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329、魂の瞳
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「エイジとアンジェは既に並みのSランクよりも強い。あの二人ならキラーマンティスの群れに対しても陣形を維持は出来ると思ったが、これほどまでとはな……あれが高位精霊の力か」
ラエサルのその言葉。
実際にエイジの姿は、見た目はそれ程の違いはない。
だが、その動きの全ては今までよりも速い。
(いや、問題はそこじゃない)
ラエサルはそう思った。
エイジの輪郭は僅かだが、まるで精霊のように揺らめいている。
「うぉおおおおおおおお!!」
その瞬間、エイジは更に加速した。
目の前のキラーマンティスを、一気に二体斬り捨てる。
そして、その横をすり抜けると続けて更に三体。
「凄い……」
アンジェは思わずその姿に見とれた。
一瞬にして、五体の敵を倒した少年の動き。
それはまるで魂が何かを感じた瞬間にもう動いている、そんな風にさえ見えた。
エイジの精霊銀の額当て、そのエレメントクリスタルが輝きを増している。
(何だこれは。見える、まるで敵の動きが手に取るように)
相手の気の流れが見える。
それが、エイジに相手の動きを先読みさせた。
一度後ろに下がりながらも獲物をしとめる為に、エイジを取り囲み一気に襲い掛かるキラーマンティスの群れ。
ギィイイイイイイイ!!
不気味な声を上げて、鎌を振り上げる。
その無機質な目は残忍な光を帯びている。
その瞬間──
襲い掛かったはずのキラーマンティスたちが、ゆっくりと倒れて絶命した。
それを成したのはエイジの剣撃だ。
両手の剣は片方は青く、片方が赤い。
リイムとミイムの力による精霊剣。
だがそれは今までとは少し違う、エイジの肉体と同じように輪郭が揺らめいている。
まるで、物質を超越した何かに変化したような二本の剣。
『エイジ、貴方とのエレメンタルフュージョン。とても心地よいですわ』
『ファルティーシアさん』
最後に残った一際巨大なキラーマンティス。
他の個体とは違いその体は真紅だ。
赤い体をした巨大なカマキリは、すさまじい勢いでその鎌を振り下ろす。
ヒュン!!
群れのボスなのだろう、今までの個体とは大きさもその動きも段違いだ。
恐るべき速さで振り切られる死神の鎌。
次の瞬間──
その鎌は音もなく地に落ちる。
「うぉおおおおお! アストラルブレイド!!」
闘気を超えた霊気、それが宿る二本の精霊剣。
光の剣とも呼ぶべきそれは、鮮やかに敵を切り裂いた。
その場に倒れ、絶命する赤いキラーマンティスの姿。
考えるよりも先に、己の魂に従って体が動くような感覚。
(一体これは……)
新たなる感覚と、凄まじい切れ味に思わず立ちすくむエイジ。
揺らめく二本の剣は、次第にいつもの精霊剣に変わっていく。
そして、精霊銀の額当ての輝きもおさまっていくのを感じた。
思わずエイジに駆け寄るアンジェ。
「凄いわエイジ! でも、今のは一体」
「あ、ああ……俺にも良く分からないんだ」
その時、ファルティーシアがエレメンタルフュージョンを解除してエイジの傍に立つ。
そして、不思議そうにしているエイジに語り掛ける。
『驚くことはありません。貴方の魂と一つになって、その潜在能力を少し引き出しただけです』
『俺の潜在能力?』
ファルティーシアは美しい顔で少し得意げに微笑むと。
『ええ、エイジ。その精霊銀の額当てを通じて、貴方の第三の目ともいうべき魂の瞳を開眼させたのです』
ラエサルのその言葉。
実際にエイジの姿は、見た目はそれ程の違いはない。
だが、その動きの全ては今までよりも速い。
(いや、問題はそこじゃない)
ラエサルはそう思った。
エイジの輪郭は僅かだが、まるで精霊のように揺らめいている。
「うぉおおおおおおおお!!」
その瞬間、エイジは更に加速した。
目の前のキラーマンティスを、一気に二体斬り捨てる。
そして、その横をすり抜けると続けて更に三体。
「凄い……」
アンジェは思わずその姿に見とれた。
一瞬にして、五体の敵を倒した少年の動き。
それはまるで魂が何かを感じた瞬間にもう動いている、そんな風にさえ見えた。
エイジの精霊銀の額当て、そのエレメントクリスタルが輝きを増している。
(何だこれは。見える、まるで敵の動きが手に取るように)
相手の気の流れが見える。
それが、エイジに相手の動きを先読みさせた。
一度後ろに下がりながらも獲物をしとめる為に、エイジを取り囲み一気に襲い掛かるキラーマンティスの群れ。
ギィイイイイイイイ!!
不気味な声を上げて、鎌を振り上げる。
その無機質な目は残忍な光を帯びている。
その瞬間──
襲い掛かったはずのキラーマンティスたちが、ゆっくりと倒れて絶命した。
それを成したのはエイジの剣撃だ。
両手の剣は片方は青く、片方が赤い。
リイムとミイムの力による精霊剣。
だがそれは今までとは少し違う、エイジの肉体と同じように輪郭が揺らめいている。
まるで、物質を超越した何かに変化したような二本の剣。
『エイジ、貴方とのエレメンタルフュージョン。とても心地よいですわ』
『ファルティーシアさん』
最後に残った一際巨大なキラーマンティス。
他の個体とは違いその体は真紅だ。
赤い体をした巨大なカマキリは、すさまじい勢いでその鎌を振り下ろす。
ヒュン!!
群れのボスなのだろう、今までの個体とは大きさもその動きも段違いだ。
恐るべき速さで振り切られる死神の鎌。
次の瞬間──
その鎌は音もなく地に落ちる。
「うぉおおおおお! アストラルブレイド!!」
闘気を超えた霊気、それが宿る二本の精霊剣。
光の剣とも呼ぶべきそれは、鮮やかに敵を切り裂いた。
その場に倒れ、絶命する赤いキラーマンティスの姿。
考えるよりも先に、己の魂に従って体が動くような感覚。
(一体これは……)
新たなる感覚と、凄まじい切れ味に思わず立ちすくむエイジ。
揺らめく二本の剣は、次第にいつもの精霊剣に変わっていく。
そして、精霊銀の額当ての輝きもおさまっていくのを感じた。
思わずエイジに駆け寄るアンジェ。
「凄いわエイジ! でも、今のは一体」
「あ、ああ……俺にも良く分からないんだ」
その時、ファルティーシアがエレメンタルフュージョンを解除してエイジの傍に立つ。
そして、不思議そうにしているエイジに語り掛ける。
『驚くことはありません。貴方の魂と一つになって、その潜在能力を少し引き出しただけです』
『俺の潜在能力?』
ファルティーシアは美しい顔で少し得意げに微笑むと。
『ええ、エイジ。その精霊銀の額当てを通じて、貴方の第三の目ともいうべき魂の瞳を開眼させたのです』
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