【完結】26両親に愛されない令嬢は、魔剣を扱う

ユイカのこと

　ユイカの部屋に戻った。

「アリーヌ様。すみません。変わります。」

「はい。」

　アリーヌ様の手首にはアザがあった。
「アリーヌ様。。その手、、」

「いつもそうなの。すごい力で掴むから、内緒よ。ユイカは気にするから、、、」

「いつも闘った後はこうなのですか？」

「そうね。時々、、、今回は、かなり消耗してるから、かなり大変な闘いだったんでしょ？」

「はい。アルカス様とラスボスを闘われましたが、それまでも2匹。」

　魔剣を使ったのだから仕方ないけど、浄化するのにも力がいるわけで、ユイカに負担になる。
　魔獣は、凶暴化になるのは呪われてるからなの。だから浄化が必要。

　ユイカは、死を受け入れているように感じるの。ユイカは、自分の命より他人の命のが大切だと思ってる。
　愛を知らないから。

　アルカスが、大事に思っているのは伝わってるはずなんだけど、でも足らないの。
　私とアルカスが結婚する時に、ユイカは、別棟に戻ったの。
　アルカスも私と結婚する以上、ユイカを手放さないといけないと思っていたからね。

　でもそれが間違いだったの。
　5日後、別棟に様子をみに行くと、
　ユイカは、いなかった。
　森で魔獣と戦っていたの。五日間ずっと。食事も睡眠もとらず、

　ユイカに食事を取らなかった理由を聞くと、
「なぜ毎日食べないといけないの？食べたくなったら食べるわよ。アルカスと暮らす前はそうだったもの。」

　５日の間一度も食べたいと思わなかったらしい。
　アルカスと暮らす前、
　食事は、毎日あったようだけど、保存食のようなもの。乳母がいたけど、食事もなかなか確保できなかったみたい。

　アルカスの手料理を食べた時、
「こんなにあったかい食事を食べたのは初めて」って言ったそう。

　ユイカは、私たちと暮らすことを拒否してたの。
　私に悪いからといって、
　だから、ユイカに食事を毎日持っていったの。
　でも、ユイカは、その後もボロボロになって、湯浴みをして、眠るだけのために帰ってきただけだった。
「いつもありがとう。食事を作ってくれて、、でも、アリーヌも忙しいから、大丈夫だよ。」
　というの。笑顔でね。

　ある日、いつものように食事を持っていくとユイカは帰って来なかった。
　心配になってアルカスに相談すると、アルカスが森を探してくれたの。
　いつもと違って全身アザだらけのユイカが見つかった。

　森で1人でうなされ、熱も出ていたのに、1人耐え抜いていたの。
　それでも。ユイカは、
「ごめんなさい。迷惑かけて、早く回復するから。大丈夫だから。」

　つらくてね。
　普通の令嬢ならこんなことにはならない。
　親に愛されて毎日過ごすのが普通でしょ。

　私はユイカに少しでも愛を知ってもらいたかった。

　私もユイカのことは、妹と思ってるし、いやもう娘みたいにかわいいし、好きよ。
　別にアルカスとユイカが恋愛関係になっていると思ってない。
　2人は、家族愛で繋がってる。私もその家族愛に入れて欲しい。
　一緒に住んでほしいとユイカにいったの。
　そしたら、受け入れてくれて今の生活があるの。


　アリーヌ様今までのことを話をしてくれて、最後に、

　あなたは強くならなくていいの。クィーンのフォローは、アルカスやトライアルがいるでしょ。
　あなたには、ユイカに愛を与えてほしいの。
　優しく、とろとろにとけさしてあげてほしい。
　男は女より強くないといけないというのは概念を取り払ってほしい。

　と言って部屋から出て行った。


　またユイカは汗をかき始めた。
　熱が高いから、余計に、、、汗をかく、、
　拭かないと思って、体を見ると全身あざだらけだった。
見えないところも、、、

その傷がかわいそうとは思わなかった。逆に綺麗だと思った。

　拭いてあげると気持ちよさそうにするけど、
　これはやばい。好きな女の体を見るのはやばいな。

　キスマークをつけたくなった。
　アザだらけの中、俺の印が欲しい。
「ごめん」
　胸の上にキツく痕をつけた。
　そうすると全身あったあざがなくなり、俺のあざだけが残った。
　これはどうゆうこと？
　ユイカの息も楽になったよう。
　とりあえず抱きしめて眠った。

　次の日の朝。
　フランクは、ユイカを見つめていた。そうすると、ユイカの目が開いた。

「おはよう。ユイカ。」

「え？フランク？なんで？」　

「良かった。アリーヌ様を呼んでくるね。」

「良かったわね。フランクのおかげね。早い回復だったわね。」

　いつもより３日も早く回復した。
　全身のあざもなくなり、いつものユイカだった。
　なぜか？胸の上だけあざがあるけど、、
　これはなぜきえないのかしら？