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婚約破棄

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私は、ハーネス公爵令嬢のアイカと申します。幼いころに決められたのですが、王太子の婚約者となっております。

王太子をお慕いしており、私も王太子妃になる為に日々、厳しい王妃教育を頑張ってこなしておりました。

二人の仲は、悪くないと思っていました。でも、それは私だけだったようです。

私の恋は、突然、壊れることになりました。
王太子は、最近、出会った伯爵令嬢のシオリ様に恋をしたのです。


「すまない。アイカとは、小さい頃から一緒で恋とは違うんだ。
家族のようなもので、私は、シオリと出会って、恋に落ちた。
シオリと生きたいんだ。

アイカは、私が守ってあげなくても生きていけるだろ?シオリはわたしが守ってあげないといけない。
アイカは、公爵令嬢だし、父上にも愛されているから、大丈夫だろ。」
と言われました。

私は、長年殿下をお慕いしておりましたが、捨てられたのです。私が何を言っても、無理という瞳をしていました。

「はい。」
婚約破棄を受け入れ、王宮から去りました。



公爵に帰ると、
「役立たず。何のために小さい頃から婚約者だったのだ。公爵令嬢なのに、、、」
と父に怒鳴られました。

そう。わたしは公爵令嬢ですが、親からの愛情は、ありません。

殿下は、長い間一緒にいたけど、その事実を知りません。
父親は、隠しておりましたから。
世間からみたら、私は、公爵令嬢で、何一つ不自由なく過ごし、親からも愛されている恵まれた令嬢なのです。
長年一緒にいた殿下でさえもそう思っているので、誰も知りません。




「新しい婚約者を探すから」

外出しないようにと注意を受けました。

王妃教育がない日というのは、初めてで、何をしたらいいのか?分からず、結局本を読むことにしたのです。

それぐらい私は、遊ぶことも知らず、王妃教育を頑張っていたのです。

後日、王宮に呼ばれました。

国王様には、
「すまなかった。厳しい王妃教育もほとんど終わっておるのに。」

王妃様には、
「貴方は、王太子の心を掴めなかったのね。ご苦労様。」

王妃様は、もうシオリ様の味方でした。

国王様も王妃様も、一番は自分の子なので、私の替わりは、たくさんいるのでしょう。

婚約破棄の書類に正式にサインをしました。

父は
「国のため、王太子のために公爵家は尽くしましたが、アイカは、理想の王妃には程遠かったのでしょう。長い間、ご迷惑をおかけしました。」

もう王宮に来る事はないでしょう。
ここにはたくさんの思い出があります。
殿下と一緒に過ごした思い出。
辛かった王妃教育。
私の今までの生活が、全て、王宮に詰まっています。

私は、役に立たなかったのです。

殿下は、私を選んでくれませんでした。



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