52 / 82
52、炭火焼きハンバーグ
しおりを挟む
「それで裕樹、何を作るつもりなの?」
ナナの言葉に俺は頷くと答えた。
「せっかく外で食べるんだからバーベキュー感覚で、ステーキでも焼こうかなって思ったんだけど、ステーキは昨日食べただろ。だから、炭火焼きハンバークなんていいかなって思ってさ。ククルも喜びそうだし」
カレンさんが首を傾げる。
「ハンバーグとな?」
「ええ、俺がいた国で定番の人気の料理の一つなんですよね。子供も大好きだから」
「ほほ、ひのもとで人気の料理とな! それはぜひとも食べてみたいのう」
「ククルも食べたいのです! ハンバーグなのです」
レイラもビシッと手を上げる。
「はい、ユウキ! 私も食べたいです!!」
そう言って尻尾を大きく左右に振った。
たく、レイラに料理を作ってるとまるで餌付けをしてるような気分になるな。
可愛い口元から少し涎が垂れているのが見える。
アイドル顔負けの美貌が台無しだ。
ナナが呆れたように言う。
「はぁ、まったくレイラったら」
「はは、でもどうやら決まりのようだな!」
「ええ、そうね。私も食べてみたいわ!」
本格的な炭火焼きのハンバーグを食べたことがあるけど、メチャクチャ美味かったからな。
食の求道者を職業選択している今ならあの味を再現することは出来るだろう。
少しアレンジしたらもっと美味くなるはずだ。
「それに、今日は色々あるし。朝から力がつくような料理がよさそうだもんな」
先ほど下ごしらえはしてある。
熟成をかけて旨味を増したドリルホーンの肉をひき肉にして、幾つかの野菜をみじん切りにして混ぜておいた。
他にも繋ぎも入れて練ってあるので後は焼くだけだ。
「それにしても、かなり便利だよな食の求道者は」
初めて見る野菜やキノコでもそれが何なのか直ぐに分かるし、俺たちにとって毒になるものじゃないかも分かるのはありがたい。
もちろん、獣人族にとって害がないかどうかも把握できる。
料理人の時も食材については毒の有無なども知識として把握は出来たが、食の求道者の場合は知識としてはもちろん、食材に触れるとまるでそれを解析するように分かるんだ。
これなら見たこともないような新しい食材についても、それが何なのかそしてその安全性も分かるだろう。
もしかしたら、特殊スキルの毒消しに付随する力なのかもしれないな。
「冒険者になる予定の俺には、もってこいの力だな」
それにだけじゃない。
ドリルホーンの肉も含め材料が違うので、日本でつくるハンバーグとは少し違うが向こうの食材で作る以上の味が出るように工夫をした。
これも食の求道者ゆえのこだわりだな。
「さてと、じゃあ始めるとするか!」
「ええ、裕樹!」
ナナも大きく頷いた。
簡易厨房でバーベキューの時に使うような焼き台を作ってある。
少しカスタムしてるので使いやすそうだ。
「ほほ、なにやら楽しそうな調理器具じゃの」
「はう~なんなのですこれ!」
カレンさんやククルも興味津々だ。
バーベキュー用のコンロだけではなくて、料理を扱うトングや、炭を扱う火ばさみも一緒に完備されているので見た目も普通の厨房違って楽し気だよな。
「はは、こいつは外で皆でみんなで料理する時に使うものなんですよね」
そこにはもう炭を入れて金網も載せてある。
俺がハンバーグを幾つか金網の上に載せるとジュウという音がした。
火ばさみを使って炭の位置を微妙に調節しつつ一番美味しくなるように火力を調節していくと、次第にいい香りが辺りに広がっていく。
レイラは尻尾を振りながらそれを見ている。
「はぁ、美味しそうね! ハンバーグ!」
「せっかくだからレイラも手伝ってくれよ。そこにキノコがあるだろ? マルルナタケもあるから金網の上に載せてくれないか」
「分かったわ! ふふ、なんだかこれ楽しいわね!」
そう答えて、手渡したトングを使ってマルルナタケを金網の上に載せるレイラ。
ナナやカレンさんも、野菜を金網の上に載せる。
「これも焼きましょう!」
「ほほ、皆でやるのも楽しいものじゃの」
「はは、バーベキューらしくなってきたな!」
これぞバーベキューの醍醐味だ。
