究極妹属性のぼっち少女が神さまから授かった胸キュンアニマルズが最強だった

盛平

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パティ怒る2

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 マックスの作った巨大な火魔法は、ものすごい速さで御者の男に向かって行った。

 御者の男は驚いて自身の火魔法を当てて、マックスの火魔法を無効化しようとしたが、あっという間に飲み込まれた。

 マックスの火魔法の一つは御者の男の半身を焼き、男は悲鳴をあげて倒れた。

「ぎゃああ!痛い!痛い!」

 パティは泣き叫ぶ男を無感情な目で見つめていた。

「情けないわね、少し火傷しただけじゃない。貴方が傷つけた女の子たちの心の痛みにくらべれば、とても軽いものよ」

 パティはマックスに、さらに火攻撃魔法を指示しようとした時、肩に温かい手が置かれた。

「それくらいにしておきなさい、パティ」

 パティがこわばった顔で振り向くと、そこには笑顔のトグサがいた。途端にパティは、自分がしようとしていた事に思いいたり、ブルブルと身体が震え出した。

「わ、私、私、何て事を」
「大丈夫だよ、パティ。パティのその感情は、囚われた少女たちの恐怖と悲しみをおもんばかった怒りの感情なのだよ。他人の心に寄り添う事はとても大切だ。だがパティにはマックスたちがいる。マックスたちがいれば、パティが人の命を殺めるのは、とてもたやすい事だ」
「ヒッ」

 人を殺す。パティは恐ろしい言葉に身体をびくつかせた。パティにピッタリとくっついているマックスとチャーミーとピンキーは、口々にパティはそんな事しないと抗議していた。

 《トゥルース》でマックスたちの言葉がわかるトグサは、笑みをたたえたままマックスたちに言った。

「もちろんだ、皆。パティはとても心の優しい子だ。人の命を安易に奪うなんて事はしない。だが、君たちには容易にそれができてしまう。その事だけはしっかりと心にとめていてほしい」
「・・・。はい、」

 パティはトグサの一言一言を胸に刻み込んだ。同時にマックスたちにもパティの気持ちが伝わった。

 トグサがパティに話かけているうちに、デイジーたちは淡々と誘拐犯たちを確保していた。

 デイジーのバラのツタで、三人の誘拐犯たちは拘束されて転がっていた。頃合いを見て、デイジーが声をかけた。

「トグサ。お願い」
「ああ」

 トグサはパティの肩に軽く手を置いてから、誘拐犯たちに振り向いた。トグサは火傷を負ってうめいている男の胸ぐらを掴んだ。

「おい、お前たちがかどわかした娘たちを売った者の名前をすべて吐け」
「ケッ!誰が言うかよ」

 トグサはニヤリと笑って答えた。

「いいや。別に口に出して言わなくてもいい。ただお前が心に思い浮かべるだけで、私はこと足りるのだ」
「テメェ!汚ねぇぞ!」
「汚い?純真な少女たちをさらって金持ちに売るなど、非道の極みだ。貴様たちは騎士団に捕えられ罪を償うのだ」

 それまできょせいをはっていた誘拐犯たちは騎士団の名が出ると、さめざめと泣きながら命ごいをした。

 
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