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286、限界
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エイジたちは、50階層を超えて更に深層にもぐっていく。
魔物もそれにつれて強くなっていったが、前衛に立つエイジの力にねじ伏せられていく。
それをサポートするアンジェとオリビア。
その他のメンバーの攻撃もあの泉のおかげで強力になり、背後からの攻撃はライアンとエリクが防ぎ後衛の魔道士二人に一掃される。
「凄いにゃ、エリスの魔法の威力! 前と格段に違うにゃ!」
特にエリスの魔法の威力は格段に上がっていた。
そのことにエリス自身が戸惑うぐらいである。
(まるで自分の身体じゃないみたい……)
とエリスは思う。
呪文を唱え意識を集中していくと、まるで精神と肉体が切り離されていくような感覚さえ覚える。
それがエリスの体からより強い魔力を生み出していく。
実際に放たれる魔法は、今までのものよりも格段の強さを持っている。
エリクは頭を掻きながら肩をすくめた。
「もう地下55階層ですよ。Aランクの冒険者パーティならどんなに凄腕でも60階層が限界です。ですが、このパーティはそれ以上深くにさえ潜れそうな気さえしますよ」
エイジたちのレベルは既に中級クラスの45になっている。
後レベルが5上がれば中級ランクの限界である50だ。
(俺は、自動的に上級クラスに職業が変るだろうけど、エリスたちのことを考えたらそこで一度迷宮を出るべきだな)
そうエイジは思う。
リカルドに会いに行くことを考えれば潮時だろう。
エリス達のレベルの上昇も衰える様子はない。
それだけの素質があるからだろう。
(当然か。エリスはレオンさんの娘だし、リアナも同じパーティメンバーだった伯爵の娘、アンジェに至ってはあのラエサルさんの愛弟子だからな)
このまま順調にレベルが上がり続ければ、四人そろって上級ランクになれるだろう。
それよりも……
とエイジは思った。
問題があるとしたら、ライアンたちだ。
ここにきて、エイジたちの方が明らかにレベルが上になっている。
元々ここまで来ることが出来る実力の持ち主であるエリク。
そしてオリビアは持ち前のセンスでなんとかついてきているが、そろそろライアンとシェリルには辛い状況だ。
エイジの加護の力を受けられるのが、パーティメンバーだけだと言うことを考えればやむを得ないとはいえる。
ライアンが肩で息をしている。
「ちっ! 俺も相当自分の腕には自信があったんだけどよ。お前たちの成長ぶりを見てると、自信無くすぜ」
「ふにゃ~、私たちが足手まといになってるにゃ」
彼らのレベルは今、中級クラスの37である。
レベルに比べて強い魔物を倒すだけの強さの持ち主たちだけに、普通に考えれば驚異の成長スピードだがエイジたちには到底追いつかない。
オリビアも多少の疲れが目につき始めている。
レベル差があり過ぎる魔物に対して、驚異的な集中力で対応しているからである。
エリスは心配そうに仲間たちを眺めながらエイジに問うた。
「エイジ、このままの早さで先に進むのは危険だわ」
「ああ……そうだな」
周辺の魔物は狩りつくしている。
安全を確保したうえでエイジは少し考え込んだ。
(限界だな。このペースで先に進むなら方法は一つしない)
精霊と融合し燃えるような髪を揺らめかせている少年は、皆に声をかける。
「なあ、みんな。一ついい方法があるんだ」
オリビアやライアンが、エイジに問い返す。
「どういうことだよ? エイジ」
「いい方法? 一体何のことなの?」
エイジは二人に大きく頷くと言った。
「ああ、俺の言うことを聞いてくれ。実は……」
魔物もそれにつれて強くなっていったが、前衛に立つエイジの力にねじ伏せられていく。
それをサポートするアンジェとオリビア。
その他のメンバーの攻撃もあの泉のおかげで強力になり、背後からの攻撃はライアンとエリクが防ぎ後衛の魔道士二人に一掃される。
「凄いにゃ、エリスの魔法の威力! 前と格段に違うにゃ!」
特にエリスの魔法の威力は格段に上がっていた。
そのことにエリス自身が戸惑うぐらいである。
(まるで自分の身体じゃないみたい……)
とエリスは思う。
呪文を唱え意識を集中していくと、まるで精神と肉体が切り離されていくような感覚さえ覚える。
それがエリスの体からより強い魔力を生み出していく。
実際に放たれる魔法は、今までのものよりも格段の強さを持っている。
エリクは頭を掻きながら肩をすくめた。
「もう地下55階層ですよ。Aランクの冒険者パーティならどんなに凄腕でも60階層が限界です。ですが、このパーティはそれ以上深くにさえ潜れそうな気さえしますよ」
エイジたちのレベルは既に中級クラスの45になっている。
後レベルが5上がれば中級ランクの限界である50だ。
(俺は、自動的に上級クラスに職業が変るだろうけど、エリスたちのことを考えたらそこで一度迷宮を出るべきだな)
そうエイジは思う。
リカルドに会いに行くことを考えれば潮時だろう。
エリス達のレベルの上昇も衰える様子はない。
それだけの素質があるからだろう。
(当然か。エリスはレオンさんの娘だし、リアナも同じパーティメンバーだった伯爵の娘、アンジェに至ってはあのラエサルさんの愛弟子だからな)
このまま順調にレベルが上がり続ければ、四人そろって上級ランクになれるだろう。
それよりも……
とエイジは思った。
問題があるとしたら、ライアンたちだ。
ここにきて、エイジたちの方が明らかにレベルが上になっている。
元々ここまで来ることが出来る実力の持ち主であるエリク。
そしてオリビアは持ち前のセンスでなんとかついてきているが、そろそろライアンとシェリルには辛い状況だ。
エイジの加護の力を受けられるのが、パーティメンバーだけだと言うことを考えればやむを得ないとはいえる。
ライアンが肩で息をしている。
「ちっ! 俺も相当自分の腕には自信があったんだけどよ。お前たちの成長ぶりを見てると、自信無くすぜ」
「ふにゃ~、私たちが足手まといになってるにゃ」
彼らのレベルは今、中級クラスの37である。
レベルに比べて強い魔物を倒すだけの強さの持ち主たちだけに、普通に考えれば驚異の成長スピードだがエイジたちには到底追いつかない。
オリビアも多少の疲れが目につき始めている。
レベル差があり過ぎる魔物に対して、驚異的な集中力で対応しているからである。
エリスは心配そうに仲間たちを眺めながらエイジに問うた。
「エイジ、このままの早さで先に進むのは危険だわ」
「ああ……そうだな」
周辺の魔物は狩りつくしている。
安全を確保したうえでエイジは少し考え込んだ。
(限界だな。このペースで先に進むなら方法は一つしない)
精霊と融合し燃えるような髪を揺らめかせている少年は、皆に声をかける。
「なあ、みんな。一ついい方法があるんだ」
オリビアやライアンが、エイジに問い返す。
「どういうことだよ? エイジ」
「いい方法? 一体何のことなの?」
エイジは二人に大きく頷くと言った。
「ああ、俺の言うことを聞いてくれ。実は……」
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