死にたがりの僕は言葉のわからない異世界で愛されてる

9◆私の愛しい者(ナイトメア視点

私は唄う。

私の愛しい者を呼ぶために。

ナイトメアの名に相応しい私の愛しい者よ、さぁおいで？

私の下へさぁおいで……。

闇の呪縛トラウマに縛られて、お前の魂は食べ頃だ。

私は唄う。

愛しい者を導くために。



あぁ……あぁ……忌まわしい！

邪魔が入ってしまったせいで、愛しい者を落としてしまった。

邪魔者は私から愛しい者を隠してしまったが、私の呪縛幻影は愛しい者を縛ったまま。

私が無理に見つけなくても、愛しい者は自ら私の下へ来る。

さぁ、おいでおいで……。

終わらぬ夢に、私の領域に。



愛しい者を美味しくするために、私はたくさんの絶望を与えた。

母親からの冷たい言葉、父親からの暴力と暴言。

味方のいない環境。

食事を少なくして弱らせるのもその一つ。

愛しい者は弱っていく。

心も身体もボロボロになっていく。

そして、最後は堕ちてくれた。

私の下に来る方法を導いて、全てが私の計画通りだった。



ちなみに、私は夢をみる者を操るのに長けている存在だからな。

操られているなんて人々は気づかない。

……まぁ、邪魔者のせいでまだ食べられないのだけれど。



でも、もっと絶望すれば味が美味しくなる。

だから、熟成させていると考えるのも悪くない。

あぁ、私は唄おう。

早く愛しい者が私の下に来てくれるように……。

その味を夢みながら、私は唄おう。