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ジャン=ジャック・ルソー
ニートのはじまり
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そういう事があってから後、ルソーはベルナール叔父の元で2~3年過ごした。母親の残した遺産が多少あったので、それが役に立った。
幸いにも、従兄弟とは大人しい性格が似ており、とても仲良かったので、楽しい日々を送ることが出来た。
腕白な地域の子供達と交流を持つことにはそれほど興味がわくこともなかった。
父親はヴォー地方のニヨンという所に住んでいて、時々遊びに行った。
そこにいた若い女性二人と恋に落ちた。
もっとも、もっぱら頭の中だけの恋だったので、肉体的な関係には至らないプラトニックなものであった。
しかし、いつまでもそんな風に少年時代を過している訳にはいかなかった。
仕事をして独立せねばならない。
ルソーには時計職人、弁護士、牧師を選ぶことが出来た。
ルソー自身は説教が好きだったので牧師になりたかったが、叔父の勧めで弁護士の見習いをすることになった。
叔父いわく、有用な職業らしい。
ルソーにとっては一番向かない仕事だった。
ケチ臭い事をして金を得るのは性分に合わなかった。
うわぁー。辛気臭い職場だ。こんな所で働くのは牢獄にいるみたいなもんだ。
弁護士のマスロン氏は
「ルソー、またぼんやりしているな。もっと真面目に働け」
「はーい」
「なんでお前はそんなに気が利かないんだ。やる気がないな」
「この仕事、向いてないんだと思います」
「まだ、ちゃんとやってもないくせに分かるわけないじゃないか。真面目にやってから言え」
「はい。はい」
「返事は一回でいい!」
「はいー」
「お前、絶対バカにしてるだろ」
マスロン氏は、ルソーをベルナール叔父の元に突っ返した。
「いい子を紹介すると言って、全く役に立たん子を押し付けやがって。この子にはヤスリ使いぐらいしか出来んよ」
「いやいや、この子は本を沢山読んで知識もあるし、字も上手くかけるんです。きっとこの仕事が向いていると思います。もう少し、様子を見てやってくれませんか」
「ベルナールさん、無理無理。あなたは何も分かっていない。本人にやる気が全くないんだから」
弁護士の見習いを首になったルソーは、彫金師の元へ師弟奉公に出されることになった。ここにはとても乱暴なデュコマンという親方がいた。
幸いにも、従兄弟とは大人しい性格が似ており、とても仲良かったので、楽しい日々を送ることが出来た。
腕白な地域の子供達と交流を持つことにはそれほど興味がわくこともなかった。
父親はヴォー地方のニヨンという所に住んでいて、時々遊びに行った。
そこにいた若い女性二人と恋に落ちた。
もっとも、もっぱら頭の中だけの恋だったので、肉体的な関係には至らないプラトニックなものであった。
しかし、いつまでもそんな風に少年時代を過している訳にはいかなかった。
仕事をして独立せねばならない。
ルソーには時計職人、弁護士、牧師を選ぶことが出来た。
ルソー自身は説教が好きだったので牧師になりたかったが、叔父の勧めで弁護士の見習いをすることになった。
叔父いわく、有用な職業らしい。
ルソーにとっては一番向かない仕事だった。
ケチ臭い事をして金を得るのは性分に合わなかった。
うわぁー。辛気臭い職場だ。こんな所で働くのは牢獄にいるみたいなもんだ。
弁護士のマスロン氏は
「ルソー、またぼんやりしているな。もっと真面目に働け」
「はーい」
「なんでお前はそんなに気が利かないんだ。やる気がないな」
「この仕事、向いてないんだと思います」
「まだ、ちゃんとやってもないくせに分かるわけないじゃないか。真面目にやってから言え」
「はい。はい」
「返事は一回でいい!」
「はいー」
「お前、絶対バカにしてるだろ」
マスロン氏は、ルソーをベルナール叔父の元に突っ返した。
「いい子を紹介すると言って、全く役に立たん子を押し付けやがって。この子にはヤスリ使いぐらいしか出来んよ」
「いやいや、この子は本を沢山読んで知識もあるし、字も上手くかけるんです。きっとこの仕事が向いていると思います。もう少し、様子を見てやってくれませんか」
「ベルナールさん、無理無理。あなたは何も分かっていない。本人にやる気が全くないんだから」
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