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world:02 この娘が味方であの娘が敵で。
第27話・不思議ちゃん。
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「なんというか……この不思議な娘は何だろう?」
〔ステゴサウルス科のミラガイアですね〕
「あ、いやそういう意味じゃなくて。つかみどころがないというか、不思議ちゃんなんだよね、この娘」
♢
【チーム猫耳恐竜】の拠点から小川を一時間ほど遡った辺り。密集した木々が途切れ、そこには太陽が降り注ぐ風光明媚な場所があった。咲き乱れる色とりどりの花が、殺伐とした戦いを忘れさせてくれる。ウチは、そんな安らいだ気分に浸っていた。
最初はティラノだけ連れての周囲散策のつもりだったんだけど、ベルノがどうしてもついていくと言って聞かない。どうやって説得しようかと思っていたら、『まあ、いいんじゃねぇの?』というティラノの一言でついてくる事に。
――ベルノシッター・ティラノが爆誕した瞬間だった。
「口は災いの元……と」
〔八白亜紀、あなたの口が一番災いに近いと思いますが。〕
……女神さんいけずや。
ちょろちょろと走り回るベルノを追いかけるベルノシッター・ティラノ。お花畑でキャッキャウフフな空間がそこにあった。そんな騒がしい娘達を全く気にすることもなく、黙々と水を飲み草を食む恐竜がいた。
――ミルクチョコin!
――煙deポンッ!!
ぼーっとしていて、時々遠くを凝視したり……何か見えているのかな? あまり感情を表に出さないタイプの娘なのかもしれない。ほっぺはぷにぷにしていて触り心地が良さそう。透き通るような色白の肌に、鮮明な青色服のコントラストがなんとも美しい。
不思議なのは背中に飛んでいる菱形の板。恐竜の時背中についていたトゲトゲみたいなんだけど、これが武器なのかもしれない。ジュラたまも今までにない虹色をしていて、角度によっていろんな色の光がみえる。
「ミラガイアのガイアちゃんか。よろしくね!」
「はあ……よろしく。デス」
少したどたどしい話し方をするガイア。
「大丈夫か? こいつ」
「こらこら……」
ティラノは思ったことを口にしてしまう性格だ。素直なのは良いけど、良し悪しで言ったらこの場は悪しだと思う。
「人それぞれとでも言うか、まあ、色々いていいじゃない!」
「亜紀っちがイイなら俺様は全然かまわないけどよ~。そんなに増やす必要あんのか?」
「魔王軍がどのくらいの規模かわからないからね。仲間は多いほうがいいじゃん」
「なんだよ。もっと俺様に頼れって!」
「もちろん、ティラちゃんには十分すぎるほど頼ってるよ。だから、負担を少なくしたいんだ」
なんでもかんでも一人に押し付けると、心がすり減るんだよね。心に余裕が無くなると、色々ミスしちゃうし。そういうのが積み重なると、気が付いた時には心身共にボロボロ。彼女達には、そんな思いはさせたくないんだ。
……つか、ウチも二度とあんなのはゴメンだわ。
「ちっ、もう充分じゃねぇか。……浮気ばかりすんなよ」
「え……ああ⁉ ティラちゃんもしかして妬いてる?」
「な……」
顏を赤らめて焦っている。誰がどう見ても動揺しているのがわかる。
「ティラノ、妬いているのニャ!」
ベルノのもふもふ平手が“ぽふんっ!”とティラノの尻を叩く。
「……からかうなよ」
元々は十メートルを超す巨大なティラノサウルスの恐竜人。そんな彼女が嫉妬するとか……なんかギャップ萌えして可愛いぞ!
そんなウチ達をよそに、ガイアは何かに反応して身を乗り出した。一点を注視する彼女にベルノが声をかける。
「ガイア、何を見てるニャ?」
「あそこ……いる。デス」
ガイアの凝視する方向をじ~っと見てみるが……。何も見えん、木しかない。というか、木々が生い茂っているから見通すことが出来ない。これでも見えているってことなの?