キャンプに行った時もこうして準備してるだけで楽しかったもんな。
こんなに景色のいいところで出来るなんて最高だ。
ククルも俺を見上げて言う。
「はう~ククルも手伝いたいのです!」
「そっか! ククルだってやってみたいよな」
俺はククルが火傷をしないように、金網の端にマルルナタケを寄せてそれからククルを抱っこする。
そして、危険がないように気をつけながらトングをククルに手渡すと言った。
「ほら、そのマルルナタケをひっくりかえしてくれよ。ククル」
「はいなのです!」
慣れないトングに、ククルは頑張ってマルルナタケをようやくひっくりかえした。
「出来たのです!」
「やったな! ククル」
「えへへ」
嬉しそうに笑うククルを見てみんな顔を見合わせて笑顔になる。
「さて、頃合いだな」
炭火でじっくりと焼かれたハンバーグからはとてもいい香りが漂ってくる。
俺はあらかじめ用意しておいたフライパンを火にかける。
同時に日本で食べたあの炭火焼きハンバーグのソースの味を解析して、今焼いているハンバーグにより適したものに頭のなかでカスタマイズする。
そして、様々な調味料の一番いい配合が閃いた。
「よし、これだ! 金の匙!!」
出来上がったソースがフライパンの上で温められていく。
そして、さっきククルがひっくり返してくれたマルルナタケを薄く刻んでソースに絡めた。
「レイラ、ナナ。ハンバーグを皿に載せてくれ」
「分かったわ!」
「ええ!!」
二人がそれぞれの皿に載せてくれた人数分のハンバーグに俺は熱々のソースをかけていく。
カレンさんがうっとりとした表情で言った。
「ほんにいい香りじゃな! これがハンバーグかえ? 早く食べてみたいの!」
「ククルも食べたいのです!」
「はは、ククルも手伝ってくれたもんな。そのマルルナタケはククルがひっくり返してくれたやつだからさ」
「はう~ほんとですか? 食べてみたいのです!」
カレンさんはそんなククルの頭を撫でながら言った。
「ほほほ、そうじゃな。まずはククルが食べてみるかえ?」
「はいなのです! おばば様」
俺はこちらを見上げるククルの前で、食事用のナイフを使ってハンバーグをククルでも食べやすいように切り分ける。
火加減もばっちりだな。
切れ目から溢れ出た肉汁が、熱々のソースと絡まってそこにマルルナタケの香りも加わっていく。
ソースはデミグラスソースをアレンジしたものだ。
ククルはフォークを使ってぱくりとハンバーグを一口食べる。
そして、尻尾を揺らして頬を緩めた。
「美味しいです~とっても美味しいのです! ククルのほっぺた落ちるのです!!」
レイラがそれを聞いて声を上げた。
「もう我慢できない! ユウキ、私も食べるんだから!!」
そう言って、ソースがたっぷりとかかった炭火焼きハンバーグを大胆に切って口に入れた。
そしてぶるっと震える。
「はぁあああ……昨日のステーキも美味しかったけど、これも美味しすぎる! 私、ハンバーグ大好き!!」
まったく、ククルとどっちが子供なのか分からないな。
ナナとカレンさんも我先に特製ハンバーグを口にして頬を少し赤らめると溜め息を吐いた。
「美味しい!」
「ほんに、美味しいこと! このソースと肉汁が一体になって、そこにマルルナタケの香りが。ユウキ、そなたは料理の天才じゃ! 似たような肉料理はこの世界にもあるがこれは別物じゃな!」
「は、はは。大袈裟ですよ」
そう答えながら俺も自分のハンバーグを食べてみて思わず固まった。
「うま!」
これはヤバい。
材料の問題なのか食の求道者の力なのかは分からないが、異次元の美味さだ。
こんなに美味いハンバーグは俺も食べたことがない。
そうこうしている内に、簡易厨房のかまどを使って炊いていた神秘米が炊きあがる。
これはきっとご飯に合うだろう。
そんなことを考えているとレイラが既に自分でご飯をついで、ハンバーグをおかずに食べている。
「ゆふき! これごはんと、はふあ!!」
おい、レイラ何言ってるか分からないぞ。
それにせっかく焼いたんだから野菜も少しは食べてくれよ。
