、緊張よりも素直に食欲が刺激されたよね。

………回らない寿司、美味しかった。

メルアドなんかも交換して、なんかあったら相談してねとか言われたよ。

ぬらさん、めっちゃ好き！

「栗栖君、今ぬらさん好きとか思わなかった？」

「お、思ってないよ……」

「本当に？ねぇ本当に？良かった！僕以外を好きになるはずないもんね！」

メリー君のセンサーは俺の心とか読んでくるから危ない。

下手したら、ぬらさんにメリー君が攻撃するかもしれないからな。



「栗栖君、有名お化け屋敷のチケット手に入ったからデートしよ」

「デート場所のチョイス死んでるね」

「ぬらさんから貰ったの」

「ぬらさん！？」

ちょっとぬらさんに確認のメール送ったら、『怖さが二人の絆を深めるはず！ファイト！』と返ってきた。

ぬらさん、善意なんだろうけど嬉しくないよ。

でも、メリー君は行く気満々なので行くしかないらしい。

ホラーにあまり耐性のない俺の心臓は大丈夫なんだろうか？

ちょっと不安になるのだった。



結果、大丈夫じゃなかった。

有名になるほどのお化け屋敷なだけあって、クオリティが高すぎたよ。

「楽しかったね！」

姿を皆にみえるようにしているメリー君は嬉しそうだけど、俺のぐったりした姿をみてほしい。

心臓が何度止まりかけたか………。

口から魂的なものを出したままメリー君が俺を運んでくれて楽だな………。

なんて思っていたら、ラブホに連れ込まれていた。

………え？

「デートといえば、ラブホだよね♡」

獲物を弱らせてから巣穴に運ぶ獣かな？

ぐったりしている俺は特に抵抗できないまま全裸にされてしまった。

「メリー君、今勃ちそうにないからストップ……」

「大丈夫だよ栗栖君。栗栖君が勃起してなくてもエッチはできるから♡」

「おっふ」

メリー君の瞳は欲望にギラギラ輝いていた。

両足をパカリと開かれ、股間にタップリとローションをかけられる。

「だめ……っ！心の準備が………っ！あぁっ！」

指を穴に入れられ、前立腺をコリコリされて俺は喘ぎまくってしまう。

コリコリコリコリ！！

「あああぁっ！」

というか、なんでメリー君は俺の前立腺を一発で掘り当ててんの！？

嫌でも勃起して、なんならイキたくなるがその前に指を抜かれた。

「もう我慢できない♡はぁはぁはぁはぁ♡」

「まっ…待って……まだ無理………んほぉーーーっ！！」



とても……しゅごかったよ……。

………祝・俺の処女卒業おめでとうだな(複雑)。

まだ俺、童貞だったのに………。

まぁ、メリー君がいる限り童貞は諦めるしかない。