「なんだ? 俺様にも見えねぇぞ?」
「危険……来てる。デス」
「ティラちゃん警戒しといて。ベルノは少し下がって!」
もしかしたらこの娘は、遠くの場所を透視出来るのかもしれない。だとしたらかなり特殊な能力の持ち主ってことだ。
「亜紀っち、あいつか?」
……そして皆の視線の先から、あまり遭いたくないアイツが顔を見せた。
〔ステゴサウルス科のミラガイアですね〕
「あ、いやそういう意味じゃなくて。つかみどころがないというか、不思議ちゃんなんだよね、この娘」
♢
【チーム猫耳恐竜】の拠点から小川を一時間ほど遡った辺り。密集した木々が途切れ、そこには太陽が降り注ぐ風光明媚な場所があった。咲き乱れる色とりどりの花が、殺伐とした戦いを忘れさせてくれる。ウチは、そんな安らいだ気分に浸っていた。
最初はティラノだけ連れての周囲散策のつもりだったんだけど、ベルノがどうしてもついていくと言って聞かない。どうやって説得しようかと思っていたら、『まあ、いいんじゃねぇの?』というティラノの一言でついてくる事に。
――ベルノシッター・ティラノが爆誕した瞬間だった。
「口は災いの元……と」
〔八白亜紀、あなたの口が一番災いに近いと思いますが。〕
……女神さんいけずや。
ちょろちょろと走り回るベルノを追いかけるベルノシッター・ティラノ。お花畑でキャッキャウフフな空間がそこにあった。そんな騒がしい娘達を全く気にすることもなく、黙々と水を飲み草を食む恐竜がいた。
――ミルクチョコin!
――煙deポンッ!!
ぼーっとしていて、時々遠くを凝視したり……何か見えているのかな? あまり感情を表に出さないタイプの娘なのかもしれない。ほっぺはぷにぷにしていて触り心地が良さそう。透き通るような色白の肌に、鮮明な青色服のコントラストがなんとも美しい。
不思議なのは背中に飛んでいる菱形の板。恐竜の時背中についていたトゲトゲみたいなんだけど、これが武器なのかもしれない。ジュラたまも今までにない虹色をしていて、角度によっていろんな色の光がみえる。
「ミラガイアのガイアちゃんか。よろしくね!」
「はあ……よろしく。デス」
少したどたどしい話し方をするガイア。
「大丈夫か? こいつ」
「こらこら……」
ティラノは思ったことを口にしてしまう性格だ。素直なのは良いけど、良し悪しで言ったらこの場は悪しだと思う。
「人それぞれとでも言うか、まあ、色々いていいじゃない!」
「亜紀っちがイイなら俺様は全然かまわないけどよ~。そんなに増やす必要あんのか?」
「魔王軍がどのくらいの規模かわからないからね。仲間は多いほうがいいじゃん」
「なんだよ。もっと俺様に頼れって!」
「もちろん、ティラちゃんには十分すぎるほど頼ってるよ。だから、負担を少なくしたいんだ」
なんでもかんでも一人に押し付けると、心がすり減るんだよね。心に余裕が無くなると、色々ミスしちゃうし。そういうのが積み重なると、気が付いた時には心身共にボロボロ。彼女達には、そんな思いはさせたくないんだ。
……つか、ウチも二度とあんなのはゴメンだわ。
「ちっ、もう充分じゃねぇか。……浮気ばかりすんなよ」
「え……ああ⁉ ティラちゃんもしかして妬いてる?」
「な……」
顏を赤らめて焦っている。誰がどう見ても動揺しているのがわかる。
「ティラノ、妬いているのニャ!」
ベルノのもふもふ平手が“ぽふんっ!”とティラノの尻を叩く。
「……からかうなよ」
元々は十メートルを超す巨大なティラノサウルスの恐竜人。そんな彼女が嫉妬するとか……なんかギャップ萌えして可愛いぞ!
そんなウチ達をよそに、ガイアは何かに反応して身を乗り出した。一点を注視する彼女にベルノが声をかける。
「ガイア、何を見てるニャ?」
「あそこ……いる。デス」
ガイアの凝視する方向をじ~っと見てみるが……。何も見えん、木しかない。というか、木々が生い茂っているから見通すことが出来ない。これでも見えているってことなの?
「なんだ? 俺様にも見えねぇぞ?」
「危険……来てる。デス」
「ティラちゃん警戒しといて。ベルノは少し下がって!」
もしかしたらこの娘は、遠くの場所を透視出来るのかもしれない。だとしたらかなり特殊な能力の持ち主ってことだ。
「亜紀っち、あいつか?」
……そして皆の視線の先から、あまり遭いたくないアイツが顔を見せた。
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