すっかりハンバーグに夢中になったレイラは、その後ご飯を山盛り三杯もおかわりして俺たちの楽しい朝食の時間は終わりを告げたのだった。
ナナの言葉に俺は頷くと答えた。
「せっかく外で食べるんだからバーベキュー感覚で、ステーキでも焼こうかなって思ったんだけど、ステーキは昨日食べただろ。だから、炭火焼きハンバークなんていいかなって思ってさ。ククルも喜びそうだし」
カレンさんが首を傾げる。
「ハンバーグとな?」
「ええ、俺がいた国で定番の人気の料理の一つなんですよね。子供も大好きだから」
「ほほ、ひのもとで人気の料理とな! それはぜひとも食べてみたいのう」
「ククルも食べたいのです! ハンバーグなのです」
レイラもビシッと手を上げる。
「はい、ユウキ! 私も食べたいです!!」
そう言って尻尾を大きく左右に振った。
たく、レイラに料理を作ってるとまるで餌付けをしてるような気分になるな。
可愛い口元から少し涎が垂れているのが見える。
アイドル顔負けの美貌が台無しだ。
ナナが呆れたように言う。
「はぁ、まったくレイラったら」
「はは、でもどうやら決まりのようだな!」
「ええ、そうね。私も食べてみたいわ!」
本格的な炭火焼きのハンバーグを食べたことがあるけど、メチャクチャ美味かったからな。
食の求道者を職業選択している今ならあの味を再現することは出来るだろう。
少しアレンジしたらもっと美味くなるはずだ。
「それに、今日は色々あるし。朝から力がつくような料理がよさそうだもんな」
先ほど下ごしらえはしてある。
熟成をかけて旨味を増したドリルホーンの肉をひき肉にして、幾つかの野菜をみじん切りにして混ぜておいた。
他にも繋ぎも入れて練ってあるので後は焼くだけだ。
「それにしても、かなり便利だよな食の求道者は」
初めて見る野菜やキノコでもそれが何なのか直ぐに分かるし、俺たちにとって毒になるものじゃないかも分かるのはありがたい。
もちろん、獣人族にとって害がないかどうかも把握できる。
料理人の時も食材については毒の有無なども知識として把握は出来たが、食の求道者の場合は知識としてはもちろん、食材に触れるとまるでそれを解析するように分かるんだ。
これなら見たこともないような新しい食材についても、それが何なのかそしてその安全性も分かるだろう。
もしかしたら、特殊スキルの毒消しに付随する力なのかもしれないな。
「冒険者になる予定の俺には、もってこいの力だな」
それにだけじゃない。
ドリルホーンの肉も含め材料が違うので、日本でつくるハンバーグとは少し違うが向こうの食材で作る以上の味が出るように工夫をした。
これも食の求道者ゆえのこだわりだな。
「さてと、じゃあ始めるとするか!」
「ええ、裕樹!」
ナナも大きく頷いた。
簡易厨房でバーベキューの時に使うような焼き台を作ってある。
少しカスタムしてるので使いやすそうだ。
「ほほ、なにやら楽しそうな調理器具じゃの」
「はう~なんなのですこれ!」
カレンさんやククルも興味津々だ。
バーベキュー用のコンロだけではなくて、料理を扱うトングや、炭を扱う火ばさみも一緒に完備されているので見た目も普通の厨房違って楽し気だよな。
「はは、こいつは外で皆でみんなで料理する時に使うものなんですよね」
そこにはもう炭を入れて金網も載せてある。
俺がハンバーグを幾つか金網の上に載せるとジュウという音がした。
火ばさみを使って炭の位置を微妙に調節しつつ一番美味しくなるように火力を調節していくと、次第にいい香りが辺りに広がっていく。
レイラは尻尾を振りながらそれを見ている。
「はぁ、美味しそうね! ハンバーグ!」
「せっかくだからレイラも手伝ってくれよ。そこにキノコがあるだろ? マルルナタケもあるから金網の上に載せてくれないか」
「分かったわ! ふふ、なんだかこれ楽しいわね!」
そう答えて、手渡したトングを使ってマルルナタケを金網の上に載せるレイラ。
ナナやカレンさんも、野菜を金網の上に載せる。
「これも焼きましょう!」
「ほほ、皆でやるのも楽しいものじゃの」
「はは、バーベキューらしくなってきたな!」
これぞバーベキューの醍醐味だ。
