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ジャン=ジャック・ルソー
濡れ衣
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ルソーが台所に通じる部屋で勉強をしていた時、女中が戻ってきて騒ぎ立てた。
「お嬢様の櫛が折れてる!」
それは、ランベルシェ嬢がとても気に入っていた櫛で、無残にも歯がバラバラに折れていた。
「お嬢様!お嬢様!ここに置いて乾かしていた櫛が壊されています」
ランベルシェ嬢がやってきて、ルソーは問い詰められた。
「あなたがやったのね。白状しなさい」
「僕じゃない」
「嘘をおっしゃい。悪い子ね。お兄さんに言いつけて折檻してもらうわ。お兄さん! お兄さん! 来てー! ルソーがまた酷いことをしたの」
牧師がやってきた。壊れた櫛をルソーの目の前にぶら下げて言った。
「ルソー、なんでこんな酷いことをするんだ。悪い行いは神様が見ているぞ」
「ランベルシェ牧師、神様に誓って僕じゃありません」
「嘘を言いなさい。この部屋にはルソー、お前しかいなかったんだ。一体、お前以外誰がやるというんだ」
「誰がやったかは、分かりません。しかし、僕がやっていないのは確かです」
「そんな嘘ばかりついていると折檻だ。性根を叩き治してやる」
ランベルシェ牧師はルソーの耳をつかみ、暗い部屋に連れていき、何度もお尻をぶった。
打たれる度にルソーのお尻は赤く腫れ上がり、ひどい痛みが脳天を貫いた。
「素直に罪を認めなさい。そうすれば神様もお許しになるだろう」
「僕じゃない!」
ルソーは意地になっていた。
やってもいないことを認める訳にはいかない。なぜ、信じてくれないんだ。
「意地悪をしておいて、嘘をつき、しかも強情となるとどうにも始末にならん。罪を認めて謝らないならば、叔父を呼んでもっと厳しくしてもらわねばならんな」
ランベルシェ牧師は叔父を呼ぶと言ってルソーを脅迫した。
「僕じゃないんです。信じてください」
ルソーは涙ながらに訴えた。
しかし、牧師は全くルソーを信じなかった。
「今度は泣き落としか。そんな事で罪が許されると思うな。叔父のベルナールに手紙を書くしかないな」
ちょうど、従兄弟もランベルシェ嬢の洋服を汚してしまったという濡れ衣を着せられていたので、叔父のベルナールはカンカンに、怒ってボセーまでやってきた。
「お嬢様の櫛が折れてる!」
それは、ランベルシェ嬢がとても気に入っていた櫛で、無残にも歯がバラバラに折れていた。
「お嬢様!お嬢様!ここに置いて乾かしていた櫛が壊されています」
ランベルシェ嬢がやってきて、ルソーは問い詰められた。
「あなたがやったのね。白状しなさい」
「僕じゃない」
「嘘をおっしゃい。悪い子ね。お兄さんに言いつけて折檻してもらうわ。お兄さん! お兄さん! 来てー! ルソーがまた酷いことをしたの」
牧師がやってきた。壊れた櫛をルソーの目の前にぶら下げて言った。
「ルソー、なんでこんな酷いことをするんだ。悪い行いは神様が見ているぞ」
「ランベルシェ牧師、神様に誓って僕じゃありません」
「嘘を言いなさい。この部屋にはルソー、お前しかいなかったんだ。一体、お前以外誰がやるというんだ」
「誰がやったかは、分かりません。しかし、僕がやっていないのは確かです」
「そんな嘘ばかりついていると折檻だ。性根を叩き治してやる」
ランベルシェ牧師はルソーの耳をつかみ、暗い部屋に連れていき、何度もお尻をぶった。
打たれる度にルソーのお尻は赤く腫れ上がり、ひどい痛みが脳天を貫いた。
「素直に罪を認めなさい。そうすれば神様もお許しになるだろう」
「僕じゃない!」
ルソーは意地になっていた。
やってもいないことを認める訳にはいかない。なぜ、信じてくれないんだ。
「意地悪をしておいて、嘘をつき、しかも強情となるとどうにも始末にならん。罪を認めて謝らないならば、叔父を呼んでもっと厳しくしてもらわねばならんな」
ランベルシェ牧師は叔父を呼ぶと言ってルソーを脅迫した。
「僕じゃないんです。信じてください」
ルソーは涙ながらに訴えた。
しかし、牧師は全くルソーを信じなかった。
「今度は泣き落としか。そんな事で罪が許されると思うな。叔父のベルナールに手紙を書くしかないな」
ちょうど、従兄弟もランベルシェ嬢の洋服を汚してしまったという濡れ衣を着せられていたので、叔父のベルナールはカンカンに、怒ってボセーまでやってきた。
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