上 下
37 / 98

クビ

しおりを挟む
「シリアルの部屋は、誰がしたのか?
シリアルの掃除担当のものか?
それともそれ以外か?言ってみよ。」

「、、、、」

「メイド長。答えてくれないか?」

「シリアルの部屋の担当のものです」

「そんな、、、私たちは、従っただけで、、、」

「お黙りなさい。」

「そう、まずおまえたちは、解雇だ!」

「そんな、、」

「シリアルの部屋がどうなってるかわかってるだろ?」

「、、、、、」

「出て行け!」

「待ってください。私たちは、従っただけです!」

「なら、その従った主に雇ってもらいなさい。王宮とは、関係ないよな、」

「でも、、王太子様は、正妃様とは、公務だけのつながりでしょう。」

「だから?人のものを平気で、壊す神経がわからないが、、、」

「、、、、」


「さて、メイド長。何故?あの部屋を案内したのだ。はっきり申せ。」

「正妃様は、すぐにきたので、時間が必要だと言われ、違う部屋を案内しました。」

シリアルが、今まで反撃しなかったから、この場でも頷くと思っていたから、嘘をついた。
メイド長やカデンは、シリアルは、弱いと判断していた。
でも、シリアルは、シンスと話し合い、気持ちが通じているので、怖くなかった。

「初めから、あの部屋に通されましたわ。王太子妃の部屋はカデン様が使うから。あと、私はカデン様の親戚です。言われましたわ。」


「王太子の隣の部屋は、カデン様に決まっています!」

メイド長は声をあげて言い返した。
動揺していた。シリアルが、反撃してくるとは思っていなかったから。

「何故?」


「王太子の横にいつも居たのはカデン様でしたし、王妃様にも好かれています。王妃様から、王宮の管理は、カデン様がすることを認められています。」


「メイド長。シリアルへの贈り物はどうした?」

「はい。あれは、カデン様の物です。」


「私は、シリアルへの贈り物とカデンへの贈り物と2つ用意したよな。」

「はい。でも、シリアル様にあげる必要はありませんよね?
公務をするだけの人に必要ですか?
王太子様はカデン様を愛してますよね。ずっと一緒にいますから。」

「カデンとは、ただの幼馴染だ。
正妃になったら、子供を作る事を考えたいたが、カデンは正妃にならなかった。普通に考えて、跡取りは、正妃の子だからな。」

「なぜ?王太子妃は、正妃様と側妃様のことでしょう。、ならどちらでもいいと言うことですよね?」


「だから、カデンとの子を跡継ぎにすると思っているのか?」
不思議そうな顔をして、答えたシンス。

「はい。公務だけの正妃ですから。」
自信を持って、メイド長が答える。


「まず、王太子妃は、正妃と側妃の2人との理解は、皆んなが考えていることか?」

「正妃は、公務だけ、側妃は、愛だけと考えていますので、そうなりますね。」 
とある文官が言い、右側にいるカデン派の人たちが、頷いたり、「そうだ」と言っていた。


「普通、側妃の子を跡継ぎにするわけないよな?
シリアルの爵位は、公爵、カデンは、伯爵。
どちらが、爵位が高いかわかってるよな。当然公爵だよな。

たとえ、カデンとの子が生まれたとしても、後継ぎにはならない。常識だよな。」

「でも、ずっと一緒にいましたよね?」
とカデン派の人が、ざわついていた。


「一緒にいたから?よくわからない発想だよね?
確かにシリアルと比べると一緒にいたことは認めるが、カデンは側妃だ。

それに、正妃になるチャンスなんて、たくさんあった。
いや。シリアルが来るまでは、正妃になる予定だった。
何度、学んでくれと言っても通じなかったもんな。
正妃になりたかったら、もう少し学んで欲しいって言ったよ?
でもカデンは、拒否した。」


「カデン様は、努力しました。
でもできないことがあると思います。」
メイド長やその他のメイドが声をあげていた。

「メイド長、君が甘やかしたんだよ。わかってる?君が、王宮にやってきてから、カデンは余計に勉強しなくなったよ。
君は、「カデン様は、可愛くて、いつも愛されます。マナーも勉強も出来なくても、大丈夫。シンス様に愛されます。」とよく言っていたな。」

「カデン様は、いつも明るく、可愛くて、みんなに愛されていますもの。当然ですわ。」


「カデンにも、私は王太子妃と子供を作るとキチンと言った筈だ。」

「王太子妃とは、シンス様の妃ということでしょう。側妃でも、大丈夫と国王様と王妃様が、、、」

「王太子妃は、正妃のことに決まってるだろ?

カデンは、責任のある王太子妃を拒否し、楽な道の側妃を望んだんだろ。図々しいな。」

「そんな、、、」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【短編】復讐すればいいのに〜婚約破棄のその後のお話〜

真辺わ人
恋愛
平民の女性との間に真実の愛を見つけた王太子は、公爵令嬢に婚約破棄を告げる。 しかし、公爵家と国王の不興を買い、彼は廃太子とされてしまった。 これはその後の彼(元王太子)と彼女(平民少女)のお話です。 数年後に彼女が語る真実とは……? 前中後編の三部構成です。 ❇︎ざまぁはありません。 ❇︎設定は緩いですので、頭のネジを緩めながらお読みください。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!

gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ? 王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。 国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから! 12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない

文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。 使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。 優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。 婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。 「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。 優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。 父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。 嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの? 優月は父親をも信頼できなくなる。 婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。

「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。

あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。 「君の為の時間は取れない」と。 それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。 そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。 旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。 あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。 そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。 ※35〜37話くらいで終わります。

一年で死ぬなら

朝山みどり
恋愛
一族のお食事会の主な話題はクレアをばかにする事と同じ年のいとこを褒めることだった。 理不尽と思いながらもクレアはじっと下を向いていた。 そんなある日、体の不調が続いたクレアは医者に行った。 そこでクレアは心臓が弱っていて、余命一年とわかった。 一年、我慢しても一年。好きにしても一年。吹っ切れたクレアは・・・・・

処理中です...