キャンプに行った時もこうして準備してるだけで楽しかったもんな。
こんなに景色のいいところで出来るなんて最高だ。
ククルも俺を見上げて言う。
「はう~ククルも手伝いたいのです!」
「そっか! ククルだってやってみたいよな」
俺はククルが火傷をしないように、金網の端にマルルナタケを寄せてそれからククルを抱っこする。
そして、危険がないように気をつけながらトングをククルに手渡すと言った。
「ほら、そのマルルナタケをひっくりかえしてくれよ。ククル」
「はいなのです!」
慣れないトングに、ククルは頑張ってマルルナタケをようやくひっくりかえした。
「出来たのです!」
「やったな! ククル」
「えへへ」
嬉しそうに笑うククルを見てみんな顔を見合わせて笑顔になる。
「さて、頃合いだな」
炭火でじっくりと焼かれたハンバーグからはとてもいい香りが漂ってくる。
俺はあらかじめ用意しておいたフライパンを火にかける。
同時に日本で食べたあの炭火焼きハンバーグのソースの味を解析して、今焼いているハンバーグにより適したものに頭のなかでカスタマイズする。
そして、様々な調味料の一番いい配合が閃いた。
「よし、これだ! 金の匙!!」
出来上がったソースがフライパンの上で温められていく。
そして、さっきククルがひっくり返してくれたマルルナタケを薄く刻んでソースに絡めた。
「レイラ、ナナ。ハンバーグを皿に載せてくれ」
「分かったわ!」
「ええ!!」
二人がそれぞれの皿に載せてくれた人数分のハンバーグに俺は熱々のソースをかけていく。
カレンさんがうっとりとした表情で言った。
「ほんにいい香りじゃな! これがハンバーグかえ? 早く食べてみたいの!」
「ククルも食べたいのです!」
「はは、ククルも手伝ってくれたもんな。そのマルルナタケはククルがひっくり返してくれたやつだからさ」
「はう~ほんとですか? 食べてみたいのです!」
カレンさんはそんなククルの頭を撫でながら言った。
「ほほほ、そうじゃな。まずはククルが食べてみるかえ?」
「はいなのです! おばば様」
俺はこちらを見上げるククルの前で、食事用のナイフを使ってハンバーグをククルでも食べやすいように切り分ける。
火加減もばっちりだな。
切れ目から溢れ出た肉汁が、熱々のソースと絡まってそこにマルルナタケの香りも加わっていく。
ソースはデミグラスソースをアレンジしたものだ。
ククルはフォークを使ってぱくりとハンバーグを一口食べる。
そして、尻尾を揺らして頬を緩めた。
「美味しいです~とっても美味しいのです! ククルのほっぺた落ちるのです!!」
レイラがそれを聞いて声を上げた。
「もう我慢できない! ユウキ、私も食べるんだから!!」
そう言って、ソースがたっぷりとかかった炭火焼きハンバーグを大胆に切って口に入れた。
そしてぶるっと震える。
「はぁあああ……昨日のステーキも美味しかったけど、これも美味しすぎる! 私、ハンバーグ大好き!!」
まったく、ククルとどっちが子供なのか分からないな。
ナナとカレンさんも我先に特製ハンバーグを口にして頬を少し赤らめると溜め息を吐いた。
「美味しい!」
「ほんに、美味しいこと! このソースと肉汁が一体になって、そこにマルルナタケの香りが。ユウキ、そなたは料理の天才じゃ! 似たような肉料理はこの世界にもあるがこれは別物じゃな!」
「は、はは。大袈裟ですよ」
そう答えながら俺も自分のハンバーグを食べてみて思わず固まった。
「うま!」
これはヤバい。
材料の問題なのか食の求道者の力なのかは分からないが、異次元の美味さだ。
こんなに美味いハンバーグは俺も食べたことがない。
そうこうしている内に、簡易厨房のかまどを使って炊いていた神秘米が炊きあがる。
これはきっとご飯に合うだろう。
そんなことを考えているとレイラが既に自分でご飯をついで、ハンバーグをおかずに食べている。
「ゆふき! これごはんと、はふあ!!」
おい、レイラ何言ってるか分からないぞ。
それにせっかく焼いたんだから野菜も少しは食べてくれよ。
すっかりハンバーグに夢中になったレイラは、その後ご飯を山盛り三杯もおかわりして俺たちの楽しい朝食の時間は終わりを告げたのだった。
11
お気に入りに追加
3,163
あなたにおすすめの小説

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

平凡すぎる、と追放された俺。実は大量スキル獲得可のチート能力『無限変化』の使い手でした。俺が抜けてパーティが瓦解したから今更戻れ?お断りです
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
★ファンタジーカップ参加作品です。
応援していただけたら執筆の励みになります。
《俺、貸します!》
これはパーティーを追放された男が、その実力で上り詰め、唯一無二の『レンタル冒険者』として無双を極める話である。(新形式のざまぁもあるよ)
ここから、直接ざまぁに入ります。スカッとしたい方は是非!
「君みたいな平均的な冒険者は不要だ」
この一言で、パーティーリーダーに追放を言い渡されたヨシュア。
しかしその実、彼は平均を装っていただけだった。
レベル35と見せかけているが、本当は350。
水属性魔法しか使えないと見せかけ、全属性魔法使い。
あまりに圧倒的な実力があったため、パーティーの中での力量バランスを考え、あえて影からのサポートに徹していたのだ。
それどころか攻撃力・防御力、メンバー関係の調整まで全て、彼が一手に担っていた。
リーダーのあまりに不足している実力を、ヨシュアのサポートにより埋めてきたのである。
その事実を伝えるも、リーダーには取り合ってもらえず。
あえなく、追放されてしまう。
しかし、それにより制限の消えたヨシュア。
一人で無双をしていたところ、その実力を美少女魔導士に見抜かれ、『レンタル冒険者』としてスカウトされる。
その内容は、パーティーや個人などに借りられていき、場面に応じた役割を果たすというものだった。
まさに、ヨシュアにとっての天職であった。
自分を正当に認めてくれ、力を発揮できる環境だ。
生まれつき与えられていたギフト【無限変化】による全武器、全スキルへの適性を活かして、様々な場所や状況に完璧な適応を見せるヨシュア。
目立ちたくないという思いとは裏腹に、引っ張りだこ。
元パーティーメンバーも彼のもとに帰ってきたいと言うなど、美少女たちに溺愛される。
そうしつつ、かつて前例のない、『レンタル』無双を開始するのであった。
一方、ヨシュアを追放したパーティーリーダーはと言えば、クエストの失敗、メンバーの離脱など、どんどん破滅へと追い込まれていく。
ヨシュアのスーパーサポートに頼りきっていたこと、その真の強さに気づき、戻ってこいと声をかけるが……。
そのときには、もう遅いのであった。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

月が導く異世界道中extra
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった
Miiya
ファンタジー
学校に一人で残ってた時、突然光りだし、目を開けたら、王宮にいた。どうやら異世界召喚されたらしい。けど鑑定結果で俺は『成長』 『テイム』しかなく、弱いと追い出されたが、実はこれが神クラスだった。そんな彼、多田真司が森で出会ったスライムと旅するお話。
*ちょっとネタばれ
水が大好きなスライム、シンジの世話好きなスライム、建築もしてしまうスライム、小さいけど鉱石仕分けたり探索もするスライム、寝るのが大好きな白いスライム等多種多様で個性的なスライム達も登場!!
*11月にHOTランキング一位獲得しました。
*なるべく毎日投稿ですが日によって変わってきますのでご了承ください。一話2000~2500で投稿しています。
*パソコンからの投稿をメインに切り替えました。ですので字体が違ったり点が変わったりしてますがご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる